日本人は、滞在日数が45日以内であれば、ビザなしでベトナムへの入国が可能だが、それを超えるならe-Visaの申請が必要になる。
この記事では、e-Visaの申請方法から就労ビザまで、日本人がベトナムに入る全パターンをまとめた。
※ ビザに関する制度は頻繁に変わる。渡航前には必ず、ベトナム公安省 出入国管理局(Cục Quản lý Xuất nhập cảnh)の公式ポータルで最新情報を確認してほしい。(evisa.gov.vn / thithucdientu.gov.vn)
日本人はベトナムにビザなしで何日いられる?
2023年8月15日のベトナムの法改正で、日本を含む対象国のビザ免除期間が15日から45日に延長された。さらに、2025年3月の政府決議で、この措置は2028年3月14日まで延長された。
ただし「ビザなし=無条件で入国OK」ではない。以下の条件をすべて満たす必要がある。
ビザ免除の条件(日本国籍者)
- 滞在期間が45日以内であること
- 入国時点でパスポートの有効期間が6ヶ月以上残っていること
- ベトナムからの出国用の航空券を所持していること(提示を求められる場合がある)
- ベトナムの法令で入国禁止対象になっていないこと
特に重要なのが2と3。パスポートの有効期間と出国用航空券だ。片道航空券だけでベトナムに行こうとすると、チェックイン時や入国審査で「帰りのチケットは?」と聞かれることがある。
毎回聞かれるわけではないが、聞かれたときに見せられないと面倒なことになる。確実に入国したいなら、復路か第三国への航空券を用意しておくのが無難だ。
滞在日数の数え方に注意
ベトナムの滞在期限は「◯月◯日まで」という月単位ではなく、単純な日数カウントで決まる。入国日が1日目として数えられ、そこから45日(または90日)で計算される。
たとえば3月21日にe-Visaで入国した場合、90日目は6月18日。この日までが滞在可能で、6月19日に入るとオーバーステイになる。「3月21日から3ヶ月だから6月20日まで大丈夫だろう」と考えるとズレるので注意したい。
45日を超えるなら「e-Visa」

45日を超えてベトナムに滞在したいなら、最も手軽なのが e-Visa(電子ビザ)だ。
オンラインで申請が完結し、大使館に行く必要がない。手数料もシングル25ドル(約3,750円)、期間中の複数回入国が可能なマルチも50ドル(約7,500円)と安い。
通常は申請から発行まで3〜5営業日程度だが、繁忙期や祝日前後はさらに時間がかかることがある。即日発行はされないので注意。
e-Visaの基本スペック
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 有効期間 | 最大90日 |
| 入国回数 | シングル(1回)またはマルチ(複数回) |
| 手数料 | シングル:25ドル/マルチ:50ドル |
| 申請方法 | オンラインのみ |
| 発行日数 | 申請から3〜5営業日 |
| 必要なもの | パスポート(残存6ヶ月以上)、顔写真データ、パスポート写真ページのデータ |
申請手順(2026年最新)
ステップ1:公式サイトにアクセス
ベトナムe-Visaの公式ポータル(https://evisa.gov.vn/)を開き、言語を英語に切り替える。日本語表示はない。
ここで最も大事な注意点がひとつ。必ず公式サイトから申請すること。「Vietnam e-Visa」で検索すると代行業者のサイトが上位に出てくるが、手数料が数倍取られたり、最悪フィッシングサイトでパスポート情報を抜かれるケースもある。
迷ったら evisa.gov.vn か thithucdientu.gov.vn のどちらかから申請すれば安全だ。
ステップ2:申請フォームに入力
トップ画面中央の赤い「Apply now」ボタンから申請開始。

画面下へスクロールし、2つのチェック項目にチェックを入れると、「Next」ボタンが押せるようになる。

次に顔写真とパスポート画像をアップロード。いずれもスマホで撮ってそのままアップロードできる。

- サイズ:4×6cm
- 形式:jpg / jpeg
- ファイルサイズ:2MB未満
- 新しく撮影したもの
- 真顔(笑顔NG)
- 帽子・メガネなし
- フォーマルな服装
- 白背景
ちなみに筆者の場合は、眼鏡そのままで背景も意識せず部屋で適当に撮ったものだったが、問題なく申請が通った(おすすめはしない)。
顔写真とパスポート写真をアップロードすると、自動で顔照合が行われる。

セクション1:PERSONAL INFORMATION(個人情報)
次に個人情報セクション。ちなみにアップロードしたパスポートの画像情報から名前などは自動的に読み取って表示してくれる。その他はパスポートの顔写真ページ通りに入力する。

- Surname:姓(例:YAMADA)
- Middle and given name *:名(例:TARO)
- Date of birth *:「Full」を選び、DD/MM/YYYYで入力。日本式と逆なので注意
- Sex *:性別を選択
- Nationality *:Japanを選択
- Identity Card:日本人は不要
- Email *:「Agree to create account by email」のチェックは入れたままが便利
- Religion *:無宗教なら「None」
- Place of birth *:実際の出生地(例:Tokyo, Japan)
- Re-enter Email *:確認用にもう一度
下部のYes/No質問3つ(他パスポート使用、複数国籍、規約違反)は、初めての申請なら全てNoでOK。
※画面上は Surname に必須マークがないが、これは姓のない国籍の人にも対応するため。日本人は姓も入力する。
セクション2:REQUESTED INFORMATION(申請ビザ情報)

シングルかマルチか、いつから有効にするかを指定する。
- To issue e-Visa for *:Single-entry(25ドル・1回入国)か Multiple-entry(50ドル・複数回入国)を選択。観光や1回の出張ならSingleで十分。短期間に何度も出入国する予定があるならMultiple
- Grant e-Visa valid from *:ビザ有効期間の開始日。入国予定日に合わせる
- To *:終了日。最大90日後まで指定可能。長めに取っておくと安心
セクション3:PASSPORT INFORMATION(パスポート情報)
ここでもパスポートのアップロード画像からパスポート番号などは自動入力されるが、念のため確認する。

- Passport *:パスポート番号(例:TR1234567)
- Issuing Authority/Place of issue:発行機関(例:Ministry of Foreign Affairs)。任意
- Type *:パスポートの種類。一般旅券なら「Ordinary passport」を選択
- Date of issue *:発行日(DD/MM/YYYY)
- Expiry date *:有効期限(DD/MM/YYYY)
- Do you hold any other valid passports:他に有効なパスポートを持っているか。通常はNo
セクション4:CONTACT INFORMATION(連絡先情報)
日本の住所・連絡先と、緊急連絡先を入力する。

- Permanent residential address *:日本の住民票の住所(英語表記)。例:1-2-3 Shibuya, Shibuya-ku, Tokyo
- Contact address *:現在の連絡先住所。住民票と同じならPermanentと同じでOK
- Telephone number *:電話番号。
Emergency contact(緊急連絡先)は家族や親しい知人を入れる。
- Full name *:緊急連絡先の氏名(例:YAMADA HANAKO)
- Current residential address *:その人の住所
- Telephone number *:その人の電話番号
- Relationship *:自分との関係(例:Wife, Husband, Father, Mother, Friend)
セクション5:OCCUPATION(職業)

このセクションは全項目任意(必須マークなし)。空欄でも申請は通るが、入力した方が審査がスムーズになるという声もある。
- Occupation:職業(プルダウンから選択。例:Businessman, Employee など)
- Occupation Info:職業の補足情報
- Name of Company/Agency/School:勤務先・学校名
- Position/Course of study:役職や学科
- Address of Company/Agency/School:勤務先住所
- Company/agency/school phone number:勤務先電話番号
学生なら学校情報、会社員なら勤務先情報を入れる。フリーランスなら「Self-employed」でOK。
セクション6:INFORMATION ABOUT THE TRIP(旅行情報)
ベトナムでの滞在情報を入力する。

- Purpose of entry *:入国目的。観光なら「Tourist」、商用なら「Business」
- Intended date of entry *:入国予定日(DD/MM/YYYY)
- Intended length of stay in Viet Nam *:滞在予定日数。最大90日
- Phone number (in Viet Nam):ベトナム国内で使う電話番号。任意。SIM未取得なら空欄でOK
- Residential address in Viet Nam *:ベトナムでの滞在先住所。ホテル名・番地まで
- Province/city *:滞在先の都市・省を選択
- Ward / commune *:滞在先の区・町を選択
- Intended border gate of entry *:入国する空港・国境を選択
- Intended border gate of exit *:出国する空港・国境を選択
- Committed to declare temporary residence according to the provisions of Vietnameses laws *:滞在登録に関する誓約。チェック必須。
申請フォームには「Intended border gate of entry(入国予定港)」を選ぶ欄がある。
申請時点では最初に入国する予定の空港を選んでおくのが無難。例えばハノイ経由でダナンに向かう際のIntended border gate of entry(入国予定港)はハノイのノイバイ空港としておく。
また、あわせて下部のYes/No質問も確認しておこう。
- Agency/Organization/Individual that the applicant plans to contact when enter into Viet Nam?(入国時に連絡予定の機関・個人があるか) → 観光なら No
- Have you been to Viet Nam in the last 01 year?(過去1年以内にベトナムに来たか) → 該当すれば Yes
- Do you have relatives who currently reside in Viet Nam?(ベトナム在住の親族がいるか) → 通常 No
セクション7:ACCOMPANY CHILDREN(同伴児童)
14歳未満の子供が同じパスポートに記載されている場合のみ入力する。子供が独立したパスポートを持っているなら、その子供は別途自分のe-Visaを申請する必要がある。
該当なしなら何も入力せずスキップでOK。
セクション8:TRIP’S EXPENSES, INSURANCE(旅費・保険)
このセクションは全項目任意(必須マークなし)。空欄で進めても申請は通る。

- Intended expenses (in USD):滞在中の予定費用(USD)
- Did you buy insurance?:海外旅行保険に加入済みか
- Who will cover the trip’s expenses of the applicant:旅費の負担者(自分/会社/家族など)
最後の同意チェック
セクション8の下に長い宣誓文がある。
I hereby declare that the above statements are true, accurate and I am fully responsible before the Vietnamese laws for the information provided to apply for an e-Visa of Viet Nam and I am aware that the application fee is not refunded if the application for e-Visa of Viet Nam is denied.
要約すると「記載内容に虚偽はなく、却下されても手数料は返金されないことを了承する」という内容。チェックを入れないとNextに進めないので必ずチェック。
チェック後「Next」ボタンを押すと支払い画面へ進む。
ステップ3:手数料の支払い
クレジットカードまたはデビットカードで支払い。現金や振込は不可。ここまで全て順調にいけば、メールで電子ビザ申請の受領メールと支払完了メールが届く。
ステップ4:承認を確認し、印刷

申請後はTOP画面メニューの「SEARCH」から「Register code」で申請状況の確認が可能。
ただし、黙って待っていても通常は3〜5営業日後(土日祝を除く)に登録メールアドレスへ審査完了通知が届く。メールが届かない場合のみ「SEARCH」からチェックすると良い。

無事に申請が通ったら、e-Visaを印刷して入国時にパスポートと一緒に提示する。スマホ画面の提示でも通ったという声もあるが、万が一のためにも紙で持っておくのが無難だ。
滞在登録(宿泊届出)──見落としがちな義務
ベトナムでは、外国人の宿泊先を公安(警察)に届け出る義務がある。
ホテルやゲストハウスに泊まる場合は、施設側がチェックイン時に自動的に届出をしてくれるので、旅行者が自分で何かする必要はない。
問題は、Airbnbや友人・知人の家に泊まる場合。この場合、家主が地元の公安に宿泊届を提出する義務がある。届出をしないまま滞在して、何かのトラブルで公安の目に留まると、家主にも滞在者にも面倒が及ぶ。
短期旅行でホテルに泊まるだけなら気にしなくていいが、ロングステイや友人宅に居候するような場合は、この制度を頭に入れておくこと。
ビザの種類一覧──観光以外で必要になるケース
ほとんどの旅行者はビザ免除かe-Visaで事足りるが、「仕事でベトナムに駐在する」「家族と一緒に住む」「投資活動をする」といった場合は別のビザが必要になる。日本人に関係の深いビザを目的別に整理した。
| 種別 | ビザ | 用途 | 有効期間 |
|---|---|---|---|
| 観光・短期滞在 | ビザ免除 | 45日以内の観光・短期滞在 | 45日 |
| e-Visa(EV) | 90日以内の観光・ビジネス | 最大90日 | |
| 観光ビザ(DL) | 企業保証がある場合の観光 | 1〜3ヶ月 | |
| ビジネス・就労 | 商用ビザ(DN1/DN2) | 商談・会議・技術指導など | 最長1年 |
| 就労ビザ(LD1/LD2) | 現地法人での就労(労働許可証が前提) | 最長2年 | |
| 投資・家族帯同 | 投資ビザ(DT1〜DT4) | 投資額に応じた長期滞在 | 最長10年(DT1) |
| 家族帯同ビザ(TT) | 就労者の配偶者・子ども | 最長3年 | |
| 親族訪問ビザ(VR) | ベトナム人の親族を訪問 | ケースにより異なる |
観光やe-Visa以外のビザを取得する場合、基本的にベトナム側の企業や団体が「招聘状」を取得する必要がある。つまり、申請者本人だけでは手続きが完結しない。受け入れ先との連携が不可欠だ。
就労ビザ(LD)の場合は、別途「労働許可証(Work Permit)」の取得が必要になる。ビザと労働許可証は別物で、発行元も手続きも異なる。駐在や現地採用で渡航する場合は、所属先の人事部門や現地のエージェントを通じて準備するのが一般的だ。
ビザ関連でよくある質問
Q. 「ビザラン」で45日ビザ免除を繰り返せる?
以前は「前回の出国から30日経っていないと再入国できない」というルールがあったが、これは2020年7月施行の新出入国管理法で廃止されている。法律上は出国の翌日に再入国しても問題ない。
ただし、ビザなし45日の滞在を何度も繰り返す、いわゆる「ビザラン」は現在グレーゾーンだ。制度上は禁止されていないが、入国審査官から滞在目的について詳しく聞かれたり、場合によっては入国を拒否されたケースも報告されている。長期で滞在するつもりなら、最初からe-Visaを取るか、目的に合ったビザを申請するほうが確実だ。
Q. オーバーステイしたらどうなる?
1日でも罰金の対象になる。滞在超過の日数に応じて罰金が課せられるほか、悪質なケースでは強制退去や再入国禁止の措置が取られることもある。罰金はベトナムドンの現金払いを求められることが多く、手持ちがないと手続きがさらに面倒になる。「数日くらいなら」「なんとかなるだろう」は通用しない。
Q. 出入国カードの記入は必要?
国際空港であれば、2026年現在、出入国カードの提出は不要。ただし陸路での入国(カンボジアやラオスとの国境)では、記入を求められることがある。
Q. パスポートの残存期間が6ヶ月を切っていたら?
入国拒否の可能性がある。ビザ免除でもe-Visaでも、入国時点でパスポートの残存有効期間が6ヶ月以上必要。ギリギリなら出発前に更新しておくこと。
Q. トランジット(乗り継ぎ)でもビザは必要?
ベトナムの空港で乗り継ぎだけする場合、制限エリア内にとどまるならビザは不要。ただし、乗り継ぎの間にいったん入国して市内観光をしたい、といった場合は通常の入国と同じ扱いになる。45日以内ならビザ免除、それを超えるならe-Visaが必要。空港から市内への移動にはGrabが便利だが、入国審査を通ってからの話だ。
なお、航空会社や経路によっては乗り継ぎ時に一度入国審査を通って荷物をピックアップする必要があるケースもある。搭乗前に航空会社に確認するのが確実だ。
Q. 電子タバコ・加熱式タバコは持ち込める?
近年、ベトナムでは電子タバコ(Vape)や加熱式タバコ(IQOS・glo・Ploom等)をめぐる規制が強化されている。2024年11月にベトナム国会で電子タバコ・加熱式タバコ禁止の決議(173号)が採択され、2025年1月から製造・販売・輸入・所持・使用が禁止されている。空港での没収やトラブルもありうるため、持参しないのがいちばん安全だ。本体だけでなく、カートリッジやリキッドも含めて、渡航前にスーツケースから出しておこう。
なお、紙巻きタバコについては従来通り200本まで免税で持ち込める(葉巻は20本、刻みタバコは250gまで)。規制の運用は変わりやすいので、心配なら渡航直前にベトナム税関や航空会社の最新案内も確認してほしい。
Q. 外貨の持ち込み制限は?
現金5,000米ドル相当以上、または1,500万VND(約89,000円)以上を持ち込む場合は税関申告が必要。申告せずに入国し、出国時に上記の額を超える現金を持ち出そうとすると没収される可能性がある。長期滞在者は、入国時の申告書の控えがあれば保管しておくと安心だ。
両替についてはハノイの両替おすすめガイドで詳しくまとめている。
Q. ベトナムの物価が気になる。現金はどれくらい必要?
ベトナムの物価は日本の3分の1程度と言われるが、場所やシーンによってかなり幅がある。詳しくはベトナムの物価ガイドを参考に、必要な現金・予算感を掴んでおくと安心だ。
ベトナムのビザ制度は2023年の法改正で格段にシンプルになったが、それでも「入国後には延長できない」「写真の要件が細かい」みたいな落とし穴は残っている。
一番厄介なのは「なんとかなるだろう」という思い込みで、ベトナムの入管は意外とキッチリしている。事前に知っておけば、どれも避けられるものばかりだ。