ホーチミンで両替する場所は、いくらでもあります。ドンコイ通り、ベンタイン市場の周り、中央郵便局、銀行の支店——観光の動線上にすべてそろっています。
困るのは、その先です。どの店が今開いているのかが、行ってみるまで分からない。
この記事は、1区の両替所を営業時間で並べ直しました。
結論:3軒と空港、この4つで足ります
- フンロン(8:00〜20:00・土日も営業)——日本円のまま替えられて、パスポート不要。5〜10分
- ハータム(8:00〜19:00・土日も営業)——ベンタイン市場の南門から徒歩1〜2分。隣のマイヴァンとレートを比べられる
- Money Exchange 59(エキシムバンク59)(7:00〜22:00・土日も営業)——夜と早朝に開いている
- タンソンニャット国際空港——到着ロビーにカウンターが複数。深夜着でも替えられる
どれを選んでも、レートで大損することはありません。着いた時間に開いている店から選んでください。
1区の両替所|どの店で替えるか
ドンコイ通りからベンタイン市場までの徒歩圏に、両替所がまとまっています。日本円をそのままベトナムドンに替えられる店もあるので、わざわざ米ドルに替えてから持っていく必要はありません。
ただし店ごとに、開いている時間と待ち方がまるで違います。ここが選ぶときの分かれ目です。
どの店でも共通して見るのは、店頭に出ている「Giấy chứng nhận đăng ký đại lý đổi ngoại tệ」(外貨両替代理店登録証明書)の掲示です。これが見当たらない、聞いても示してもらえない店では替えない。それだけで判断は済みます。

フンロン(Hung Long Money Exchange)|待ち時間が読める
86 Mạc Thị Bưởi。ドンコイ通りから1本入った通りです。8:00〜20:00、土日も営業しています。
日本円をそのままベトナムドンに替えられます。
流れは、カウンターに札を出す→電卓でレートを示される→納得したら番号札を受け取る→呼ばれたら受け取り、という順です。目の前の計数機で数えてくれて、控えも出ます。パスポートは要りません。
全部で5〜10分。列が屋内にできるので、外で押し合いになりません。米ドル以外の通貨にも幅広く対応していて、大きい額の札を出すと、使いやすい小額紙幣に混ぜて返してくれます。
20時まで開いているのは1区では遅いほうです。夕方に市内へ着いた日でも間に合います。
ハータム(Ha Tam Jewelry)|隣とレートを比べられる
2 Nguyễn An Ninh。ベンタイン市場の南門(時計台)から徒歩1〜2分、Nguyễn An Ninh通り沿いです。8:00〜19:00、土日も営業。
宝飾店が両替を兼ねている形で、市内でいちばん名前が知られています。そのぶん行列ができます。
この場所の利点は、すぐ隣にマイヴァン(Mai Vân/1 Nguyễn An Ninh)があることです。⚠️Googleマップでは「Money exchange」という名前で登録されているので、店名では出てきません。どちらも電卓で数字を出してくれるので、その場で2軒を比べられます。
注意が2つあります。
- 受け取った札を数え終わるまで、カウンターを離れない。混んでいて後ろから押されますが、破れや欠けのある札が混じっていても、店を出てからでは戻せません
- 米ドルを持ち込むなら、札の状態に注意。折れ・汚れ・銀行のスタンプがあると、その分レートを下げられます
Money Exchange 59(エキシムバンク59)|夜と早朝に開いている
135 Đồng Khởiにある両替所です。「Money Exchange 59」「Eximbank 59」など複数の名前で掲載されていますが、同じ場所を指します。
7:00〜22:00、土日も営業。この記事で紹介する3軒のなかでは、いちばん長く開いています。
夜に市内へ着いた日、早朝に発つ日の受け皿になります。ここが開いていれば、市内が全部閉まっているという状況にはなりません。
こちらも2つ。
- Googleマップでは名称表記に揺れがあります。住所「135 Đồng Khởi」を確認して向かえば迷いません
- レートは日によって前後します。電卓で示された数字を確認してから札を渡してください
銀行と中央郵便局|判断が要らない代わりに、時間が限られる
登録証明書を自分で確かめる必要がなく、控えも確実に出ます。どちらもパスポートが必要です。
ホーチミン中央郵便局は7:30〜18:00(日曜は8:00〜17:00)。サイゴン大教会と隣り合っているので、見学のついでに済ませられます。

銀行は昼休みを挟みます。Vietcombankのメリン広場支店なら平日8:00〜12:00と13:00〜16:30で、土日は閉まっています。週末に市内へ着く旅程なら、銀行は最初から数えないほうが早いです。

レートは店ごとに違う。並んでいるところなら見比べる
両替のレートは、その日の相場よりも店ごとの差のほうが大きく出ます。「空港は損、市内が得」という覚え方は当てになりません。
だから、店が並んでいる場所では見比べてください。両替所が隣り合っているのは、この2か所です。
- ベンタイン市場の南門から徒歩1〜2分——ハータムとマイヴァン。2軒とも電卓で数字を出してくれます
- タンソンニャット国際空港の到着ロビー——カウンターが複数並んでいます
フンロンとMoney Exchange 59(エキシムバンク59)も徒歩1〜2分ほどなので、両方のレートを見てから決めても構いません。
掲示の読み方には落とし穴があります。同じ店で数字が2つ出ていたり、銀行の窓口では3つ並んでいたりします。どれが自分に適用されるのかは、ハノイの空港で1枚ずつ確認して別記事にまとめました。
タンソンニャット国際空港での両替
深夜到着でも替えられる。ただし市内は選択肢が減る
日本からの直行便は国際線ターミナル(T2)着です。国内線は航空会社によってT1またはT3を使いますが、両替カウンターはどのターミナルにもあります。
到着ロビーの両替カウンターは24時間営業として案内されているものがあり、深夜・早朝の到着でも両替できます。ただし時間帯によって、開いている窓口の数は変わります。窓口には「Money exchange」「Currency exchange」と表示されています。
ここで大事なのは、逆側の事情です。深夜になると、市内で使える両替所はかなり限られます。この記事で紹介している3軒では、いちばん遅いMoney Exchange 59(エキシムバンク59)でも22時まで。深夜便で着く場合、「レートの良い市内で替えればいい」は成立しません。空港で必要分を確保してから移動してください。
空港から1区への行き方は、別記事で詳しく書いています。
カウンターは複数ある。2〜3軒だけ見比べる
到着ロビーには両替カウンターが並んでいます。同じ空港の中でも、カウンターによって出している数字が違います。
全部を回る必要はありません。荷物を押しながら通りがかりに2〜3軒の掲示を見て、いちばん良かったところで替える。それで十分です。
高額紙幣は、その場で崩してもらう
これは空港で必ずやってください。
ベトナムの最高額紙幣は50万ドン札(約3,000円)です。1万円替えると50万ドン札が数枚という形で渡されがちですが、空港からのタクシーやGrabで50万ドン札を出すと、お釣りが出せないと言われます。
カウンターで「smaller notes, please」と伝えて、5万ドン札・10万ドン札を混ぜてもらってください。到着直後のストレスがかなり減ります。
ホーチミンでいくら両替すればいい?
空港で替えるのは5,000〜10,000円分が目安です。
1区まではGrabで行けて、支払いはアプリ内のカード決済で完結します。ホテルの精算もカードで済む。現金の出番は、ローカル食堂、ベンタイン市場、ブイビエン通りの屋台、SIMカードの購入あたりに限られます。
空港で全額替えないほうがいい理由は、レートではありません。大金を持って1区に入ることになるからです。理由は次の見出しで書きます。
滞在日数別に現金がいくら必要かは、内訳から計算した記事があります。
ホーチミン最大の論点|両替所とスリの多発エリアが重なっている
ここがハノイ・ダナンと決定的に違う点です。
ハノイは旧市街、ダナンは川の西側に両替所が集まりますが、どちらもそこは観光の中心で、両替と治安が正面からぶつかることはありません(ダナンはむしろ宿と両替所が離れていることが論点でした)。
ホーチミンの1区は両替所が集まる場所であると同時に、ひったくり・スリの発生が多いエリアです。構造として重なっているので、場所を変えて避けることができません。
できるのは行動を変えることだけです。
- 店内で数えて、店内でしまう。外に出てから財布を開かない
- 枚数と額面を店内でチェック。50万ドンと2万ドンは色が似ていて、見間違えやすい
- 控えとレートを照合する。金額が合わないと気づくのは、店を出たあとでは遅い
- バッグは体の前で抱える。バイクによるひったくりは歩道側を歩いていても起こる
- 両替直後にスマホを見ながら歩かない。いちばん危ない組み合わせ
だから「1度にまとめて替える」を勧めません
従来の定説は「手数料がもったいないから1度にまとめて替える」でした。手数料の理屈としては正しい。
ただしホーチミンでは、まとめて替えるほど1区を大金で歩く時間が長くなります。認可された場所であれば、何回に分けても法令上の問題はありません。3泊4日で5万円必要なら、2〜3回に分けるほうが、盗難に遭ったときの被害が小さくて済みます。
ホーチミンの治安全般については別記事にまとめています。
2026年2月に変わったルール|政令340号
選び方の基準そのものが、2026年に変わりました。
政令340/2025/ND-CPが2月9日から効いていて、取り締まりが強化されています。許可を持たない店で替えると、店だけでなく替えた本人も行政処分の対象になり得ます(本人が対象なのは以前からの規定ですが、運用が厳しくなりました)。金額や違反の状況によって警告・罰金・外貨やベトナムドンの没収に分かれる仕組みです。ベンタイン市場の周りに並ぶ金・宝石店にも、両替をやめた店や閉めた店が出ました。
判断材料は、この記事の最初に書いた登録証明書の掲示ひとつです。空港のカウンターや銀行の窓口ならこの確認はほぼ不要ですが、大型商業施設の中の両替所は、銀行直営か、登録証明書が掲示されているかを見てください。
罰則が金額でどう変わるかは、別記事に切り出しています。
ATMキャッシングという選択肢
両替所を探さなくていい、深夜でも使える、必要な分だけ下ろせる——ホーチミンでは大金を持ち歩かなくて済むという利点がとくに効きます。

差が出るのは手順ではなく、手数料の構造です。
- ATM側の利用手数料(銀行によって差があり、数百円のこともある)
- カード会社側の海外利用手数料
- キャッシングの利息(帰国後すぐ繰上返済すれば圧縮できる)
- 1回あたりの引き出し上限(ローカル系のATMだと1回200〜300万ドン程度のことが多い)
カード会社によっては合計で10%近い負担になりますし、条件次第では両替より安く済むこともあります。出発前に自分のカードの海外キャッシング手数料と利率を確認しておくだけで、現地で迷わなくなります。
カードの使いどころは別記事で書いています。
よくある質問(FAQ)
日本円のまま持っていっていい?米ドルに替えるべき?
日本円のままで大丈夫です。フンロンをはじめ、日本円からベトナムドンへ直接替えられる店があります。日本で円を米ドルに替え、現地で米ドルをドンに替えると、二重に手数料を払うことになります。
両替にパスポートは必要?
店によります。フンロンのような両替所では不要で、電卓でレートを見せてもらってその場で替えられます。一方、銀行の窓口と中央郵便局では提示を求められます。空港のカウンターも求められることがあるので、到着直後は手元に置いておいてください。
24時間開いている両替所はある?
2026年8月時点で確認した1区の主要な両替所では、24時間営業は見つかりませんでした。紹介した3軒では、Money Exchange 59(エキシムバンク59)の22時までがいちばん遅いです。
⚠️店名に「24/24」と入った両替所(109 Hồ Tùng Mậu)がありますが、実際の営業は8:00〜24:00で、24時間ではありません。Googleの評価は2.5と低く、計算をごまかされた、急かされて数える時間をもらえなかった、という報告が複数出ています。深夜に現金が要るなら、空港のカウンターかATMのほうが確実です。
タンソンニャット空港のどこで両替すればいい?
到着ロビーに両替カウンターが出ています。空港に入居できるのは認可店だけなので、登録証明書を自分で確認する必要はありません。複数あるので、2〜3軒だけレートを見比べてください。ここでは5,000〜10,000円分だけ替えて、残りは市内で——が基本です。深夜着は開いている窓口が減ります。
ベンタイン市場近くの金・宝石店は使える?
ベンタイン市場の南門から徒歩1〜2分、Nguyễn An Ninh通り沿いにあるハータムは、両替所として長く営業していて実績があります。ただし市場の周りには他にも金・宝石店が並んでいて、こちらは登録の状況がまちまちです。名前を確認せずに手近な店へ入るのは避けてください。
市場そのものの歩き方や、何がいくらで買えるかはこちらにまとめています。
サイゴンセンター(高島屋)で両替できる?
商業施設の中の両替所は、銀行直営か、登録証明書が掲示されているかを確認してから使ってください。確実に済ませたいなら、サイゴンセンターから徒歩5分ほどのフンロンが近いです。
ホテルのフロントで替えるのは損?
レートは市中に劣りますが、大手ホテルなら適法な形で提供していることが多く、話は単純ではありません。替えたその足で部屋の金庫に入れられるので、1区を現金で歩く時間がゼロになります。数百円で持ち歩きのリスクを消せると考えれば、悪い選択ではありません。対応していないホテルもあるので事前に確認を。
土日や祝日でも両替できる?
フンロン・ハータム・Money Exchange 59(エキシムバンク59)は通常は土日も営業しています。閉まるのは銀行(土日休み)と、ハータムの隣のマイヴァン(日曜休み)。ただしテト(旧正月)の期間はほぼ休みになるので、その時期は空港を軸に計画してください。
おわりに
ホーチミンは、両替所を探す苦労がほとんどない街です。1区を歩いていれば、いくらでも目に入ります。
だからこそ、レートの数字を追いかけないでください。その時間に開いている店で、必要な分だけ替えて、店内でしまって、次の場所へ向かう。それだけで、この街の両替は済みます。
数百円の差を取りに1区を歩き回るより、その時間をサイゴン川沿いのカフェで使うほうが、旅としては豊かだと思います。