ライスペーパーは焼ける?溶ける・くっつく原因と、ベトナム屋台の焼き方

ライスペーパーをフライパンにのせたら、ふくらまずにへばりついて、はがそうとしたら破れた。日本でこれをやった人は多いと思います。ベトナムでは毎日どこかの路上で焼かれている食べ方なので、やり方には決まった形があります。

先に要点だけ知りたい方へ。

  1. 焼くときは水に戻しません。乾いたまま火にのせます
  2. 焼くのに向いた少し厚めの皮のほうが失敗しにくいです
  3. ハノイにも屋台があります。ダラットやダナンだけの食べ物ではありません

順番に見ていきます。

ベトナムでは、水に戻さず乾いたまま焼きます

生春巻きや揚げ春巻きでは、皮の種類に応じて、そのまま使ったり、軽く湿らせたりします。焼くときは、水で戻さず、乾いた状態から火にかけます。

水分が入っていると、火にあたった部分から糊のようになって鉄板にはりつきます。日本で「焼いたら溶けた」「フライパンから剥がれない」となるのは、ここが原因になっていることが多いです。

もうひとつ、皮そのものが違います。屋台では、焼くのに向いた少し厚めの bánh tráng がよく使われます。日本で一般的な薄い生春巻きの皮とは、厚さも水分の量も違うことがあります。薄い皮でも焼けますが、ふくらむ前に縮みやすいので火加減がむずかしくなります。

バインチャンヌン(bánh tráng nướng)

「ベトナム風ピザ」と呼ばれることのある屋台料理です。ベトナム語では bánh tráng nướng、読みは「バインチャン ヌン」。nướng は「焼く」という意味です。

何を乗せるか

炭火の上に金網を置き、そこに乾いた皮を1枚のせます。あたたまってきたら、うずらの卵を割り入れて、皮の上でヘラでのばします。そのあとに具を乗せます。

  • うずらの卵(trứng cút)── 1枚に1〜2個。生地を固める役割をします
  • ルオック(ruốc)── 豚肉をほぐして乾煎りした、でんぶのような食べ物
  • 青ねぎ(hành lá)── 小口切りをたっぷり
  • ソーセージ(xúc xích)── 薄切りにして並べます

店によって、干しエビ、チーズ、マヨネーズ、チリソースが加わります。焼き上がったら半分に折るか、ハサミで切り分けて、そのまま手で食べます。

ハノイでも食べられます

この料理はダラット発祥として知られていますが、いまはハノイでも売られています。ドンダー区やバーディン区あたりに屋台や小さな店があります。夕方から夜にかけて出ていることが多く、学生の多い通りで見かけます。

北部の「バインダーヌン」は、これとは別物です

名前が似ているので混ざりやすいのですが、北部で bánh đa nướng(バインダー ヌン)と言うと、上のピザ型ではなく厚くて丸い、白ごまをふった大きなせんべいのことを指します。

焼くとふくらんで反り返り、パリパリになります。そのままかじってもいいですし、ベトナムでは料理に添えて、割ってスープに浸したり、和え物をすくったりして食べます。

有名なのがバクニン省のトーハー(Thổ Hà)のもので、2枚を重ねて延ばして作るのが特徴です。焼くと表面が黄色くなって、独特のカーブが出ます。

名前は4つあります。バインダーニャム(bánh đa nem)=北部で、春巻き用の薄い皮を指すことが多い呼び方。バインチャン(bánh tráng)=主に中部・南部で使われる、一般的な呼び方。バインチャンヌン(bánh tráng nướng)=ライスペーパーを焼いて作る料理、または焼く用途の皮。バインダーヌン(bánh đa nướng)=北部の、分厚いごませんべい。

家で焼くとき

日本の台所には炭火も金網もないことが多いので、フライパンかトースターになります。

くっつく・破れるとき

うまくいかないときは、皮を濡らしていること薄手の皮で火加減が合っていないこと火が強すぎることあたりが原因として考えられます。

乾いたまま、弱めの中火にのせて、動かさずに待ちます。加熱すると反ったり浮いたりしてくるので、無理に剥がそうとせず様子を見ます。焦って動かすと、そこで破れます。

どの皮を買うか

日本のスーパーやカルディで売っているものは、ほとんどが巻き物用の薄いタイプです。焼き用として売られているものは少ないので、薄い皮で焼く前提になります。

薄い皮で焼く場合は、卵をのばして固めるやり方が向いています。卵が土台になるので、皮が縮んでも形が保てます。

焼き時間

炭火でも家庭のコンロでも、かかる時間は数分です。厚さ、火の強さ、火からの距離、皮の乾き具合で変わるので、時間で測るより色を見ます。ふくらんで、うすい黄色になって、端が反り返ってきたら焼き上がりです。

皮だけを焼くときは、途中で1回ひっくり返して両面に火を通します。厚いせんべいを焼くときも同じです。

卵や具を乗せて焼くときは、返しません。片面だけに火を入れて、上の具には下からの熱を通します。焼き上がったら、そのまま半分に折ります。

おわりに

日本ではライスペーパーを焼く食べ方が新しいものとして紹介されることがありますが、ベトナムではずっと前からある食べ方です。生春巻きの皮と同じ棚に、焼く用の厚い皮が普通に並んでいます。

うまくいかないときは、皮を濡らしていないか、薄手の皮に対して火が強すぎないかを確認します。乾いたまま、できれば少し厚めの皮で、弱めの火。この3つで結果が変わります。

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ライター

日本での生活経験あり。リンランを生活圏に、文化背景の翻訳と取材サポートを担当。

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