ダナンの両替でいちばん効くのは、レートの比較ではありません。どこに泊まるかです。
ダナンの日本人旅行者は、ミーケビーチ沿いのリゾートに泊まる人がかなり多い。ところが両替所は、ハン川をはさんだ反対側——市街に集まっています。ハノイの旧市街のように「宿を出たらすぐ選択肢が並んでいる」状態ではありません。
この記事では、空港と市街の両替をどう使い分けるか、そして海側に泊まる人はどうするかを整理します。
結論:ダナンの両替は”空港で最低限+市街でまとめて”
- ダナン空港では 5,000〜10,000円だけ両替
- 残りは市街(ハン市場・コン市場の周辺、または大型商業施設)で
- 店を選ぶときは、レートより先に許可証の掲示を見る
- ミーケビーチ側に泊まるなら、市街に出る予定があるかで決める
日本国内の空港での両替は、ハノイと同じくおすすめしません。1万円あたり1,000円前後の差が出ることがあります。
前提:2026年2月にルールが変わっています
ハン市場やコン市場の周りには金屋(ゴールドショップ)が並んでいて、長いあいだ「レートがいいのはここ」と言われてきました。その前提が崩れています。
2026年2月9日に施行された政令340/2025/ND-CPで取り締まりが強化され、許可のない店での両替は店だけでなく替えた本人も行政処分の対象になり得ます(本人が対象なのは以前からの規定ですが、運用が厳しくなりました)。金額や違反の状況によって警告・罰金・外貨やベトナムドンの没収に分かれる仕組みで、詳しい金額帯は別記事にまとめています。実際に、両替の取り扱いをやめた金屋や、店ごと閉じたところが出ています。
見るべきものは、店頭に掲示された「Giấy chứng nhận đăng ký đại lý đổi ngoại tệ」(外貨両替代理店登録証明書)ひとつだけ。ベトナム語を全部読む必要はありませんが、この表記があり、店の名称・所在地が掲示と一致しているかを確認してください。空港の両替カウンターや銀行の窓口ならこの確認はほぼ不要ですが、大型商業施設の中の両替所は、銀行直営か、登録証明書が掲示されているかを見てください。
罰則の金額帯や、レートの読み方の詳細は別記事に切り出しています。
ダナン空港での両替|場所と、いくら替えるか
到着後、両替所はどこにあるか
ダナン国際空港はターミナルが2つに分かれています。
- 国際線ターミナル(T2):日本からの直行便はこちら。入国審査あり
- 国内線ターミナル(T1):ハノイ・ホーチミンからの便はこちら
日本から着いた場合は国際線ターミナルです。入国審査・荷物受取を抜けて到着ホールに出ると、Vietcombank、BIDV、EXIMBANKといった銀行系の両替カウンターが横に並んでいます。空港に入居できるのは認可店だけなので、ここは許可証を気にする必要がありません。

ATMは到着ホール1階(BIDV・SEABANK・HSBCなど)と、2階のチェックインエリアにあります。
並んでいる銀行のあいだでレートに差が出る日があります。横並びなので、2〜3軒だけ数字を見比べてから決めてください。同じ空港内でも、レートが良く見えて別途手数料を取るカウンターもあります。
ターミナル間は1階の屋根付き連絡通路でつながっていて、徒歩5〜10分(約500m)で行き来できます。ただし到着直後にわざわざ移動する価値はありません。国内線ターミナル側の両替所は2階の出発フロアにあるので、荷物を持って階段かエレベーターで上がることになります。
空港の建物の中の動線(入国審査からSIM、出口まで)は、空港ガイドで詳しく書いています。
空港ではいくら替えるか
5,000〜10,000円分で足ります。
空港から市内へはGrabが使えてカード決済もできますし、ホテルもカードで払えます。現金が要るのは、SIMカードの購入、ローカル食堂やカフェ、市場やナイトマーケット、ホイアン方面の小さな店といった場面です。
逆に、ダナンはホイアンへの日帰りやビーチのリゾートで過ごす人が多いぶん、ハノイより現金の出番が少なくなりやすい街でもあります。多めに替えて余らせるほうが損です。
空港から市内への移動手段は別記事にまとめています。
市街でまとめて替えるなら|ハン市場・コン市場の周辺
ダナンで両替所が集まっているのは、ハン川の西側、ハイチャウ地区です。ハン市場(Chợ Hàn)とコン市場(Chợ Cồn)の周辺に、両替を扱う店が点在しています。
観光でハン市場に行く予定があるなら、ついでに済ませるのが動線としては一番いい。

大型商業施設の両替所という手
判断に迷いたくないなら、ここが現実的な落としどころです。
ダナンでは、GO!ダナン(Vinh Trung Plaza)やビンコムプラザなどの大型商業施設に、銀行系の両替所がテナントとして入っています。
- GO!ダナン:1階、2階へ上がるエスカレーター前にブースがあります。EXIMBANK系。レートがモニターに表示されているので、聞かなくても分かるのが楽です。日本円→ドンだけでなく、ドン→日本円にも対応しています
- ビンコムプラザ:VietinBank系。登録証明書もきちんと掲示されています。ただしレートは良くない日が多く、実質5%前後の差になることもあります
ここが重要なのですが、「商業施設だから安心=レートも良い」ではありません。安心と引き換えにレートを落としている店もあります。マーケットレートとの差が1〜2%以内に収まっているか、必ず確認してください。
なお、ドン→日本円の両替は、店に日本円の在庫がないと断られます。帰国前に処理したい人は、対応している店かどうかを先に聞いてください。
金屋(ゴールドショップ)は今も使えるのか
結論から言うと、2026年以降の旅行者にはおすすめしません。
レート自体はいまも良く、マーケットレートとの差が1%以下という店もあります。ただ、認可を持つ店と持たない店が混在していて外から判別しづらいこと、取り締まりの状況で開いていたり閉まっていたりすること、そして認可店でも1〜2%で替えられる以上、差が小さいこと。この3点でリスクとリターンが釣り合わなくなりました。
ハノイの旧市街のように「ここに行けば間違いない」という定番が成立しづらいのが、いまのダナンです。
店名で調べてきた人へ
ダナンの両替を検索すると、ハン市場やコン市場の周辺にある特定の金屋の名前がいくつか出てきます。「そこに行けばいいのでは」と思った人向けに、判断の材料を書いておきます。
- 認可の有無を、外から確定できる店がほとんどない。現地で長く情報を出している書き手でも「認可店と推察される」という書き方をせざるを得ない状況です
- 状況が数か月単位で変わる。摘発を受けて休業した店、再開した店、両替の取り扱いをやめた店が混在しています
- 営業時間が読みにくい。昼休みに閉める、日曜休みといった店が普通にあります
つまり、「◯◯という店がいい」という情報そのものが、いま一番古くなりやすい種類のものだということです。誰かが間違っているという話ではなく、半年前に紹介された店がいま同じ状態とは限らない、という性質の問題です。
店名を覚えていくより、登録証明書と控えの有無で現地で判断するほうが、2026年のダナンでは確実です。
ダナン最大の論点|ミーケビーチ側に泊まる人はどうするか
冒頭に書いたとおり、ここがダナン特有の問題です。
海側に泊まる人の選択肢は3つです。
- 空港で多めに替える:レートは市街に劣るが、移動の手間がゼロ。3泊程度なら、差額は数百円の世界
- ホテルで替える:レートは良くないが、深夜到着や急ぎには有効。大手ホテルなら適法な形で提供していることが多い
- 市街に出る用事のついでに替える:ハン市場・コン市場・大型商業施設。観光の予定に組み込めるなら、これが一番得
ハン川を渡るのはGrabで10分程度なので、「両替のためだけに渡る」のは時間の使い方として微妙です。市街観光の予定があるかどうかで決めてください。予定がないなら、空港で多めに替えるほうが合理的です。
ちなみにハノイは旧市街に全部そろっていて、ホーチミンは1区で完結します。ダナンだけが「宿と両替所が離れている」都市だと考えておくと、準備の段階で判断を間違えません。
受け取ったあと|その場で枚数と額面を確認する
両替が終わったら、店を離れる前に確認してください。
- 枚数を数える:一番大きい札が50万ドン(約3,000円)なので、1万円でも数枚になる
- 額面を分ける:50万ドンと2万ドンは色が似ていて、見間違えやすい
- 破れ・汚れを確認:状態の悪い札は、店によっては受け取りを断られる
- 控えを受け取る:出る店なら保管しておく
紙幣の見分け方や桁の数え方は、通貨ガイドで詳しく書いています。
よくある質問(FAQ)
ハン市場周辺と大型商業施設、どちらがいい?
レートだけならハン市場周辺の店が有利な日が多いのですが、認可の判別に手間がかかります。迷いたくないなら商業施設、レートを取りにいくなら登録証明書を確認できる市場周辺の店、という住み分けです。どちらも日によって前後するので、掲示の数字を見てから決めてください。
深夜に着いても両替できる?
ダナン空港の到着エリアには両替カウンターがあり、国際線の到着時間帯には営業していることが多いです。ATMも設置されています。ただし深夜便では窓口が閉まっている場合もあるので、ATMを使えるカードも用意しておくと安心です。
ホテルで両替するのはどう?
レートは良くありませんが、大手ホテルなら適法な形で両替サービスを提供していることが多く、時間も取られません。ミーケビーチ側に泊まっていて市街に出る予定がない場合は、現実的な選択肢です。「損だから使わない」ではなく「手間を金で買う」という位置づけで考えてください。
ホイアンでも両替できる?
ホイアン旧市街にも両替所はありますが、観光地価格でレートは良くありません。ダナンから日帰りするなら、出発前にダナン側で替えておくほうが得です。
現金はどのくらい必要?
リゾートやビーチ沿いのレストランで完結する旅なら、カード中心で回せます。現金が要るのは市場、ナイトマーケット、ローカル食堂、そしてホイアンの小さな店。ホイアン日帰りを予定しているなら、その日の分だけ多めに持ってください。
おわりに
ダナンは、レートの良い店を探すより「いつ市街に出るか」を先に決めるほうが早く片づく街です。
市街観光の予定があるなら、その日にまとめて。予定がないなら、空港で多めに。それだけで悩む時間がなくなります。
浮いた時間はミーケビーチで使ってください。そのほうが、旅としてはずっといい。