ベトナムの塩コーヒーとは?ソルトコーヒーの味・作り方・インスタント・お土産の値段

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ベトナムの塩コーヒーは、練乳入りのコーヒーに塩を効かせたクリームをのせた飲み物だ。「コーヒーに塩?」と身構える名前だが、ベトナムでは屋台でもチェーンのカフェでも普通に頼める。

先に結論を書くと、ベトナムの路上の屋台では1杯22,000ドン(約130円)、チェーンのコンカフェでは49,000ドン(約290円)。家で作るなら、生クリームに練乳とほんの少しの塩を入れて泡立て、練乳コーヒーの上にのせればいい。

塩コーヒー(ソルトコーヒー)とは?練乳コーヒーに塩クリームをのせた飲み物

塩コーヒーは、グラスの底に練乳、その上に濃いコーヒー、いちばん上に塩を加えて泡立てたクリームを重ねた飲み物だ。ベトナム語ではcà phê muối(カフェ・ムオイ)という。muốiが塩という意味で、英語のメニューでは「Salt Coffee」「Salted Coffee」と書かれる。日本では「塩コーヒー」とも「ソルトコーヒー」とも呼ばれるが、同じものだ。

ホットでもアイスでも出てくる。まずクリームとコーヒーを一緒にひと口味わい、その後、軽く混ぜて飲む。

・cà phê muối=塩コーヒー
・muối=塩
・kem muối=塩クリーム
・nâu=ミルクコーヒー(北部の呼び方)
・đá=アイス(氷)
・nóng=ホット

2010年にフエの小さなカフェで生まれた

塩コーヒーは中部の古都フエで生まれた。始まりは、2010年にフエの10 Nguyễn Lương Bằngで開店したカフェ「Cà Phê Muối」だとされる。店を開いたのはフエの夫婦で、店独自の飲み物として塩コーヒーを作った。店の名前は、夫がネットで読んで気に入っていた「Cà phê muối(塩コーヒー)」という題名の恋愛の話から、そのまま付けた。

フエでは長く地元の名物だったが、2023年にホーチミンやハノイの若者の間で一気に流行し、全国のカフェや屋台のメニューに並ぶようになった。

発祥の店は今もフエで営業していて、10 Nguyễn Lương Bằngと142 Đặng Thái Thânの2か所にある。発祥の店の出し方は、練乳と塩を加えたミルクを入れたグラスの上にフィン(ベトナム式の金属フィルター)を置き、コーヒーを落として混ぜる形で、2022年の時点で1杯15,000ドンだった。

フエ以外の中部の街でも飲める。ダナンでは「Cà Phê Muối gốc Huế(フエ発祥の塩コーヒー)」を看板に掲げる店が多い。

どんな味?まずいと感じる人もいる?

練乳の甘さ、コーヒーのほろ苦さ、クリームのコクを合わせた飲み物だ。この記事で紹介するレシピでは、しょっぱさを前に出さず、最後にかすかな塩気が残る程度に仕上げる。

まずクリームとコーヒーを一緒にひと口味わい、その後、軽く混ぜて飲む。

コーヒーに塩を入れるのはベトナムだけ?効果は?

日本にも、ドリップしたコーヒーにひとつまみの塩を入れて苦みを抑える飲み方がある。ベトナムの塩コーヒーは、塩を練乳やクリームと合わせてのせる点が違い、甘いデザートに近い飲み物だ。

塩は味のために入れるもので、健康のための飲み物ではない。インスタントの塩コーヒーでは、1本あたりのナトリウムは75〜90mgほど(食塩に直すと0.2g前後)で、塩の量より砂糖の量のほうが多い。

ベトナムでの頼み方|メニューの「muối」を探す

メニューで探す文字はmuối(MUỐI)だ。塩コーヒーそのものの名前のほかに、塩クリームをのせた抹茶やココアもある。

メニューの表記 中身
Cà phê muối 塩コーヒー
Nâu kem muối 塩クリームをのせたミルクコーヒー
Matcha kem muối 塩クリームをのせた抹茶ラテ
Cacao kem muối 塩クリームをのせたココア
Cà phê muối đá/nóng アイス/ホット

ベトナムの路上の屋台では22,000ドン

路上でも移動式の屋台を見かけることがある。台の前にメニューが貼ってあり、いちばん上に塩コーヒーが載っている。

路上の屋台「GẠO CAPHEE」のメニュー。Cà phê muối 22K、Cà phê nâu 20K、Matcha kem muối 30Kなどが並ぶ。

メニュー 中身 値段 円
Cà phê muối 塩コーヒー 22,000ドン 約130円
Cà phê nâu ミルクコーヒー 20,000ドン 約120円
Cà phê đen ブラック 17,000ドン 約100円
Cà phê sữa tươi 牛乳入りコーヒー 22,000ドン 約130円
Bạc xỉu ミルク多めのコーヒー 22,000ドン 約130円
Matcha latte 抹茶ラテ 25,000ドン 約150円
Matcha kem muối 塩クリーム抹茶 30,000ドン 約180円
Cacao latte ココアラテ 25,000ドン 約150円
Cacao kem muối 塩クリームココア 30,000ドン 約180円

塩コーヒーは普通のミルクコーヒーより2,000ドン(約12円)高いだけだった。抹茶とココアは、塩クリームをのせると5,000ドン上がる。

歩道に止まった塩コーヒーの移動式屋台。帽子とマスクの店員が台の奥でドリンクを作っている。

この屋台の作り方は、氷とミルクを入れたカップを並べておき、泡立てたコーヒーを上から注ぐ形だった。

持ち帰り用のビニール袋に入った2杯のコーヒー。カップに「GẠO CAPHEE」の文字が入っている。

持ち帰りは、カップを1杯ずつビニールの袋に入れて渡された。

値段の目安|22,000〜55,000ドン

店の種類で2倍ほどの開きがある。

店 1杯 円
路上の屋台 22,000ドン 約130円
ホイアンの食堂(壁の貼り紙) 35,000ドン 約210円
別のカフェ 47,000ドン 約280円
コンカフェ(Nâu kem muối) 49,000ドン/大55,000ドン 約290円/約330円

このカフェでは、同じメニュー表のブラックが33,000ドン、エッグコーヒーが60,000ドンだった。塩コーヒーはその間に入る値段になる。

ホイアンの食堂の黄色い壁。「CÀ PHÊ MUỐI Salt Coffee 35.000đ」の貼り紙がある。

ホイアンの食堂でも、黄色い壁に「CÀ PHÊ MUỐI Salt Coffee 35.000đ」の貼り紙が出ていた。食事の店でも、飲み物として置いているところがある。

エッグコーヒーの値段と飲み方は、別の記事で詳しく書いている。

どこで飲める?ハノイ・ホーチミン・ダナン・フエ

いまはフエに行かなくても飲める。旅行者が見つけやすいのは次の3つだ。

  • コンカフェ(Cộng Cà Phê):観光地にほぼ必ずあるチェーン。塩クリームのミルクコーヒー「Nâu kem muối」がある
  • 路上の屋台・小さなカフェ:「CÀ PHÊ MUỐI」と書いた看板や貼り紙が目印。いちばん安く飲める
  • フエの発祥の店:10 Nguyễn Lương Bằng と 142 Đặng Thái Thân。朝6時半から夜22時ごろまで営業している
ハイランズコーヒーのメニューには塩コーヒーがない。チェーン店で飲むなら、コンカフェか個人のカフェを選ぶ。

ハイランズコーヒーで頼めるものはハイランズコーヒーの記事にまとめている。

塩コーヒーの作り方|1杯分の分量

家で作るときに要るのは、濃いコーヒー・練乳・生クリーム・塩の4つだ。塩はしょっぱくするためではなく、コーヒーの苦みを和らげて甘さとコクを引き立てるために入れる。量はごく少しでいい。

材料(アイス1杯分)

材料 分量 日本で買うなら
コーヒーの粉 20g ロブスタコーヒー。なければ深煎りコーヒー
お湯 80ml(90〜95℃)
練乳(コーヒー用) 20〜25g(大さじ1ほど) コンデンスミルク・加糖練乳
氷 適量
生クリーム(塩クリーム用) 50ml 生クリーム。冷やしておく
練乳(塩クリーム用) 15g(小さじ2ほど) コンデンスミルク・加糖練乳
塩 0.5〜0.7g(小さじ1/8ほど) 普通の食塩
塩は小さじ1/8ほどで足りる。飲んでしょっぱいと感じたら入れすぎなので、次は減らす。

作り方

  1. フィンに粉20gを入れ、90〜95℃のお湯を30ml注いで30〜40秒待ち、粉をふくらませる
  2. お湯を50ml足して、ゆっくり落とす。濃いコーヒーが40〜60mlできればいい
  3. 熱いうちに練乳20〜25gを入れ、よく混ぜる。ミルクフォーマーがあれば短く泡立てると、よく混ざって表面に細かい泡ができる
  4. 氷を入れる。上に塩クリームをのせるので、グラスいっぱいにはしない
  5. 冷えた生クリーム50mlに練乳15gと塩を入れ、30〜60秒泡立てる。白くなめらかで、とろみがあってまだ注げる固さで止める
  6. 塩クリームをコーヒーの上にゆっくり注ぐ

飲むときは、まずクリームとコーヒーを一緒にひと口味わい、その後、軽く混ぜる。コーヒーのほろ苦さ、練乳の甘さ、クリームのコクが来て、最後にかすかな塩気が残る。

いちばん失敗しやすいのは塩クリームの固さだ。ケーキ用のように固く泡立てると飲みにくく、コーヒーとも混ざりにくい。ゆるすぎると、のせてすぐコーヒーに溶けてしまう。

フィンがないときは

エスプレッソマシン、マキネッタ(直火式のエスプレッソメーカー)、コーヒーメーカーのどれでも作れる。大事なのは、濃いコーヒーを40〜60ml用意すること。ロブスタ種が見つからなければ、深煎りで味の強い豆を選ぶ。

インスタントの塩コーヒー|スーパーで買える3商品

スーパーのコーヒー売り場には、お湯に溶かすだけの塩コーヒーが並んでいる。ベトナムのスーパーで見た3つの商品を比べた。

商品 中身 値段 円
BẢN F&B SALTED COFFEE 20g×10袋(200g) 55,400ドン(特売・通常65,000ドン) 約330円
Cộng Nâu Kem Muối 17g×12本(204g) 83,000ドン 約500円
HONEE COFFEE Muối 160g 120,200ドン 約720円

いちばん安いBẢN F&Bは1袋あたり5,540ドン(約33円)、コンカフェのものは1本約6,900ドン(約41円)になる。

BẢN F&B SALTED COFFEE|いちばん安い

スーパーの棚に並ぶBẢN F&Bの「SALTED COFFEE/CÀ PHÊ MUỐI」の赤い箱。値札は55,400ドン。

赤い箱に笠をかぶった女性の絵が入っている。表が「SALTED COFFEE」の箱と、表が「CÀ PHÊ MUỐI」の箱があり、中身の表示はどちらも20g×10袋だ。

裏の原材料は、植物性クリーム、砂糖、インスタントコーヒー(12%)、マルトデキストリン、塩(1%)の順。100gあたりの表示を1袋20gに直すと、約88kcal、砂糖は約9.5gになる。

Cộng Nâu Kem Muối|コンカフェの味をスティックで

スーパーの棚のコンカフェのインスタント「NÂU KEM MUỐI/SALTED CREAM COFFEE」のベージュの箱。値札は83,000ドン。

コンカフェが出しているインスタントで、店のメニューの「Nâu kem muối」と同じ名前だ。ベージュの箱に「NÂU KEM MUỐI」、英語面に「SALTED CREAM COFFEE」と書かれている。

コンカフェのNâu Kem Muốiの箱の裏面。原材料、ホットとアイスの作り方、1本17gで80kcalの栄養表示が書かれている。

箱の裏に書かれている内容はこうだ。

  • ホット:1本を熱湯50〜70mlに溶かす
  • アイス:2本を熱湯50〜70mlに溶かし、よく混ぜてから氷を入れる
  • 1本17gあたり:80kcal、砂糖9g、ナトリウム75mg
  • 原材料:砂糖、植物性クリーム、泡立ち用クリーム(15%)、インスタントコーヒー(8%)、塩(1%)、香料など

アイスは2本使う指定なので、12本入りでもアイスだけなら6杯分になる。

HONEE COFFEE Muối|紫の箱

スーパーのコーヒー売り場の特売棚。紫の箱の「Muối Vietnam Salt Coffee」やココナッツコーヒーに黄色い特売の値札が付いている。

紫の箱に「Muối Vietnam Salt Coffee」と書かれている。160gで120,200ドンと、3つの中ではいちばん高かった。棚ではココナッツコーヒーの箱と並び、黄色い特売の値札が付いていた。

インスタントはお湯に溶かす粉なので、カフェで出てくる「上に塩クリームがのった形」にはならない。渡す相手には「塩の入った甘いミルクコーヒー」と伝えておくと話が早い。

お土産店にも並んでいる

お土産店の棚。「SALTED COFFEE cà phê muối」の赤い箱が、EGG COFFEEの箱やMarouのチョコレートと並んでいる。

お土産店でも、塩コーヒーの箱がエッグコーヒーの箱やチョコレートと同じ棚に並んでいる。ベトナムのコーヒーは、お土産店や空港よりスーパーのほうが安い。まとめて買うなら、スーパーのコーヒー売り場を先に見たほうがいい。

スーパーの回り方はベトナムのスーパーの記事にまとめている。インスタントコーヒーのお土産は、砂糖の量と値段を商品ごとに比べた記事がある。

よくある質問

ベトナムの塩コーヒーとは?

練乳入りのコーヒーに、塩を加えて泡立てたクリームをのせた飲み物。ベトナム語でcà phê muối(カフェ・ムオイ)という。

塩コーヒーとソルトコーヒーは違う?

同じもの。ベトナム語のcà phê muốiを日本語にしたか、英語のSalt Coffeeから呼んだかの違いだ。

発祥はどこ?

中部のフエ。2010年、フエの10 Nguyễn Lương Bằngのカフェ「Cà Phê Muối」で作られたのが始まりとされる。

ベトナムでいくら?

ベトナムの路上の屋台で22,000ドン(約130円)、ホイアンの食堂で35,000ドン、コンカフェで49,000ドン(約290円)だった。

飲み方は?

まずクリームとコーヒーを一緒にひと口味わい、その後、軽く混ぜて飲む。

家で作れる?

作れる。冷えた生クリーム50mlに練乳15gと塩0.5〜0.7gを入れて泡立て、練乳20〜25gを混ぜた濃いコーヒーと氷の上にのせる。

インスタントはどこで買える?

スーパーのコーヒー売り場にある。スーパーで見た3商品は、55,400〜120,200ドン。

まとめ|メニューで「muối」を探す

塩コーヒーは、練乳コーヒーに塩クリームをのせた、フエ生まれの飲み物だ。路上の屋台なら22,000ドン、チェーンのコンカフェなら49,000ドンで飲める。

カフェに入ったらメニューでmuốiの文字を探し、出てきたらクリームとコーヒーを一緒にひと口味わってから、軽く混ぜて飲んでみてほしい。家で作るなら生クリームと塩、持ち帰るならスーパーのインスタントが手軽だ。

ベトナムのコーヒー全体の飲み方と頼み方は、こちらで紹介している。

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編集者

ベトナムに魅せられた東京出身の経営者。数字よりも人の営みに惹かれ、現地のリアルを言葉で伝えている。

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