ベトナムに移住して1ヶ月。
この記事を書くにあたって、私は自分に一つのルールを課してみた。
「会計のときは、まずアメックスを出す。断られたらVisa。それもダメなら現金」
この記事では、その1ヶ月の実体験から見えた「クレジットカードが使える店・使えない店」について詳しく解説します。
ベトナムではVisa/Mastercardがアメックス/JCBの「上位互換」

先に、ベトナムでのカードの力関係をはっきりさせておくと、ベトナムにおいて、Visa・Mastercardはアメックス/JCBの完全なる上位互換になっている。
つまり、「クレジットカードOK」のお店でも、Visa/Mastercardなら払えるのにアメックスやJCBは断られることは日常的に起きる。
なので、もしクレジットカードを1枚ベトナムに持っていくとしたら?と問われたら、その答えは間違いなくVisaかMastercardだ。
ベトナムでクレジットカードは使える?
結論から言うと、Visa/Masterなら使える場所はあるが、限定的。やっぱり基本は現金。
1ヶ月のあいだベトナムで実際にクレジットカードを使ってみて、場所ごとの対応状況をまとめた表がこちら。
| 場所 | Visa/Master | Amex/JCB |
|---|---|---|
| ショッピングモール | ◎ | ◎ |
| コンビニ | ◎ | △ |
| Grab(グラブ) | ◎ | ◎ |
| チェーン系カフェ ・レストラン |
◯ | △ |
| 中価格帯レストラン | ◯ | △ |
| ローカルカフェ | ✕ | ✕ |
| ローカル食堂 | ✕ | ✕ |
| 屋台・市場 | ✕ | ✕ |
◎=ほぼ確実に使える ◯=使えることが多い △=使える店もある ✕=ほぼ使えない
クレジットカードが使えた店・使えなかった店
次に、実際にクレジットカードが使えた場所の詳細をまとめた。
ただし、一言に「クレジットカードが使えた」といっても、ブランドごとの対応状況はまったく違うので、そこも含めて紹介していく。
AEON、BIG C などのショッピングモール:Visa/Master ◎、Amex/JCB ◎
AEON(イオンモール)やBIG C(GO!)といった大手ショッピングモールは、Visa/Mastercardはもちろん、アメックスでも問題なく決済できた。モール内のテナントも基本的にカード対応しているので、お土産の買い物はここでまとめて済ませるのもおすすめ。
コンビニ・大手スーパー:Visa/Master ◎、Amex/JCB △

ベトナムのコンビニといえばサークルK(Circle K)。ハノイ・ホーチミン全土に展開しているシェアNo.1チェーンで、Visa・Mastercardはもちろんアメックスも公式に対応している(ハノイのコンビニ完全ガイド)。
大手スーパーのWinMart(ウィンマート)の大型店舗もアメックスで決済できた。街中によくあるウィンマート+(WinMart+)のような小型店やセブンイレブンも、Visa/Mastercardなら問題なく使える。
ただし、意外にも日系スーパーのFUJIMART(フジマート)はアメックスが断られた。Visaなら使える。「日系だからアメックスもOKだろう」は間違い。
Grab(グラブ):Visa/Master ◎、Amex/JCB ◎
ベトナムでの移動の主役は配車アプリGrab。Visa/Mastercardはもちろん、アメックスやJCBも使える。登録したクレジットカードで毎回自動決済されるので、現金は不要。
チェーン系カフェ・レストラン:Visa/Master ◯、Amex/JCB △

ハイランズコーヒー(Highlands Coffee)はベトナム最大のコーヒーチェーン。店舗問わずVisa/Master・アメックス両方で決済できた。「カード払いできるカフェに行きたい」と思ったら、ハイランズコーヒー。
ただし、同じカフェチェーン店でもカード対応していないケースがある。たとえばベトナム発の人気チェーンコンカフェ(Cộng Cà Phê)は、ベトナム戦争時代をモチーフにしたおしゃれな内装で観光客にも人気の大手チェーンだが、店舗によってはVisa/MasterもAmexも使えず現金のみだった。
中価格帯レストラン:Visa/Master ◯、Amex/JCB △

観光エリアの中価格帯レストランは、Visa/Mastercardなら使えることが多いがアメックスやJCBは断られることもしばしば。
ハノイで観光客に人気のベトナム料理店クアンアンゴン(Quan An Ngon)では実際にアメックスでも決済できた。日本人オーナーが手がけるベトナム発の人気ピザチェーンPizza 4P’sも、VISA・Mastercard・JCB・アメックスすべてに対応している。
ローカルカフェ・ローカル食堂・屋台・市場:Visa/Master ✕、Amex/JCB ✕

ローカル系は最初から現金前提。Visa/Mastercardもアメックス/JCBも、どれを出しても使えない。
- ローカルカフェ:スペシャルティコーヒー系の個人経営カフェは、おしゃれな内装でも現金オンリーのことが多い
- ローカル食堂・屋台:ブンチャー、バインミー、フォーを売る路上の店。そもそもレジすらない店が多い
- 市場(ベンタイン市場、ドンスアン市場など):値段交渉も現金前提
- ハノイ旧市街(ナイトマーケット):フルーツ屋、理髪店、雑貨店、マンゴーやチェー(ベトナム風ぜんざい)の屋台まで、全て現金
- ビアホイ・大衆居酒屋:カード端末自体がないことが多い
実体験でわかった3つのこと
- クレジットカードが使えるお店でもアメックスやJCBは基本使えない
- 「日系」「大手」「チェーン」でカード利用可否の判断はできない
- カードが使えない店も多いので、現金(小額紙幣)は常に持っておく
現金はやっぱり必要──ただしお釣り問題に注意

ここまで読んでくれた読者には伝わったと思うが、旅行者にとって現金は依然として最強の決済手段だ。カードが使えないあらゆる場所で、現金なら確実に支払いが完結する。
ただし、現金にもデメリットはある。それが「お釣り問題」だ。
旅行者にとっては現金が最強でも、ベトナム人にとっての主流はQR決済。大型・小型を問わず、店側が現金を扱う機会は間違いなく減っている。
だから、屋台やローカル食堂で額面の大きいベトナムのお札(最高額は50万VND札、約3,000円)を出すと、「お釣りがない」と言われることが頻繁にある。店員がしぶい顔をして隣の店におつりをもらいに行ったり、「もう少し細かい金額ない?」と聞かれたりする。そこで、現金を扱うときのコツは「常に小額紙幣を用意しておく」こと。
- 10万VND札(約600円)以下の紙幣をこまめに使う
- 50万VND札は大型店・コンビニ・ホテルなどで崩す
ベトナムのキャッシュレス事情

ベトナムに来て1ヶ月、一番驚いたのは「ベトナム人のスマホ決済っぷり」だった。カフェのレジ横のQRコードをスマホでピッ。路上の花屋でも、市場の肉屋でさえも、ベトナム人は財布を出す前にスマホを開く。
ただし、ベトナムで普及しているQR決済は「ベトナムの銀行口座を持っている人向け」で、外国人旅行者のクレジットカードとは別物だ。「ベトナムはキャッシュレスが進んでる」と聞いて現金もカードも最小限で渡航すると痛い目を見る。
ちなみにベトナムのクレジットカード普及率は銀行口座保有層で約14%(InsightAsia調査)にとどまり、日本の約76%(Statista調査)と比べるとかなり低い。ベトナム人にとってのカード決済は、口座から即時引き落とされるデビットカードか、銀行振込型のQR決済が主流で、後払い型のクレジットカードを日常的に使う層は多くない。
ベトナム旅行におすすめのクレジットカードの選び方
ベトナム旅行でカードを選ぶ際に押さえておきたい4つのポイントを紹介する。
- ① ブランドはVisa or Mastercard。 これは大前提。ベトナムで最も加盟店が多い2ブランドなので、どちらかは必ず1枚持っていこう。
- ② 海外事務手数料が低いカードを選ぶ。 カード会社によって手数料率は2.2%〜3.85%と幅がある。旅行中にカード決済を繰り返すと、じわじわ効いてくる。
- ③ 海外旅行保険の付帯を確認。 ベトナムで万が一ケガや病気をしたとき、治療費は高額になりやすい。年会費無料でも海外旅行保険が自動付帯するカードはあるので、出発前に確認しておこう。
- ④ タッチ決済対応だとなお便利。 都市部のショッピングモール、コンビニ、チェーン系カフェなどではタッチ決済がかなり普及しており、カードをかざすだけでスムーズに支払える。
この4つを満たしていれば、あとは自分のライフスタイル(ポイント重視・マイル重視・保険重視)で選べばいい。
よくある質問(FAQ)
Q. 旅行中、カードと現金はどれくらいの比率で使うのが効率的?
観光客が行く場所(ホテル、ショッピングモール、Grab、チェーン系カフェ、中価格帯レストラン)はカードでカバーし、屋台・市場・ローカル食堂は現金、というのが一番効率的。3〜5日の滞在なら現金2〜5万円分、1週間以上なら5〜10万円分を目安に持っておくと安心だ。
Q. ベトナムでアメックスは使えますか?
使える店はあるが、ほとんど使えないと思った方が良い。1ヶ月の実体験では、クレジットカードは使えてもVisa \Mastercardのみでアメックスは使えない場面が非常に多かった。アメックス1枚だけでベトナムに来るのはおすすめしない。
Q. ベトナムでJCBは使えますか?
使える店はあるが、Visa/Mastercardに比べると加盟店はかなり少ない。JCB1枚だけでベトナムを回るのは厳しいので、Visa/Mastercardと合わせて持っていくのがおすすめ。ホーチミンにはJCBプラザがあり、レストラン予約や観光の問い合わせを日本語で受けられるのは独自の強み。
Q. ベトナムでは現金は必要ですか?
はい、必要です。屋台、ローカル食堂、市場では現金しか使えない。また「ベトナム人向けのQR決済のみ対応」の店もあり、国際クレジットカードが使えない場所は思ったより多い。カードと現金の両方を必ず持っていこう。
Q. ATMでの現金引き出しは安全ですか?注意点はありますか?
都市部のATMなら基本的に問題ない。ただし暗証番号入力時に手で隠す、人通りのある場所のATMを選ぶなど、基本的な注意は必要。クレジットカードでの引き出しは「キャッシング(借入)」扱いで日割りの利息が発生するため、Wiseなどの国際デビットカードの方がおすすめ。自分の口座から直接引き落としされるので利息がかからない。
Q. ベトナムでクレジットカードを使うときの安全対策は?
基本はどこの国でも同じ。カードは2枚以上分散して持ち、暗証番号入力時は手で隠す。利用明細はこまめにチェックしよう(ベトナムドンはゼロが多いので、10倍の金額で請求されるミスに注意)。ベトナムの治安は東南アジアの中では比較的良好だが、基本を押さえておけば安心だ。
Q. GrabにクレジットカードやJCBが登録できないのはなぜ?
海外のクレジットカードでよくあるのが、カード会社の不正利用検知でブロックされるケース。日本にいるうちにGrabアプリをダウンロード→カード登録まで済ませておくのが鉄則だ。ベトナム到着後だとSMS認証(OTP)が海外で受け取れず詰むこともある。どうしても登録できない場合は、別のカードを試すか、一旦現金払いでスタートして後からカードを追加する方法もある。
Q. 渡航前に両替しておくべきですか?
日本国内でのベトナムドン両替はレートが非常に悪いため、おすすめしない。現地到着後に空港の両替所、市街地のジュエリーショップ系両替所、またはATMで引き出す方が有利だ。
おわりに
ベトナムに住んでみて、クレジットカードの使い勝手について一番強く感じたのは「想像していたより使える、でもそれはVisa/Mastercard限定」ということだった。
だから、3泊〜4泊程度の旅行者へのアドバイスはシンプルになる。2〜3万円(約300万〜500万VND)程度の現金とVisaかMastercard1枚。
それがこの国の、ちょうどいい「お金の持ち方」だ。