ホーチミンのバインミーおすすめ11選|フィンホアなど有名店の値段・営業時間・ミシュラン事情

2026.07.06
食

バインミーをホーチミンで食べるなら、どこに行けば外さないか。有名店の多くは1区に集まっていて、歩きとGrab(配車アプリ)で回れる。値段は路地の屋台なら1本20,000ドン前後(約120円)、有名店や観光客向けの店だと60,000〜105,000ドン(約360〜630円)と、店によって3倍以上の差がある。この記事では、名前がよく挙がる有名店から90年続く屋台、朝だけ開く鉄板バインミー、ヴィーガンの店まで11軒を、値段・営業時間・地図つきで紹介する。

紙に包まれたホーチミンのバインミーを手に持った様子。パリッとしたバゲットに肉や野菜がたっぷり詰まっている

目次

ホーチミンのバインミー有名店11軒の早見表

先に一覧で比べておく。値段は1本あたりの目安で、円はおおよその換算。

店名 場所 営業時間 1本の値段 向いている人
バインミー・フィンホア 1区・レティリエン通り 6:00〜22:00 61,000〜78,000ドン(約370〜470円) いちばん有名な一本を食べたい
バインミー・バーフイン(マダムウィン) 1区・コンクイン通り 6:00〜22:00 65,000〜85,000ドン(約390〜510円) 具の多い大きな一本を2人で分けたい
バインミー・ニューラン 1区・ハムギー通り 4:30〜23:00 30,000〜50,000ドン(約180〜300円) 早朝・深夜に食べたい
バインミー・ホアマー 3区・カオタン通り 6:00〜11:00 52,000〜64,000ドン(約320〜390円) 鉄板の朝ごはんを食べたい
バインミー・バイホー 1区・フインクオンニン通り 昼過ぎ〜夕方 25,000〜35,000ドン(約150〜210円) 老舗屋台のパテを味わいたい
バインミー37 1区・グエンチャイ通り 16〜20時頃 16,000〜30,000ドン(約100〜180円) 炭火焼き豚が好き
バインミー362 1区・チャンカオヴァン通り 6:15〜20:30 35,000〜55,000ドン(約210〜330円) 冷房の効いた店内で座りたい
バインミー・ホンホア 1区・グエンヴァンチャン通り 5:00〜21:00 20,000ドン前後〜(約120円〜) 軽めの一本で済ませたい
バインミー74 1区・ハイバーチュン通り 8:00〜22:00 65,000〜105,000ドン(約390〜630円) 静かな中庭で座って食べたい
バインミー・サイン 1区・レティリエン通りほか 24時間(38 Lê Thị Riêng店) 20,000〜35,000ドン(約120〜210円) 菜食・ヴィーガン
観光地周辺の屋台 ベンタイン市場・ドンコイ通り周辺 店による 15,000〜25,000ドン(約90〜150円) 観光の合間に安く食べたい

ホーチミンのバインミーはどこで食べる?まずエリアを押さえる

旅行者がバインミーを食べ歩くなら、観光の中心である1区(クアン・モッ)を押さえればいい。有名店の多くがこの区に集まっていて、ベンタイン市場やグエンフエ通り(歩行者天国)を起点に、徒歩やGrab(配車アプリ)で回れる。

ただし、ホーチミンならではの事情として「元祖・鉄板バインミー」の名店だけは3区(クアン・バー)にある。1区中心部から車で10分ほどなので、朝いちで足を伸ばす価値がある。4区やタンビン区にも地元で知られた店はあるが、中心部から離れるのでこの記事では外し、1区の店と3区の1軒に絞った。

2025年の住所表記の変更について:2025年7月にベトナムで行政区の再編(住所の仕組みの変更)があり、ホーチミンでも「区(Quận)」が公式には廃止され、坊(フォン=区の下の街区)の名前も統廃合で一部変わった。この記事の住所は新しい坊名で表記している(例:中心部の旧「ファングーラオ坊」は現在「ベンタイン坊/Phường Bến Thành」に、旧「ダカオ坊」は「タンディン坊/Phường Tân Định」に統合)。ただし現地では今も「1区」「3区」がふつうに通じ、タクシーやGrab(配車アプリ)でも使えるので、目印として区も併記している。迷ったら店名か通り名(例:Lê Thị Riêng)で検索すると確実だ。

ホーチミンのおすすめバインミー店11選

「バインミーの王様」と呼ばれる有名店から、90年続く屋台、朝しか開かない元祖店、菜食の専門店まで、性格の違う11軒を選んだ。それぞれ「どんな人に向いているか」も添えている。

1. バインミー・フィンホア(Bánh Mì Huỳnh Hoa)── ホーチミンで最も有名な「王様」

ホーチミンで最も有名なバインミー店で、「サイゴンで一番高いバインミー」とも呼ばれる一軒。日本語では「フィンホア」「フインホア」「ヒュンホア」と表記が分かれるが、どれも同じ店で、看板の英字は「Huynh Hoa」。何種類ものハム・パテ・焼き豚・バターがこれでもかと詰め込まれ、手に取るとずしりと重い。男性でも1本でお腹いっぱいになるボリュームで、女性なら2人でシェアがちょうどいいくらい。肉と野菜(なます・きゅうり・パクチー)が別袋になっていて、パンがべちゃっとならない配慮も効いている。

  • 住所:26 Lê Thị Riêng, Phường Bến Thành, Quận 1(ベンタイン市場から徒歩約10分)
  • 営業時間:6:00〜22:00
  • 価格帯:看板の伝統バインミー(Bánh Mì Truyền Thống)がM61,000・L78,000ドン(約370〜470円)。パテだけの軽い版なら28,000〜38,000ドンと安い
  • 一番人気:伝統バインミー(Bánh Mì Truyền Thống)
  • おすすめの人:ホーチミンで「定番の名店」を外さず押さえたい人、しっかり食べたい人
  • 地図:Googleマップで開く
混雑と並び方のコツ:観光客とGrab(配車・配達アプリ)の配達員で行列ができるが、回転は速く思ったほど待たないことが多い。同じ通りに店が複数あり、持ち帰り・配達・店内飲食で窓口が分かれている。並ぶ場所を間違えやすいので、店員の案内に従うと確実だ。店内で食べられるスペースもあり、暑い日でも買ってすぐ座って食べられる。支払いは現金が基本。

2. バインミー・バーフイン(Bánh Mì Bà Huynh/Madam Win)── フィンホアと並ぶ大きな一本

フィンホアと並んで名前が挙がる、具の多さで知られるバインミー店。店の名前は「バーフイン(フインおばさんのバインミー)」で、「マダムウィン(Madam Win)」の英名も看板に出ている。40年以上続く店で、パテやチャー(ベトナムハム)は自家製。いちばん大きいXLサイズは2人で分けられる量があり、フィンホアの行列を避けたいときの選択肢にもなる。

「バーフイン(Bà Huynh)」と「フィンホア(Huỳnh Hoa)」は名前が似ているが、別の店だ。Grabで行き先を入れるときや、地図で検索するときは、通り名(Cống Quỳnh か Lê Thị Riêng か)まで確かめてから向かう。
  • 住所:185K Cống Quỳnh, Phường Cầu Ông Lãnh, Quận 1(コンクイン通りとグエンチャイ通りのロータリーのすぐそば)
  • 営業時間:6:00〜22:00
  • 価格帯:看板の特製バインミーがLサイズ65,000ドン(約390円)、XLサイズ85,000ドン(約510円)
  • 一番人気:特製バインミー(Bánh Mì Bà Huynh Đặc Biệt)
  • おすすめの人:大きな一本を2人で分けたい人、フィンホアと食べ比べたい人
  • 地図:Googleマップで開く

3. バインミー・ニューラン(Bánh Mì Như Lan)── 早朝から深夜まで開く老舗ベーカリー

ホーチミン中心部の老舗ベーカリー兼惣菜店で、バインミーの「食のデパート」的な存在。バインミーだけでなく、ハム、惣菜、ベトナム菓子、パンまで揃う。何より早朝4時半から夜23時まで営業していて、朝食にも夜食にも使えるのが強みだ。グエンフエ通りのすぐ近くのハムギー通りにあり、観光の途中で立ち寄りやすい。店内の席もあるが、持ち帰る客が多い。有名店の行列が苦手な人の「保険」としても頼れる。

  • 住所:68 Hàm Nghi, Phường Sài Gòn, Quận 1
  • 営業時間:4:30〜23:00(年中無休)
  • 価格帯:30,000〜50,000ドン(約180〜300円)
  • 一番人気:バインミー・ティット(肉入り)ほか惣菜系も充実
  • おすすめの人:早朝・深夜に食べたい人、観光の合間にサッと買いたい人
  • 地図:Googleマップで開く

4. バインミー・ホアマー(Bánh Mì Hòa Mã)── 元祖・鉄板バインミー(3区)

1958年創業、サイゴン最古と言われる伝説的なバインミー店。北部出身の夫婦がフランス式の食肉加工(シャルキュトリー)の技術を持って始めた店で、3代60年以上、下町の路地で味を守り続けている。名物はバインミー・チャオ(鉄板バインミー=オプラ)。熱々の鉄板に、半熟の目玉焼き2つ、パテ、ハム、自家製の焼き豚やソーセージがのって出てくる。パンをちぎって鉄板の具につけて食べるスタイルで、朝食にぴったり。鉄板にタレはかかっていないので、卓上の醤油やチリで自分好みに味を足す。

バゲットと目玉焼き・ソーセージ・パテの鉄板を合わせたベトナム式朝食バインミー・チャオ

  • 住所:53 Cao Thắng, Phường Bàn Cờ, Quận 3(1区中心から車で約10分)
  • 営業時間:6:00〜11:00(朝のみ。売り切れ次第終了)
  • 価格帯:鉄板バインミー(thập cẩm)52,000〜64,000ドン(約320〜390円)
  • 一番人気:バインミー・チャオ(鉄板の全部のせ)
  • おすすめの人:朝型の人、他では食べられない元祖の味を体験したい人
  • 地図:Googleマップで開く
朝しか開かないうえ、材料が尽きると閉店する。確実に食べたいなら朝7〜8時台に。路地の屋外席が中心なので、蚊よけに長ズボンがあると安心。

5. バインミー・バイホー(Bánh Mì Bảy Hổ)── Netflixに出た90年続く屋台

1930年頃に始まったとされる、90年以上続くバインミー屋台。Netflixの「ストリート・グルメを求めて」アジア編(Street Food: Asia)のホーチミン回にも登場した。看板は自家製のパテ。なめらかで濃厚、独特の塩気があり、これを目当てに何十年も通う地元客が絶えない。パンは外はパリッと、中はふっくら。それでいて1本25,000〜35,000ドン(約150〜210円)と、1区にありながら手頃だ。フィンホアが「王様」なら、こちらは「ローカルの魂」だ。

フインクオンニン通りには「バイホー(Bảy Hổ)」を名乗る屋台が複数あり、すぐ近くに別の老舗「バイクアン(Bảy Quang)」も並んでいる。午前中に同じ場所で売っているのは別の売り手だ。Netflixに出た屋台を目当てに行くなら、昼過ぎに向かう。
  • 住所:フインクオンニン通り(Huỳnh Khương Ninh, Phường Tân Định, Quận 1)。同じ名前の屋台が並ぶので、昼過ぎに開いている台を選ぶ
  • 営業時間:昼過ぎ〜夕方(13時半頃〜17時頃。売り切れ次第終了)
  • 価格帯:25,000〜35,000ドン(約150〜210円)。肉・卵の追加は各+5,000ドン
  • 一番人気:自家製パテのバインミー
  • おすすめの人:本物のローカル体験がしたい人、安くて旨い一本を探している人
  • 地図:Googleマップで開く
屋台(xe đẩy)なので席はほとんどない。作りたてはすぐしなびるので、その場で食べるのがおすすめ。近くのジェイド・エンペラー廟(玉皇殿)とあわせて回りやすい。

6. バインミー37(Bánh Mì 37 Nguyễn Trãi)── 炭火焼き豚の名店

1区グエンチャイ通りの小さな路地の入口にある、炭火焼き豚(thịt nướng)で有名なバインミー。手で丸めた豚肉のつくねを炭火で直接焼き上げ、香ばしくスモーキーな香りが路地に漂う。甘じょっぱいタレがパンに染み、酸味のあるなますとの重なりがたまらない。夕方から夜にかけてが本領で、焼きたてを狙いたい。

  • 住所:37 Nguyễn Trãi, Phường Bến Thành, Quận 1(露店・屋台。ニューワールド・サイゴンホテル近く)
  • 営業時間:16〜20時頃が中心(売り切れ次第終了。露店のため早じまいも)
  • 価格帯:16,000〜30,000ドン(約100〜180円)
  • 一番人気:炭火焼き豚(thịt nướng)のバインミー
  • おすすめの人:焼き肉系のバインミーが好きな人、夕方の食べ歩きに
  • 地図:Googleマップで開く

7. バインミー362(Bánh Mì 362)── きれいな店内で安心して食べられる

カフェのような清潔な店内で食べられる、観光客に人気のバインミー専門店。1980年創業で、具の組み合わせを選べるメニューが多い。揚げうずら卵(trứng cút chiên)やハム、鶏肉などの具が入り、パリッとしたパンとの相性がいい。エアコンの効いた店舗で、イートインスペースやドリンクもある。「屋台はちょっと不安…」という人が、安心してローカルフードデビューできる一軒だ。

  • 住所:25 Trần Cao Vân, Phường Sài Gòn, Quận 1(サイゴン大教会から徒歩約10分)
  • 営業時間:6:15〜20:30
  • 価格帯:35,000〜55,000ドン(約210〜330円)
  • 一番人気:揚げうずら卵入りのバインミー
  • おすすめの人:衛生面が気になる人、座って涼しく食べたい人
  • 地図:Googleマップで開く

8. バインミー・ホンホア(Bánh Mì Hồng Hoa)── フィンホアの近くで軽めの一本

フィンホアから歩いてすぐのグエンヴァンチャン通りにある、地元客の多いバインミー店。フィンホアのような「具の山」ではなく、パンと具のバランスがいい軽めのサイズで、朝ごはんにちょうどいい。焼き豚(heo quay)、炭火焼き肉、肉団子(xíu mại)、さつま揚げ(chả cá)、鶏肉など種類が多く、値段も手頃だ。フィンホアとはしごして食べ比べるのにも向いている。

  • 住所:52-54 Nguyễn Văn Tráng, Phường Bến Thành, Quận 1
  • 営業時間:5:00〜21:00
  • 価格帯:20,000ドン前後から(約120円〜)
  • 一番人気:焼き豚や炭火焼き肉のバインミー
  • おすすめの人:軽めに食べたい人、フィンホアと食べ比べたい人
  • 地図:Googleマップで開く

9. バインミー74(74 – Bánh Mì, Cafe & Tea)── 中庭のキッチンカーで座って食べる

オペラハウスに近いハイバーチュン通りから奥に入った中庭で営業する、キッチンカーのバインミー。元アヘン工場を改装した建物の一角で、ミシュランガイドに載っているベトナム料理店「ホアトゥック(Hoa Túc)」と同じ中庭にある。通りの喧騒から離れた屋外席で、作りたてをゆっくり食べられるのがいい。スタッフは英語が通じ、注文のときに辛さを聞いてくれる。値段は11軒の中でいちばん高めだが、コーヒーやお茶のメニューも揃っていて、カフェとして使える。

  • 住所:74/7 Hai Bà Trưng, Phường Sài Gòn, Quận 1(通りからは見えにくい。中庭の入口を目印に奥へ)
  • 営業時間:8:00〜22:00
  • 価格帯:肉のバインミーが85,000〜105,000ドン(約510〜630円)。豆腐とジャックフルーツの菜食バインミーは65,000ドン(約390円)
  • 一番人気:メニューで星印が付いているのは、炭火焼き豚(Thịt Nướng)95,000ドン、ローストポーク(Heo Quay)85,000ドン、牛肉のロット葉巻き(Bò Lá Lốt)105,000ドン
  • おすすめの人:屋台の路上ではなく、落ち着いた場所で座って食べたい人
  • 地図:Googleマップで開く
パンは皮がかために焼かれていて、ザクッとした歯ごたえがある。やわらかいパンが好みなら、ニューランや362のほうが合う。

10. バインミー・サイン(Bánh Mì Xanh)── ヴィーガン専門チェーン

肉・卵・乳製品を使わない100%ヴィーガンのバインミー専門チェーン。きのこや大豆から作った植物性のパテ・チャー(ハム)、大豆ミートなどをたっぷり挟み、肉なしとは思えない食べ応え。ベトナムは仏教由来の精進料理(チャイ)の文化があるので菜食の選択肢が豊富だ。1区内に複数店舗があり、うち1つはフィンホアのすぐ近く(38 Lê Thị Riêng)なので、菜食の同行者がいるグループにも便利。

  • 住所:38 Lê Thị Riêng, Phường Bến Thành, Quận 1 ほか1区内に複数店舗
  • 営業時間:24時間営業(38 Lê Thị Riêng店。他店舗は異なる場合あり)
  • 価格帯:20,000〜35,000ドン(約120〜210円)
  • 一番人気:ヴィーガンの全部のせ(thập cẩm chay)
  • おすすめの人:菜食・ヴィーガンの旅行者、健康志向の人
  • 地図:Googleマップで開く

11. 観光地周辺の屋台 ── 1本100円前後で楽しめる臨場感

ベンタイン市場、グエンフエ通り、ドンコイ通り──ホーチミンの主要観光スポットの周りには、地元の屋台バインミーが数多く点在している。有名店ほどの知名度はなくても、その場で焼いたパンに具を詰めてくれる臨場感と、15,000〜25,000ドン(約90〜150円)という価格は屋台ならでは。ベンタイン市場の中の飲食エリアでも食べられるが、屋台より少し高めになる。観光の合間に小腹が空いたら、地元の人が並んでいる屋台を見つけて臆せず試してみてほしい。

おいしくて安全な屋台の見分け方:「地元の人が並んでいる」「回転が速い」「具を作り置きせず、注文ごとに詰めている」のが目印。逆に、炎天下に具を長時間出しっぱなしの屋台は避けたほうが無難。

市場の中で食べるときの値段は、ベンタイン市場の記事にまとめている。

ホーチミンのバインミーにミシュラン掲載店はある?

2026年版のミシュランガイドにも、ホーチミンのバインミー店は1軒も載っていない。ベトナム版ミシュランガイドは2023年に始まり、2026年6月に発表された2026年版では、ホーチミンからカニ麺(バインカンクア)やバインクオンの店がビブグルマン(手頃で質の高い店に付く印)に選ばれた。一方でバインミーは、現地の新聞が「ミシュランはバインミーを見落としていないか」と取り上げたほど、選ばれないままだ。

ミシュランがバインミーの店を載せた例はあるが、それはベトナム国内ではなく香港の店(2025年)だった。ホーチミンのバインミーは、ミシュランの印ではなく、地元客の行列と口コミで店を選ぶのが確実だ。ここに書いた掲載状況は2026年版時点のもので、ミシュランは毎年更新される。

「ミシュランに載った店の近くで食べたい」なら、9番目に紹介したバインミー74がある。ミシュランガイド掲載のベトナム料理店ホアトゥック(Hoa Túc)と同じ中庭にあり、昼はバインミー、夜はホアトゥックという回り方もできる。ホーチミンのミシュラン掲載店をまとめて知りたい人は、グルメ全体の記事を見てほしい。

ホーチミンのバインミーは「具沢山」── ハノイ・ホイアンとの違い

ベトナムを南北に旅すると気づくのが、バインミーの地域差だ。同じ「バインミー」でも、街によって性格がまるで違う。

  • ホーチミン(南部):具沢山でボリューム満点。パテ・ハム・肉がぎっしりで、一本で満腹になる濃厚系。
  • ハノイ(北部):具は控えめで、パンとパテの味を活かすシンプル志向。
  • ホイアン(中部):甘辛い独自のタレが特徴で、「世界一のバインミー」と呼ばれる名店がある。

だからホーチミンの具沢山バインミーが好みでも、北部や中部では印象が変わる。旅程に他の街が入っているなら、ぜひ食べ比べてみてほしい。バインミーそのものの歴史や種類、日本のサンドイッチとの違いは、基本をまとめた記事にくわしく書いている。

タンソンニャット空港でバインミーは食べられる?

結論、食べられる。ホーチミンのタンソンニャット国際空港(Tân Sơn Nhất/SGN)のターミナル内には、国内線・国際線ともにフードコートや飲食店があり、バインミーを出す店もある。到着後すぐ、あるいは出発前の最後の一本に使える。

ただし空港のバインミーは市内の屋台にはかなわず、価格も2〜3倍することが多い。時間に余裕があるなら市内で食べるのがおすすめで、空港はあくまで食べ損ねたときの保険と考えるといい。空港から市内への移動手段と料金は、空港アクセスの記事にまとめている。

屋台での買い方・辛さやパクチー抜きの注文のコツ

ホーチミンのバインミー屋台は、ベトナム語が話せなくても買える。基本は指差しで「これ」と示せば通じる。覚えておくと便利なフレーズだけ押さえておこう。

  • バインミー1つください:「バインミー モッ カイ(Bánh mì một cái)」
  • 特製(全部のせ)で:「ダックビエット(đặc biệt)」
  • パクチー抜き:南部では「コン ゴー(không ngò)」が通じやすい(北部語だと「コン ラウムイ/không rau mùi」)。指差して首を横に振るだけでもOK。
  • 辛くしないで:「コン カイ(không cay)」。チリソースを抜いてもらえる。

支払いはほとんどが現金で、クレジットカードが使えない店も多い。お釣りがないこともあるので、小額紙幣を用意しておくとスムーズだ。

ホーチミン・バインミー食べ歩きモデルルート(1区・半日)

最後に、バインミーを軸にした半日のモデルルートを提案しておく。

  • 朝6〜7時:3区のホアマーで元祖・鉄板バインミー(朝のみ営業なので最初に)。
  • 午前:1区へ戻り、ベンタイン市場やグエンフエ通りを散策。ニューランで2本目を軽く。
  • 昼:フィンホアで「王様」を1本買い、すぐ近くのホンホアの軽めの一本と食べ比べ。量が多いので2人で分けるのがおすすめ。
  • 昼過ぎ〜夕方:タンディン方面のバイホーで老舗屋台のパテを(昼過ぎから売り切れまで)。

ホーチミンのグルメはバインミーだけではない。コムタムやフォー、南部ならではの料理まで、街全体が食の宝庫だ。効率のいい観光ルートは別記事にまとめているので、合わせて読んでほしい。

よくある質問(FAQ)

ホーチミンで一番おいしいバインミーはどこ?

いちばん名前が挙がるのはフィンホア(Huỳnh Hoa)で、それに並ぶのがバーフイン(Bà Huynh)とバイホー(Bảy Hổ)だ。ただ、フィンホアとバーフインは具が多く1本60,000ドン以上する「大きな一本」、バイホーは30,000ドン前後で食べられる「屋台の一本」と、方向がまったく違う。1本だけならフィンホア、2本食べられるならバイホーと食べ比べると、ホーチミンのバインミーの幅がわかる。

世界一のバインミーはどこ?

料理としてのバインミーは、世界の料理を評価するサイト「TasteAtlas」の「世界のサンドイッチ100選」(2024年3月)で1位に選ばれている。店として「世界一のバインミー」と呼ばれるのは、中部ホイアンのバインミー・フーン(Bánh Mì Phượng)で、ホーチミンの店ではない。ホイアンに行く予定があるなら、ダナン・ホイアンのバインミーの記事で紹介している。

バインミーで食中毒は大丈夫?屋台で気をつけることは?

ポイントを押さえれば、屋台のバインミーも十分楽しめる。目安は「地元の人で混んでいて回転が速い」「注文ごとに具を詰めている(作り置きしていない)」店を選ぶこと。逆に、炎天下に具を長時間出しっぱなしの屋台や、明らかに客の少ない店は避けたほうが無難だ。生野菜やなますが不安なら、火の通った具材中心のバインミーを選ぶ、氷入りの飲み物を控える、といった工夫も有効。心配な人は、バインミー362のようなきれいな店舗型から始めると安心だ。

ホーチミンのバインミーの値段の相場は?

路地の屋台で15,000〜25,000ドン(約90〜150円)、有名店で60,000〜85,000ドン(約360〜510円)が目安。バインミー74のような観光客向けのカフェ系は85,000〜105,000ドン(約510〜630円)とさらに高い。ホーチミンはハノイに比べて具が多く、有名店はやや高めだが、その分1本で満腹になる。タンソンニャット空港は市内の2〜3倍することもある。

早朝や深夜でもバインミーは食べられる?

食べられる。ニューラン(68 Hàm Nghi)は早朝4時半から夜23時まで、ヴィーガンのバインミー・サイン(38 Lê Thị Riêng店)は24時間営業している。逆に、元祖のホアマーは朝6〜11時、バイホーは昼過ぎから夕方までと営業時間が短い店もあるので、行きたい店の時間は事前に確認しておこう。

まとめ ── 「王様」も屋台も、両方試してほしい

ホーチミンのバインミーは、フィンホアやバーフインのような有名店に行けば間違いはない。でも本当のおもしろさは、90年続く屋台の一本や、路地の名もなき屋台にこそある。数日滞在するなら、名の知れた有名店と地元の屋台の両方を試してみてほしい。ホーチミンの具沢山バインミーの奥深さが、きっと見えてくるはずだ。

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エンジニア

幼少期をアメリカで過ごし、現在は世界を転々としながらコードを書くノマドエンジニア。

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