バインセオの食べ方|ライスペーパーの巻き方とタレの違いを現地の写真で解説【2026年版】

バインセオの食べ方は、ライスペーパーに野菜とバインセオを乗せて巻き、タレにつけるだけです。そして、この手順はベトナムのどこで食べても変わりません。地域で違うのは、巻く野菜やタレ、生地の大きさです。

この記事では、ダナンとハノイで実際に食べたときの写真を使って、巻き方を順番に紹介します。

バインセオの食べ方

順番に見ていきます。

①バインセオをハサミで切り分ける

まず、大きな1枚を食べやすい大きさに切ります。店のテーブルにはハサミが置いてあります

焼きたてのバインセオはガラスのように薄く、力を入れると割れてしまいます。箸で割ろうとすると粉々になるので、ハサミのほうが確実です。半分に切ってから、さらに巻ける幅に切っていきます。

焼きたてのバインセオをハサミで切り分けているところ。左に袋入りのライスペーパー、右に生野菜のトレイ

②ライスペーパーを1枚取る

ここが日本人のつまずきどころです。

ベトナムで出てくるライスペーパーは、水に戻さずそのまま巻けます。日本のスーパーで売っているものは乾いた硬いタイプが多く、ぬるま湯で戻してから使いますが、現地で食卓に出るものは最初から柔らかい状態です。水につけようとして手が止まらなくて大丈夫です。

袋に入って重ねてある状態で置かれることも、皿に広げて出てくることもあります。1枚ずつはがして手のひらに広げてください。

ライスペーパーを1枚手に取ったところ。水に戻さず乾いたまま巻ける

③レタスとハーブを乗せる

広げたライスペーパーの上に、まずレタスなどの大きな葉物を1枚敷きます。その上にハーブを好きなだけ。

ハーブは日本ではあまり見ないものが混ざっていることがあります。香りが強いものは、最初は少なめにして、慣れたら増やすくらいでちょうどいいです。

ライスペーパーの上にレタスと青じそなどのハーブを乗せているところ

④バインセオを乗せる

切ったバインセオを1切れ、野菜の上に乗せます。

野菜の上に切り分けたバインセオを乗せたところ。牛肉ともやしが見える

⑤手前から巻く

手前を持ち上げて、具を包み込むように転がしていきます。春巻きと同じ要領ですが、両端を折り込む必要はありません。筒状のまま、端が開いていて構いません。

ライスペーパーを手前から巻いている途中。両端は折り込まず筒状にする

⑥巻き終わり

片手で持てるくらいの太さになれば完成です。

巻き終わったバインセオを手に持ったところ。片手で持てる太さになる

⑦タレにつけて食べる

巻いたものの先端をタレにつけて、そのままかじります。全体を浸す必要はありません。ライスペーパーがふやけて崩れる原因になります。

巻いたバインセオの先端をタレにつけているところ。唐辛子が浮いた透明のタレ

食べ終わったら、また1枚目から同じことを繰り返します。手が汚れるので、おしぼりかティッシュを近くに置いておくと快適です。

同じ皿の串焼きも、同じように巻く

バインセオの店では、ネムルイ(レモングラスの茎や串に豚肉のつくねを巻きつけて焼いたもの)が一緒に出てくることがよくあります。これも食べ方は同じです。

串から肉を外して、ライスペーパーにレタスと一緒に乗せて巻き、タレにつける。バインセオと一緒に巻いてしまっても構いません。

ネムルイの串をライスペーパーとレタスで巻いているところ。バインセオと同じ巻き方

ライスペーパーで巻き終わったネムルイ。中の焼いた肉が見えている

つまり「巻いて食べる」はバインセオだけの作法ではないということです。ベトナムでは生春巻きも、焼いた肉も、魚も、この形で出てきます。この手順を一度覚えてしまえば、ほかの料理でもそのまま使えます。

違うのは「巻く野菜」と「タレ」

手順は変わらないと書きました。では何が変わるのか。ダナンの店とハノイの店で実際に出てきたものを並べてみます。

ダナンとハノイで出てきたもの

ダナン(中部) ハノイ(南部スタイルの店)
生地 手のひらサイズ。1皿に4枚、半分に切って8切れ 大判が1枚。切り分けて出てくる
バインセオにつけるタレ とろみのある茶色。ピーナッツと挽き肉、レバーの濃厚な味 透明で甘酸っぱい。大根とにんじんの酢漬けが浮いている
巻く野菜 葉物とハーブ、青パパイヤの千切り、きゅうり レタス、青じそ、キンヨイ、からし菜、ミント、ラーコック
ライスペーパー 付いてくる 付いてくる

タレはここまで違う

一番はっきり違うのがタレです。

ダナンで出てきたのはとろみのある茶色いタレでした。ピーナッツのコクに挽き肉やレバーの濃厚さが混ざった、日本ではまず食べない味です。ベトナム料理のイメージにある「透明で甘酸っぱい魚醤ダレ」とは方向がまったく違います。

一方、ハノイの南部スタイルの店で出てきたのは、透明で甘酸っぱいさっぱりしたタレ。酢漬けの大根とにんじんが浮いていて、こちらのほうがいわゆるヌクチャムのイメージに近いものです。

面白いのは、ハノイの店でも茶色くとろみのあるタレは出てきたということです。ただしこちらはネムルイ用で、バインセオには透明のほうをつけます。同じ茶色いタレでも、地域によって「何につけるもの」なのかが変わります。

つまり、「バインセオのタレはこれ」という正解はありません。店で出されたものが、その土地のバインセオのタレです。

Mr. Bảy Miền Tâyで出てくる2種類のタレ。茶色くとろみのあるタレと、酢漬け野菜が浮いた透明のタレ

巻く野菜も店ごとに違う

野菜のほうも同じです。

ダナンの店では、葉物とハーブのほかに青パパイヤの千切りときゅうりが目立ちました。シャキシャキした食感を足す役割です。

ハノイの店では、テーブルに野菜の名札が立っていて、レタス、青じそ、キンヨイ(ベトナムバーム)、からし菜、ミント、ラーコック(アンバレラの葉)の6種類が書かれていました。ハーブの種類で香りを重ねていく構成です。

Mr. Bảy Miền Tâyの卓上の野菜の名札。レタス、青じそ、キンヨイ、からし菜、ミント、ラーコックの6種類が写真つきで並ぶ

どちらが正しいということはありません。出てきたものを、好きな配分で巻いていいのがこの料理です。全部を毎回入れる必要もありません。

そもそもバインセオとは

米粉の生地にターメリックで黄色い色をつけ、エビ、豚肉、もやしなどを包んで薄く焼いたものです。Bánh は粉物の総称、Xèo は生地を熱した鍋に流し込んだときの「ジューッ」という音を表しています。料理名がそのまま調理音という、分かりやすい名前です。

日本では「ベトナム風お好み焼き」と紹介されることがありますが、実物はかなり違います。生地は割れるほど薄くてパリパリで、ソースもかけません。大量の生野菜と一緒に巻いて食べるという点で、お好み焼きよりも生春巻きに近い料理です。

大きな中華鍋で焼かれているバインセオ。ターメリックで色づいた黄色い生地にもやしと青ねぎが乗っている

南部・中部・北部で何が変わるか

バインセオはもともと南部の料理です。そこから広がる過程で、土地ごとに形が変わりました。

  • 南部皿からはみ出すほどの大判。生地にココナッツミルクが入って、しっとりした部分と縁のパリパリが同居します。ミシュランガイドがホーチミンの店を紹介する際にも、緑豆・もやし・豚肉・エビを包んだ大きなクレープと書かれています
  • 中部手のひらサイズ。小さく焼いて、全体をカリッと仕上げます。1皿に何枚も乗って出てくるのが普通です
  • 北部:もともとバインセオの土地ではありません。ハノイで食べられる店は、南部か中部のスタイルを持ってきているところがほとんどです

生地の大きさが変われば、巻き方も少し変わります。南部の大判は切り分けてから巻き、中部の小さいものはそのまま、あるいは半分にして巻く。ただしやっていることは同じです。

どこで食べるか

ダナン:バインセオ バーユン

中部スタイルの代表格です。ホアンジエウ通りから入った路地の一番奥にある創業30年以上の専門店で、バインセオ1皿90,000ドン。名物はピーナッツと挽き肉、レバーが入ったとろみのある茶色いタレで、ミシュランガイドの紹介文でも名指しされています。

ただし、この店はたどり着くのが一番の関門です。住所まで行っても店は見えず、手前にある同じ店名の看板はバイク置き場。行き方から皿の中身まで、別記事にまとめています。

ダナンで他に何を食べるかは、下記も参考になります。

ハノイ:Mr. Bảy Miền Tây(旧市街)

ハノイの旧市街、ハンディウ通りにあるバインセオの専門店です。店の名前にある「Miền Tây(ミエンタイ)」はメコンデルタ、つまりベトナム南部を指します。看板にも「Authentic Southern Vietnamese Cuisine」とあるとおり、ハノイで食べる南部料理の店です。北部はもともとバインセオの土地ではないので、ハノイでバインセオを探すとこういう店に行き着きます。

  • 店名:Mr. Bảy Miền Tây
  • 住所:79 Hàng Điếu, Hoàn Kiếm, Hà Nội
  • 電話:0982 252 507
  • 営業時間:月〜金 11:00〜23:00/土日 11:30〜23:00

店の入口が調理場になっていて、大きな中華鍋でバインセオを焼いているところが通りから見えます。もやしをどっさり乗せて蓋をする、あの工程を待ちながら眺められる立地です。

Mr. Bảy Miền Tâyの外観。竹の看板にMICHELIN 2024のロゴと住所79 Hàng Điếu、右に2024・2025・2026のバナーが並ぶ

ミシュランのビブグルマンに3年連続

店頭に MICHELIN 2024・2025・2026 の縦長のバナーが3枚並んでいます。看板にも2024年のロゴが入っていて、レジの横にはミシュランガイドの赤い本が置いてありました。ビブグルマン(価格以上の満足感が得られる料理に与えられる称号)を3年続けて獲っている店です。

値段は安くありません

メニューはバインセオが4種類。

  • Bánh xèo Nam Bộ(豚肉とエビ):175,000ドン
  • Bánh xèo Bò / Gà(牛肉または鶏肉):185,000ドン
  • Bánh xèo Hải Sản(シーフード):195,000ドン
  • Bánh xèo Mr. Bảy:205,000ドン
バインセオ1皿で175,000ドン(約1,000円)からです。ダナンのバーユンが1皿90,000ドンなので、倍の価格帯になります。屋台の値段を想像していくと面食らうので、先に知っておいたほうがいい部分です。

サラダ類は、空芯菜のニンニク炒めが85,000ドン、バナナの花のサラダ(牛肉または鶏肉)が165,000ドンでした。

Mr. Bảy Miền Tâyのメニュー。バインセオ4種が175,000〜205,000ドンで並び、ライスペーパーと野菜付きの区分になっている

ライスペーパーと野菜が付くのが前提

メニューでバインセオが載っているページは「MÓN CUỐN RAU / DISHED SERVED WITH RICE PAPER & VEGETABLES」という区分になっています。ライスペーパーと野菜と一緒に出すことが、店のメニュー分類そのものに書かれているということです。

実際、運ばれてくるのは竹のトレイ。バナナの葉の上に大判のバインセオが切り分けて乗り、別皿にハーブの山、ライスペーパー、ブン(米麺)、きゅうり、にんじんの酢漬け、焼いた肉の串が付いてきます。テーブルがいっぱいになります。

Mr. Bảy Miền Tâyのバインセオ一式。バナナの葉に乗った大判のバインセオと、ネムルイの串、ブン、きゅうり、にんじんの酢漬け

タレは2種類出てくる

小さな器が2つ並びます。ひとつは透明で、大根とにんじんの酢漬けが浮いた甘酸っぱいタレ。もうひとつは茶色くとろみのあるタレです。

この2つには使い分けがあります。透明のほうがバインセオ用、茶色のほうがネムルイ(串焼き)用です。器が2つ出てきたら、バインセオは透明のほうにつけてください。

テーブルには刻んだ生の唐辛子の器も置かれているので、辛くしたい人は巻くときに足せます。

食べ方は店が教えてくれる

テーブルに「HOW TO EAT BÁNH XÈO」という写真つきの手順書が立っています。①ライスペーパーを取る ②野菜を乗せる ③バインセオを乗せる ④まとめて巻く ⑤魚醤につける、の5ステップ。この記事で説明している手順とまったく同じです。

初めてで不安な人には、これがあるだけでかなり気が楽になります。

Mr. Bảy Miền Tâyの卓上に立つHOW TO EAT BÁNH XÈOの手順書。写真つきの5ステップで巻き方が説明されている

ホーチミン:Bánh Xèo 46A

南部スタイルの本場、ホーチミンで一番名前が挙がるのがこの店です。私はまだ行けていないので、公開情報の範囲で書いておきます。

  • 店名:Bánh Xèo 46A
  • 住所:46A Đinh Công Tráng, Tân Định
  • 営業時間:昼と夜の二部制で中休みがあります(おおむね10時台〜14時ごろ、16時〜21時ごろ)
  • 価格:110,000ドン(通常)/180,000ドン(特製)

70年以上続く店で、ミシュランガイドは緑豆、もやし、豚肉、エビを包んだ大判のバインセオと紹介しています。エアコンの効いた室内席よりも、オープンキッチンの脇の屋外席のほうが本来の雰囲気だとも書かれています。中休みがあるので、閉店時間ぎりぎりを狙わないほうがよさそうです。

ミシュランガイドに載っているバインセオの店

2026年版のミシュランガイド(ハノイ/ホーチミン/ダナン)で、バインセオに関係する店を整理しておきます。

  • ハノイ:Mr. Bảy Miền Tây = ビブグルマン(2024・2025・2026)
  • ホーチミン:Bánh Xèo 46A = ビブグルマン(2024・2025・2026)
  • ダナン:Bánh Xèo 76 = ビブグルマン(2025)/Bánh Xèo Tôm Nhảy Cô Ba = ビブグルマン(2026)

ここで1つ知っておくといいことがあります。ミシュランの称号と、実際に食べた人の評価は必ずしも一致しません

たとえばホーチミンの46Aは3年連続のビブグルマンですが、Googleマップの評価は1,900件超で3.9です。逆にダナンのバーユンはビブグルマンではなく掲載店ですが、「ダナンでバインセオを食べたい」と地元の人に言えば真っ先に名前が挙がる店です。

称号は店を探すときの手がかりとしては優秀です。バインセオを出す店は無数にあるので、名前が絞れるだけで助かります。ただし「ここに行けば間違いない」という保証ではありません。価格帯も含めて、自分が何を食べに行くのかを決めてから選ぶのがいいと思います。

よくある質問(FAQ)

ライスペーパーは必ず付いてきますか?

バインセオを出す店なら、まず付いてきます。ダナンでもハノイでも、注文していないのに当たり前のように並びました。ハノイの店ではメニューの区分名そのものが「ライスペーパーと野菜付き」になっていたほどです。

ライスペーパーは水で戻さなくていいのですか?

現地で食卓に出てくるものは、そのまま巻けます。最初から柔らかい状態のものが使われているためです。日本のスーパーで売っている乾いた硬いタイプとは別物だと思ってください。

お好み焼きとは何が違いますか?

生地の厚みと食べ方が違います。バインセオの生地は割れるほど薄くてパリパリで、ソースもマヨネーズもかけません。大量の生野菜と一緒に巻いて、タレにつけて食べる料理です。名前の印象よりも、生春巻きに近い食べものです。

手で食べますか、箸で食べますか?

巻く作業は手でやります。巻いたものもそのまま手で持って食べます。箸は、バインセオや野菜を取り分けるときに使う程度です。手が汚れるので、おしぼりかティッシュを用意しておくと快適です。

1人でどれくらい食べられますか?

店によって1皿の量がまったく違います。中部の手のひらサイズなら1皿4枚が1人前くらい、南部の大判は1枚がかなりのボリュームです。野菜も相当な量が付いてくるので、2人なら1皿+別の1品くらいから始めて、足りなければ追加するのが無駄がありません。

辛いですか?

タレ自体は辛くありません。刻んだ生の唐辛子がテーブルに置かれていることが多いので、辛くしたい人は巻くときに一緒に入れる形です。

バインセオ?バインゼオ?読み方はどれが正しいですか?

ベトナム語の Bánh Xèo の発音は、北部と南部でも少し違います。日本語では「バインセオ」が最も一般的で、「バインゼオ」「バインセーオ」と書かれることもあります。どれでも通じます。

おわりに

バインセオは、出てきた瞬間に「どうやって食べるんだろう」と身構えてしまう料理です。でも、やることはライスペーパーに乗せて巻いてタレにつけるだけ。この手順は南でも中部でも北でも変わりません。

変わるのは巻く野菜とタレのほうです。ダナンではピーナッツとレバーの濃厚な茶色いタレ、ハノイでは透明で甘酸っぱいタレ。青パパイヤが出てくる店もあれば、ハーブを6種類並べる店もある。同じ料理名でも、店ごとに違うものが出てきます。

裏を返せば、一度覚えれば、どこの店でも困らないということです。出されたものを好きな配分で巻いて、目の前のタレにつける。それがその土地の正解です。

ベトナムの食べ物全体については、下記の記事にまとめています。

※本記事の価格・営業時間は、ダナンは2026年5月、ハノイは2026年7月の現地確認および2026年7月31日時点の情報です。店舗の状況は変更される場合がありますので、最新の情報は現地でご確認ください。
この記事は役に立ちましたか?
もし参考になりましたら、下記のボタンで教えてください。

関連記事

目次