ベトナムのエッグコーヒーは、コーヒーの上に卵黄のクリームが乗った二層の飲み物だ。名前だけ聞いても味が想像できない。

エッグコーヒーとは?卵黄とコンデンスミルクを泡立てたコーヒー
エッグコーヒーは、濃く淹れたコーヒーの上に、卵黄と砂糖とコンデンスミルクを泡立てたクリームを乗せた飲み物だ。ベトナム語ではcà phê trứng(カフェ・チュン)という。trứngが卵という意味になる。
グラスやカップの下半分がコーヒー、上半分が黄色いクリーム。この二層で出てくるのが基本の形だ。
・trứng=卵
・nóng=ホット
・đá=アイス(氷)
・kem trứng=エッグクリーム
ハノイで生まれた飲み物
エッグコーヒーはハノイ発祥で、1940年代に生まれた。牛乳が手に入りにくかった時代に、代わりとして卵黄を使ったのが始まりとされる。
発祥店とされるCafe Giảngは1946年創業で、今もハノイ旧市街で営業している。看板にも「SINCE 1946」と入っている。
ベトナムコーヒー全体の飲み方や種類はベトナムコーヒーの記事で扱っている。
エッグコーヒーはどんな味?混ぜると卵のコクとコーヒーが合う
飲んでみると、コーヒー自体はしっかり苦く、濃い。
実際に飲んだ印象では、底までスプーンを入れてよく混ぜたときに、卵のコクと苦みが合った。混ぜる前は、甘い層と苦い層が別々に来る。

実際に飲んだ印象では、甘さは強め。ただ、カップが小ぶりなので飲み切れる量だった。
クリームはカスタードのような濃さ
上に乗っている卵クリームは、それだけを口に入れるとカスタードのように甘く濃い。底のコーヒーは逆にしっかり苦い。この2つが別々にあるので、混ぜるかどうかで味の出方が変わる。
ホットはカップ、アイスはグラスで出てくる。アイスは氷が入るぶん薄まるので、甘さを抑えたい人には向く。
ハノイの発祥店|Cafe Giảngのエッグコーヒーは45,000ドン
Cafe Giảngの39 Nguyễn Hữu Huân店はハノイ旧市街にある。営業時間は7時から22時まで。

入口は細い路地|奥まで進む
店の入口は通りに面した建物の間の細い通路で、そこを奥に進むと店に着く。番地の「39」のプレートと丸い看板が目印になる。

この通路を見て「入っていいのか」と迷う人が多いが、奥が店になっている。
席で注文して、あとで払う
店内には「GỌI ĐỒ TẠI CHỖ, TRẢ TIỀN SAU(席で注文して、後で支払う)」と貼り紙がある。レジに並んでから座るのではなく、先に席を取って、席で注文する。

席は1階と2階にある。2階へは急な階段を上がる。混んでいる時間は階段に列ができていた。
1階の奥には作り場があり、スタッフがドリンクを作っていた。

メニューは全12品|45,000〜60,000ドン
Cafe Giảngのメニューは卵を使った飲み物だけで12品ある。

| メニュー | 中身 | 値段 | 円 |
|---|---|---|---|
| Cafe trứng(ホット/アイス) | エッグコーヒー | 45,000 | 約270円 |
| Cacao trứng | エッグココア | 45,000 | 約270円 |
| Đậu xanh trứng | 卵+緑豆 | 45,000 | 約270円 |
| Hỗn hợp trứng | コーヒーとココア(または緑豆)の混合 | 50,000 | 約300円 |
| Chuối trứng | 卵+バナナ(アイスのみ) | 50,000 | 約300円 |
| Matcha trứng | 卵+抹茶 | 50,000 | 約300円 |
| Quế trứng cafe | 卵+シナモン | 50,000 | 約300円 |
| Oreo trứng cafe | 卵+オレオ | 50,000 | 約300円 |
| Sữa dừa trứng | 卵+ココナッツ | 55,000 | 約330円 |
| Hạnh nhân trứng | 卵+アーモンド | 55,000 | 約330円 |
| Kem trứng | エッグクリーム(味を1つ選ぶ) | 55,000 | 約330円 |
| Bia trứng | エッグビール | 60,000 | 約360円 |
基本のエッグコーヒーが一番安く、シナモンや抹茶などの味付きが50,000ドン、ココナッツやアーモンドが55,000ドン。一番高いのはBia trứng(エッグビール)で60,000ドンだ。
メニューの下には「SIGNATURE by Giảng Cafe – Original Recipes from 1946」と書かれている。
アイスとエッグクリームも選べる
アイスはグラスに氷とコーヒーが入り、その上に卵クリームが乗る。Kem trứngはエッグクリームで、コーヒー・ココア・緑豆・抹茶・シナモン・オレオから味を1つ選ぶ。

暑い時期はアイスのほうが飲みやすい。ホットはカップを湯につけた状態で出てきて、冷めにくいようになっている。
Cafe Giảngは3店舗ある
- 39 Nguyễn Hữu Huân(旧市街)7:00〜22:00
- 57 Tràng Tiền 月〜木 7:00〜20:00/金〜日 7:00〜21:30
- Lotte Mall Tây Hồ 3階 9:30〜22:00
Tràng Tiền店は表通りに面していて分かりやすく、Lotte Mall店はショッピングモールの中にある。路地を歩きたくない場合はこの2つを選べる。
旧市街の歩き方はハノイ旧市街ガイドでまとめている。
エッグコーヒーの値段の目安|45,000〜139,000ドン
エッグコーヒーは店によって値段の幅が大きい。ハノイで確認できた範囲では3倍ほど開きがあった。
| 店 | 1杯 | 円 |
|---|---|---|
| Cafe Giảng(発祥店) | 45,000ドン | 約270円 |
| 今回確認した別のカフェ | 60,000ドン | 約360円 |
| ホテル内のカフェ | 139,000ドン | 約835円 |
今回確認した3例では、Cafe Giảngが最も安かった。
同じ店の他のコーヒーと比べる
今回確認した別のカフェで、同じメニュー表に並んでいた値段はこうだった。
| メニュー | 値段 | 円 |
|---|---|---|
| ブラック(ホット/アイス) | 33,000ドン | 約200円 |
| 練乳入り(ホット/アイス) | 38,000ドン | 約230円 |
| バクシウ | 42,000ドン | 約250円 |
| 塩コーヒー | 47,000ドン | 約280円 |
| ドリアンコーヒー | 50,000ドン | 約300円 |
| エッグコーヒー | 60,000ドン | 約360円 |
| ココナッツコーヒー | 60,000ドン | 約360円 |
この店ではブラックが33,000ドンで、エッグコーヒーは60,000ドン。同じ店の普通のコーヒーのおよそ2倍だった。
チェーン店のメニューと値段はハイランズコーヒーの記事で扱っている。
エッグコーヒーは「まずい」のか
検索すると「まずい」という言葉が一緒に出てくる。飲んでみた実感でいうと、混ぜずに飲んだかどうかで印象が変わる飲み物だ。
混ぜないまま口をつけると、最初に甘いクリームだけが来て、次に苦いコーヒーだけが来る。この順番だと味がつながらない。スプーンで底まで混ぜてから飲むと、苦みと卵のコクが1つの味になる。
卵のにおいが気になるかどうかは人による。コーヒーが濃いので、混ぜた後は卵よりコーヒーの印象のほうが強い。
エッグコーヒーはお土産に買える?
飲む店だけでなく、インスタントのエッグコーヒーも売られている。スーパーや土産物店のコーヒー売り場に、箱入りの「EGG COFFEE / CÀ PHÊ TRỨNG」が並んでいる。

売り場で確認できた値札は、インスタントのエッグコーヒーが130,000ドン前後(約780円)。同じ棚のココナッツコーヒーが160,000ドン、ジャコウネココーヒーが130,000ドンだった。
Cafe Giảngも自社のインスタントを出していて、公式の販売価格は150,000ドン(約900円)。店で飲んだ味が気に入ったら、同じ店で買って帰るという選び方もできる。
コーヒーのお土産全体は、砂糖の量と値段を商品ごとに比べた記事がある。
よくある質問
エッグコーヒーはどんな味?
コーヒーは苦く、上のクリームは甘い。かき混ぜると卵のコクと苦みが合わさって、カスタードのような味になる。
エッグコーヒーはいくら?
発祥店のCafe Giảngで45,000ドン(約270円)。今回確認した別のカフェでは60,000ドン、ホテル内のカフェでは139,000ドンだった。
エッグコーヒーの飲み方は?
底までスプーンを入れてよく混ぜると、卵のコクと苦みが合う。上のクリームだけを先に味わってから混ぜる人もいる。
発祥のお店はどこ?
ハノイ旧市街の39 Nguyễn Hữu Huânにある1946年創業のCafe Giảng。細い路地を奥に進んだところにある。
ホットとアイスはどちらがいい?
ホットはカップを湯につけた状態で出てくる。味の濃さを確かめたいならホット、暑い時期に飲みやすいのはアイス。
日本でも飲める?
Cafe Giảngは横浜中華街に店を出している。日本で味を知ってから現地で飲み比べる、という順番も選べる。
ハノイ以外でも飲める?
ホーチミンやダナンのカフェでも飲める。ただし発祥はハノイなので、発祥の地で飲みたいならハノイがおすすめだ。
まとめ|出てきたら、まず混ぜる
エッグコーヒーは、卵黄のクリームを濃いコーヒーに乗せたハノイの飲み物だ。発祥店のCafe Giảngで45,000ドン、今回確認した別のカフェでは60,000ドンだった。
実際に飲んだ印象では、底までスプーンを入れてよく混ぜたときに、苦いコーヒーと甘い卵クリームが1つの味になった。
ハノイの旧市街を歩く日に、細い路地を一本入ってみてほしい。