ベトナムの食べ物ガイド|ベトナム人が選ぶ有名料理ランキング・屋台文化・注意点まで

2026.03.11

ベトナム料理といえば、多くの人がまず思い浮かべるのはフォーかバインミーかもしれません。でも実際のベトナムの食の世界は、もっと広くて奥深いんです。

私はベトナムで生まれ育ち、子どもの頃からフォーや各種ブン(米麺)、素朴な家庭料理に慣れ親しんできました。ベトナム人にとっては当たり前の料理でも、日本人の友人に紹介すると「そんな料理があるんだ!」と驚かれることがよくあります。

この記事では、ベトナムの有名料理や麺料理、屋台文化、旅行時の注意点、テト(旧正月)料理、そして日本人が驚くちょっと変わった料理まで、現地在住者の視点からベトナムの食を総合的にご紹介します。


目次

ベトナム料理の特徴|日本人に伝えたい7つのポイント

ベトナム料理には、日本料理とは少し違う独自の魅力がたくさんあります。日本の方に説明するなら、次の7つのポイントがわかりやすいと思います。

味のバランスを大切にする料理

ベトナム料理の大きな特徴は、味のバランスです。しょっぱい・甘い・酸っぱい・辛い、そしてそれ以外のさまざまな味わいが、調和よく組み合わされています。

たとえばフォーやブンチャーを食べると、スープのやさしい甘み、ヌクマム(魚醤)の塩気、ライムの酸味、唐辛子の辛さを同じ一皿で感じられます。どれか一つが強すぎるということがなく、全体として味のバランスが取れているのです。

日本料理も「バランス」を大切にしますが、どちらかというと素材の味を活かすために比較的控えめな味付けが好まれます。一方ベトナム料理は、複数の調味料やハーブを組み合わせることでバランスをつくっていきます。

ヌクマム(魚醤)はベトナム料理の「しょうゆ」

ヌクマム(魚醤)は、ベトナム料理に欠かせない調味料です。日本料理のしょうゆに近い存在ですが、香りはより強く、風味も濃厚です。スープ、煮物、麺料理など、ほとんどのベトナム料理に使われています。

つけダレ文化——料理の味を完成させる「魂」

ベトナムのヌクチャム。ライム、唐辛子、にんにくなどから作るつけダレ

ヌクマムはさまざまなつけダレに姿を変えます。基本のつけダレ(ヌクチャム)はライム、砂糖、にんにく、唐辛子から作られ、料理ごとに味の配分が調整されます。ブンチャー、ネムザン(揚げ春巻き)、ゴイクオン(生春巻き)には、それぞれ専用のつけダレがあります。

ベトナム料理において、つけダレは料理の味を仕上げる「魂」とも言える存在です。

たっぷりのハーブを使う

ベトナム料理を試した海外の方がよく驚くのが、ハーブの豊富さです。パクチー、ミント、シソ、タイバジル、レタスなど、さまざまな種類のハーブが使われます。

ハーブは単なる飾りではなく、料理の味を決める重要な要素です。フォーに加えたり、ライスペーパーで肉や麺と一緒に巻いたりと、いろいろな使い方をします。日本では野菜は加熱することが多いですが、ベトナムには生で食べる文化があり、これが料理に爽やかさと軽やかさを与えています。

新鮮な食材を大切にする文化

ベトナムでは、新鮮な食材がとても大切にされます。今でも多くの家庭が、ほぼ毎日市場に出かけて、新鮮な野菜・肉・魚を買って料理をします。油や肉を使いすぎず、野菜やスープと味のバランスが取れているので、軽くて食べやすいと感じる方が多いです。

「ベトナム料理なら毎日食べても飽きない」と話す日本人旅行者も珍しくありません。

地域で味が違う——北部・中部・南部

ベトナムは南北に細長い国なので、地域ごとに食文化が大きく異なります。

  • 北部料理:味付けは控えめでバランス重視。素材の自然な味を活かした料理が多い(例:ハノイのフォー、ブンチャー)。
  • 中部料理:味が濃く辛めの料理が多い。見た目の美しさも重視される(例:ミークアン、ブンボーフエ)。
  • 南部料理:やや甘めの味付け。ココナッツミルクを使う料理が多く、ボリュームもたっぷり(例:フーティウ、コムタム)。

食材における「陰陽のバランス」という考え方

ベトナム料理には古くから「陰陽のバランス」という考え方が受け継がれています。体を冷やす性質(陰)の食材と、体を温める性質(陽)の食材を組み合わせて料理を作るのです。

たとえば、海鮮料理にはしょうがやレモングラスなど体を温めるスパイスがよく添えられます。バロット(孵化途中のアヒルの卵)にはラウザム(ベトナムコリアンダー)としょうがを添えて食べます。長年の経験から生まれた食の知恵です。


ベトナムの有名料理ランキング10選|現地で最も愛されている料理

ベトナム人に「ベトナムの有名料理は?」と聞けば、ほとんどの人がすぐにいくつかの料理を挙げられます。ここでは、現地在住者の視点から、ベトナムの代表的な料理をランキング形式でご紹介します。

第1位:フォー(Phở)——ベトナムを代表する国民食

フォーはベトナムで最も有名な料理です。米粉から作られた平打ちの麺に、牛骨や鶏ガラで長時間煮込んだスープを合わせます。

フォーで最も大切なのはスープです。朝早くから何時間もかけて骨を煮込み、シナモン、八角、焼いたしょうがや玉ねぎといったスパイスを加えることで、フォー独特の、控えめながら印象的な香りが生まれます。

食べるときは、ライム、唐辛子、ヌクマムを好みで加えます。地域によってはタイバジルやもやしといったハーブを添えて出されます。

ベトナムでは、フォーは朝食として非常に一般的な料理です。特にハノイには早朝から営業している小さなフォー屋がたくさんあり、朝から大勢のお客さんで賑わっています。

私も子どもの頃、学校に行く前に両親に連れられて、近所のフォー屋さんに行くことがありました。静かな朝の時間に、湯気の立ち上る熱々のフォーを食べる——これは多くのベトナム人にとって、温かい記憶です。

北部と南部のフォーの違い:ハノイのフォーは淡白でスープ本来の味を活かしています。南部のフォーはやや味が濃く、たっぷりの生野菜と一緒に食べるのが一般的です。

第2位:バインミー(Bánh Mì)——ベトナム独自のサンドイッチ

バインミーは、フランスのバゲットがルーツでありながら、ベトナム人が独自に発展させた料理です。外はカリッと香ばしく、中はふわっと柔らかいのが特徴。かじると心地よい音がします。

バインミーの一番の魅力は、具材のバリエーションの豊富さです。パテ、ハム、チャー(ベトナム風ソーセージ)、焼き豚、卵などのメイン具材に、きゅうり、にんじんと大根のなます、パクチーなどが組み合わされます。ヌクチャムやヌクマムを少し加えると、全体の味がまとまります。

ベトナム バインミー パテ 野菜 サンドイッチ

バインミー屋のメニューを見ると、選択肢がたくさんあります。パテバインミー、卵バインミー、焼き豚バインミー、特製バインミー(バインミー・タップカム)など。自分の好みで具材を組み合わせられるのも楽しさのひとつです。

最近人気のある食べ方は、「バインミー・チャオ」です。小さな熱々の鉄鍋に、目玉焼き、パテ、ソーセージなどの具材を盛り付け、バインミーをちぎって具材やソースにつけて食べます。ハノイの旧市街(フォーコー)、特にハンボン通り周辺で有名です。

ベトナム人にとって、バインミーは忙しい朝の救世主。通勤途中に一つ買えば朝食には十分です。焼きたてのバインミーを片手に、賑やかな街を歩きながら食べるのは、まさにベトナムらしい体験です。

第3位:ブンチャー(Bún Chả)——ハノイの定番ランチ

ブンチャーはハノイを代表する料理で、ブン(細い米麺)、炭火焼きの豚肉、甘酸っぱいつけダレの3つの要素で構成されています。

豚肉は2種類あります。薄切りのバラ肉と、ひき肉を丸めたつくね状のもの。ヌクマム、砂糖、にんにくで下味をつけ、炭火で香ばしく焼きます。ランチタイムにハノイを歩くと、このお肉を焼くおいしそうな香りに出会えて、「近くにブンチャー屋さんがあるな」とすぐわかります。

食べ方は、箸でブンを少しずつ取り、焼いた肉の入ったつけダレにつけていただきます。レタス、パクチー、シソ、ミントなどの生野菜と一緒に食べるのが一般的です。

2016年、当時のオバマ大統領とアンソニー・ボーディン氏がハノイのお店でブンチャーを食べたことで、そのお店は世界的に有名になりました。その店は今でも「ブンチャー・オバマ」として親しまれ、多くの海外からの観光客を集めています。

第4位:ネムザン(Nem Rán)——ベトナムの揚げ春巻き

ネムザンは「ベトナムの春巻き」として世界中で知られています。豚ひき肉、春雨、きくらげ、にんじんなどの具材をバインダーネム(薄いライスペーパー)で巻き、カリッと揚げたものです。

ベトナムでは、ネムザンをそのまま食べることはあまりなく、レタスやハーブと一緒に巻き、甘酸っぱいつけダレにつけて食べるのが一般的です。カリッと揚がった春巻き、みずみずしい生野菜、コクのあるつけダレの組み合わせが魅力です。

ネムザンは、テト(旧正月)や家族の集まりの定番料理でもあります。家族みんなでテーブルを囲み、具材を混ぜたり、皮で巻いたりと、役割分担しながら一緒に作る——おいしいだけでなく、家族との温かい記憶がよみがえる料理です。

第5位:ブンボーフエ(Bún Bò Huế)——中部を代表する濃厚でスパイシーな麺料理

ブンボーフエは古都フエ発祥の麺料理で、フォーとはまったく違った個性を持ちます。濃厚で芳醇な味わい、そしてほどよい辛さが特徴です。

ブンボーフエ 辛い麺 レモングラススープ

丸くて太めの米麺に、牛骨と豚骨でじっくり煮込んだスープを合わせます。味の決め手はレモングラスと唐辛子。レモングラスの爽やかな香りと、食欲をそそる辛さが絶妙に調和します。

具材は牛肉、豚足、かにつみれ、フエ風さつま揚げなど豊富です。サテ(唐辛子ペースト)を加えれば、さらに味が深まります。

フォーが軽やかで優しい味わいなら、ブンボーフエは濃厚で食べごたえのある一皿。肌寒い日に熱々のブンボーフエを食べると、体が温まり、とても心地よい気分になります。

第6位:バインセオ(Bánh Xèo)——ベトナム風クレープ

「バインセオ」という名前は、熱いフライパンに生地を流し込んだときの「ジュー(xèo)」という音に由来します。

バインセオは、ターメリックを加えた米粉生地の鮮やかな黄色が印象的で、中にエビ、豚肉、もやしなどの具材を包んでカリッと焼き上げます。

ベトナム バインセオ クレープ エビ 豚肉

日本の方からよく「お好み焼きみたい」と言われますが、バインセオは薄くてパリッとしていて、ライスペーパーやレタス、ハーブと一緒に巻いて、ヌクマムにつけて食べるのが大きな違いです。

家族や友達と一緒にバインセオを巻きながら過ごす時間は、食卓をとても賑やかにしてくれます。

第7位:コムタム(Cơm Tấm)——サイゴンの定番朝食

コムタムはホーチミン(サイゴン)を代表する料理です。「タム」とは、精米の過程で砕けてしまったお米のこと。かつては栄養価が低いとされていたお米ですが、工夫を凝らすことで、おいしい料理へと生まれ変わりました。

コムタム・サイゴン(焼き豚のせご飯)

この一皿には、砕き米、焼き豚、細切りの豚皮、厚焼き卵のようなチャーが盛り付けられます。漬物、ネギ油、甘酸っぱいつけダレと一緒に食べると、絶妙なバランスの味わいになります。

私もサイゴンに行くたびに、コムタムを食べるのが楽しみです。道端の小さなお店で、炭火の煙と肉を焼く音を見聞きするだけで、もうお腹が鳴ってしまいます。

第8位:バインクオン(Bánh Cuốn)——ハノイの繊細な蒸し春巻き

バインクオンは、ベトナム北部、特にハノイで人気のある朝食料理です。

ハノイのバインクオン。豚ひき肉ときくらげを包んだ蒸し春巻き(朝食)

細かく挽いた米粉から作る薄い生地を蒸して、中に豚ひき肉ときくらげの具を包みます。ベトナム風ソーセージ(チャールア)、フライドオニオン、つけダレと一緒にいただきます。

口に入れると、生地はふんわりと柔らかく、口の中でとろけるような食感。お米のほのかな香りが広がります。

子どもの頃、母が家族のためにバインクオンを作ってくれることがありました。できたての熱々バインクオンを家族で囲んだ、温かい思い出が今も大切に残っています。

第9位:チェー(Chè)——ベトナムの甘いスイーツ

チェーはベトナムの甘いデザートの総称です。豆、もち米、果物、ゼリー、ココナッツミルクなどの材料から作られ、本当にたくさんの種類があります。たとえば、チェー・ダウサイン(緑豆のチェー)、チェー・ダウドー(小豆のチェー)、チェー・バップ(とうもろこしのチェー)、チェー・タップカム(ミックスチェー)など。

チェーの魅力は、温かくても冷たくても楽しめるところ。暑い夏の日には氷を入れた冷たいチェーを、肌寒い日には温かいチェーで体を温める——そんな楽しみ方ができます。

第10位:家庭料理——ベトナム食文化の素顔

ベトナム料理は、有名料理だけではありません。家庭の食卓に並ぶ素朴な日常料理こそが、本当のベトナムの食文化を映し出しています。

一般的な家庭料理は、白いご飯、肉か魚のメインおかず、スープ、野菜料理1〜2品で構成されます。すべてのおかずを一度に食卓に並べて、家族みんなで取り分けながら食べます。

ベトナムの家庭料理、家族の食事

代表的な家庭料理をいくつかご紹介します。

  • カーコー(Cá Kho):魚をヌクマムと砂糖でじっくり煮込んだ料理。
  • ティッコー(Thịt Kho):豚肉のヌクマム煮。卵を加えることもあります。
  • カインチュア(Canh Chua):タマリンドとパイナップルの酸味が効いたスープ。
  • ラウムオン・サオトイ(Rau Muống Xào Tỏi):空芯菜のにんにく炒め。そのほか、オムレツや揚げ豆腐なども定番です。

これらはレストランのメニューや旅行ガイドブックには載っていないかもしれません。でもベトナム人にとっては、子どもの頃から食べてきた、家族の思い出が詰まった料理なのです。

フォーやバインミーが「外から見たベトナム料理」の代表だとすれば、家庭の食卓に並ぶ素朴な料理こそが「ベトナム食文化の素顔」と言えるでしょう。


ベトナムの麺料理の種類|フォーだけじゃない!5種類を比較

日本の方がベトナム料理で驚くのは、麺料理のバリエーションの豊富さです。同じ米の麺でも種類がたくさんあり、それぞれまったく違う料理に仕上がります。

ベトナム人にとっては、朝はフォー、昼はブン、夜はフーティウを食べることもごく普通のこと。でも海外の友人に話すと、ベトナムの麺料理の多さにびっくりされます。

フォー(Phở)——白くて平たい柔らかい麺

米から作られた白くて平たく柔らかい麺です。牛骨や鶏ガラを長時間煮込んだスープと合わせて食べます。ベトナムで最も有名な麺料理で、特に朝食として親しまれています。

ブン(Bún)——丸くて細い、最も万能な麺

フォーよりも細くて丸い麺です。ベトナム料理で最もよく使われる麺と言ってもいいかもしれません。

スープと合わせる料理(ブンボーフエ、ブンリエウ)もあれば、スープなしで食べる料理(ブンチャー、ブンティットヌン)もあり、とても幅広く使われます。たっぷりの生野菜と一緒に食べるのが、伝統的なスタイルです。

ミークアン(Mì Quảng)——太くて黄色い、混ぜ麺

ベトナム中部、特にクアンナム省やダナンで有名な麺料理です。フォーよりも少し太めで厚みがあり、ターメリックで淡い黄色をしています。

最大の特徴は、スープの量がとても少ないこと。丼の底に少しだけスープが入っていて、エビ、豚肉、ゆで卵、ローストピーナッツ、揚げたライスペーパーなどをよく混ぜてから食べます。見た目はスープ麺のようでいて、実は混ぜ麺に近い料理です。

フーティウ(Hủ Tiếu)——南部を代表する透明でコシのある麺

南部で広く食べられている麺で、中国の食文化の影響を受けています。麺は透明感があり、心地よい弾力が特徴。

あっさりしたスープの「フーティウ・ヌオック(hủ tiếu nước)」と、濃厚なつけダレの「フーティウ・コー(hủ tiếu khô)」の2種類があります。南部では、夜になると小さなフーティウの屋台が通りに並びます。

バインカン(Bánh Canh)——太くてもちもちの麺

他のベトナム麺料理とはまったく違う見た目と食感を持つ、太くてもちもちした麺です。米粉やタピオカ粉から作られ、スープは濃厚でやや粘度があり、エビ、魚、豚肉、かになどと合わせて食べます。

バインカン・クア。ベトナム料理、太くてもちもちの麺に濃厚なスープ

南部ではカニのバインカン(バインカン・クア)が有名です。雨の日や、こってりした味わいが恋しいときに選ばれる料理です。

ベトナム麺料理一覧

麺の名前 形状 特徴 代表的な料理
フォー(Phở) 平たく柔らかい あっさりスープ フォーボー、フォーガー
ブン(Bún) 細く丸い 万能に使える ブンチャー、ブンボーフエ
ミークアン(Mì Quảng) 太くて黄色い 混ぜ麺スタイル ミークアン
フーティウ(Hủ Tiếu) 透明で弾力あり 中華の影響 フーティウ・ナムヴァン
バインカン(Bánh Canh) 太くてもちもち 濃厚スープ バインカン・クア

ベトナムの屋台文化|現地の人の日常の食習慣

ベトナムを訪れた海外の方に強い印象を残すのが、屋台・路上食文化です。ハノイやホーチミンの街を少し歩くだけで、小さな食堂、屋台、路上レストランにすぐ出会えます。

ベトナムでは「おいしい料理」=「大きなレストラン」ではない

ベトナムの有名料理の多くは、大きなレストランではなく、道端の小さなお店で売られています。歩道に小さなテーブルと低いプラスチックの椅子が並んでいるだけの、とてもシンプルな店構え。でも、そこで出される料理は驚くほどおいしいのです。

現地の人の日常の食習慣

ベトナム人にとって、外食は日常の一部です。通勤や通学の前に熱々のフォーを一杯食べ、昼はブンやバインミーでさっと済ませ、夜は小さな路上レストランで食事する——そんなスタイルが一般的です。

私の家でも、家で料理して一緒に食べることが多いですが、週に2〜3回は外食もします。面白いのは、大きなレストランよりも、道端の小さなお店のほうが好まれること。低いプラスチックの椅子に座って、行き交う人を眺めながらくつろいだ雰囲気で食事するのが、心地よいのです。

屋台のおやつも魅力的

ベトナムには、魅力的な屋台スナックもたくさんあります。

  • バインチャンチョン(Bánh Tráng Trộn):ライスペーパーの和え物
  • ネムチュアザン(Nem Chua Rán):発酵ソーセージのフライ
  • 串焼き
  • バインザン(Bánh Rán):ドーナツのような形の揚げ菓子
  • チェー(Chè)

ベトナム ストリートフード おやつ 屋台 バインザン ネムチュアザン 串焼き

私は夕方や夜、散歩や友達と出かけたときに、こうしたスナックをよく食べます。おしゃべりしながらつまむ——シンプルだけど、日常のちょっとした楽しみです。

屋台の価格はとてもリーズナブル

ベトナムの屋台料理はとても手ごろな価格です。少額でおいしくお腹いっぱい食べられるので、観光客だけでなく、ベトナムの人々にも広く親しまれています。ベトナムの物価については「ベトナムの物価は日本と比べてどれくらい安い?」もご覧ください。

もちろん、ベトナム人が毎日外食するわけではありません。家で料理をして家族と食べる時間も大切にしています。でも、道端の小さなお店でときどき食事するのは、生活の自然な一部。本当においしいのは、高級レストランではなく、道端の小さなお店にある——これはよく言われることです。ハノイで屋台を巡るときは、ハノイのGrabアプリを使うと移動がとても便利です。


ベトナム旅行での食の注意点|現地在住者のリアルな声

「ベトナムの食事で気をつけることは?」——日本人の友人からよく聞かれる質問です。水、氷、生野菜には気をつけたほうがいい、と聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。

結論から言えば、「生水を避ける」「現地の人に人気のお店を選ぶ」「加熱した料理から始める」——この3つを押さえておけば、それほど心配する必要はありません。

過度に心配する必要はありません

私の感覚では、新しい国で食事に少し気をつけるのは普通のこと。ベトナム人だって、海外旅行に行くときは同じように気をつけます。でも、必要以上に怖がらなくても大丈夫です。

ベトナムでは多くの人が毎日外食していて、屋台料理は生活の一部。清潔そうで、現地の人で賑わっているお店を選べば、安心して食事を楽しめます。

日本人の友人とのおもしろエピソード

以前、日本人の友人と街を歩いていたときのこと。屋台で料理が作られている様子や、プラスチック椅子に座って食事している人たちを見て、彼は冗談めかしてこう言いました。

「ベトナム人、こんな食べ方してたら早死にしちゃうよ」

最初、彼は屋台にまったく興味を示していませんでした。でもベトナムに住んでしばらくすると、だんだん気になり始め、ついに一緒に試してみたら——今度は彼のほうが屋台に寄りたがるようになりました。

実際に体験してみると、小さな路上のお店には、素朴だけれど独特の魅力があることに気づくんです。

水と氷について

今はほとんどの飲食店で使われる氷は、専門の工場で作られたもので比較的安全です。もっと気をつけたい方は、ボトル入りの水を選んだり、飲み物に氷を入れすぎないようにするといいでしょう。

生野菜について

ベトナム料理では生野菜が本当によく使われます。フォー、ブン、生春巻きにもたっぷり添えられます。ベトナム人は子どもの頃から慣れ親しんでいますが、初めてベトナムに来る方は、最初は少量から試したり、清潔で信頼できるお店を選ぶといいと思います。

お店選びのコツ

ベトナムで外食するときに一番大切なのは、現地の人で賑わっているお店を選ぶこと。お客さんが多いお店は、料理がおいしくて信頼できる証拠です。

私自身、子どもの頃から道端の小さなお店でよく食事してきましたが、深刻な問題に出会ったことはほとんどありません。あまり心配しすぎず、いろいろな料理を試して、ベトナムの食の豊かさを楽しんでいただけたらと思います。


ベトナムのテト料理|新年を迎える特別な料理

ベトナム人にとって、テト(旧正月)は家族が集まり、伝統料理を囲む特別な時間です。テトについてもっと知りたい方は「ベトナムのテト(旧正月)とは?」の記事もぜひご覧ください。多くの家庭では、テトの数日前から準備が始まり、台所は忙しくも楽しい雰囲気に包まれます。

バインチュン——テトの象徴

テトで最も有名な料理は、バインチュン(Bánh Chưng)です。

バインチュン テト 旧正月 家族料理

バインチュンは、もち米、緑豆、豚肉をラードン(バインチュン用の葉)で四角く包み、長時間煮込んで作ります。ベトナムの伝統では、バインチュンは「大地」を象徴する料理とされ、テトに欠かせない存在です。

南部には、似た料理でバインテット(Bánh Tét)というものがあります。材料はほぼ同じですが、形は細長い円筒状です。

多くの家庭にとって、テト前のバインチュン作りは大切な行事。夕方から家族で集まり、おしゃべりしながら包み、ときには大きな鍋でひと晩かけて一緒に煮込みます。鍋の火を囲んで家族と過ごす時間——これは多くのベトナム人にとって、大切にしたい子どもの頃の思い出です。

テトで食卓に並ぶ伝統料理

バインチュン以外にも、テトの食卓にはさまざまな料理が並びます。

  • ティッコー・チュン(Thịt Kho Trứng):豚肉と卵をココナッツジュースで煮込んだ料理。ほんのり甘く、ご飯によく合います。
  • ゾールア(Giò Lụa):豚肉をすり潰してバナナの葉に包み、ゆでたハム。
  • ティッドン(Thịt Đông):北部スタイルの肉の煮こごり。紅葱のピクルスと一緒に食べます。
  • ネムザン(揚げ春巻き)
  • カインマン(Canh Măng):たけのこスープ
  • 各種野菜炒め

すべてが食卓に並ぶと、テトの宴会はとても華やかで豊かなものになります。

来客をもてなすお菓子とお茶

テトには、年始の挨拶に来る人に、熱いお茶とムット(各種砂糖漬け菓子)を振る舞う習慣があります。ムットには、ココナッツのムット、しょうがのムット、冬瓜のムット、蓮の実のムットなど、たくさんの種類があります。

テト後の楽しみ:バインチュン・ラン

テトのあと、残ったバインチュンを切って焼くことがよくあります。外側はカリッと香ばしく黄金色に、中はもちもちのまま。テト明けのバインチュンのおいしい食べ方です。

テト料理の味は、家族の思い出と深く結びついています。新年が近づくと、バインチュンや他の馴染み深い料理の香りが漂い、「ああ、いよいよテトが来たな」と感じさせてくれます。だからこそ、どんなに忙しくても、多くのベトナムの家庭は毎年伝統のテト料理を大切に作り続けているのです。


日本人が驚くベトナム料理|ちょっと変わった料理の真実

ベトナム料理には、フォーやバインミーのような有名料理のほかに、日本人を驚かせるような料理もあります。「ベトナム人、本当にあんなの食べるの?」「みんな食べてるの?」とよく聞かれます。

答えは、「確かに存在するけれど、ベトナム人みんなが食べているわけではない」です。

バロット(Trứng Vịt Lộn)——孵化途中のアヒルの卵

最も有名な例がバロット(ベトナム語ではチュンヴィットロン)です。孵化途中のアヒルの卵をゆでたもので、塩、しょうが、ラウザム(ベトナム風コリアンダー)を添えて食べます。ベトナム人にはお馴染みで、栄養価が高いと言われています。

日本人の友人から聞いた面白いエピソードがあります。彼女はベトナムに来たばかりの頃、マッサージ店の人に出されたものを、何かわからないまま食べたのだそうです。翌日、私に「あれ何だった?」と聞いてきて、バロットだとわかると「最初から知ってたら食べなかったかも」と言いました。でも今では、「ベトナムで一番忘れられない体験」と笑いながら話してくれます。

犬肉、猫肉、フィールドマウス(野ネズミ)

こうした食文化はベトナムの一部の地域に存在しますが、ベトナム人全体に広く共通するものではありません。

  • フィールドマウス(野ネズミ):主にメコンデルタ南部の農村地域で見られます。都市部の人の多くは食べたことがありません。
  • 猫肉:一部の地域には存在しますが、一般的ではなく、社会的にも議論のある話題です。若い世代を中心に、猫肉を食べることに反対する人が増えています。
  • 犬肉:かつて北部では比較的よく食べられていましたが、日常的な食事ではなく、寒い季節や特別な機会に食べられる程度でした。自分のペットを食べるようなことは極めてまれです。近年では、犬を家族の一員として考え、食べない人が増えています。

ベトナム人の多くは食べていません

私自身は、犬肉、猫肉、フィールドマウスを食べたことはないですし、これからも食べるつもりはありません。バロットも、黄身の部分だけ食べています。それ以外はあまり好みではありません。

人それぞれ食習慣や好みは違います。正直なところ、「確かにベトナムにある料理だけれど、ベトナム人みんなが食べているわけではないし、日常的な食事でもない」というのが実情です。

ベトナムを訪れる旅行者の方が、こうした料理を必ず試す必要はまったくありません。フォー、ブン、バインミー、海鮮料理など、食べやすくておいしい料理だけでも、十分にベトナムの食文化を楽しめます。


ベトナムと日本の食文化の違い|現地で暮らして気づいた5つのこと

ベトナムの食について語るとき、料理そのものだけでなく、食習慣や食文化の違いも興味深いテーマです。私は日本に5年ほど住んでいたことがあるので、両方の文化を体験した立場から、いくつかの気づきをお話しします。

1. 料理をみんなでシェアする

ベトナムでは、料理を食卓の中央に並べて、みんなで取り分けて食べるのが一般的です。周りの人に料理を勧めたり、「もっと食べて」と声をかけたりするのもごく普通。一人ひとり個別にお膳で出される日本のスタイルとは、かなり違います。

2. 食事中の雰囲気が賑やか

ベトナムの家族の食事はとても賑やかで楽しい雰囲気です。食事中にたくさん話します——仕事のこと、その日あった出来事、ただのおしゃべり。日本ではどちらかというと食事中は静かで、料理に集中することが多いですが、ベトナムではリラックスした雰囲気の中で、自然に会話が弾みます。

3. 食事中のスマートフォン使用

現代のベトナムでは、食事中にスマートフォンを使うことは珍しくありません。家族に電話したり、食事の様子を撮って友達に送ったり。ベトナム人にとっては違和感がないことですが、日本では食事中のスマホは失礼とされがちです。

4. 食べ残しの文化

日本では、お皿の料理を全部食べきるのが礼儀とされ、料理を作ってくれた人への感謝の表現でもあります。

一方ベトナムでは、食卓にちょっと料理が残っているほうが「十分食べた、みんな満腹になった」という意味に解釈されることがあります。もちろん今のベトナムでも食品ロスへの意識は高まっていますが、文化の違いを感じる部分です。

5. 食への愛は共通している

食習慣に違いがあっても、ベトナムも日本も食事を大切にする気持ちは共通しています。どちらの文化でも、食事は家族や友人との絆を深める大切な時間です。

日本からベトナムに来た方は、食のスタイルの違いに気づくかもしれません。でも、そんな違いがあるからこそ、異なる文化を体験する面白さがあるのだと思います。


よくある質問(FAQ)

ベトナムに食べ物を持ち込めますか?

ベトナムへの食品の持ち込みには規定があります。肉類と肉加工品は原則として禁止です。果物や野菜も検疫対象になる場合があります。お菓子やインスタント食品など、密封された加工食品は一般的に持ち込み可能です。最新の規定は、在日ベトナム大使館やベトナム税関の公式情報で必ず確認してください。

お土産におすすめのベトナム料理は?

ベトナムからのお土産として人気なのは、ベトナムコーヒー(G7やチュングエンなどのブランド)、インスタント麺、ヌクマム、ドライフルーツ、蓮茶などです。スーパーや市場で手頃な価格で買えます。ベトナムコーヒーについては「ベトナムコーヒー完全ガイド」もご覧ください。

ベトナム語で食べ物は何と言いますか?

ベトナム語で食べ物は「đồ ăn(ドーアン)」または「thức ăn(トゥックアン)」と言います。「おいしい」は「ngon(ンゴン)」、「いただきます」にあたる表現は「Chúc ngon miệng(チュックンゴンミエン)」です。ベトナム語をもっと学びたい方は「ベトナム語フレーズ32選」も参考にしてください。

ベトナム旅行で安全に食べられる料理は?

一般的には、加熱調理された料理のほうが安全です。コツは、現地の人に人気のお店を選ぶこと。心配な方は、しっかり加熱された料理(フォー、コムタム、炒め物など)から始めて、慣れてきたら生春巻きや生野菜にも挑戦するといいでしょう。

ベトナム料理を一言で表すとしたら?

ベトナム料理は「新鮮な食材、豊富なハーブ、味わいのバランス」で知られています。油が少なく野菜がたっぷり使われているので、毎日食べても飽きない——それがベトナム料理の魅力です。

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ライター

日本での生活経験あり。リンランを生活圏に、文化背景の翻訳と取材サポートを担当。

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