ハノイのメトロは観光に使える?2路線に乗ってわかった「正直まだ厳しい」理由【2026年版】

2026.04.08
旅・ガイド

「ハノイにもメトロ(地下鉄)があるらしい。観光に使えるかな?」

ハノイ旅行を計画している人が、ふとそう検索する。気持ちは分かる。バンコクのBTSやシンガポールのMRTのように、サクッと観光地を回れるメトロがあれば便利だ。

でも、結論を先に言わせてほしい。

2026年現在、ハノイのメトロは旅行者にとってはまだ実用レベルではない。

これは「東南アジアだから」という偏見ではなく、ハノイに住んで実際に2路線に乗ってみた者として、データと体感の両方からそう言える。理由は4つある。

  1. 主要観光地に行けない:ホアンキエム湖(旧市街)にも、ノイバイ国際空港にも、西湖にも、メトロでは直接アクセスできない
  2. 2路線がまだ接続していない:今走っている2A号線と3号線は、地理的に別の場所を走っていて、乗り換えできない
  3. 路線が郊外中心:観光客の動線とはほぼ重ならないルートを走っている
  4. 旅行者は券売機が使えない:2026年現在、券売機は現金で動かず、窓口で買うしかない

ただし、「まったく使えない」というわけでもない。条件さえ合えば、ハノイのメトロは安くて快適で、渋滞知らずの強い味方になる。

ハノイメトロ2A号線と3号線の位置関係を示すイラストマップ。2路線は物理的に接続しておらず、主要観光地(西湖・ホアンキエム湖)もメトロ沿線から離れていることがわかる


目次

ハノイメトロの現在地:2026年4月時点の運行状況

まず、ハノイのメトロが今どうなっているかを整理してみよう。「メトロ」と一口に言っても、ハノイの場合は計画と現実にかなりの差がある。

計画は「8路線」、運行中は「2路線」だけ

ハノイ市は2030年までに8路線・全長約400kmのメトロネットワークを建設する計画を立てている。だが、2026年4月時点で実際に走っているのはたった2路線だ。

路線 区間 開業 距離 駅数 状態
2A号線 Cát Linh ⇄ Hà Đông 2021年11月 約13km 12駅 全線運行中
3号線 Nhổn ⇄ Cầu Giấy 2024年8月 約8.5km 8駅 高架部分のみ運行中

3号線については、さらにCầu Giấy(カウザイ)駅からGa Hà Nội(ハノイ)駅まで延伸する計画で、その区間は地下鉄になる予定だ。

地下区間の工事は現在進行中で、2027年の開業を目標にしている(ただしこの路線はもともと2015年開業予定だったところ9年遅延して2024年にようやく現在の8駅まで運行した経緯があるため、さらなる遅延の可能性がある)。2026年4月現在Nhổn(ニョン)駅 ⇄ Cầu Giấy区間の運行のみ。

つまり、「ハノイ地下鉄」で検索する人は多いが、2026年現在、ハノイで「地下鉄」として走っている区間は1mも存在しない。今ある2路線は両方とも高架線だ。

Cát Linh駅構内に掲示されている2030年のハノイ都市鉄道計画図

2A号線と3号線は「全く別の場所」を走っている

ここが旅行者にとって一番大事なポイントだ。

2A号線と3号線は、現状では物理的に接続していない。乗り換えできる駅が1つもない。地図で見るとよく分かるが、2A号線はハノイ中心部のCát LinhからHà Đông(ハドン)区の郊外まで南西方向に伸びていて、3号線はもっと西側の郊外であるNhổn駅から東のCầu Giấy駅まで東西に走っている。

ハノイメトロ2A号線と3号線の路線図。両路線が物理的に接続していないことがわかる

将来、3号線のGa Hà Nội駅までの地下区間が完成すれば、Cát Linh駅で2A号線と交差して乗り換え可能になる予定だ。だがそれは数年先の話。今のところは、2A号線と3号線を乗り継ごうと思ったらGrab(配車アプリ)で物理的に移動するしかない

もちろん私も、Cát Linh駅からCầu Giấy駅までの移動はGrabで約15分・45,000VND(約270円)かけて移動した。


ハノイメトロが「観光に使えない」4つの理由

理由1:主要観光地に行けない

ハノイ観光の鉄板スポットを思い浮かべてほしい。

  • ホアンキエム湖と旧市街
  • 文廟(Văn Miếu)
  • 西湖(Hồ Tây)
  • ホー・チ・ミン廟
  • ノイバイ国際空港

このうち、現在運行中のメトロでアクセスできるのは文廟だけだ。しかも文廟ですら、最寄りの2A号線Cát Linh駅から徒歩約10〜15分。完全な「駅前」ではない。

ホアンキエム湖は2A号線Cát Linh駅から直線距離で約3.5km、徒歩48分、Grabで13分。これを「使える」と呼ぶのは無理がある。

ノイバイ空港に至っては、そもそも空港まで届くメトロ計画線が存在しない。現在着工している2号線(ややこしいが現在運行中の2A号線ではない)は第1期区間(Nam Thăng Long ナムタンロン ⇄ Trần Hưng Đạo チャンフンダオ)が2029年開業予定だが、ノイバイ空港までの延伸は将来の拡張計画にとどまっている。空港アクセスは今後もしばらくGrab・タクシー・空港バス一択だ。

理由2:2路線が接続していない

前述の通り、2A号線と3号線は乗り換えできない。これは旅行者にとって致命的だ。

例えば、3号線で西側のNhổnエリアを観光して、その後2A号線でHà Đông方面に行きたいと思っても、いったんGrabで移動するしかない。「メトロで移動する」というメリットがほぼ消える。

ホーチミンには2024年末に1号線が開業したが、こちらも単独路線で同じ問題を抱えている。ベトナムの都市メトロは、まだ「ネットワーク」になっていない

理由3:路線がカバーするエリアが郊外中心

2A号線のルートを見ると、Cát Linhから南西のHà Đông区まで伸びていて、終点のYên Nghĩaは完全な郊外住宅地だ。3号線も西側のNhổnは大学や住宅地のエリアで、観光スポットはほとんどない。

つまり、今のハノイメトロは「通勤・通学路線」として設計されている。郊外に住む人を中心部の手前まで運ぶことが目的で、観光客の動線とは別物だ。

Láng駅のホーム。平日午前10時過ぎだが乗客がほとんどいない閑散とした様子

私が乗ったのは平日の午前10時過ぎ。ラッシュ時を過ぎた時間帯だったが、Láng駅のホームに立ったときには、ホームに乗客は誰もいなかった。閑散とした駅の様子が、現状のハノイメトロの利用実態をそのまま物語っているように感じた。

理由4:旅行者は券売機を使えない

これは現地で実際に乗ってみて、旅行者目線で一番意外だった点だ。

2026年現在、ハノイメトロの券売機は現金での乗車券購入ができない。地元のベトナム人は銀行アプリのQRコード決済で買えるが、それを持たない旅行者は駅の窓口で直接購入するしかない

ハノイメトロの乗車券となる紙のQRコードシール。手の甲に貼って改札を通る

そして購入後、係員は紙のQRコードシールを差し出してくる。指示されるまま手の甲にシールを貼り、改札ではその手をセンサーにかざす。ちなみに、シールを手から剥がしてシールだけセンサーにかざしてもダメだった。手の甲ごとかざす方が確実だ。

降りるときはシールを貼ったまま改札を出て、後でゴミ箱に捨てる。日本のSuicaやICトークン式とは全く違う、独特な仕組みだ。

「乗車券を買う」という最もシンプルな最初のステップで、すでに旅行者にはハードルが高い。これがハノイメトロが旅行者にとって「まだ早い」と言い切れる、最大の理由かもしれない。


それでもハノイメトロが使える「3つのケース」

ここまで「使えない」と書いてきたが、まったく価値がないわけではない。在住者としての本音を言うと、条件次第では十分使えるシーンもある。

ケース1:文廟(Văn Miếu)に行きたい

2A号線のCát Linh駅は、文廟まで徒歩約10〜15分。文廟は孔子を祀ったハノイの歴史的観光スポットで、ベトナム最古の大学とも呼ばれる場所だ。

タクシーで行くより、メトロで景色を楽しみながら向かう方が旅としての体験値が高い。料金も最低約9,000VND(約55円)と激安。

ケース2:時間に余裕がある人・電車好きな人は試してもいい

純粋に「ベトナムのメトロに乗ってみたい」という鉄道好き・旅好きには、十分楽しめる体験だ。中国製の2A号線とフランス製の3号線は車両のデザインが全く違い、見比べるだけで楽しめる。1日で2路線とも乗り潰しても、合計の運賃は3〜4万VND(200〜250円)程度

ケース3:ハノイ南西郊外 Hà Đông(ハドン)方面に用事がある

これは観光客にはほぼ該当しないが、Hà Đông方面のショッピングモール(AEON MALL Hà Đôngなど)に行く場合、2A号線が一番速くて安い。Grabだと渋滞で1時間以上かかることもあるが、メトロなら25分で行ける。


ハノイメトロ vs Grab:結局どっちを使うべき?

ここまで読んで、「じゃあメトロじゃなくてGrabだけ使えばいいの?」と思った人もいるだろう。実際、ハノイの移動はGrabが主役、メトロは補助というのが現地在住者としての本音だ。両者の違いをざっくり整理しておく。

項目 Grab ハノイメトロ
カバー範囲 市内ほぼ全域+空港+郊外 2路線のみ(接続なし)
料金(5km程度) 30,000〜60,000 VND 9,000〜15,000 VND
所要時間 渋滞次第(15分〜1時間) 定時運行で安定
予約・購入 アプリで完結 窓口で現金払い(旅行者)
荷物 ドアツードアで楽 駅まで自力で運ぶ必要あり
向いている場面 空港送迎・ホテル⇄観光地・夜間 文廟・Hà Đông郊外・電車体験

料金だけ見るとメトロは圧倒的に安い(5km移動でGrabの1/4程度)。ただし、ハノイでは「駅まで歩く・待つ・また駅から歩く」というオーバーヘッドが大きく、トータルの移動時間ではGrabの方が早いケースがほとんどだ。

旅行者向けの使い分けはシンプルで、こう考えるといい:

  • Grab:「目的地に着くための手段」。空港送迎、ホテルから旧市街、夜の外出、荷物が多いときはこれ一択
  • メトロ:「乗ること自体が目的のとき」。文廟ついでの寄り道、鉄道好きの体験、Hà Đông方面のモールに行くとき

1週間のハノイ旅行なら、移動費の9割以上はGrab代になるはずだ。メトロは「1日だけ2路線乗り潰してみる」くらいの位置づけがちょうどいい。Grabの具体的な使い方・料金相場・空港送迎のコツはこちらの記事で詳しく解説している。


ハノイメトロの基本情報:料金・乗り方・運行時間

料金は距離別

ハノイメトロの料金は距離に応じて変動する。これは多くの旅行サイトで「全線一律」と紹介されているが、実際には違う。

3号線の駅間料金(窓口・現金支払いの場合)はざっくりと以下の通り:

区間 料金(窓口・現金)
隣の駅まで 約9,000 VND(約55円)
2〜3駅先 約10,000〜11,000 VND(約60〜65円)
終点まで(全線) 約15,000 VND(約90円)

Cầu Giấy駅構内に掲示されている3号線の駅間運賃マトリックス表

券売機の表示では端数(例:10,295 VND)まで出るが、現金で支払う場合は1,000 VND単位に繰り上げられる。私の場合、券売機画面では10,295 VNDと表示されていた区間が、窓口で現金払いすると11,000 VNDになっていた。

その他の券種:

種類 料金
1日乗車券 40,000 VND(約240円)
1ヶ月定期(一般) 280,000 VND(約1,670円)
1ヶ月定期(学生・労働者) 140,000 VND(約835円)

ちなみに6歳未満と60歳以上は無料。日本円にすると驚くほど安い。

運行時間

両路線とも、毎日5:30〜22:00の運行(3号線は19:30以降は15分間隔)。

時間帯 運行間隔
ラッシュ時(6:30〜9:00、16:30〜19:30) 6分間隔
通常時間 10分間隔
夜間(19:30〜22:00) 15分間隔

Láng駅入口に掲示されている2A号線の時刻表。運行時間は5:30から22:00

メトロ乗車前は「ベトナムの公共交通機関だから時間にルーズかも」と覚悟していたが、実際に乗ってみると数分の遅れはあったが、ほぼ時刻表通りに動いていた。

乗り方の流れ

ハノイメトロの乗り方を示すイラスト。窓口で購入、QRシール受取、手の甲に貼る、改札にタッチの4ステップ

  1. 駅に入る(高架駅なのでエスカレーターか階段で2階のホーム階へ)
  2. 窓口で行き先の駅名を伝えて現金支払い(券売機は現金不可)
  3. 紙のQRコードシールを受け取り、手の甲に貼る
  4. 改札のセンサーに手の甲ごとかざす
  5. ホームで電車を待つ
  6. 降車駅で改札を出るときも、同じ手の甲をかざす
  7. シールはそのまま自分で剥がして捨てる

Láng駅の券売機画面。Cát Linh駅までの料金が10,295 VNDと表示されている

券売機は表示上は英語切り替え可能だが、現金決済ができないので旅行者にはあまり意味がない。地元のベトナム人が銀行アプリのQRコード決済で使う前提の機械だ。

駅のトイレは比較的綺麗

ハノイメトロの駅構内にあるトイレ。清潔で無料で使える

ちなみに駅のトイレは比較的きれいで、無料で使える。ハノイ市内では公衆トイレが少なく、観光中にトイレに困ることが多いので、メトロの駅を「トイレ休憩スポット」として頭に入れておくのもアリだ。


中国・フランス・日本──ハノイメトロは多国籍プロジェクト

ハノイメトロは中国・フランス・日本の3か国が分担して建設する多国籍プロジェクト。2A号線は中国、3号線はフランス、2号線は日本が担当

ハノイメトロのもう一つ面白い側面が、「どの国が作っているか」だ。

路線 主導国 詳細
2A号線(運行中) 🇨🇳 中国 中国ODA、CRRC製車両(北京地下鉄車両装備製造)
3号線・高架(運行中) 🇫🇷 フランス フランスODA、アルストム製Metropolis型車両、共同事業体として日立レール(日本)も参加
3号線・地下(工事中) 🇫🇷 フランス 同上、2027年完成予定
2号線(着工) 🇯🇵 日本 Nam Thăng Long ⇄ Trần Hưng Đạo第1期、JICA・ODA、2025年10月9日起工式、2029年開業予定
1号線(計画) 🇯🇵 日本 日本支援検討中

つまりハノイの都市鉄道ネットワークは、中国・フランス・日本の3か国が分担して作っている多国籍プロジェクトだ。

2A号線(中国製)の評判と乗ってみた印象

2A号線は2011年に着工したものの、何度も延期を繰り返し、当初予定から10年以上遅れて2021年にようやく開業した。長らく「赤字続き」「乗車率が低い」と言われ続けてきた路線でもある。

2A号線の車内。緑色のつり革と座席が並ぶシンプルな内装

実際に乗ってみると、車内はすっきりしていて、緑色のつり革が印象的だ。発車・停車もスムーズで、先入観で身構えていたほどの違和感はなかった。普通のメトロとして問題なく機能している印象だ。

3号線(フランス・アルストム製)の特徴

3号線はフランスのアルストム社が手掛けたMetropolis型車両。

3号線の車内。緑色の壁、赤いつり革、黄色い座席が並ぶカラフルな内装

車内のデザインは2A号線と全く違う。緑色の壁に赤いつり革、黄色い座席というカラフルな配色。実はこのカラースキームには意味があって、シアン・ピンク・グレーの外装は「稲の苗とドラゴンフルーツ」——ベトナムの主要農産物——をイメージしているそうだ。

Nhổn駅に停車している3号線のアルストム製Metropolis型車両(赤と黄色のカラーリング)

ただし、座り心地で言うと2A号線と3号線はどちらもプラスチック製の硬い座席で、ほとんど差がない。強いて違いを挙げるなら、つり革のデザインが緑(2A号線)と赤(3号線)で違うくらい。

「フランス製の方が高品質だろう」という先入観で乗ると、特に乗客目線では2A号線と3号線の差をあまり感じないかもしれない。

日本製の路線はいつ来る?

2号線は2025年10月9日に起工式が行われ、Nam Thăng Long ⇄ Trần Hưng Đạoの第1期区間(約11km・全10駅)を2029年に開業する予定。JICA(国際協力機構)のODAローンとハノイ市予算で建設される。

ただし、この路線もノイバイ空港には直接届かず、空港までの延伸は将来の拡張計画にとどまっている。1号線はまだ計画段階だ。「日本人として日本製のハノイメトロに乗りたい」と思っても、まだ数年は待つ必要がある。


将来のハノイメトロ:2030年完成予定の8路線ネットワーク

2030年までにハノイ市が完成を目指している計画路線は以下の8つ。

  • 1号線:Ngọc Hồi ⇄ Yên Viên(南北縦断)
  • 2号線:Nam Thăng Long ⇄ Trần Hưng Đạo(第1期・着工済み、2029年開業予定/将来ノイバイ空港まで延伸計画)
  • 2A号線:Cát Linh ⇄ Hà Đông(運行中
  • 3号線:Trôi ⇄ Hoàng Mai(東西横断、現在Nhổn ⇄ Cầu Giấyのみ運行中、地下部は2027年開業予定)
  • 4号線:環状線
  • 5号線:Văn Cao ⇄ Hòa Lạc
  • 6号線:Nội Bài空港 ⇄ Ngọc Hồi
  • 7号線・8号線:補完路線

全路線が完成すれば、ホアンキエム湖もノイバイ空港も西湖もメトロでアクセス可能になる。だが、2A号線でさえ着工から開業まで10年以上かかったことを考えると、2030年までに8路線完成という目標はかなり楽観的だ。先行する2号線の2029年開業が予定通り進むかどうかも含めて、実際の完成時期は今後の工事進捗を注視する必要がある。


まとめ:ハノイのメトロは「未来への投資」段階

2A号線の高架から見えるハノイの街並みと湖。通勤路線らしい郊外の風景が広がる

正直に言うと、2026年現在、ハノイのメトロは旅行者の役にはほぼ立たない。観光地に行けず、路線同士もつながっておらず、空港にも届いていない。さらに、券売機が現金で動かないので乗車券を買うところからハードルが高い。これが現実だ。

でも、それは「ダメ」という意味ではない。むしろ、ハノイは今まさにメトロネットワークが立ち上がっていく途中の段階にあって、その過程を目撃できる貴重な時期だ。数年後には3号線の地下区間が開業し、Cát Linh駅で2路線が初めてつながる。そしてその先には、日本ODAによる2号線が旧市街のホアンキエム湖まで伸び、将来的にはノイバイ空港まで延伸される計画もある。

ハノイに住んでいる私にとって、今のメトロは「便利な乗り物」というより「街の未来を感じる装置」だ。時間に余裕があったり、電車好きな人なら、試しに乗ってみるのは悪くない。たった10,000 VND(約60円)で、ハノイという街が今どこに向かっているかが体感できる。

ただし、空港から市内へ、ホテルから旧市街へ、といった実用的な移動手段としては、まだ期待しないほうがいい。それまでは、ハノイの移動はGrabやXanh SMなどの配車アプリが主役であり続けるだろう。

旅行で「これに乗らないと困る」というレベルになるのは、先行する2号線や3号線地下部の開業進捗次第だが、早くても2030年前後、現実的には2030年代のどこかになるだろう。それまではメトロは「観光のおまけ」として、時間がある人だけが楽しめる小さな冒険として捉えるのが現実的だ。


よくある質問(FAQ)

Q. ハノイのメトロは何路線ありますか?

2026年4月現在、運行中なのは2A号線と3号線(高架部分のみ)の2路線です。8路線が計画されており、次に開業予定なのは3号線地下部(2027年予定)と2号線第1期(2029年予定)です。全路線の完成時期は流動的です。

Q. ハノイのメトロは旧市街に行けますか?

行けません。最寄りの2A号線Cát Linh駅から旧市街(ホアンキエム湖)まで約3.5km、徒歩48分・Grabで13分かかります。旧市街への移動はGrabかタクシーが現実的です。

Q. ハノイのメトロでノイバイ国際空港に行けますか?

行けません。2026年現在、空港まで届くメトロ路線は運行していません。2025年10月に着工した2号線(Nam Thăng Long ⇄ Trần Hưng Đạo、2029年開業予定)も第1期区間はホアンキエム湖方面までで、空港までの延伸は将来計画にとどまっています。空港から市内へはGrabか空港バスを使ってください。

Q. ハノイメトロの料金はいくらですか?

距離別で約9,000〜15,000 VND(約55〜90円)です。1日乗車券は40,000 VND(約240円)、1ヶ月定期は280,000 VND(約1,670円、一般料金)。6歳未満と60歳以上は無料です。

Q. ハノイメトロの運行時間は?

毎日5:30〜22:00運行。ラッシュ時(6:30〜9:00、16:30〜19:30)は6分間隔、通常時間は10分間隔、19:30以降は15分間隔です。

Q. ハノイメトロの券売機はクレジットカードや現金が使えますか?

現金は使えません。ベトナム人は銀行アプリのQRコード決済で買いますが、旅行者はそれが使えないので駅の窓口で現金払いするしかありません。窓口では英語が通じないこともあるので、行きたい駅の名前を紙やスマホで見せるのが確実です。

Q. ハノイメトロの乗車券はどんな形ですか?

紙のQRコードシールです。窓口で購入すると、係員が小さなシールを差し出してくれます。それを手の甲に貼って改札のセンサーにかざす仕組み。降りるときも同じようにかざし、シールはそのまま自分で剥がして捨てます。

Q. 2A号線と3号線は乗り換えできますか?

できません。2路線は物理的に接続していないため、乗り換えるにはGrabかタクシーで移動する必要があります。将来3号線の地下区間が開業すれば、Cát Linh駅で乗り換え可能になる予定です(2027年予定)。

Q. ハノイメトロで観光はできますか?

ほぼできません。最寄りの観光スポットは文廟(Văn Miếu)で、2A号線Cát Linh駅から徒歩約10〜15分。それ以外の主要観光地(旧市街・西湖・ホー・チ・ミン廟など)にはアクセスできません。

Q. 2A号線の「2A」とは何ですか?

「2号線A」の意味で、当初は2号線の支線として計画されたためこの名前になっています。「2号線」とはまったく別の路線なので注意してください。2号線は現在着工段階で、第1期区間(Nam Thăng Long ⇄ Trần Hưng Đạo)が2029年開業予定です。将来的にはノイバイ空港までの延伸も計画されています。

Q. 2A号線と3号線、どっちの方が乗り心地がいいですか?

実際に両方乗り比べてみたが、乗客目線ではほぼ同じ。座席は両方ともプラスチック製で硬く、長時間の乗車には向かない。違いはつり革のデザイン(2A号線は緑、3号線は赤)と車両のカラーリング(2A号線は緑、3号線はピンクと黄色)くらい。

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編集者

ベトナムに魅せられた東京出身の経営者。数字よりも人の営みに惹かれ、現地のリアルを言葉で伝えている。

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