ホーチミンのバインミーおすすめ8選|有名店から90年の老舗屋台まで【現地価格つき】

2026.07.06

朝のホーチミン、1区の路地。バイクの波が途切れない歩道の片隅で、おばちゃんがバゲットに切れ目を入れ、パテを塗り、ハムと焼き肉となますを次々に詰めていく。ホーチミンのバインミーは、ハノイのものより具がずっしり多いのが特徴だ。値段は路地の屋台で20,000〜25,000ドン(約120〜150円)、有名店になると40,000〜78,000ドン(約240〜480円)と幅がある。

ホーチミン(サイゴン)はベトナム有数のバインミー激戦区。数えきれない店の中から、この記事では「一度は食べたい有名店」から「半世紀以上続く老舗の屋台」「元祖・鉄板バインミー」まで、タイプの違う8軒を厳選した。実勢価格・住所・地図つきで、辛さやパクチー抜きの注文のコツ、屋台で食中毒を避けるポイントもまとめている。

目次

ホーチミンのバインミーはどこで食べる?まずエリアを押さえる

旅行者がバインミーを食べ歩くなら、観光の中心である1区(クアン・モッ)を押さえればいい。有名店の多くがこの区に集まっていて、ベンタイン市場やグエンフエ通り(歩行者天国)を起点に、徒歩やGrab(配車アプリ)で回れる。

ただし、ホーチミンならではの事情として「元祖・鉄板バインミー」の名店だけは3区(クアン・バー)にある。1区中心部から車で10分ほどなので、朝いちで足を伸ばす価値がある。この記事では1区の店を中心に、3区の名店も1軒だけ加えている。

2025年の住所表記の変更について:2025年7月にベトナムで行政区の再編(住所の仕組みの変更)があり、ホーチミンでも「区(Quận)」が公式には廃止され、坊(フォン=区の下の街区)の名前も統廃合で一部変わった。この記事の住所は新しい坊名で表記している(例:中心部の旧「ファングーラオ坊」は現在「ベンタイン坊/Phường Bến Thành」に、旧「ダカオ坊」は「タンディン坊/Phường Tân Định」に統合)。ただし現地では今も「1区」「3区」がふつうに通じ、タクシーやGrab(配車アプリ)でも使えるので、目印として区も併記している。迷ったら店名か通り名(例:Lê Thị Riêng)で検索すると確実だ。

ホーチミンのおすすめバインミー店8選

「バインミーの王様」と呼ばれる有名店から、半世紀以上続くローカル屋台、朝しか開かない元祖店、菜食対応の専門店まで、性格の違う8軒を選んだ。それぞれ「どんな人に向いているか」も添えている。

1. バインミー・フインホア(Bánh Mì Huỳnh Hoa)── サイゴンで最も有名な「王様」

ホーチミンで最も有名なバインミー店で、「バインミー界のボス」「サイゴンで一番高いバインミー」とも呼ばれる一軒。何種類ものハム・パテ・肉・バターが これでもかと詰め込まれ、手に取るとずしりと重い。男性でも1本でお腹いっぱいになるボリュームで、女性なら2人でシェアがちょうどいいくらい。肉と野菜(なます・きゅうり・パクチー)が別袋になっていて、パンがべちゃっとならない配慮も効いている。値段は他店より高めだが、その満足感でリピーターになる旅行者が続出している。

  • 住所:26 Lê Thị Riêng, Phường Bến Thành, Quận 1(ベンタイン市場から徒歩約10分)
  • 営業時間:6:00〜22:00
  • 価格帯:看板の伝統バインミー(Bánh Mì Truyền Thống)がM61,000・L78,000ドン(約370〜480円)。バターやパテだけの軽い版なら28,000〜48,000ドンと安い
  • 一番人気:ベストセラーの伝統バインミー(Bánh Mì Truyền Thống)
  • おすすめの人:ホーチミンで「定番の名店」を外さず押さえたい人、しっかり食べたい人
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混雑と並び方のコツ:観光客とGrab(配車・配達アプリ)の配達員で行列ができるが、回転は速く思ったほど待たないことが多い。じつは同じ通りに店が2か所(少し離れて)あり、片方はモバイルオーダー(アプリで事前注文)専用。並ぶ場所を間違えやすいので、店員の案内に従うと確実だ。隣にイートインスペースがあり、暑い日でも買ってすぐ座って食べられる。支払いは現金が基本。

2. バインミー・バイホー(Bánh Mì Bảy Hổ)── Netflix登場の老舗屋台

創業50年以上(80年続くとも言われる)、サイゴンでも指折りの老舗バインミー屋台。Netflixの「ストリート・グルメを求めて(Street Food)」ベトナム編にも登場した名店だ。看板は自家製のパテ。なめらかで濃厚、独特の塩気があり、これを目当てに何十年も通う地元客が絶えない。パンは外はパリッと、中はふっくら。それでいて1本25,000〜35,000ドン(約150〜210円)と、1区の中心にありながら手頃だ。フインホアが「王様」なら、こちらは「ローカルの魂」だ。

  • 住所:19 Huỳnh Khương Ninh, Phường Tân Định, Quận 1
  • 営業時間:5:00〜19:00(売り切れ次第終了)
  • 価格帯:25,000〜35,000ドン(約150〜210円)。肉・卵の追加は各+5,000ドン
  • 一番人気:自家製パテのバインミー
  • おすすめの人:本物のローカル体験がしたい人、安くて旨い一本を探している人
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注意:屋台(xe đẩy)から始まった小さな店。すぐ隣にカフェがあり、飲み物(スイカジュースなどが人気)を頼んで座って食べることもできる。営業は早朝5時台から夕方19時頃までで、売り切れると早じまいすることもある。作りたてはすぐしなびるので、その場で食べるのがおすすめ。近くのジェイド・エンペラー廟(玉皇殿)とあわせて回りやすい。

3. バインミー・ホアマー(Bánh Mì Hòa Mã)── 元祖・鉄板バインミー(3区)

1958年創業、サイゴン最古と言われる伝説的なバインミー店。ハノイ出身の夫婦がフランス式の食肉加工(シャルキュトリー)の技術を持って始めた店で、3代60年以上、下町の路地で味を守り続けている。名物はバインミー・チャオ(鉄板バインミー=オプラ)。熱々の鉄板に、半熟の目玉焼き2つ、パテ、ハム、自家製の焼き豚やソーセージがのって出てくる。パンをちぎって鉄板の具とソースにつけて食べるスタイルで、朝食にぴったり。ここでしか味わえない「サイゴンの朝の風景」がある。

  • 住所:53 Cao Thắng, Phường Bàn Cờ, Quận 3(1区中心から車で約10分)
  • 営業時間:6:00〜11:00(朝のみ。売り切れ次第終了)
  • 価格帯:鉄板バインミー(thập cẩm)52,000〜64,000ドン(約320〜390円)
  • 一番人気:バインミー・チャオ(鉄板の全部のせ)
  • おすすめの人:朝型の人、他では食べられない元祖の味を体験したい人
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朝しか開かないうえ、材料が尽きると閉店する。確実に食べたいなら朝7〜8時台に。路地の屋外席が中心なので、蚊よけに長ズボンがあると安心。

4. バインミー37(Bánh Mì 37 Nguyễn Trãi)── 炭火焼き豚の名店

1区グエンチャイ通りの小さな路地にある、炭火焼き豚(thịt nướng)で有名なバインミー。手で丸めた豚肉のミートボールを炭火で直接焼き上げ、香ばしくスモーキーな香りが路地に漂う。甘じょっぱいタレがパンに染み、酸味のあるなますとの重なりがたまらない。ジューシーな肉とパリッとしたパンのコントラストは、シンプルながら忘れられないストリートフード体験だ。夕方にかけてが本領で、焼きたてを狙いたい。

  • 住所:37 Nguyễn Trãi, Phường Bến Thành, Quận 1(露店・屋台。ニューワールド・サイゴンホテル近く)
  • 営業時間:16〜20時頃が中心(売り切れ次第終了。露店のため早じまいも)
  • 価格帯:16,000〜30,000ドン(約100〜180円)
  • 一番人気:炭火焼き豚(thịt nướng)のバインミー
  • おすすめの人:焼き肉系のバインミーが好きな人、夕方の食べ歩きに
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5. バインミー・ニューラン(Bánh Mì Như Lan)── 早朝から深夜まで、便利な老舗ベーカリー

ホーチミン中心部の老舗ベーカリー兼惣菜店で、バインミーの「食のデパート」的存在。バインミーだけでなく、ハム、惣菜、ベトナム菓子、パンまで揃い、種類も豊富。何より早朝4時台から夜23時まで営業していて、朝食にも夜食にも使える便利さが魅力だ。ビテクスコタワーやグエンフエ通りの近くという観光の一等地にあり、旅行者が立ち寄りやすい。有名店の行列が苦手な人の「保険」としても頼れる。

  • 住所:68 Hàm Nghi, Phường Sài Gòn, Quận 1
  • 営業時間:4:30〜23:00(年中無休)
  • 価格帯:30,000〜50,000ドン(約180〜300円)
  • 一番人気:バインミー・ティット(肉入り)ほか惣菜系も充実
  • おすすめの人:早朝・深夜に食べたい人、観光の合間にサッと買いたい人
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6. バインミー362(Bánh Mì 362)── きれいな店内で安心して食べられる

カフェのような清潔な店内で食べられる、観光客に人気のバインミー専門店。揚げうずら卵(trứng cút chiên)やハム、鶏肉などの具が入り、パリッとしたパンとの相性がいい。ベトナムには衛生面が気になる屋台もあるが、ここはエアコンの効いたきれいな店舗で、イートインスペースやドリンクもある。「屋台はちょっと不安…」という人が、安心してローカルフードデビューできる一軒だ。

  • 住所:25 Trần Cao Vân, Phường Sài Gòn, Quận 1(サイゴン大教会から徒歩約10分)
  • 営業時間:6:15〜20:30
  • 価格帯:35,000〜55,000ドン(約210〜340円)
  • 一番人気:揚げうずら卵入りのバインミー
  • おすすめの人:衛生面が気になる人、座って涼しく食べたい人
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7. バインミー・サイン(Bánh Mì Xanh)── ヴィーガン専門チェーン

肉・卵・乳製品を使わない100%ヴィーガンのバインミー専門チェーン。きのこや大豆から作った植物性のパテ・チャー(ハム)、大豆ミートなどをたっぷり挟み、肉なしとは思えない食べ応え。ベトナムは仏教由来の精進食(チャイ)文化があるので菜食の選択肢が豊富で、菜食でも食べ応えがあると外国人客にも評判。店側も「外国人客がベトナム一と評価する菜食バインミー」を掲げている。1区内に複数店舗があり、うち1つは前述のフインホアのすぐ近く(38 Lê Thị Riêng)なので、菜食の同行者がいるグループにも便利。

  • 住所:38 Lê Thị Riêng, Phường Bến Thành, Quận 1 ほか1区内に複数店舗
  • 営業時間:24時間営業(38 Lê Thị Riêng店。他店舗は異なる場合あり)
  • 価格帯:20,000〜35,000ドン(約120〜210円)
  • 一番人気:ヴィーガンの全部のせ(thập cẩm chay)
  • おすすめの人:菜食・ヴィーガンの旅行者、健康志向の人
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8. 観光地周辺の屋台 ── 数十円で楽しめる臨場感

ベンタイン市場、グエンフエ通り、ドンコイ通り──ホーチミンの主要観光スポットの周りには、地元の屋台バインミーが数多く点在している。有名店ほどの知名度はなくても、その場で焼いたパンに具を詰めてくれる臨場感と、15,000〜25,000ドン(約90〜150円)という価格は屋台ならでは。観光の合間に小腹が空いたら、地元の人が並んでいる屋台を見つけて臆せず試してみてほしい。ホーチミンのバインミーの奥深さは、こういう名もなき一本にこそ表れる。

おいしくて安全な屋台の見分け方:「地元の人が並んでいる」「回転が速い」「具を作り置きせず、注文ごとに詰めている」のが目印。逆に、炎天下に具を長時間出しっぱなしの屋台は避けたほうが無難。

ホーチミンのバインミーは「具沢山」── ハノイ・ホイアンとの違い

ベトナムを南北に旅すると気づくのが、バインミーの地域差だ。同じ「バインミー」でも、街によって性格がまるで違う。

  • ホーチミン(南部):具沢山でボリューム満点。パテ・ハム・肉がぎっしりで、一本で満腹になる濃厚系。
  • ハノイ(北部):具は控えめで、パンとパテの味を活かすシンプル志向。
  • ホイアン(中部):甘辛い独自のタレが特徴で、「バインミーの聖地」と呼ばれる名店がある。

だからホーチミンの具沢山バインミーが好みでも、北部や中部では印象が変わる。旅程に他の街が入っているなら、ぜひ食べ比べてみてほしい。バインミーそのものの歴史や種類、日本のサンドイッチとの違いは、基本をまとめたハブ記事にくわしく書いている。

タンソンニャット空港でバインミーは食べられる?

結論、食べられる。ホーチミンのタンソンニャット国際空港(Tân Sơn Nhất/SGN)のターミナル内には飲食店やカフェがあり、バインミーを出す店もある。到着後すぐ、あるいは出発前の最後の一本に使える。

ただし空港のバインミーは市内の屋台にはかなわず、価格も2〜3倍することが多い。時間に余裕があるなら市内で食べるのがおすすめで、空港はあくまで食べ損ねたときの保険と考えるといい。ターミナル内のミニマートやコンビニでも軽食は買えるので、フライト前の小腹満たしには十分だ。

屋台での買い方・辛さやパクチー抜きの注文のコツ

ホーチミンのバインミー屋台は、ベトナム語が話せなくても買える。基本は指差しで「これ」と示せば通じる。覚えておくと便利なフレーズだけ押さえておこう。

  • バインミー1つください:「バインミー モッ カイ(Bánh mì một cái)」
  • 特製(全部のせ)で:「ダックビエット(đặc biệt)」
  • パクチー抜き:南部では「コン ゴー(không ngò)」が通じやすい(北部語だと「コン ラウムイ/không rau mùi」)。指差して首を横に振るだけでもOK。
  • 辛くしないで:「コン カイ(không cay)」。チリソースを抜いてもらえる。

支払いはほとんどが現金で、クレジットカードが使えない店も多い。お釣りがないこともあるので、小額紙幣を用意しておくとスムーズだ。注文フレーズや屋台文化のより詳しい解説は、ハブ記事にまとめている。

ホーチミン・バインミー食べ歩きモデルルート(1区・半日)

最後に、バインミーを軸にした1区の半日モデルルートを提案しておく。

  • 朝6〜7時:3区のホアマーで元祖・鉄板バインミー(朝のみ営業なので最初に)。
  • 午前:1区へ戻り、ベンタイン市場やグエンフエ通りを散策。ニューランで2本目を軽く。
  • 午後:フインホアで「王様」を体験、またはバイホー(19時まで)で老舗屋台のパテを。

ホーチミンのグルメはバインミーだけではない。コムタムやフォー、南部ならではの料理まで、街全体が食の宝庫だ。ホーチミンのグルメ全体像や、効率のいい観光ルートは別記事にまとめているので、合わせて読んでほしい。

よくある質問(FAQ)

ホーチミンにミシュラン掲載のバインミー店はある?

ベトナム版ミシュランガイドは2023年に始まり、ホーチミンも対象になっている。フォーなどのローカル食堂がビブグルマン(=手頃で質の高い店に付く印)に選ばれる例はあるが、この記事で紹介した有名バインミー店は、いまのところ星やビブグルマンには入っていない(2025年版時点)。バインミーは掲載の有無にこだわりすぎず、地元客で賑わう店を選ぶのがいちばん確実だ。最新の掲載状況は公開時点で確認してほしい。

バインミーで食中毒は大丈夫?屋台で気をつけることは?

ポイントを押さえれば、屋台のバインミーも十分楽しめる。目安は「地元の人で混んでいて回転が速い」「注文ごとに具を詰めている(作り置きしていない)」店を選ぶこと。逆に、炎天下に具を長時間出しっぱなしの屋台や、明らかに客の少ない店は避けたほうが無難だ。生野菜やなますが不安なら、火の通った具材中心のバインミーを選ぶ、氷入りの飲み物を控える、といった工夫も有効。心配な人は、前述のバインミー362のようなきれいな店舗型から始めると安心だ。

ホーチミンのバインミーの値段の相場は?

路地の屋台で15,000〜25,000ドン(約90〜150円)、有名店で40,000〜78,000ドン(約240〜480円)が目安。ホーチミンはハノイに比べて具が多く、有名店はやや高めだが、その分1本で満腹になる。タンソンニャット空港は市内の2〜3倍することもある。

早朝や深夜でもバインミーは食べられる?

食べられる。ニューラン(68 Hàm Nghi)は早朝4時台から夜23時まで営業していて、朝食にも夜食にも使える。逆に、元祖のホアマーは朝6〜11時のみと営業時間が短い店もあるので、行きたい店の時間は事前に確認しておこう。

まとめ ── 「王様」も屋台も、両方試してほしい

ホーチミンのバインミーは、フインホアのような有名店に行けば間違いはない。でも本当のおもしろさは、半世紀以上続く老舗屋台の一本や、路地の名もなき屋台にこそある。数日滞在するなら、ガイドに載っている名店と、地元の屋台の両方を試してみてほしい。ホーチミンの具沢山バインミーの奥深さが、きっと見えてくるはずだ。

バインミーそのものの歴史や種類、日本のサンドイッチとの違いをもっと知りたい人は、基本をまとめたハブ記事もどうぞ。

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エンジニア

幼少期をアメリカで過ごし、現在は世界を転々としながらコードを書くノマドエンジニア。

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