ベトナムのビザ完全ガイド|「45日ビザなし」の落とし穴と、e-Visa申請の正しい手順【2026年最新】

2026.02.25
旅・ガイド

ベトナムに住んでいると、日本から来る友人や仕事仲間から「ベトナムってビザいるの?」とよく聞かれる。答えはだいたい「45日以内なら、いらない」なのだが、この”だいたい”が曲者だ。

実際、パスポートの残存期間が足りなくて搭乗拒否された人を知っている。「ビザなしで来たけど、やっぱり長居したくなった」と現地で延長しようとして詰んだ人もいた。ベトナムのビザ制度は2023年の法改正で大幅に変わっていて、ネットには古い情報(「15日まで免除」など)がまだ残っている。

この記事では、日本人がベトナムに入国する際のビザ制度を、在住者の目線で整理した。観光の短期滞在から、e-Visaの申請手順、仕事や移住で必要になるビザの種類まで、2026年2月時点の最新情報をまとめている。

※ ビザに関する制度は頻繁に変わる。渡航前には必ず、ベトナム公安省 出入国管理局(Cục Quản lý Xuất nhập cảnh)の公式ポータルで最新情報を確認してほしい。(evisa.gov.vn / thithucdientu.gov.vn


日本人はベトナムにビザなしで何日いられる?

結論から言うと、45日以内の滞在なら、ビザは不要だ。

2023年8月15日の法改正で、日本を含む対象国のビザ免除期間が15日から45日に延長された。2025年3月の政府決議で、この措置は2028年3月14日まで延長された

ただし「ビザなし=無条件で入国OK」ではない。以下の条件をすべて満たす必要がある。

ビザ免除の条件(日本国籍者)

  • 滞在期間が45日以内であること
  • 入国時点でパスポートの有効期間が6ヶ月以上残っていること
  • ベトナムからの出国用の航空券を所持していること(提示を求められる場合がある)
  • ベトナムの法令で入国禁止対象になっていないこと

ありがちなのが、パスポートの残存期間の見落とし。「あと5ヶ月あるから大丈夫でしょ」は、空港のチェックインカウンターで搭乗拒否になりうる。ベトナムに着いてからではなく、日本を出る前の段階で止められるのだ。出発前に必ず確認してほしい。パスポートの準備も含めた渡航前のチェックには、ベトナム旅行の持ち物チェックリストも合わせて見ておくと安心だ。

出国用航空券についても触れておく。片道航空券だけでベトナムに来ようとすると、チェックイン時や入国審査で「帰りのチケットは?」と聞かれることがある。毎回聞かれるわけではないが、聞かれたときに見せられないと面倒なことになる。確実に入国したいなら、復路か第三国への航空券を用意しておくのが無難だ。

再入国ルールと「ビザラン」の現実

以前は「前回の出国から30日経っていないと再入国できない」というルールがあったが、これは2019年の法改正で廃止されている。法律上は出国の翌日に再入国しても問題ない。

ただし、ビザなし45日の滞在を何度も繰り返す、いわゆる「ビザラン」は現在グレーゾーンだ。制度上は禁止されていないが、入国審査官から滞在目的について詳しく聞かれたり、場合によっては入国を拒否されたケースも報告されている。長期で滞在するつもりなら、最初からe-Visaを取るか、目的に合ったビザを申請するほうが確実だ。


45日を超えるなら「e-Visa」一択──申請手順をゼロから解説

45日以上ベトナムに滞在したいなら、最も手軽なのが e-Visa(電子ビザ)だ。

観光でもビジネスでも使える。オンラインで申請が完結し、大使館に行く必要がない。手数料もシングル25ドル(約3,750円)、マルチ50ドル(約7,500円)と安い。

通常は発行まで3営業日だが、繁忙期や祝日前後はさらに時間がかかることがある。

e-Visaの基本スペック

項目 内容
有効期間 最大90日
入国回数 シングル(1回)またはマルチ(複数回)
手数料 シングル:25ドル/マルチ:50ドル
申請方法 オンラインのみ
発行日数 申請から3営業日
必要なもの パスポート(残存6ヶ月以上)、顔写真データ、パスポート写真ページのデータ

申請手順(2026年最新)

ステップ1:公式サイトにアクセス

ベトナムe-Visaの公式ポータル(https://evisa.gov.vn/)を開き、言語を英語に切り替える。日本語表示はない。

ここで最も大事な注意点がひとつ。必ず公式サイトから申請すること。「Vietnam e-Visa」で検索すると代行業者のサイトが上位に出てくるが、手数料が数倍取られたり、最悪フィッシングサイトでパスポート情報を抜かれるケースもある。迷ったら evisa.gov.vnthithucdientu.gov.vn のどちらかから申請すれば安全だ。

ステップ2:申請フォームに記入

「FOR FOREIGNERS」のボックスから申請フォームに進む。入力項目は以下の通り。

  • パスポート情報(番号、有効期限、発行地など)
  • 個人情報(氏名、生年月日、国籍など)
  • ビザの種類(シングル or マルチ)と希望開始日・終了日
  • 入国予定の空港または国境(ここで間違えると面倒なことになる。後述
  • ベトナムでの滞在先住所
  • 顔写真(4×6cm、白背景、カラー、メガネなし)のアップロード
  • パスポート顔写真ページの画像アップロード

ステップ3:手数料の支払い

クレジットカードまたはデビットカードで支払い。現金や振込は不可。

ステップ4:承認を確認し、印刷

3営業日後(土日祝を除く)に、登録したメールアドレスに通知が届く。ただし、メールが届かないケースもあるので、3〜4日経ったら公式サイトの確認ページで登録コードと生年月日を入力して、自分で状況を確認するのが確実だ。承認されていればビザのPDFをダウンロードできる。

これを印刷して、入国時にパスポートと一緒に提示する。スマホ画面の提示でも通ったという声もあるが、念のため紙で持っておくのが無難だ。ベトナム到着後にスマホでネットにつなぐ手段は通信・SIMガイドにまとめている。

e-Visa申請で「やらかす」ポイント3つ

①入国空港(入国地点)を間違える

申請フォームに入力する「Entry port」は、最終目的地ではなく**ベトナムに入国する最初の空港(国境)**を選ぶ必要がある。たとえばハノイ経由でダナンに行く場合、ダナン行きの国際線に乗っていても、乗り継ぎでハノイで入国審査を受けるなら「Noi Bai International Airport」を選ばなければならない。

ここを間違えると、搭乗前に止められたり、入国審査で追加確認・再申請を求められる可能性がある。承認後に入国地点の修正はできないケースが多いので、最初の入力を慎重に。

②入国後にe-Visaへの切り替えはできない

これがベトナムのビザ制度で最大の罠。タイやインドネシアのように「とりあえず入国してから現地でビザ延長」という発想が通用しない。

ビザなしで入国した後に「やっぱり長居したい」となっても、ベトナム国内ではe-Visaの申請ができない。一度出国して、国外から申請し直す必要がある。しかも申請から発行まで最低3営業日かかるので、出国先で数日待つことになる。

※ただし、実務上はスポンサーや正当な理由がある特別なケースでは例外的に認められる場合がある。

③週末を挟むと発行が遅れる

「3営業日」は土日・祝日を含まない。水曜日に申請すれば翌週月曜日に発行、金曜日に申請すると翌水曜日まで待つことになる。出発直前に慌てて申請すると間に合わない。渡航の1〜2週間前には申請を済ませておくこと

なお、e-Visaは申請時に有効期間の開始日・終了日を設定する形式なので、渡航直前まで待つ必要はない。日程が決まった段階で早めに申請し、開始日を入国予定日に合わせておけばよい。

承認されたe-Visaは、記載された有効期間内であれば入国できる。ただし、開始日より前には入国できず、日程や入国地点が変わった場合は再申請が必要になることもあるため、申請内容は慎重に確認したい。


トランジット(乗り継ぎ)でもビザは必要?

ベトナムの空港で乗り継ぎだけする場合、制限エリア内にとどまるならビザは不要だ。

ただし、乗り継ぎの間にいったん入国して市内観光をしたい、といった場合は通常の入国と同じ扱いになる。45日以内ならビザ免除、それを超えるならe-Visaが必要。空港から市内への移動にはGrabが便利だが、入国審査を通ってからの話だ。

注意したいのは、荷物のピックアップ。航空会社や経路によっては乗り継ぎ時に一度入国審査を通る必要があるケースもある。搭乗前に航空会社に確認するのが確実だ。


オーバーステイ(滞在超過)は絶対にダメ

「数日くらいなら大丈夫だろう」と思う人がいるかもしれないが、ベトナムのオーバーステイは1日でも罰金の対象になる。

滞在超過の日数に応じて罰金が課せられるほか、悪質なケースでは強制退去や再入国禁止の措置が取られることもある。しかも罰金はベトナムドンの現金払いを求められることが多く、手持ちがないと手続きがさらに面倒になる。

ビザなしで入国した場合は45日、e-Visaなら90日が上限。パスポートの入国スタンプに記載された日付を必ず確認し、期限内に出国すること。「なんとかなるだろう」は、ベトナムではなんともならない。

補足:滞在日数の数え方について

ベトナムの滞在期限は「◯月◯日まで」という月単位ではなく、単純な日数カウントで決まる。入国日が1日目として数えられ、そこから45日(または90日)で計算される。

たとえば3月21日にe-Visaで入国した場合、90日目は6月18日。この日までが滞在可能で、6月19日に入るとオーバーステイになる。

「3月21日から3ヶ月だから6月20日まで大丈夫だろう」と考えるとズレるので注意したい。

ただし、最終的な判断基準はパスポートに押される入国スタンプやe-Visaに記載された期限日だ。自分で計算した日数ではなく、必ずそちらを確認してほしい。


滞在登録(宿泊届出)──見落としがちな義務

ベトナムでは、外国人の宿泊先を公安(警察)に届け出る義務がある。

ホテルやゲストハウスに泊まる場合は、施設側がチェックイン時に自動的に届出をしてくれるので、旅行者が自分で何かする必要はない。

問題は、Airbnbや友人・知人の家に泊まる場合。この場合、家主が地元の公安に宿泊届を提出する義務がある。届出をしないまま滞在して、何かのトラブルで公安の目に留まると、家主にも滞在者にも面倒が及ぶ。

短期旅行でホテルに泊まるだけなら気にしなくていいが、ロングステイや友人宅に居候するような場合は、この制度を頭に入れておくこと。


ビザの種類一覧──観光以外で必要になるケース

ベトナムのビザは、2019年の改正出入国管理法で27種類に分類されている。ほとんどの旅行者はビザ免除かe-Visaで事足りるが、「仕事でベトナムに駐在する」「家族と一緒に住む」「投資活動をする」といった場合は別のビザが必要になる。

ここでは、日本人に関係の深いビザを目的別に整理した。

観光・短期滞在

ビザ 用途 有効期間
ビザ免除 45日以内の観光・短期滞在 45日
e-Visa(EV) 90日以内の観光・ビジネス 最大90日
観光ビザ(DL) 企業保証がある場合の観光 1〜3ヶ月

ビジネス・就労

ビザ 用途 有効期間
商用ビザ(DN1/DN2) 商談・会議・技術指導など 最長1年
就労ビザ(LD1/LD2) 現地法人での就労(労働許可証が前提) 最長2年

投資・家族帯同

ビザ 用途 有効期間
投資ビザ(DT1〜DT4) 投資額に応じた長期滞在 最長10年(DT1)
家族帯同ビザ(TT) 就労者の配偶者・子ども 最長3年
親族訪問ビザ(VR) ベトナム人の親族を訪問 ケースにより異なる

観光やe-Visa以外のビザを取得する場合、基本的にベトナム側の企業や団体が「招聘状」を取得する必要がある。つまり、申請者本人だけでは手続きが完結しない。受け入れ先との連携が不可欠だ。

就労ビザ(LD)の場合は、別途「労働許可証(Work Permit)」の取得が必要になる。ビザと労働許可証は別物で、発行元も手続きも異なる。駐在や現地採用で渡航する場合は、所属先の人事部門や現地のエージェントを通じて準備するのが一般的だ。


ビザ申請に必要な写真のルール

e-Visaでも大使館申請でも、写真でつまずく人は意外と多い。

e-Visa用の写真要件

  • サイズ:4×6cm
  • カラー、白背景
  • メガネなし、正面を向いて撮影
  • ファイル形式:JPG
  • パスポートの顔写真ページも別途アップロードが必要

自宅でスマホ撮影する場合は、白い壁の前で自然光で撮ればだいたい大丈夫だ。ただし「影が入っている」「背景がクリーム色」というだけで差し戻されることもある。背景が白でないと容赦なくリジェクトされるので、専用アプリを使うか、街の証明写真機を使うほうが確実。

大使館申請の場合は3.5×4.5cmの写真が必要。e-Visaとサイズが違うので要注意。


電子タバコ・加熱式タバコに要注意

近年、ベトナムでは電子タバコ(Vape)や加熱式タバコ(IQOS・glo・Ploom等)をめぐる規制が強化されている。2025年にはベトナム国会で電子タバコ・加熱式タバコの禁止法案が可決されており、空港での没収やトラブルも起きうるため、持参しないのがいちばん安全だ。本体だけでなく、カートリッジやリキッドも含めて、渡航前にスーツケースから出しておこう。

なお、紙巻きタバコについては従来通り200本まで免税で持ち込める(葉巻は20本、刻みタバコは250gまで)。

※ 規制の詳細や運用は変わりやすいので、心配なら渡航直前にベトナム税関や航空会社の最新案内も確認してほしい。


ビザ関連でよくある質問

Q. ビザなしで入国した後、45日を超えて滞在できる?

原則として延長は認められない。45日を超えるなら、最初からe-Visaを取得して入国する必要がある。「現地で延長すればいい」は通用しない──これはベトナムのビザ制度で最もよくある誤解だ。

Q. 出入国カードの記入は必要?

国際空港であれば、2026年現在、出入国カードの提出は不要。ただし陸路での入国(カンボジアやラオスとの国境)では、記入を求められることがある。

Q. パスポートの残存期間が6ヶ月を切っていたら?

入国拒否の可能性がある。ビザ免除でもe-Visaでも、入国時点でパスポートの残存有効期間が6ヶ月以上必要。ギリギリなら出発前に更新しておくこと。

Q. 外貨の持ち込み制限は?

現金5,000米ドル相当以上、または1,500万VND(約89,000円)以上を持ち込む場合は税関申告が必要。申告せずに入国し、出国時に上記の額を超える現金を持ち出そうとすると没収される可能性がある。長期滞在者は、入国時の申告書の控えがあれば保管しておくと安心だ。

両替についてはハノイの両替おすすめガイドで詳しくまとめている。

Q. ベトナムの物価が気になる。現金はどれくらい必要?

ベトナムの物価は日本の3分の1程度と言われるが、場所やシーンによってかなり幅がある。詳しくはベトナムの物価ガイドを参考に、必要な現金・予算感を掴んでおくと安心だ。


大使館・領事館の連絡先

ビザの最新情報や個別の相談は、以下に問い合わせるのが確実だ。

駐日ベトナム大使館(東京) 住所:東京都渋谷区元代々木町50-11 電話:03-3466-3311

在大阪ベトナム総領事館 住所:大阪府堺市堺区市之町東4-2-15

在福岡ベトナム総領事館 住所:福岡県福岡市博多区中洲5-3-8 アクア博多4F

在ベトナム日本国大使館(ハノイ) 住所:27 Lieu Giai, Ngoc Ha, Hanoi 電話:+84 24 3846 3000


住んでいるとビザのことなんてふだん考えない。でも、来客をもてなすたびに「ビザいるの?」から話が始まって、パスポートの残存期間のチェックまで一緒にやっている自分がいる。

ベトナムのビザ制度は2023年の法改正で格段にシンプルになったが、それでも「入国後には延長できない」「写真のサイズが違う」みたいな落とし穴は残っている。

一番厄介なのは「なんとかなるだろう」という思い込みで、ベトナムの入管は意外とキッチリしている。事前に知っておけば、どれも避けられるものばかりだ。

ビザの準備ができたら、あとは服装持ち物を整えるだけ。いい旅を。

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エンジニア

幼少期をアメリカで過ごし、現在は世界を転々としながらコードを書くノマドエンジニア。

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