ベトナムでの移動手段といえば、今やGrab(グラブ)が主役だ。
タクシーを探すよりGrabを呼ぶ方が早くて確実。観光客だけでなく、現地の人々の移動手段としても定着している。
アプリひとつでバイクも車も呼べて、支払いもスムーズ。Grabは乗車前に料金が確定するため、タクシーのような「メーター遠回り」や「言い値の上乗せ」といったトラブルも大幅に減る。
この記事では、実際にベトナム・ハノイでGrabを使った体験をもとに、使い方や料金、支払い方法までまとめた。
この記事でわかること
- Grab料金相場(空港〜市内・市内移動の目安)
- アプリの使い方と支払い方法(3タップで完了)
- ベトナム主要3空港(ノイバイ・タンソンニャット・ダナン)の乗り場情報
- ドライバーとの連絡・偽Grab・キャンセルなどのトラブル対策
Grab(グラブ)の料金相場は?空港・市内移動の目安
Grab料金は「距離・所要時間・その時の需要」で決まる。短距離なら数万ドン台が目安だが、雨・渋滞・夜間などのラッシュ時は20〜40%ほど上がることがある。
| ルート | 距離目安 | Grab料金の目安 |
|---|---|---|
| ノイバイ空港 → 旧市街/中心部 | 約25km | 250,000〜350,000ドン(約1,500〜2,100円) |
| 市内短距離 | 3〜5km | 40,000〜100,000ドン(約240〜600円) |
| 市内中距離 | 8〜12km | 120,000〜180,000ドン(約720〜1,080円) |
| 市内長め | 15km前後 | 180,000〜250,000ドン(約1,080〜1,500円) |
| 雨天・ラッシュ | — | +20〜40%程度 |
※換算は1円≒165VND(2026年4月時点)で計算。
ちなみに、ノイバイ空港〜ハノイ中心部の区間は86番バスを使えば50,000ドン(約300円)と、Grabの6〜7分の1の値段で移動できる。荷物が少ない一人旅やバックパッカーには有力な選択肢だ。
Grab(グラブ)アプリとは?

Grabは、東南アジア全域で展開する配車・フードデリバリー・宅配・電子決済が一体になったアプリ。日本でいえば、タクシー配車アプリの「GO」とフードデリバリーの「Uber Eats」や「出前館」を合わせたような存在。
出発地と目的地を入力すると、近くのドライバーが自動でマッチングされる。車種、ナンバー、車の色までアプリに表示されるので、どの車が自分のGrabか一目で分かる。
実際、街中でも「車がわかりにくい」と感じたことはほとんどなかった。ベトナムのように交通量が多い都市でも、この安心感は大きい。
Grab(グラブ)アプリをダウンロード
STEP1:Grabアプリをダウンロード

Apple Store や Google Play で「Grab」もしくは「グラブ」と検索してダウンロード。
STEP2:Grabアカウント作成

通知の許可設定(アプリの使用中は許可)や利用する都市(今回はベトナム-ハノイ)を選択したら、アカウントを作成します。「新規登録」から電話番号を入力し、SMSに届いたコードで認証。
STEP3:名前の登録

名前を登録します。
STEP4:支払方法でクレジットカードを登録

最後に支払方法を登録。
Grab(グラブ)アプリの使い方
次に実際にGrabアプリの使い方について解説する。解説と言っても非常にわかりやすく直感的に使えるアプリだ。
STEP1:「車」か「バイク」を選択

メニュー画面から配車を希望するアイコン「車」か「バイク」をタップ。
STEP2:目的地を選択

検索バーに目的地を直接入力したり、Googleマップの住所や名前を貼り付ける。どうしても目的地が検索に引っかからない場合は「地図から選ぶ」で直接マップから指定することもできる。
STEP3:乗車地を選択
現在の位置情報近くに自動的に青色のピンが立てられるが、なるべく正確な位置にピンを配置。
STEP4:表示された料金を確認して「予約」ボタン

配車が確定すると、ドライバーの名前・車種・ナンバーが表示される。マップ上で車の現在地もリアルタイムで追える。
予約後にドライバーから電話が来たら
配車後、ドライバーから電話がかかってくることがある。ほとんどの場合、位置確認のための連絡だが、英語が通じないドライバーも多い。電話に出てベトナム語で話しかけられても慌てなくて大丈夫。
不安であれば、予約後にGrabアプリのチャット(英語定型文)機能を使って事前にドライバーに連絡しておくと良い。
STEP5:Grabドライバーへのチップ
ベトナムにはアメリカのようなチップ文化はないが、親切な対応をしてもらったら1万ドン(約60円)程度渡すと良い。Grabアプリは支払後にドライバー評価とチップ画面が表示されるので、そのままアプリ上でチップを支払うことができる。
ちなみに、Grabのチップはプラットフォーム手数料が引かれず、100%ドライバーの手取りになる。良い対応をしてくれたドライバーへの感謝は、カード決済でも確実に届く。

Grabで現金払いはできる?
Grabは現金でも払えるが、ドライバーがお釣りを持っていないことがよくある。トラブルを避けるため、空港や市内で細かい紙幣(1万・2万・5万ドン)を作っておくとスムーズだ。
【要注意】ベトナム主要空港でのGrab乗り場と追加料金
ベトナムの空港ではGrabのピックアップ場所(乗り場)が決まっていることが多い。到着ロビー前で適当に呼ぶよりも、指定の乗り場に移動してから配車する方が確実で安全だ。
空港に到着したら、Grabの出番はすぐに訪れる。通信環境が整わないとアプリが動かないため、出発前のうちにアプリのダウンロードと登録を済ませておくのがおすすめだ。
空港を出た瞬間から、野良タクシードライバーたちの呼び込みが一斉に始まる。その勢いに負けない”強靭メンタル”がある人以外は、Grabを準備しておく方が安心だ。
ノイバイ国際空港(HAN/ハノイ)
ノイバイ空港でもGrabは呼べる。ただし到着口の前は車の停車が制限されているため、少し歩いて外のピックアップゾーンに出る必要がある。
アプリ上でピックアップゾーンを指定すれば問題ないが、待ち合わせ場所にうまく辿り着けないとキャンセル扱いになることもあるので注意。
T1(国内線)とT2(国際線)で乗り場が違う
ノイバイ空港にはターミナルが2つあり、国内線のT1と国際線のT2では配車エリアが異なる。日本からの直行便ならT2到着になるが、ベトジェットの国内線乗り継ぎなどでT1に着く場合は乗り場の位置が変わるので注意。
T2の場合:到着ロビー(1階)を出たら、柱番号を目印に待ち合わせるのが一般的だ。

柱番号はGrab画面に小さく表示されている。あとは、指定の柱番号付近でナンバープレートを探そう。

指定の柱番号の下で待っていても、自分が呼んだGrabを見つけるのは一苦労だ…。

ちなみに、アプリ上で「待機禁止エリアですので、乗車準備を…」と省略されて表示されることがあるが、これは実際には「待機禁止エリアですので、乗車準備をしてください」という意味のメッセージで、呼べないわけではない。乗車準備を整えておけば、そのまま呼んでOKだ。

ノイバイ空港からハノイ中心部までは、車でおよそ250,000〜350,000ドン(約1,500〜2,100円)が目安。渋滞や時間帯によってはこれを超えることもある。
タンソンニャット国際空港(SGN/ホーチミン)
ホーチミンの玄関口、タンソンニャット国際空港でもGrabを利用できる。
ターミナルは3つあり、国際線はT2、国内線はT1、2025年4月に新たに開業したT3も国内線ターミナルとして運用されている。T3は他のターミナルから離れており、シャトルバスでの移動が必要だ。
Grabの乗り場は各ターミナルで指定されており、国内線T1は「Lane D1」が基本。国際線T2は、到着ロビーを出て駐車場エリアがピックアップポイントとなる。T3はGrab・Beの立て看板があるピックアップエリアに向かおう。
なお、空港でのGrabBikeは「手荷物が少ない一人利用(軽いバックパック/機内持ち込み程度)向け」との案内が出ている。大きなスーツケースがある場合はGrabCarを選ぼう。
ホーチミン中心部(1区)までは距離約7km、料金の目安は100,000〜200,000ドン(約600〜1,200円)。渋滞が激しい都市なので、時間帯によっては30分以上かかることも珍しくない。
ダナン国際空港(DAD)
ダナン国際空港は他の2空港に比べてコンパクトで、Grab乗り場へのアクセスも比較的スムーズ。
国際線到着はLane 1 / Lane 2 などの指定ピックアップ地点、国内線も空港内の指定ピックアップ地点が設けられている。2025年8月時点でGrab専用の乗り場テントも設置され、8:00〜24:00はGrabスタッフが案内してくれるようになった。
ダナン市内中心部(ハン市場周辺)までは距離約2.5kmと非常に近く、料金目安は60,000〜120,000ドン(約360〜720円)。他の2空港に比べて距離も短く、料金も手頃だ。
空港共通:客引き対策と偽Grabに注意
空港出口で「Grab?」と声をかけてきて、Grabアプリの画面を見せて”これ俺でしょ?”という人がいる。だが、自分のスマホで配車していないなら、その時点でGrabではない。
中には偽のアプリ画面を見せて安い料金を提示し、最終的に高額な現金を請求してくるケースもある。自分のスマホで配車していなければ、それはGrabではない——これだけ覚えておけば引っかからない。
特に「空港を出るときの料金(駐車料・入場料など)は別で払って」と追加請求されるケースがあるので注意。対策はシンプルで、必ず自分のGrabアプリから配車し、表示される《ドライバー名・車種・ナンバー》が一致する車だけに乗ること。
もしドライバーが見つけられない場合は、Grabアプリ内のチャット機能で写真を送るのがおすすめ。周辺の建物や看板を撮って送るだけで、すぐに見つけてもらえることが多い。
また、信頼できるタクシー会社を知っておくと安心だ。ハノイでは緑の車体が目印のMAI LINH、黄色のTaxi Group、白地にG7ロゴのG7 Taxiなどが主要タクシー会社。Grabを使えないときの代替手段として覚えておくと便利だ。
乗車前にナンバープレートを写真で記録しておくのもおすすめ。
お得なトラベルパスがおすすめ
Grabを頻繁に利用するのであればぜひおすすめしたいトラベルパスという4週間有効な割引回数券がある。たった25,000ドン(約150円)で最大2,448,000ドン(約14,800円)の割引がある。

特に注目したいのは「空港ライド25%オフ」。例えば、ハノイ市内からノイバイ空港までは大体250,000〜350,000ドンなので、片道使うだけで約62,500〜87,500ドン(約375〜525円)割引がある。
たった1回使うだけで、余裕で25,000ドンの元が取れてしまうのだ。

ただし、自動で割引があるわけではないので注意が必要。Grabの配車画面で目的地と乗車地を決定したら「予約」を押す前に「オファー」から希望の割引チケットを選択するのを忘れないように。
深夜・早朝のGrab利用のコツ
Grabは24時間稼働なので、早朝のフライトや夜の到着でも使えるが、深夜はドライバー数が少なくなり、公式にも22:00〜05:59は深夜追加料金が加算されるとある。
日本ーベトナム間のフライトは早朝・深夜便が多いため、時間に余裕をもって呼ぶのがコツ。
空港送迎を事前に予約する「Grab予約機能」も活用できる。
忘れ物をしたときの対処
降車後に忘れ物に気づいたら、まずはGrabアプリの「Activity(履歴)」から該当の乗車履歴を開き、表示される案内に沿ってドライバーへ連絡する(電話・チャットなど、状況により選べる)。
時間が経ってしまった場合は、アプリ内のヘルプ(サポート)から忘れ物の問い合わせに進むのが確実。ただし、忘れ物は必ず戻るとは限らないので、降車前に「スマホ/財布/パスポート」だけは毎回チェックしておくと安心だ。
Grabバイク:渋滞知らずの最強移動手段
ベトナムではGrabバイクも非常に人気。
渋滞が多い市内では、車よりも早く到着することが多い。料金もさらに安く、通勤や短距離移動に最適だ。
ヘルメットはドライバーが貸してくれるが、日差しが強い日は帽子やマスクも忘れずに。また、時折激しく降る豪雨にも注意したい。
ラッシュ時間帯は覚悟が必要
GrabBikeは速いが、朝7〜9時と夕方16:30〜19時のラッシュ帯は別世界だ。バイクの隙間をすり抜ける運転はベトナム人にとっては日常だが、バイクに慣れていない日本人にはかなりの衝撃。初めてなら、ラッシュ時間帯を避けるか、GrabCarを選ぶのが無難だ。
移動中の空気について
ハノイ市内をバイク(GrabBike)で移動する場合、排気ガスや砂埃が気になることがある。喉を痛めないよう、現地のマスク事情や空気の汚染状況も知っておくと安心だ。
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Grabが捕まりにくい場所・時間帯
ベトナムならどこでもすぐGrabが来る——わけではない。以下のシチュエーションでは配車に時間がかかることがある。
- 週末の旧市街:金〜日曜の歩行者天国エリアは車両進入禁止のため、近くまでGrabが来られない
- 狭い路地の奥:ベトナムの路地(ヘム)は車が入れないところも多い
- 学校前の下校時間帯:送迎の車・バイクで道が塞がり、ドライバーが近づけない
現地の人は大通りまで歩いてから配車するのが基本。狭い路地や歩行者天国の中で呼んでも、ドライバーが到着できずキャンセルになることがある。アプリのピンを少し大きめの道路上にずらすだけで、マッチング率はぐっと上がる。
車の「1日貸切・時間単位で借りる」プラン
Grabで1日車を専用で使いたい、または時間単位で借りたいときは、Grabのレンタル/チャーター機能が便利だ。
例えば、線香村やバッチャン陶芸村などの郊外観光地を1日でまわるときに最適。
特に線香村はハノイ旧市街から約40km離れており、現地でGrabを呼んでも来るまでに時間がかかることがあるが、あらかじめチャーターを予約しておけば、効率よく回れる。
アプリのメニューから「車」→少し下へスクロールして「時間単位で借りる」を選ぶと、時間ごとのパッケージ料金が表示される。

表示されるベトナム語の「chỗ(チョー)」は「座席(seat)」、「tiếng(ティエン)」は「時間(hour)」の意味で、ドライバー付きの車を数時間単位でレンタルでき、燃料費込みの明朗会計。
このプランは、市内観光を数か所回るときや、出張で1日中移動があるときに特に重宝する。走行距離や滞在時間に応じて追加料金が発生することもあるため、出発前に観光ルートを共有しておけば、ドライバーも効率よく動いてくれる。

なお、チャータープランには”走行距離の上限”が設定されている。たとえば4時間パックでも走行距離は約40km程度に制限されていることがあり、上限を超えると1kmあたりで追加料金が発生する。予約前にアプリ上で最新の条件を確認し、できれば予約後にチャットでドライバーとルートを共有しておくと安心だ。
距離設定や料金は時期や都市によって変更されることがあるため、予約前にアプリ上で最新の条件をチェックしておきたい。
注意:キャンセルを繰り返すと配車できなくなることも
アプリの予約画面(進行中の配車)から「Cancel」を押せばキャンセル可能だ。ただし、短時間にキャンセルを繰り返すと、次の配車が捕まりにくくなったり、配車できない状態になる可能性がある。
公式なアカウント停止ではないが、周囲にドライバーがいるのに「ドライバーが見つかりません」と表示される”シャドーブロック”のような状態になることがある。
私も一度Grab使用中にこの画面が出て使えなくなったことがあった。幸い携帯を2台持っていたため丸一日Grabが使えないということは免れたが…読者の皆さんはくれぐれもご注意を。

もしGrabが使えなくなったら
ブロック状態になったら、まずログアウト→再ログインを試してみよう。それでもダメな場合は、MAI LINH(緑の車体)やTaxi Group(黄色)、G7 Taxiなど信頼できるタクシー会社を使うのが確実だ。
ベトナムには、beやGreen SMといった他の配車アプリもあるが、日本の電話番号だと登録時のOTP(認証コード)が届かないし、Grabのように外国人を乗せ慣れていないためか、配車の際にドライバーから頻繁に電話がかかってくるので旅行者にとっては頼りにしづらい。
少しでも料金を安くする裏技
裏技と書いておいて裏技というほどのものでもないのだが、もし中長期滞在目的でベトナム番号つきのSIMカードを取得するつもりなら、beやXanh SMを合わせてダウンロードしておきたい。
下記画像のように、同じ区間でも時間帯やタイミングによってアプリごとに料金が変わるため、その時点で一番安いアプリで配車できるからだ。Grab・be・Xanh SMの3つを並べて比較するクセをつけておくと、月単位でみると地味に効いてくる。
特にXanh SMはVinFast系のEVタクシーで、車内が新しく静か。料金もGrabより安いケースが多いので、長期滞在者には特におすすめだ。

よくある質問(FAQ)
ベトナムでGrabは安全?
基本的に安全。ドライバーの評価システムがあり、ナンバープレートと顔写真で本人確認もできる。深夜の利用も問題ないが、GrabCarのほうがGrabBikeより安心だ。
Grabの支払いは現金?カード?
現金・クレジットカード・Momo(ベトナムの電子マネー)に対応。旅行者は事前にクレジットカードをアプリに登録しておきたい。現金払いの場合は、おつりが出ないことがあるので、小額紙幣を用意しておこう。
空港からGrabでハノイ市内まで何分?いくら?
ノイバイ空港から旧市街まで約40〜60分、GrabCarで250,000〜350,000ドン(約1,500〜2,100円、1円≒165VND換算)。渋滞時は1.5倍になることもある。
Grabとbe、Xanh SMはどれが安い?
時間帯やルートによって変わる。ベトナム番号のSIMがあれば3アプリを入れて比較配車するのが最安。短期旅行者は登録のハードル(OTP受信)でGrab一択になりやすい。
ベトナムのGrabでチップは必要?
必須ではない。親切な対応をしてもらったら1万ドン(約60円)程度をアプリ内のチップ画面から渡せばOK。
まとめ:Grabがあればベトナムの移動はもう怖くない
初めてのベトナムでも、Grabさえ使えれば移動の心配はほとんどない。
車でもバイクでも、アプリで呼んで目的地を入力するだけ。料金は明確で、チップもほぼ不要。支払いも現金・カードどちらでも対応できる。
ただ、「Grabがあれば完璧」というわけでもない。ルートの確認、ナンバープレートの照合、小額紙幣の準備——ちょっとした心がけだけで、まるで現地に住んでいるかのようにスムーズに動ける。
ベトナムの街を自由に動き回る最初の一歩は、Grabをダウンロードするところから始まる。
初めての方も、この記事を参考に”ベトナムを自在に動く”体験を楽しんでほしい。