ハノイの文廟は、窓口で70,000ドンを払って入る。2026年8月に行って、料金の掲示とチケットの券面、それから敷地の中まで確かめてきた。
- 入場料:大人 70,000ドン(日本円でおよそ400円)
- 割引:35,000ドン(ベトナム国内の学校の学生証を持つ人/60歳以上のベトナム国民/重度の障害がある人)
- 無料:16歳未満/特に重度の障害がある人
- 開館:毎日8:00〜17:00
- 所要時間:1時間〜1時間半
- 夜の部:水・土・日のみ18:30〜22:00。昼とは別のチケットで料金も別
16歳以上の日本人旅行者は、基本的に70,000ドンになる。割引の対象は、掲示ではベトナム国内の学生証や身分証を持っている人に限られている。

ハノイの文廟とは|ベトナム最古の大学があった場所
文廟は日本語で「ぶんびょう」と読む。ベトナム語ではVăn Miếuで、カタカナにするとヴァンミエウ、ヴァンミウなど表記が分かれる。
文廟(Văn Miếu)は、1070年に孔子を祀るために建てられた。その6年後の1076年に、裏手に国子監(Quốc Tử Giám)が置かれる。これがベトナム最初の大学で、正式名称の「文廟・国子監」はこの2つを合わせた呼び名だ。日本語では孔子廟とも呼ばれる。
敷地はレンガ塀に囲まれた細長い形で、入口から奥に向かって区画が5つ続く。いちばん奥の太学(国子監の跡)は展示室になっていて、敷地全体の立体模型と、1009年から年代を追った年表が置かれている。模型を見ると、5つの区画が一直線に並んでいるのが一目で分かる。

いまも受験シーズンや卒業シーズンには、アオザイ姿の学生が写真を撮りに来る。観光地であると同時に、地元の人にとっては学業の願かけの場所でもある。
李朝が都をタンロン(昇龍)と名づけたところから、科挙が廃止されるまでの流れはこちらにまとめている。
入場料は大人70,000ドン、16歳未満は無料
チケット売り場の窓ガラスに、ベトナム語と英語の両方で料金が掲示されている。英語のほうには「ENTRANCE FEES/Adults: 70,000 VND/P」と書かれ、その隣に35,000ドンの対象者、いちばん下に無料の対象者が並ぶ。

35,000ドンになるのはベトナム国内の学生と60歳以上
半額の35,000ドンが適用されるのは、次の人たちだ。
- 16歳以上の生徒・学生で、ベトナムの国民教育制度の学校が発行した学生証を持っている人
- 60歳以上のベトナム国民で、CCCD(ベトナムの身分証)を持っている人
- 重度の障害がある人
- 文化施設の優遇制度の対象となる人(規定の証明書類が必要)
掲示に書かれている条件は、いずれもベトナム国内で発行された証明書に限られている。日本の学生証や年齢が分かる証明書は、この条件には当てはまらない。
無料になるのは16歳未満の子どもと、特に重度の障害がある人。「15歳以下」ではなく16歳未満なので、16歳の誕生日を迎えた時点で大人料金になる。
開館時間は毎日8時から17時まで
昼の見学は8:00〜17:00。曜日による休館日はなく、毎日開いている。チケットの裏面にも「everyday of the week」と印字されていた。
季節で開館時間を分けている施設もあるが、2026年8月に窓口で見た掲示も、手元のチケットの券面も、季節を分けずに8:00〜17:00だった。
チケット売り場と入り方
売り場は正門の手前、支払いはQRも使える
チケット売り場は正門をくぐる前、敷地の外にある。「NƠI BÁN VÉ/Ticket」と大きく出た建物で、アオザイ姿のスタッフが窓口に立っている。

窓口には銀行のQRコードが置いてあり、現金以外の支払いもできる。現金で払うなら小額紙幣を用意しておくといい。70,000ドンに対して50万ドン札を出すと、崩すのに時間がかかることがある。
- 買ったチケットは交換も払い戻しもできない
- チケットは入口のゲートで読み取るので、入場するまで手に持っておく
オーディオガイドは機器100,000ドン、アプリ50,000ドン
売り場の窓口に、日本語を含む多言語のオーディオガイドの案内が出ている。料金は2種類。
| 種類 | 料金 |
|---|---|
| 専用機器の貸出 | 100,000ドン |
| スマホアプリ | 50,000ドン |
アプリはその場のQRコードから各ストアでダウンロードする形になっている。半額で済むので、スマホとイヤホンを持っているならアプリのほうが手軽だ。

入口はQRをかざす自動ゲート
正門の中に自動改札が並んでいて、チケットのQRコードを読み取り機にかざして入る。係員が横に立っていて、うまく読み取れないときは手伝ってくれる。

服装は肩と膝を隠す。スカーフは改札で借りられる
正門の手前に、ベトナム語・英語・フランス語で見学のきまりを書いた掲示が立っている。服装については、礼拝の場ではノンラー(円錐形の帽子)や帽子、ミニスカート、キャミソール、短パンを身につけないことと書かれている。フランス語版には「肩と膝を隠すこと」と具体的に書いてあった。
- 服装で引っかかっても、改札のところでスカーフを無料で貸してもらえる(窓口に越・英・仏の3言語で貼り紙が出ている)
- 敷地内は禁煙。飲食物や動物の持ち込みにも制限がある
- 石碑や建物に触れる、書く、芝生に入るのは禁止
夏に短パンやノースリーブで市内を歩いていると引っかかりやすいので、羽織るものを1枚持っていくか、借りる前提で行くかのどちらかにしておきたい。

所要時間は1時間から1時間半
チケットを買ってから出口を出るまで、今回は1時間15分ほどだった。5つの区画を順に歩き、大成殿でひと通り見て、太学の展示を見て、書道の実演を眺めた時間を含めての数字だ。
写真をあまり撮らずに通り抜けるだけなら40分ほどでも回れる。逆に展示をじっくり読むなら1時間半は見ておきたい。
中で見られるもの
奎文閣と亀の石碑
二つ目の中庭の奥に立つのが奎文閣(Khuê Văn Các)。石造りの土台の上に木造の楼を載せた門で、上の階に丸い窓が開いている。ハノイ市のシンボルマークはこの楼閣をかたどったもので、10万ドン札の裏にも描かれている。

その先にあるのが進士題名碑だ。科挙の合格者の名前を刻んだ石碑で、瓦屋根の建物の中に何列も並んでいる。

石碑はどれも亀の背に載っている。近くで見ると、目も口もはっきり彫られていて、表面は手で撫でられてつるつるになっている。

碑亭の入口には赤い柵があり、「柵を越えないでください」という札がベトナム語・英語・フランス語で立っている。石碑にも亀にも触れられない。正門の手前にある見学のきまりにも、石碑に触れたり書いたりしないことが書かれている。
大成殿の孔子像
奥のほうにある大成殿は、孔子を祀る建物だ。中央に赤い衣の座像があり、台座には「Văn Tuyên Vương(文宣王)」と札が出ている。孔子に贈られた称号だ。前には仏手柑や果物が供えられ、線香の煙が上がっている。

大成殿の手前の広場には、龍の取っ手がついた大きな青銅の香炉が据えられている。建物を正面から撮るなら、この香炉を手前に入れると全体が入る。

大成殿の手前の拝殿には、亀の背に立つ青銅の鶴が左右に一対ずつ置かれている。赤い柱と金の扁額が並ぶ、写真映えのする空間だ。
書道は1枚200,000ドン
敷地の奥のほうに、書道(thư pháp)を実演している一角がある。緑の上着を着た年配の書家が、赤地に金の雲龍紋が刷られた色紙に、その場で墨で字を書いてくれる。

値段は1枚200,000ドン(日本円でおよそ1,200円)。
台の上にメニュー表が置いてあり、書いてもらえる字が1文字ずつ並んでいる。ベトナム語・中国語・英語・フランス語の4言語で意味が添えられているので、漢字が読めなくても選べる。
- 福・禄・寿・康・盛 …… 幸福や健康を表す字
- 智・志・徳・心・孝 …… 人の在り方を表す字
- 富・貴・財・如意 …… 豊かさを表す字
- 縁・和・順・愛・幸 …… 縁や調和を表す字
書き上がった色紙は、その場で巻いて渡してくれる。文字は色紙の中央に大きく1字、下に落款が押される形になる。

- 書道の一角は飲食と喫煙が禁止
- 先生の小屋(寺子屋)に上がるときは靴とサンダルを脱ぐ
同じ区画には机が並んでいて、参加者が筆を持って書いている姿も見られる。
鐘楼と鼓楼、太学の展示
奥の区画には、木造の楼に大きな太鼓を吊るした鼓楼と、鐘を吊るした鐘楼が向かい合って建っている。周りには石の馬や石像が置かれ、その脇に土産物店がある。合格祈願のお守りやしおり、扇子などが並んでいて、干支ごとのお守りもある。

太学の建物は2階建てで、中は展示室になっている。敷地の立体模型、年表、古地図、王朝ごとの解説パネルがベトナム語と英語で並ぶ。冷房はないが日陰で座れるので、休憩を兼ねて入るといい。
敷地の並び
入口から奥に向かって、区画はこの順に続く。
- 正門(文廟門)を入って、最初の中庭
- 大中門をくぐって、二つ目の中庭
- 奎文閣(Khuê Văn Các)。ハノイ市のシンボルマークになっている楼閣
- 天光井(池)と、その両脇に並ぶ進士題名碑。亀の背に石碑が立っている区画
- 大成門をくぐって、大成殿
- いちばん奥が太学(国子監)と、鐘楼・鼓楼
トイレは敷地内に2か所、休憩スペースは奥のほうにある。出口は入ってきた正門とは別に、奥側にも用意されている。

水・土・日の夜は別のチケット|3Dマッピングのナイトツアー
文廟は昼だけの場所ではない。水曜・土曜・日曜の夜だけ、建物に映像を投影するプログラムが行われている。
昼の70,000ドンのチケットでは入れない。夜は完全に別のチケットで、料金も別になる。
チケットの裏面には、夜の時間帯として18:30〜22:00(水・土・日)と印字されていた。以下の上映時刻と料金は券面には書かれていないので、2026年8月時点の公式サイトの記載をもとにしている。
上映は19時45分と20時45分の2回
3Dマッピングの上映は1日2回で、演目が回ごとに違う。
| 時刻 | 演目 |
|---|---|
| 19:45 | Tinh Hoa Đạo Học(教育の真髄) |
| 20:45 | Sử Đá Lưu Danh(石に刻まれた歴史) |
チケットを買うときに、どちらの回を見るかを選ぶ。選んだ上映の60分前までに入場することがすすめられている。19:45の回なら18:45までに入る計算だ。上映までのあいだに、石碑の展示やVR体験など、敷地内を回る仕掛けが用意されている。
料金は299,000ドン、身長で子ども料金が決まる
- 大人:299,000ドン(日本円でおよそ1,700円)
- 身長1m〜1m3:149,000ドン
- 身長1m未満:無料
年齢ではなく身長で区切られているのが、昼のチケットとの違いだ。昼が16歳未満で無料なのに対して、夜は1m未満しか無料にならない。小学生を連れていくなら、昼と夜で扱いがまったく変わると考えておきたい。
行き方|住所は58 Quốc Tử Giám
住所は58 Quốc Tử Giám。ハノイの中心部、ドンダー区にある。チケットの券面にもこの住所が印字されている。
Grabで向かうなら、目的地の指定は施設名より住所のほうが確実だ。文廟は敷地が広く、塀がぐるりと囲んでいるので、塀の反対側で降ろされると入口まで回り込むことになる。

メトロで向かう場合は2A号線が使える。路線と乗り方はこちらにまとめている。
文廟から北へ直線で1kmほどの場所に、ホーチミン廟がある。開館は午前中だけで曜日による休みもあるので、同じ日に回るなら先にそちらへ行くほうがいい。
よくある質問(FAQ)
Q1. 昼のチケットで夜のプログラムも見られる?
見られない。昼の入場券が70,000ドン、夜のナイトツアーが299,000ドンで、それぞれ別のチケットになる。夜は水・土・日だけなので、曜日も合わせる必要がある。
Q2. 日本の学生証で35,000ドンになる?
掲示上は対象外。割引の対象は「ベトナムの国民教育制度の学校が発行した学生証」を持つ人と明記されている。60歳以上の割引も、CCCDを持つベトナム国民が対象と書かれている。
Q3. 何歳から入場料がかかる?
16歳から。16歳未満は無料で、16歳以上は大人と同じ70,000ドンになる。ベトナムの国民教育制度の学校が発行した学生証を持っていれば35,000ドンになるが、旅行者には当てはまらない。
Q4. 短パンやノースリーブでも入れる?
掲示では、礼拝の場でミニスカートやキャミソール、短パンを身につけないよう求めている。改札のところでスカーフを無料で貸してもらえるので、その場で羽織れば見学はできる。
Q5. 休みの日はある?
昼の見学は毎日開いている。掲示にもチケットの券面にも「毎日」と書かれていて、曜日による休館日は設けられていない。夜のプログラムだけが水・土・日に限られる。
まとめ
- 入場料は大人70,000ドン。16歳以上の日本人旅行者は基本的にこの料金になる
- 35,000ドンの割引はベトナム国内の学生証・身分証を持つ人が対象
- 16歳未満は無料。「15歳以下」ではなく16歳未満
- 開館は毎日8:00〜17:00。所要時間は1時間から1時間半
- オーディオガイドは機器100,000ドン、アプリ50,000ドン
- 服装は肩と膝を隠す。引っかかっても改札でスカーフを無料で借りられる
- 書道はその場で書いてもらえて1枚200,000ドン
- 水・土・日の夜は3Dマッピングのプログラムがあり、299,000ドンの別チケット
この記事の昼の料金と開館時間、夜の開催曜日・時間帯は、2026年8月に現地の掲示とチケットの券面で確認した。ナイトツアーの料金と上映時刻は、同月の公式サイトの記載をもとにしている。ベトナムの施設は料金が改定されることがあるので、行く前に確認してほしい。