ハノイでマッサージ行くならここ|在住者も通う”外さない店”

2026.04.13
旅・ガイド

「ハローマッサー?」

ハノイの旧市街を歩いているとこんな掛け声がよく聞こえてくる。翻訳すると、マッサージどうですか?ってことだ。

ハノイで「マッサージ どこに行けばいい?」と聞かれたら、私は基本的に観光地から少し離れた店をすすめる。

理由はシンプルで、観光地のど真ん中にある店は、極論すれば質で勝負しなくても客が来てしまうからだ。リピートされなくても、明日また別の旅行者が扉を開ける。

逆に、ホアンキエムや西湖から外れた場所にある店は、現地に住んでいる外国人やベトナム人を相手にしている。一度ハズレを出せば二度と来てもらえないから、本気で質を上げる必要がある。

ただし、これはあくまで「原則」の話だ。実際にいくつかの店を回ってみると、旧市街の店でも条件次第では十分楽しめるし、リンラン通りの日本人街には日本式のおもてなしで迎えてくれる店もある。要は、目的と時間と予算によって最適な店が変わるということだ。

この記事は、観光ついでにとりあえずマッサージを受けたい人向けではない。本気でハノイの「良いマッサージ店」を探している人のためのものだ。

なお、ハノイにはいわゆる「そういう店」もあるが、この記事では一切紹介しない。紹介するのは、男性も女性も、1人でも2人でも、安心して入れるまじめなマッサージ店だけだ。


目次

ハノイ マッサージ店 比較表

ここまで紹介した4店舗を、在住者・旅行者の視点で一覧にまとめておく。どこに行くか迷ったときの早見表として使ってほしい。

店名 価格帯 エリア 特徴 個室 チップ 向いている人 総合評価
Sunny Spa 中価格帯
(350k–700k VND)
カウザイ区
(Trung Hòa)
在住者向け・技術安定
ヘアケア体験あり

(カーテン仕切り)
込み 強めマッサージ
ハズレ回避・日常ケア
★★★★★
GRAND La Maison Spa 高価格帯
(1,400k–1,500k VND〜)
ホアンキエム
(旧市街)
高級スパ・問診あり
治療系マッサージ

(カップルルームあり)
+5%税・別 初めての人
安心重視・カップル利用
★★★★☆
Fuji Wellness Center 中〜高価格帯
(1,300k VND〜+VAT)
リンラン通り
(日本人街)
日本式おもてなし
日本語メニューあり

(有料個室あり)
VAT別 日本語安心
初心者・出張者
★★★★☆
旧市街ローカル店 表示価格は高め
(300k–450k VND)
ホアンキエム
旧市街
即入店・値切り文化
当たり外れあり
事後請求あり 低予算・短時間
観光途中
★★★☆☆

目的別おすすめ早見表

店舗 こんな人におすすめ メリット 注意点
GRAND La Maison Spa ハノイ旧市街で初めてマッサージを体験する観光客 静かな空間、丁寧な接客、高級感のある体験 料金はやや高め
Sunny Spa 地元の人、コスパ重視の人 価格が中程度で安定したサービス、チップ込みの場合あり 混雑することがある
Fuji Wellness Center 日本語対応や日本式サービスを希望する人(リンラン周辺滞在者) 日本語対応、細かいケア、日本式のホスピタリティ 旧市街からやや遠い
旧市街のローカルスパ 旧市街を歩いて疲れた人、60分だけ軽くマッサージしたい人 安い・近い・すぐ利用できる サービス品質にばらつき、チップ要求あり
GRAND La Maison Spa
(カップル利用)
カップルでプライベート空間を楽しみたい人 個室あり、プライベート感が高い 料金は通常より高い

ハノイのマッサージ基本情報

具体的な店舗の話に入る前に、知っておくと選びやすくなる基本情報をまとめておく。

マッサージ店を選ぶときの3つのポイント

私がマッサージ店を選ぶときに見ているのは、シンプルに3つだ。エリアや内装、看板の派手さではない。長く通うかどうかは、結局この3点で決まる。

ひとつ目はマッサージの質。

ハノイのマッサージは店ごとの技術差が本当に大きく、同じ価格でも別物が出てくる。在住者が長く通う店は「施術が良かったからまた来た」が積み重なっている店だ。

質を見極めるポイントは、

  1. 強さの希望をきちんと聞いてくれる
  2. 施術中に手を抜く時間がない
  3. スタッフの技術が安定している

の3点。

一度行って「今日たまたまかな?」と思っても、もう一度行ってみると本当の実力がわかる。

ふたつ目は料金とチップの明朗さ。

格安すぎる店は施術の質や衛生面が不安定で、当たり外れが大きい。逆にホテルスパのような高級店は確かに快適だが、毎回行くには財布に重いし、ベトナムにいる意味が薄れる。

在住者が「日常のメンテナンス」としてリピートしているのは、ローカル価格より少し高い、いわゆる中価格帯の街スパだ。

そして同じくらい大事なのが、チップが料金に含まれているか。詳細については後述するが、ベトナムのマッサージで一番ストレスになるのはチップだ。「いくら払えばいいのか」「いつ渡せばいいのか」「払わないと変な雰囲気にならないか」──これを毎回考えるのは正直しんどい。

最初から料金にチップ込みと書いてある店は、それだけで信頼できる。価格が中価格帯でチップ込みなら、財布にもメンタルにも優しい。チップの基本的な考え方はベトナムのチップは必要?相場・ホテル・マッサージ・Grabまで完全解説にまとめてあるので、不安な人はあわせて読んでほしい。

みっつ目はスタッフの対応。

施術の技術と同じくらい、店の空気を作るのはスタッフの態度だ。これも当たり外れの大きいポイントで、ハズレの店ではこういうことが起きる。スタッフ同士が施術中もずっとおしゃべりしていて、こっちの体に集中していない。外国人客を露骨に面倒くさそうに扱う。

そして地味にきついのが、案内や指示が曖昧で「次に何をすればいいのか」がわからない時間が頻繁に発生することだ。着替えるのか、横になるのか、待つのか──放置される時間が続くと、リラックスしに来たはずがどんどんストレスに変わっていく。

逆に、長く通える店は必ずこの逆をやっている。施術中は黙って手に集中し、外国人だろうがベトナム人だろうが同じ温度で迎え、次にやることをきちんと言葉やジェスチャーで明確に伝えてくれる。特にオーナーやマネージャーが現場に立っている店は、この空気が末端のスタッフまで行き届いていることが多い。在住者が長く通う店は、必ずスタッフ対応のどこかに「気持ちよさ」がある。

この3つを満たす店が、私がおすすめしたい店の最低ラインだ。

料金相場

ハノイのマッサージは、おおまかに3つの価格帯に分かれる。

格安ローカル店(チップ別):60〜70分で200,000〜300,000 VND(約1,200〜1,800円)。旧市街やホアンキエム周辺に多い。でも、結局ディスカウントしてもらったり、チップ別だったり、なんだかんだどこに入っても300,000VND以上にはなってしまう。設備は最低限で、人や店舗によって当たり外れが大きい。また、万国共通で「安かろう悪かろう」は健在だ。観光で疲れ切った身体を癒すには十分だが、決して日本と比べたり多くを求めて入店する場所ではない。

街スパ(中価格帯):60分で350,000〜700,000 VND(約2,100〜4,200円)。チップ込みの店もある。リピートしたいと思えるのはほぼこの価格帯。

ホテルスパ・高級スパ:60分で1,000,000 VND(約6,000円)以上。5つ星ホテル併設のスパなど。日本とほぼ同じ価格なので、コスパを求めるのであれば候補に入らない。

たとえばホアンキエム周辺のマッサージ店では、フットマッサージ60分が350,000 VND(約2,100円)、ボディマッサージ60分が350,000 VND前後といった価格帯。これは観光地から少し離れた街スパと同じ値段。立地や対象(観光客)を考えると街スパより質が下がるのは当然のことだ。

しかも観光地の店の多くは、表示価格にチップが含まれていない。施術後に1時間あたり5万〜10万ドン(約300〜600円)のチップを別途渡すと、結局トータルでは在住者向けの中価格帯店と変わらないか、むしろ高くつくケースも珍しくない。

ハノイのマッサージはチップ必要?

ベトナムのマッサージでチップが必要かどうかは、店によって違う。基本パターンは3つ。

  1. チップ込み:料金に含まれていて、追加で渡す必要なし
  2. チップ別:施術後に5万〜30万ドン(約300〜1,800円)を担当者に直接渡す
  3. 明示なし:受付時やメニューに記載がない店は、念のため少額紙幣を用意しておく

不安な人は、施術前に受付で「Is tip included?(チップは含まれますか?)」と確認するのが一番確実だ。詳しいチップ事情はベトナムのチップは必要?相場・ホテル・マッサージ・Grabまで完全解説で解説している。

予約は必要か

基本的に飛び込みで問題ない。中価格帯以上の人気店は、特に夕方〜夜の時間帯は予約していった方が確実だ。

予約方法は店によって異なるが、最近はZaloやFacebookメッセンジャー、公式サイトのフォームから予約できる店が増えている。日本語が通じない場合でも、英語の翻訳をつけて送れば対応してくれる店がほとんどだ。

個室か相部屋か

ハノイのマッサージ店は、想像より相部屋が多い。完全個室を期待していくとギャップを感じるかもしれない。完全個室を求める場合は、ホテルスパか、明示的に「Private Room」を打ち出している中〜高級スパを選ぶ必要がある。

カップルや夫婦で一緒に受けたい場合は、予約時に「Couple Room」「Twin Room」があるか確認するといい。Sunny Spaは個室ではないが、相部屋に隣同士のベッドがあるので、男女一緒に施術を受けることはできる。

言語対応

「ハノイ マッサージ 日本語」で検索する人は多いが、現実的には日本語が通じる店は限られている。日本人スタッフが常駐している店もあるが、ほとんどのケースは良くて「日本語メニューがある」「片言の日本語が通じるスタッフがいる」レベルだ。

施術内容の希望(強さ、触ってほしくない場所、時間配分など)は、英語かベトナム語の単語をいくつか覚えておくと安心だ。「Strong(強め)」「Soft(弱め)」「Pain(痛い)」だけでもかなり違う。

服装と持ち物

マッサージは基本的に施術用の服に着替える。ボディマッサージなら上半身は脱いで(女性はブラジャーも外す)、下半身は使い捨てパンツか専用パンツを履く。フットマッサージならズボンだけ着替える店が多い。

貴重品の管理は店によって異なるが、ロッカーがない店もある。心配な人は最低限の現金とパスポートのコピーだけ持って、貴重品はホテルに置いていくのが無難だ。

エリアごとの特徴

ハノイのマッサージ店は、エリアによって性格が大きく違う。

旧市街・ホアンキエム周辺:観光客のメインエリア。店の数は圧倒的に多いが、当たり外れも大きい。アクセス重視ならここ。詳しくはハノイ旧市街の歩き方を参照。

西湖(タイ湖)周辺:欧米系の在住者と旅行者が多いエリア。おしゃれ系のスパが多い。

リンラン通り周辺:日本人街として知られるエリア。日本人向けに調整された店が点在する。リンランの全体像はハノイのリンラン通り(Linh Lang)で解説している。

カウザイ区トゥルンホア:在住外国人が多く住むエリア。Sunny Spaがあるのもここ。観光客は少ないが、その分「住んでいる人をリピートさせる」店が多い。

旅行者は旧市街、在住者はリンランやカウザイ──というのが大まかな住み分けだ。


1. Sunny Spa(カウザイ区トゥルンホア)──観光地から離れた場所で、ちゃんと質で勝負している店

ということで、最初に紹介するのはここ。Sunny Spa(サニースパ)。場所はカウザイ区トゥルンホア、ホアンキエム湖からは少し離れた、生活圏に近いエリアにある。前述の「在住者向けに振り切っている店」の典型例だ。

Sunny Spaの店舗外観。黄色いネオンサインが目印

外観は派手な黄色いネオンサインで、夜に通ると一発でわかる。看板にはベトナム語のほかに「ホットストーンマッサージ」「全身マッサージ」「フットマッサージ」と日本語が並び、韓国語と中国語の表記もある。この時点で「観光客じゃなく在住者を狙っている店」だとわかる。

受けたメニューと料金

筆者が受けたのは 足ツボマッサージ60分+ヘアケアパッケージ60分 の組み合わせ。料金は 760,000 VND(約4,500円)。チップ込みの明朗会計で、施術後にスタッフへ別途渡す必要はなかった。これは本当だ。メニューの表紙にもはっきり「料金にはチップが含まれております。追加のお支払いは不要です」と書いてある。

sunny spaのメニュー。チップ込みの明朗会計。

支払いは現金とQR決済(ベトナムの銀行アプリ)のみ。クレジットカードは使えなかったので、VNDを少し多めに持っていった方がいい。両替についてはこちらのハノイの両替おすすめガイドを参考にしてほしい。

当日の流れ

予約なしで行ったが、人気店で少し待ち時間があった。日本人の感覚で「予約なしでも入れるだろう」と思って行くと、待たされる可能性が高い。ホームページから予約していくのを強くおすすめする(公式サイト)。

待合スペースは深緑のベルベットチェアにラタンの壁飾り、ステンドグラス風の窓と、想像していたより落ち着いた雰囲気。観光地の格安マッサージ店とは空気がまったく違う。

Sunny Spaの待合スペース。深緑のベルベットチェアとラタン製の壁飾りが並ぶ落ち着いた空間

呼ばれて2階の施術スペースへ。個室ではなく、カーテン区切りの相部屋だ。ここは正直に書いておきたい。完全プライベート空間を期待していくとイメージが違うかもしれない。ただ、男女一緒に入れるので、カップルや夫婦で隣同士で受けることもできる(同行者がいればの話だが、これは在住者やリピーターには地味にありがたい)。

足ツボから始まるので、ズボンだけ用意された施術用パンツに着替え、仰向けで横になる。

「やけどしそうな足湯」

施術は熱いお湯に足をつけるところから始まる。ここで筆者は、油断していた。「ベトナムの足湯ってこんなもんでしょ」と高を括って足を入れた瞬間、想像の倍くらい熱い。最初の数秒は「我慢できる」と思ったが、無理だった。スタッフに笑顔で「冷ましてください」と頼んだ。

後から考えると、これがベトナム流なのか、たまたまこの日が熱めだったのかはわからない。ただ、初めての人は「熱すぎたら言っていい」と覚えておくといい。我慢する必要はない。

足ツボマッサージ──強めが好きな人には最高

足湯のあとはマッサージ本番。施術は強め。筆者は強めが好きなので大満足で、途中で完全に寝落ちした。痛気持ちいいくらいの強さで、技術もしっかりしている。

ベトナムのマッサージは店によって強さがまちまちで、当たり外れが大きい。Sunny Spaは「強め」で安定しているという印象だった。逆に、強いマッサージが苦手な人は、最初に「ソフトに」とリクエストした方がいい。

ヘアケアパッケージ──「目の掃除」という未体験ゾーン

足ツボの次がヘアケアパッケージで、筆者にとってはこちらの方が驚きが大きかった。

ヘアケアと聞くと、シャンプー+頭皮マッサージくらいを想像するだろう。実際にはそれだけじゃない。頭皮マッサージ・耳かき・目の掃除・洗顔まで含まれていた。

Sunny Spaのヘアケアパッケージ。頭皮マッサージから耳かき、目の掃除、洗顔まで含まれる

ヘアケアの時は 上半身を脱いで 受ける。これはちょっと驚きポイントなので、気になる人は心の準備をしておいてほしい。

特に衝撃だったのが「目の掃除」だ。生まれて初めての体験だった。恐る恐る目を閉じていると、丁寧に目のまわりと目元を掃除してくれる。スタッフいわく「目は相当汚れている」らしい。終わったあとの目の軽さは、確かにいつもと違った。

耳かきも、日本の耳かきとは流派が違う。ベトナム式の細かい技で、こちらも初体験だった。

ヘアケアパッケージは、正直に言うと これ目当てでもう一度行きたい と思えるくらい良かった。日本では絶対に体験できない種類のサービスで、観光客向けの記事にもまず載っていない。

スタッフとオーナーの印象

スタッフは緑のユニフォームにマスク姿で、終始まじめで丁寧だった。日本語はほぼ通じない。ただ、オーナーが千葉県に10年ほど住んでいた人で、片言の日本語が通じる。施術内容や料金の確認は、オーナーがいる時間帯ならスムーズにできる。

オーナーは終始笑顔で、人柄の良さがにじみ出ていた。施術が終わった後に「施術が悪かった場合は、遠慮せずありのままでGoogleなどで評価コメントをしてください」と言われたのも印象的だった。サービスへの自信と、改善する意欲がないと出てこない言葉でもあり、これも「また行きたい」と思えた大きな理由だ。

雑談していて印象に残ったのは、オーナーがふと漏らした一言だ。「実は、外国人のお客さんのほうが優しくて、ベトナム人を相手にするより好き」と笑いながら話してくれた。外国人は技術や接客に対して素直に感謝してくれるが、ローカル相手だと値切りや無理な要求も多いらしい。

これは観光客として一度きり立ち寄るだけでは絶対に聞けない話で、なぜこの店が外国人在住者向けに振り切っているのか、その答えが現場の本音から出てきた瞬間だった。記事の冒頭で書いた「観光地から離れた店ほど質で勝負しないといけない」という構造の、もうひとつの側面でもある。

所要時間と総評

入店から退店までトータル 約2時間半。待ち時間込みなので、施術自体は2時間ぴったり。

良かった点

  • チップ込みの明朗会計で、お金のストレスがゼロ
  • 強めの施術が安定していて、技術がしっかりしている
  • ヘアケアパッケージの「目の掃除」が独自体験として強い
  • オーナーの人柄が良く、片言の日本語が通じる
  • 多言語メニューで、メニュー選びに困らない

気になった点

  • 個室ではなく、カーテン区切りの相部屋
  • 日本語はオーナー以外には通じない
  • 人気店のため、予約なしだと待ち時間が出る
  • 観光地から離れているので、旅行者にはアクセスがやや不便

こんな人におすすめ

  • ローカル価格より少し高くてもいいから、ハズレを引きたくない人
  • チップで悩みたくない人
  • 強めの施術が好きな人
  • 在住者で、近所に通える店を探している人
  • 「日本では絶対できない体験」をしてみたい人(ヘアケアパッケージ推奨)

逆に、観光のついでにサクッと安く受けたい人や、完全個室にこだわる人には向かない。その場合は旧市街の店の方が現実的だ。

店舗情報

  • 店名:Sunny Spa(サニースパ)ハノイ店
  • 住所:16/30 Nguyễn Thị Định, Trung Hòa, Cầu Giấy, Hà Nội
  • 電話:0968 000 777
  • 公式サイト:https://sunnyspadanang.com/
  • 連絡手段:KakaoTalk / LINE / WeChat / WhatsApp(IDは店頭看板に記載)
  • 支払い方法:現金 / QR決済
  • 言語対応:日本語メニューあり、オーナーが片言の日本語OK
  • 個室:なし(カーテン区切りの相部屋、男女一緒に入室可)
  • チップ:料金に含まれる
  • ダナンにも本店あり:124 Hồ Xuân Hương, Khuê Mỹ, Ngũ Hành Sơn, Đà Nẵng

2. GRAND La Maison Spa(ホアンキエム区)──旧市街のど真ん中で、ちゃんと質で勝負している例外的な店

2店舗目は、Sunny Spaとはまったく逆の立ち位置にある店を紹介したい。GRAND La Maison Spa(グラン・ラ・メゾン・スパ)。場所はホアンキエム区の旧市街、大教会のすぐ近くというベタな観光地のど真ん中にある。

記事の冒頭で「観光地から離れた店をおすすめする」と書いたが、これはあくまで原則の話だ。旧市街にもちゃんと質で勝負している店は存在するし、そういう店は旅行者にとってむしろ便利な選択肢になる。GRAND La Maison Spaは、その「旧市街の例外」として紹介できる数少ない店のひとつだ。

どんな店か

La Maisonはハノイとホーチミンに複数の店舗を展開するスパブランドで、そのなかでもGRANDは旧市街の中心部にある本店クラスの店だ。ホテル併設スパと同じくらいの水準を目指して作られていて、街のローカル街スパとは明確に方向性が違う。

入った瞬間にわかるのは、静けさだ。旧市街のど真ん中にいるとは思えないくらい店内は落ち着いていて、アロマの香りと静かな音楽で空気が作り込まれている。ハノイの喧騒からいったん離れたい人にはこれだけでも価値がある。

受けたメニューと料金

2026年1月、筆者は同行者と2人で訪れた。2人とも90分のコースを選んで、合計の支払いは 3,000,000 VND(約17,900円)、1人あたり約1,500,000 VND(約8,900円)。筆者は ベトナム伝統マッサージの90分コース(約1,400,000 VND前後)を選んだ。

ここは前提として押さえておきたい。Sunny Spaの倍以上の価格帯で、明確に 高級スパ枠 に入る値段だ。記事冒頭の「中価格帯の街スパ」からは外れるレンジで、毎週通うような店ではない。旅行中の1回の贅沢や、特別な日の選択肢として考えるのが現実的だ。

料金には 5%のサービスチャージと政府税 が別途加算される仕組みで、メニュー表には「++」と表記されている。表示価格そのままではなく、最終的な支払いは1割ほど上乗せされると思っておくといい。

当日の流れ

予約は公式サイトのフォームから日付・時間・人数を入れて送るだけで、日本語は通じないが英語で問題なく通じる。Zaloでの問い合わせも可能だ。

入店すると、まず受付でお茶とスナックを出される。ピーナッツ菓子が地味においしくて印象に残った。その場で施術前の問診票を渡され、力加減(強め・弱め)、特に集中してほしい部位、肌のアレルギーや体調など、細かくチェックを入れていく。

この「事前に紙で希望を伝える」というステップは、他の街スパではまずやらない。旧市街のローカル店との差が一番出るのがここだと思う。言葉が通じなくても、施術に入る前に自分の希望をきちんと伝えられるという安心感がある。

2人で行ったので通された部屋は カップル用の個室 だった。ベッドが2台並んでいて、施術中も隣で静かに受けられる。Sunny Spaの相部屋とは空気がまったく違う。

施術の印象──「リラックス」よりも「治療」に近い

筆者が受けたベトナム伝統マッサージは、オイルを使った全身施術だった。力加減は最初に伝えた強めの希望通りで、90分があっという間に感じた。スタッフは施術中ほとんど話さず、手に集中しているのが伝わってくる。

同行者はタイマッサージ+ハーブ温熱を選んだ。首肩がガチガチにこっていた状態で受けたのだが、印象的だったのは、スタッフがマニュアル通りに流すのではなく、凝っている箇所を自分で探り当てて、そこを集中的にほぐしてくれた ことだ。

感想は「リラックスして眠くなる系じゃなく、痛いけど的確」。そして面白かったのがその後で、施術直後〜翌日は「まだ痛い」と言っていたのが、3日目くらいから急に肩が軽くなり、筋肉が柔らかくなった実感があったらしい。「マッサージってただのリラックスじゃなく、本当に効果があるんだ」と、その時に初めて感じたそうだ。

これは街スパの「気持ちよかった、終わり」とは明らかに質の違う体験で、施術の狙いが「一時のリラックス」じゃなく「体のメンテナンス」に置かれている店だとわかる。

ただし正直に書いておくと、スタッフによる技術のばらつきはあるらしい。これはハノイのどの店にも共通する話で、たまたま当たったスタッフで体験が変わる部分は残る。

所要時間と総評

施術90分+前後のお茶・着替え・問診で、トータル約2時間。落ち着いた空間で過ごせるので、時間を長く取るほど満足度が上がるタイプの店だ。

良かった点

  • 旧市街のど真ん中という立地の便利さ
  • ホテルスパ水準の静かな空間と、きちんとしたオペレーション
  • 事前に紙で希望を伝える仕組みがあり、言葉の壁を越えやすい
  • 問診とスタッフの対応が丁寧で、凝っている箇所を的確に狙ってくれる
  • サウナ・ジャグジーなどマッサージ以外の設備もある
  • カップル個室があり、2人で同じ空間で施術を受けられる

気になった点

  • 価格は明確に高級スパ枠(Sunny Spaの2倍以上)
  • 料金には別途5%のサービスチャージ+政府税が加算される(++表記)
  • カウザイの中価格帯の店と比べると、質が常に圧倒的に上とは限らない
  • スタッフによる技術のばらつきはある

こんな人におすすめ

  • ホアンキエム湖周辺に泊まっていて、遠くまで移動したくない人
  • 旧市街で「質が安定した店」を確実に選びたい人
  • 初めてハノイでマッサージを受ける人(問診があるので安心)
  • カップル・夫婦で一緒に施術を受けたい人
  • リラックスだけでなく、体のメンテナンスとして施術を受けたい人

逆に、コスパを最重視する人や、カウザイの中価格帯の店で十分と感じる在住者には、リピート先としては割高になる。あくまで「旧市街という立地で、質を諦めたくない場面」の選択肢だ。

店舗情報

  • 店名:GRAND La Maison Spa
  • 住所:18 – 24 Nha Chung street, Hoan Kiem ward, Hanoi
  • 電話:(+84) 243 275 0000 / ホットライン:+84 912 959 906
  • メールbooking@lamaisonspa.com.vn
  • 公式サイトhttps://lamaisonspa.com.vn/grand.html
  • 営業時間:毎日 10:00〜22:00(最終予約 21:00)
  • 予約方法:公式サイトのフォーム / WhatsApp / Zalo(+84 376 092 022)
  • 支払い方法:現金 / カード
  • 言語対応:英語OK、日本語は基本的に通じない
  • 個室:あり(カップルルームもあり)
  • チップ:基本料金に含まれない。5%サービスチャージ+政府税が別途加算される(++表記)
  • 追加設備:サウナ / ジャグジー
  • ハノイ内の他店舗:La Maison Hanoi Spa、La Maison Signature Spa(同チェーン)

3. Fuji Wellness Center(リンラン通り)──日本人街で、日本式のおもてなしを受けられる店

Fuji Wellness Centerの店舗外観。リンラン通り106番地、ゴールド文字の看板が目印

3店舗目は、ハノイの日本人街として知られるリンラン通りにある Fuji Wellness Center(フジウェルネスセンター)

Sunny Spaは「在住外国人向け」、GRAND La Maison Spaは「旧市街の高級路線」だったが、この店は 「日本人が安心できる」方向に全振りしている 点がユニークだ。メニューは完全日本語対応、問診票も日本語併記、施術後のアフターケア案内まで日本語で用意されている。月に一度、日本語の先生を招いてスタッフが日本語教育を受けているという話も聞いた。

とはいえ、スタッフが日本語をペラペラ話せるわけではない。日本語メニューがあり、基本的なやりとりができるレベルだ。ただ、それ以上に印象に残ったのは 接客の所作そのもの だった。日本のマッサージ店に来ているような丁寧さ──お茶の出し方、施術の案内、施術後のフルーツの提供まで、「おもてなし」の空気が一貫している。ベトナムのマッサージ店でこの感覚は珍しい。

どんな店か

Fuji Wellness Centerの待合スペース。朱色の柱と黒い木格子、桜柄のランタンが並ぶ和モダン空間

外観は「FUJI WELLNESS CENTER」のゴールド文字に赤基調のエントランス。リンラン通り沿い(106 Linh Lang)にあり、看板には日本語・韓国語が並ぶ。夜は大型LEDスクリーンが光っていて、一発で見つかる。

中に入ると、和モダンの空間が広がる。黒い木格子に朱色の壁、桜の花模様のランタン、壁一面の鶴の絵──日本人が見ると「和」と感じるが、ベトナム人から見ると「日本の高級感」を演出した空間だとわかる。落ち着いていて、これから施術を受ける前の気持ちの切り替えにちょうどいい。

受けたメニューと料金

Fuji Wellness Centerの日本語メニュー。Fuji Premium、ゴルファー・ジム利用者向けコース、子ども向けケアなど全て日本語で記載されている

筆者が受けたのは Fujiウェルネスコンボ──養生ヘッドスパ+ハーブボール温熱ケア(110分)。メニュー記載の料金は 1,300,000 VND(約7,800円)。ただしこの料金には VAT(付加価値税)が別途加算される ので、実際の支払いは約1,430,000 VND(約8,500円)前後になる。

価格帯としてはSunny Spaより高く、GRAND La Maison Spaに迫るレンジだ。毎週通う店というよりは、「しっかりケアしたい日」や「日本語が通じる安心感がほしい場面」で選ぶ店だろう。

メニューは豊富で、ゴルファー・ピックルボール・ジム利用者向けのエネルギー回復ケア、CO2フェイシャル(日本の技術を謳っている)、レッグリカバリーコースなど、スポーツやフィットネス文脈のメニューが充実しているのが面白い。子ども向け(5〜12歳)のケアサービスまである。

当日の流れ

ウェルカムティーとピーナッツ菓子、温かいおしぼり

入店するとすぐに待合スペースに通される。ソファに座ると、スタッフが ウェルカムティーとピーナッツ菓子、温かいおしぼり を運んできてくれる。お茶は急須から小さな湯呑みに注いでくれるスタイルで、GRAND La Maison Spaと似た所作だが、ここではスタッフの動きにより丁寧さを感じた。ピーナッツ菓子は甘すぎず、お茶と一緒にちょうどいい。

次に渡されるのが 問診票(SURVEY FORM)。これがこの店の大きな特徴で、かなり細かい。力加減は「STRONG(強め)」「AVERAGE(普通)」「SOFT(弱め)」の3段階、使用するエッセンシャルオイルは「ジンジャー」「ティーツリー」「ラベンダー」の3種類から選択、さらに 施術中の会話レベル まで「SILENT(無言)」「MINIMAL TALK(最小限)」「TALKATIVE(話したい)」の3段階で選べる。

Fuji Wellness Centerの問診票。力加減・オイル・会話レベル・重点部位まで細かく選べる

重点的にケアしたい部位は、人体図にチェックを入れる形式で、頭・首肩・腰・腕・太ももなどを直感的に指定できる。触れてほしくない部位も記入できるので、言葉が通じなくても施術前に自分の希望を全部伝えられる。この仕組みはGRAND La Maison Spaにもあったが、Fujiの方がより項目が多く、選択肢が明確だった。

施術ルームは 2台並びの相部屋 で、完全個室ではない。足元にはフットバスが置かれていて、ベッドの上にはラタンの籠が用意されている(着替えや貴重品を入れる用)。個室を希望する場合は「ロイヤルルーム」を追加料金で利用できる(1名200,000 VND、2名300,000 VND)。

施術の印象──安定感のある、丁寧な施術

ヘッドスパは頭皮をしっかりほぐすタイプで、ハーブボール温熱ケアは温めたハーブの袋を体に押し当てながら全身をほぐしていく。110分という長めの施術だが、途中でだれることなく、終始手が動いている感覚があった。

特に良かったのは、問診票で伝えた希望がきちんと反映されていたことだ。「STRONG」を選んだ通り、しっかりした圧で施術してくれた。施術中スタッフは静かに集中していて、余計なおしゃべりはない。

「飛び抜けて驚くような体験」というよりは、安定して丁寧、外れがない という印象だ。Sunny Spaのヘアケアパッケージのような「日本では絶対にできない体験」タイプではなく、「日本の良いマッサージ店に近い感覚を、ハノイで受けられる」という価値がここにはある。

施術後──フルーツとアフターケア案内

施術後のサービス。カットしたメロンとお茶、日本語のアフターケア案内が添えられる

施術が終わると、待合スペースに戻って カットフルーツ(メロン)とお茶 が出される。施術後にフルーツが出る店は、ハノイでも中〜高価格帯の店に限られる。

そしてテーブルの上に置かれていたのが 日本語のアフターケア案内 だ。「施術後は温かいお茶を飲んでください」「当日は激しい運動やサウナへの入浴はお控えください」「施術後の痛みや赤みは正常な回復反応です」「最良の効果を得るため、週1〜2回の施術をおすすめします」──といった内容が、丁寧な日本語で書かれている。QRコード付きで、ホットラインの番号も併記されていた。

こういう細部に、「日本人客を大事にしている」という姿勢がにじみ出ている。

所要時間と総評

施術110分+前後のお茶・問診・フルーツで、トータル約2時間半。

良かった点

  • 日本語メニュー・問診票・アフターケア案内まで日本語対応が徹底している
  • 問診票が非常に細かく、力加減・オイル・会話レベル・重点部位まで事前に伝えられる
  • ウェルカムティー+施術後フルーツまで含めた、一貫した「おもてなし」の空気
  • 和モダンの空間で、日本人が自然にリラックスできる
  • スポーツ・フィットネス系のメニューが充実している

気になった点

  • 価格は中高価格帯(VAT別なので表示価格+約10%)
  • 施術ルームは個室ではなく相部屋(ロイヤルルームは追加料金)
  • スタッフの日本語力は限定的(日本語メニューがあるので困りはしない)
  • 旧市街からはやや距離がある(リンラン通りまでGrabで10分程度)

こんな人におすすめ

  • 日本語のメニューや問診票で安心して施術を受けたい人
  • リンラン通り周辺に滞在していて、近くで質の良い店を探している人
  • 「日本のマッサージ店の感覚」をハノイで求めている人
  • ゴルフやジムの後にボディケアを受けたい人
  • 言葉の壁が不安で、最初の一歩を踏み出しにくい人

逆に、「ベトナムならではの体験」を求める人にはやや物足りないかもしれない。Sunny Spaのヘアケアパッケージのような異文化体験を求めるなら、そちらのほうが向いている。

店舗情報

  • 店名:Fuji Wellness Center(フジウェルネスセンター)
  • 住所:106 Linh Lang, Ba Đình, Hà Nội
  • 電話:0899 458 005
  • 支払い方法:現金 / カード / QR決済
  • 言語対応:日本語メニューあり、問診票日本語併記、スタッフは片言の日本語
  • 個室:なし(相部屋。ロイヤルルームは追加料金:1名200k / 2名300k VND)
  • チップ:料金にはVAT別途加算
  • 備考:月1回日本語教育を実施、5〜12歳の子ども向けケアあり

4. 旧市街のローカル店──歩き疲れた時にサクッと受ける選択肢

旧市街ローカル店の内装。2階部分に吊るされたカラフルなシルクランタンが旧市街らしい雰囲気を演出する

最後に紹介するのは、旧市街のど真ん中にある小さなローカルマッサージ店だ。ここまで紹介してきた3店舗とは明らかに格が違うが、目的が違えば選択肢としてはアリ だということを、実際に行って確認してきた。

店名はあえて伏せる。旧市街にはこういう店が無数にあるし、固有の店を推薦するというよりは、「旧市街のローカル店とはこういう場所で、こう使えば悪くない」という情報のほうが実用的だと思うからだ。

なぜ旧市街のローカル店をわざわざ取り上げるのか

旧市街ローカル店の店内の様子。

記事の冒頭で「観光地の店は質で勝負しなくていい」と書いた。これは原則として今も変わらない。ただ、実際に足を運んでみると、旧市街の店には旧市街の店なりの使い方がある ことがわかった。

ハノイ旧市街を何時間も歩き回って、足がパンパンになっている。ホテルに帰るまでまだ時間がある。そんなとき、Grabに乗ってカウザイまで行く気力はないし、GRAND La Maison Spaで90分コースを受けるほどの時間も予算もない。「60分だけ足を揉んでもらって、また歩き出したい」──こういうシチュエーションなら、旧市街のローカル店はぴったりだ。

受けたメニューと料金──値切りができる

旧市街ローカル店のメニュー表。フットマッサージ60分370,000 VND、ボディマッサージ60分450,000 VNDなど、表示価格は交渉で下がる

筆者が受けたのは フットマッサージ60分。メニュー表には 450,000 VND(約2,700円) と書いてあった。

ここで驚いたのだが、値切れる。「ちょっと高いな」と同行者がベトナム語で交渉したところ、あっさり 300,000 VND(約1,800円) まで下がった。旧市街のローカル店では、値切りは失礼でもなんでもない。むしろ向こうも「言い値で払ってくれたらラッキー」くらいの感覚でいることが多い。

観光客だけの場合も、英語で「Can you give me a discount?」と聞くだけで下がることがある。英語ができなくても、メニュー表を指さしながらスマホの電卓に希望金額を表示すれば伝わるので、積極的に交渉してほしい。

ただし注意点がひとつ。クレジットカード払いだと10%の税金が加算される。現金で払えばその分が丸々浮くので、ローカル店に入るなら間違いなく現金のほうがいい。

施術の印象──悪くない、が「当たり外れ」の世界

旧市街ローカル店の足湯。木桶にライムとレモングラスが浮かぶ

施術はリクライニングソファに座って受けるスタイル。足湯から始まるのはSunny Spaと同じだが、木の桶にレモングラスとライムが浮かんでいるのが旧市街らしい演出だった。

フットマッサージ自体は、正直に言うと 悪くなかった。60分しっかり手を動かしてくれて、手を抜いている時間は感じなかった。ただ、これがこの店のいつものクオリティなのか、たまたま今日のスタッフが良かったのかは、1回では判断できない。

Sunny SpaやGRAND La Maison Spaのような「確実にこの水準が出てくる」という安心感はない。それが旧市街のローカル店だ。毎日違う旅行者を相手にしているから、スタッフ側にも「この人にまた来てもらおう」というモチベーションが働きにくい。これは構造的な問題で、店が悪いわけではない。

チップ──ここが一番の落とし穴

旧市街ローカル店のレーティング用紙。施術後に50,000〜300,000 VNDの範囲でチップ金額を選ばされる

施術が終わると、レーティング用紙 が差し出される。「施術の満足度を評価してください」と書いてあるのだが、その下にチップの金額が選択式で並んでいる。50,000 VND(約300円)〜300,000 VND(約1,800円) の範囲で、どれかに丸をつけてくれ、という仕組みだ。

これが旧市街のローカル店の一番のストレスポイントだ。事前の説明は一切ない。メニューにもチップの記載はない。施術が終わった後に、いきなり「いくら渡しますか?」と紙で聞かれる。しかも最低額が50,000 VNDで、最高が300,000 VNDだ。施術料金が300,000 VNDなのに、チップが施術料と同額の選択肢がある。

同行のベトナム人が「施術後にいきなりチップを請求するのは良くない」とスタッフに伝えてくれたのだが、返ってきた答えは「インド人の欧米人のお客さんが多くて、彼らはチップを渡す文化があるから、私たちも当然のように請求するようになった」とのこと。改善される見込みはなさそうだ。

結局、現金払い+最低額チップ(50,000 VND)で合計350,000 VND(約2,100円)。これなら旧市街で歩き疲れた体をサクッとほぐすコストとしては、まあ許容範囲だろう。ただし、カードで払った上にチップを300,000 VND選んでしまうと、トータルで630,000 VNDになる。それならSunny Spaに行ったほうがいい。

所要時間と総評

施術60分+前後の足湯と着替えで、トータル約1時間15分。

良かった点

  • 旧市街のど真ん中にあるので、観光の合間にすぐ入れる
  • 値切りができる(積極的に交渉すべし)
  • 施術自体は悪くなかった(今回は)
  • フットマッサージだけなら、60分でサクッと終わる

気になった点

  • チップの請求が事後・無告知・選択式で、ストレスが大きい
  • クレジットカード払いだと10%加算される
  • スタッフの技術は当たり外れがある
  • 設備はかなりシンプル(ローカル感が強い)
  • メニュー表の価格はあくまで「言い値」

こんな人におすすめ

  • 旧市街を歩き回って足がパンパンで、今すぐ揉んでほしい人
  • 60分だけサクッと受けて、また観光に戻りたい人
  • 値切り交渉ができる(またはベトナム語が話せる同行者がいる)人
  • ハノイのローカルな雰囲気を体験してみたい人

逆に、お金のストレスなく安心して受けたい人や、質の安定を求める人にはおすすめしない。その場合はSunny SpaかGRAND La Maison Spaを選んでほしい。


マッサージ店で使える最低限のベトナム語

ちなみに、施術中に「マッサOK?」と聞かれるのはどの店も同じだ。強さ大丈夫ですか?という意味で、OKなら「OK」、強すぎたら「Nhẹ(ニェ=弱めに)」と答えればいい。

日本語や英語だけでも十分通じる店は多いが、ベトナム語の単語をいくつか知っているだけで体験の質が変わる。特に力加減や痛い場所を伝えるときは、英語より現地語のほうが早く正確に伝わる。

ここに載せたフレーズは、いずれも短くて発音も難しくない。完璧に言えなくても、単語だけ言ってジェスチャーを添えれば十分通じる。北部(ハノイ)発音のカタカナ表記を併記してあるので、そのまま使ってほしい。

力加減を伝える

  • 強めにしてください:Mạnh hơn một chút(マイン ホン モッ チュッ)
  • 弱めにしてください:Nhẹ thôi(ニェ トイ)
  • 痛いです:Đau quá(ダウ クヮー)
  • ちょうどいいです:Ổn rồi(オン ゾーイ)

「強め」「弱め」だけなら Mạnh(マイン)Nhẹ(ニェ) の2語を覚えておけば、ジェスチャーと合わせて確実に伝わる。

痛い場所や重点的にやってほしい場所を伝える

  • ここが痛いです:Đau ở đây(ダウ オー ダイ)※場所を指さしながら
  • この場所が痛い:Chỗ này đau(チョー ナイ ダウ)
  • ここを重点的にお願いします:Làm kỹ chỗ này(ラム キー チョー ナイ)

ベトナムのスタッフは指さしにとても反応してくれる。「痛い」と言いながら指でその場所を示せば、まず確実に伝わる。

温度を伝える(お湯・ホットストーン・お茶など)

  • 熱すぎます:Nóng quá(ノン クヮー)
  • もう少し温かく:Ấm hơn(アム ホン)
  • 冷たすぎます:Lạnh quá(ライン クヮー)

足湯やホットストーン、蒸しタオルの温度が合わないときに使える。筆者はSunny Spaの足湯で「Nóng quá(熱すぎる)」と伝えて冷ましてもらった。

施術中のやりとり

  • ゆっくりで大丈夫です:Từ từ thôi(トゥー トゥー トイ)
  • 大丈夫です:Được rồi(ドゥオック ゾーイ)
  • 気持ちいい:Dễ chịu(ゼー チウ)

お会計まわり

  • チップは含まれていますか?:Đã bao gồm tip chưa?(ダー バオ ゴム ティップ チュア)
  • いくらですか?:Bao nhiêu tiền?(バオ ニェウ ティエン)
  • このメニューでお願いします:Tôi chọn cái này(トイ チョン カイ ナイ)※メニューを指さしながら

特にチップ込みかどうかの確認は、知っておくと安心だ。

使い方のコツ

実際の現場では、完璧な発音を目指す必要はない。コツは3つだけ。

  1. キーワードだけ言う(「Mạnh(強く)」「Đau(痛い)」など1〜2語で十分)
  2. 指でさす(場所を示すと即座に伝わる)
  3. 表情で伝える(痛い顔、気持ちいい顔)

たとえば「Đau Đau(痛い痛い)」と言いながら肩を指さすだけで、スタッフはそこに集中してくれる。「Mạnh Mạnh(強く強く)」とジェスチャー付きで言えば、力を入れてくれる。これだけで施術の満足度がぐっと上がる。

GRAND La Maison SpaやFuji Wellness Centerのような問診票がある店では、ベトナム語が不要なケースも多い。ただしSunny Spaのような在住者向けの店、あるいは旧市街のローカル店では、ベトナム語の単語を知っているかどうかで体験がはっきり変わる。覚えておいて損はない。


よくある質問

Q. ハノイのマッサージは1人でも入れますか?

A. もちろん入れる。ベトナムのマッサージ店はカップルや家族連れも多いが、1人客もごく普通だ。男性1人、女性1人どちらも問題ない。

Q. 女性が1人でマッサージを受けても安全ですか?

A. この記事で紹介しているような、まじめなマッサージ店を選べば問題ない。Sunny SpaもGRAND La Maison SpaもFuji Wellness Centerも、女性1人客を日常的に受け入れている。注意すべきは、道で声をかけてくる店や、観光地の路地奥でやたら客引きが強い店。こういう店は避けて、事前に予約するか、この記事のような在住者レビューで挙がっている店を選べば安全に楽しめる。

Q. 女性がマッサージを受ける場合、女性スタッフを指名できますか?

A. ほとんどの店で可能。受付時に「Female therapist, please」と伝えればOK。中価格帯以上の店なら、ほぼ確実に対応してくれる。

Q. チップはいくらが相場ですか?

A. チップ込みではない店なら、1時間あたり5万〜10万ドン(約300〜600円)が一般的。チップ込みの店なら追加は不要。詳しくはベトナムのチップ完全解説を参照。

Q. 予約なしでも入れますか?

A. 基本的に飛び込みOK。中価格帯以上の人気店は、特に週末は予約推奨。

Q. 男性でも入れますか?

A. 入れます。ハノイのマッサージ店のほとんどは男性歓迎で、男性向けのコースを用意している店も多い。ただし「マッサージ」を謳いながら別のサービスを提供する店もあるので、まじめなマッサージ店を選ぶことが大事だ。観光客向けの記事にあがっているような有名店なら、まず間違いない。

Q. クレジットカードは使えますか?

A. 店によって違う。GRAND La Maison SpaやFuji Wellness Centerは使える。Sunny Spaは現金とQR決済のみ。旧市街のローカル店はカードが使えても10%の手数料が加算されるケースがあるので、現金を多めに持っていくのが安全だ。

Q. ベトナム語や英語が話せなくても大丈夫ですか?

A. 大丈夫。多くの店は外国人慣れしていて、ジェスチャーで通じる。Fuji Wellness Centerなら日本語メニューと日本語問診票があるので、言葉の壁はほぼなくなる。心配なら、Google翻訳のアプリを開いておけばまず困らない。記事の「マッサージ店で使える最低限のベトナム語」セクションで便利なフレーズも紹介している。


結論:迷ったらこう選ぶ

ここまで読んで「結局どこに行けばいい?」と迷った人のために、シチュエーション別の選び方をまとめておく。

旧市街に泊まっていて、初めてハノイでマッサージを受ける人
GRAND La Maison Spa。立地・静かな空間・問診の丁寧さで失敗しない。価格は張るが、ハノイで「最初の1回」を外したくないならここ。

在住者、あるいはコスパ重視で「ハズレを引きたくない」人
Sunny Spa。中価格帯でチップ込み、技術も安定している。日常のメンテナンスとして通える店を探しているならここ。

日本語で安心して受けたい人、リンラン周辺に滞在している人
Fuji Wellness Center。日本語メニュー・問診票・アフターケア案内まで揃っていて、日本式のおもてなし感覚で施術を受けられる。

2人で静かな個室でゆっくり受けたい人
GRAND La Maison Spa。カップル用の個室があり、隣同士で施術を受けられる。

強めの施術と、日本では絶対できない独自体験(目の掃除・耳かき)を求める人
Sunny Spa。ヘアケアパッケージは他の店では味わえない。

旧市街を歩き回って足がパンパン、60分だけサクッと受けたい人
旧市街のローカル店。値切り交渉して、現金で払って、最低チップで収めれば約2,000円。ただしチップの請求システムは覚悟しておくこと。

どの店も一長一短がある。迷ったらこの中から、自分の予算・場所・目的に合う店を選んでほしい。


おわりに

ハノイのマッサージは、観光のついでに受けるものから、生活のリズムに組み込むものまで、振れ幅が大きい。私自身は、住み始めてから「マッサージは贅沢じゃなく日常のメンテナンス」という感覚に変わってきた。

この記事は4店舗(+旧市街のローカル体験)という構成だが、今後も自分の足で行って良かった店を、ひとつずつ追加していく予定だ。星の数ほどあるリストの中から「とりあえず10店舗」と並べる記事ではなく、本当に「ここなら間違いない」と言える店だけを積み上げていきたい。

ハノイ全体の歩き方や、初めての人が知っておきたい情報はハノイ旅行攻略ガイドにまとめてある。マッサージ以外の準備も含めて確認したい人は、あわせて読んでみてほしい。

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編集者

ベトナムに魅せられた東京出身の経営者。数字よりも人の営みに惹かれ、現地のリアルを言葉で伝えている。

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