ダナンで市場に行くと決めたあと、次に迷うのはハン市場とコン市場のどちらに行くかだ。歩いて回れる距離に2つあって、中身がはっきり違う。
この記事は、コン市場の側から答えを書く。
ハン市場とコン市場、どちらに行くか

ダナンの2大市場は、1.6キロしか離れていない。車で5分、歩いても15分ほどだ。それでも空気はかなり違う。
| ハン市場 | コン市場 | |
|---|---|---|
| おもな買い物 | 土産、アオザイ、靴 | 食材、乾物、日用品、調理器具 |
| 値段の付き方 | 値札がほとんどない。聞いて決める | 「表示価格で販売」の掲示が出ている区画がある |
| 食べるところ | 1階の飲みもの・軽食 | 屋台が数十軒並ぶフードコートがある |
| 客層 | 観光客が多い | 地元の人が中心 |
| 構造 | 2階建て。階でものが分かれる | 複数棟。3階建て・2階建て・平屋区画がある |
| ひと回りの目安 | 30〜60分 | 45〜90分 |
ハン市場の中身は別記事にまとめている。
営業時間と場所|GO!ダナンの斜向かい

営業時間
朝7時前後から、夜19時前後まで。入場は無料で、誰でも入れる。閉まる時間は棟や店によって多少前後する。
午後3時台でも館内は動いていて、フードコートは席が埋まっていた。観光で寄るなら、昼どきに合わせて食事と買い物をまとめてしまうのが効率がいい。
所要時間は、売り場を見て回るだけなら45分前後、フードコートで食べるなら60〜90分。予定に入れるなら1時間枠を取っておくと組みやすい。
場所と行き方
場所はフンヴオン通り(Hùng Vương)とオンイックキエム通り(Ông Ích Khiêm)の交差点。2本の通りに面していて、正門は大型スーパーGO!の斜向かいにある。番地を覚えるより、この交差点とGO!を目印にしたほうが着きやすい。
- ハン市場から|1.6キロ。車で5分、歩いて15分ほど
- Grabやタクシーで|行き先は「Chợ Cồn」で通じる。降りる場所は交差点かGO!の前を指定すると分かりやすい
- 入口は複数ある|「CHỢ CỒN/WELCOME TO CON MARKET」と書かれたゲートのほか、通りに面した側からも入れる
ダナンをどう回るかは、日数別のモデルコースにまとめてある。
コン市場には、値切らない区画がある

館内の通路を歩いていると、青い看板が目に入る。「BÁN ĐÚNG GIÁ NIÊM YẾT」——表示した価格どおりに売る、という意味だ。下に英語で「no bargain(値切りはなし)」と添えてある。館内の複数の区画に同じ看板が出ている。
これは市場としては珍しい。ハン市場では値札がほとんど付いておらず、声をかけて数字を聞くところから始まるが、コン市場のこの区画では最初に出てきた数字がそのまま値段になる。
- 看板が出ている店では粘らない|値切りを前提にした駆け引きが要らないぶん、買い物が早く終わる
- 看板がない店もある|市場全体の統一ルールではない。屋外の露店や乾物の量り売りは従来どおり
- 量り売りは電卓で確認する|キロ単位で言われるので、何グラムでいくらになるかを数字で見せてもらう
ベトナムでの値切りの進め方そのものは、こちらに書いている。
行く前に気になる2つ|偽物とにおい
ブランドによく似たバッグや服は、たしかにある
衣類とバッグの区画には、有名ブランドとよく似たロゴ柄のバッグ、下着、服が山積みになっている。値段は正規品の水準ではない。
ここは正規品を探す場所ではない、と割り切ったほうがいい。ブランドによく似た商品は、権利侵害や税関上の扱いが問題になる場合がある。日本へ持ち帰る土産として選ぶなら、ブランドロゴの入った商品は避けたほうが確実だ。
においは、生鮮の一角だけ
「臭い」と心配されがちだが、においが出るのは魚と肉の生鮮区画と、その周りの通路に限られる。乾物・菓子・衣類・フードコートの区画までは、ほとんど届かない。
生鮮は市場の一角にまとまっている。入口で人の流れを見て、魚の箱や氷が並ぶ方向に行かなければいい。屋根はあるが屋外に近い構造なので、風は通る。
コン市場の本体はフードコート|確認した2店は25,000〜30,000ドン

コン市場でいちばん人が入っているのは、買い物の売り場ではなく15A棟のフードコートだ。ステンレスの調理台とベンチが通路の両側に何十メートルも続いていて、ミークアン、バインベオ、バインセオ、ネムルイ、ブンといった中部の定番が一通りそろっている。
ここは店ごとに値段の看板を貼り出しているのがありがたい。今回、看板の金額まで読み取れたのは次の2店だ。
| 店・区画 | 品 | 値段 | 円換算 |
|---|---|---|---|
| Cơm Hồng Quyên (15A棟 7区画) |
おかず定食(鶏の煮つけ、豚の角煮、魚の煮つけ、イカの肉詰めなど) | 一律 25,000〜30,000ドン | 約150〜180円 |
| 同上 | 目玉焼きの追加 | 7,000ドン | 約40円 |
| 同上 | ごはんのおかわり | 5,000ドン | 約30円 |
| Hạnh (15A棟 8区画) |
バインベオ、バインウット、バインクオン、バインロック、バインカン、バインラムイット | 一律 25,000/30,000ドン | 約150/180円 |

- 席は屋台ごと|共通のテーブルではなく、頼んだ店の目の前のベンチに座る形になる
- QRコード決済が使える店がある|台の上に銀行のQRコードを立てている屋台が何軒もある。ただしベトナムの銀行口座が要るので、旅行者は現金を用意していったほうが早い
- 看板は写真つき|料理の写真とベトナム語の品名が並んでいる。指させば通じる
- 午後でも動いている|午後3時台でも席は埋まっていて、注文を受けて作っている屋台が並んでいた
ダナンで何を食べるか、市場以外の店も含めて決めたい人はこちら。
売り場の中身|棟(đình)と区画(lô)で覚える

コン市場は棟(đình)ごとに分かれている。通路には「LỐI VÀO ĐÌNH SỐ 6」「ĐÌNH SỐ 7」(6番棟入口、7番棟)といった案内が下がっていて、店の看板にも「LÔ 07 ĐÌNH 15A」のように区画番号と棟番号が書かれている。
売っているものは、おおよそこう分かれている。
- 屋内の通路|衣類、下着、バッグ、アクセサリー、手芸用品、生地
- 屋外の棟|乾物、調味料、線香・仏具、鍋やまな板などの調理器具、プラスチック用品
- 特産品の店|干しイカ、干しエビ、牛肉のジャーキー、魚のすり身シート、各種のお茶
- 生鮮|肉、魚、野菜、果物。地元の買い物客の目当てはここ
- 15A棟|フードコート

乾物の店では、袋ごとに品名のラベルが貼ってある。「MỰC BƠ TỎI(イカのガーリックバター)」「BÒ KHÔ(牛肉のジャーキー)」といった具合だ。ラベルに手書きで数字が入っている袋もあるが、値段が書かれていないものも多い。キロ単位の量り売りなので、電卓かスマホで金額を確認してから量ってもらうのが確実だ。
ダナンで何を土産に買うか、場所ごとの比較はこちらにまとめている。
60〜90分で回るなら、この順で
広いので、行き当たりばったりに歩くと同じ通路を2回通ることになる。目的が「見ることと食べること」なら、この順が無駄がない。
- GO!の斜向かいの正門から入る|交差点側の入口。ここが正面にあたる
- 屋内の通路を抜ける|衣類・バッグ・アクセサリーの区画。「表示価格で販売」の看板はこのあたりに出ている(15〜20分)
- 屋外の棟に出る|乾物、調味料、調理器具、線香。地元の買い物の中心はここ(15〜20分)
- 15A棟のフードコートに入る|昼を食べる。ここで座って休む(30分)
- 特産品の店で土産を見る|フードコートの並びに干物・ジャーキーの店が固まっている(10分)
- 交差点を渡ってGO!へ|箱入りの菓子やコーヒーはこちらのほうが早い
「コン」は砂の丘のこと
コン市場の「コン(Cồn)」は、ベトナム語で周りより高く盛り上がった砂の丘を指す。1940年代、まだ低い土地の中にぽつんと残っていた砂丘の上に人が集まって商いを始めたのが始まりで、そのまま名前になった。最初は竹で組んだ小屋が並ぶだけの市場だったという。
1958年には、当時手狭になっていたハン市場の混雑を緩和するため、ダナン市がコン市場を正式に整備した。現在、ダナンを代表する市場としてハン市場とコン市場の2つが知られている背景には、こうした歴史がある。
いまの建物は1985年に建て替えられたもので、3階建てが1棟、2階建てが2棟、それに平屋の区画が6つという構成になっている。敷地は約14,000平方メートル、店の数は2,000を超える。
このとき市場は「ダナン商業センター」という名前に変えられたが、地元の人はその後も「チョーコン(chợ Cồn)」と呼び続けた。2012年に、市が正式に元の名前へ戻している。看板が「CHỢ CỒN」に戻るまで、27年かかったことになる。
斜向かいはGO!|市場とスーパーの使い分け

正門の前の交差点をはさんだ斜向かいに、大型スーパーのGO!(旧ビッグC)が建っている。歩いて渡れる距離なので、両方見て決められる。
使い分けの目安はこうなる。
- 市場が向いているもの|量り売りの乾物、屋台の食事、生鮮、調理器具、生地。値段の交渉が要るぶん、まとめ買いは効く
- GO!が向いているもの|箱入りの菓子、インスタントコーヒー、調味料、ばらまき土産。値札がはっきりしていて、レジで会計が終わる
- 涼みたいとき|市場は屋根があっても暑い。冷房の効いたスーパーを休憩に挟むと、そのあとの体力が違う
ベトナムのスーパーの違いと買い方は別記事にある。
両替は市場の外の店で
コン市場の入口の脇には、金銀を扱う店(HIỆU VÀNG BẠC)が並んでいる。長いあいだ「両替をするならこういう店」と言われてきた場所だ。
ただしダナンの両替は2026年にルールが変わっていて、店の選び方の前提そのものが以前と違う。どこで替えるか、いくら替えていけばいいかは別記事にまとめた。
ダナンのほかの市場
「ダナンの市場」で名前が挙がるのは、たいていハン市場とコン市場の2つだ。ただし目的によっては、別の場所のほうが合う。
- ハン市場|市街の中心。土産、アオザイのオーダー、サンダル。コン市場から1.6キロ
- 夜に人が集まる通り|ソンチャー、バクダン、アントゥンなど市内に複数あり、性格はそれぞれ違う。昼の市場とは別物
- バクミーアン市場|ミーケビーチ側の地元市場。ケムボー(アボカドのアイス)の老舗が入っていて、ビーチ側に泊まっている人はここが近い
夜の市場は、開く時間も売っているものも昼とはまったく違う。行くかどうかはこちらで判断できる。
よくある質問(FAQ)
Q. ハン市場とコン市場、どちらがおすすめ?
目的で分ければいい。
| 目的 | 行く先 |
|---|---|
| 初めてのダナンで土産を買う | ハン市場 |
| アオザイを作る、サンダルを買う | ハン市場 |
| 時間が30分しかない | ハン市場 |
| 地元の市場を歩きたい | コン市場 |
| 市場で安く食べたい | コン市場 |
| 乾物や特産品の売り場を見たい | コン市場 |
1.6キロしか離れていないので、時間があれば両方回れる。コン市場で昼を食べてからハン市場に移動する順番が組みやすい。
Q. コン市場は何時から何時まで?
朝7時前後から夜19時前後まで。入場は無料。閉まる時間は店によって前後する。
Q. 値切りは必要?
館内には「表示価格で販売(BÁN ĐÚNG GIÁ NIÊM YẾT)」の看板を出している区画があり、そこでは値切りは要らない。看板のない露店や量り売りは、数字を確認しながら買う。フードコートは値段が貼り出されているので、そのまま払えばいい。
Q. 偽物のブランド品は売っている?
ブランドによく似たロゴ柄のバッグや衣類が並ぶ区画がある。こうした商品は権利侵害や税関上の扱いが問題になる場合があるので、日本へ持ち帰る土産に選ぶなら、ロゴの入ったものは避けたほうが確実だ。ロゴのない衣類やかばんは普通に買える。
Q. においは大丈夫?
においが出るのは魚と肉の生鮮区画とその周りだけで、乾物・衣類・フードコートの区画には届かない。苦手なら生鮮の通路に入らなければいい。
Q. フードコートはいくらくらい?
今回値段を確認できた2店では、定食も粉ものも25,000〜30,000ドン(約150〜180円)だった。目玉焼きの追加が7,000ドン、ごはんのおかわりが5,000ドン。
Q. 支払いは現金?
現金を用意していくのが確実だ。QRコードで払える屋台もあるが、ベトナムの銀行口座が必要になる。小さい紙幣を多めに持っていくと会計が早い。
Q. 店に戻れなくなったら?
店の看板に「LÔ ○○ ĐÌNH ○○」という区画番号と棟番号が書かれている。戻る可能性があるなら、その数字を撮っておく。
まとめ
コン市場は、買い物のための市場というより地元の台所と食堂だ。
- フードコートが本体|15A棟。確認した2店では、定食も粉ものも25,000〜30,000ドン(約150〜180円)
- 値切らない区画がある|「表示価格で販売」の看板が出ている店では、その数字が値段
- 棟と区画の番号で覚える|「LÔ ○○ ĐÌNH ○○」を撮っておけば戻れる
- 朝7時前後〜19時前後・入場無料|午後3時台でも動いている
- 斜向かいはGO!|箱入りの土産はスーパー、量り売りと食事は市場
土産とアオザイが目的ならハン市場だけで足りる。それでも1.6キロ先まで足を延ばす価値があるのは、ここに観光客向けに整えられていないダナンと、150円の昼ごはんがあるからだ。