ベトナム民族学博物館(ハノイ)|入場料・撮影料・所要時間と行き方【2026年】

文化・歴史

ベトナム民族学博物館は、ベトナムに暮らす54の民族の道具・衣装・住まいを、ひとつの敷地でまとめて見られるハノイの博物館だ。ハノイ民族学博物館と書かれることもある。運営はベトナム社会科学院(VASS)。

ここは、行く曜日を選び間違えると見られないものがある。2026年9月に窓口とチケット売り場の掲示で確かめた内容をもとに、決めることから順に書いていく。

開館は8時30分〜17時30分、月曜は休み

開館時間と休館日は、入口のガラスの案内板にベトナム語・英語・フランス語で出ている。

  • 開館:8時30分〜17時30分
  • 休館:月曜と、テト(旧正月)の期間

入口のガラス案内板に書かれた開館時間・入場料・ガイド料金・撮影料

そして、水上人形劇は土曜と日曜にしかない。1日4回で、10時/11時/14時/15時30分。1回30〜35分だ。

つまり曜日で見られるものが変わる。平日に行けば博物館は開いているが人形劇はない。月曜だと博物館そのものが閉まっている。土日に行けば両方見られる、ということになる。

博物館ごとに休館日が異なる。同じ日に何館か回るなら、それぞれの休館日を先に確認しておきたい。

入場料は40,000ドン|60歳以上・大学生の割引には条件あり

チケット売り場に貼ってある料金表は、ベトナム語と英語の併記になっている。

区分 料金 条件
大人(18歳以上) 40,000ドン(約240円)
60歳以上 20,000ドン(約120円) ベトナム人のみ
障害のある大人 20,000ドン(約120円)
大学生 20,000ドン(約120円) ベトナムの大学生、またはベトナム国内の大学に在学中の学生。学生証の提示が必要
小学1年〜高校3年(6歳以上18歳未満) 10,000ドン(約60円)
幼稚園児(6歳未満)・障害のある子ども 無料

ベトナム民族学博物館のチケット売り場に貼られた料金表

ここに、料金表そのものへ書き込まれている条件がふたつある。

ひとつは60歳以上の割引で、英語の行に「ベトナム人のシニアにのみ適用」と入っている。もうひとつは大学生の割引で、「ベトナムの大学生、またはベトナム国内の大学に在学中の学生にのみ適用」とあり、学生証の提示を求められる。

60歳以上と大学生の割引条件が書かれた料金表の一部

結果として、日本から来た60歳以上の人や、日本の大学に在学する学生は40,000ドンになる。学生証を出しても割引にはならない。

一方で、障害のある大人の20,000ドンと、6歳以上18歳未満の10,000ドンには、国籍の条件が付いていない。子ども連れで来る場合はここが効く。6歳未満は無料で、このほかICOM(国際博物館会議)の会員と「博物館の友」の会員も、証明書を見せれば無料になる。

チケットはレジのレシートの形で出てくる。券面に購入日時とその日限りの使用期限、それにQRコードが印刷されていて、入口のゲートでこれを読ませて中に入る。

結局いくらかかるか

大人1人・人形劇あり:40,000+50,000=90,000ドン(約540円)
大人2人+6〜17歳の子ども1人・人形劇あり:40,000×2+10,000+50,000×2+30,000=220,000ドン(約1,320円)

カメラで撮ると200,000ドン、スマホは無料

チケット売り場の窓口には、卓上にもう1枚、サービスの料金表が立ててある。ここに撮影料が書いてある。

  • 観光・非プロの写真撮影:200,000ドン(約1,200円)/カメラ1台
  • 観光・非プロのビデオ撮影:200,000ドン(約1,200円)/カメラ1台

スマホには撮影料がかからない。かかるのは大きいカメラのほうだと現地で確認した。入場料が40,000ドンなので、カメラで撮るなら入場料の5倍を別に払うことになる。写真をスマホで済ませるつもりなら、そのぶんは0円だ。

入口のガラス案内板の下には、禁止の絵記号が5つ並んでいる。左から順に、フラッシュ撮影、飲食、展示物に触ること、喫煙、拡声器の使用だ。喫煙については、敷地全体が「たばこの煙のない観光地」に指定されている。

案内板の下に並ぶ、フラッシュ撮影・飲食・接触・喫煙・拡声器の禁止マーク

つまり撮影そのものは止められていない。止められているのはフラッシュだ。館内は照明を落とした区画もあるので、フラッシュを切ったまま撮れる設定にしておくと当日が楽になる。

水上人形劇は土日の4回、大人50,000ドン

敷地の屋外エリアに池があり、その上に瓦屋根の舞台が建っている。水上人形劇はここでやる。

  • 上演:土曜・日曜のみ、10時/11時/14時/15時30分の4回
  • 所要:1回30〜35分
  • 料金:大人50,000ドン(約300円)/子ども30,000ドン(約180円)

池の上に建つ水上人形劇の舞台

気をつけたいのは買う場所だ。人形劇のチケットは水上劇場の場所で買う。入口のチケット売り場ではない。入場料の40,000ドンとは完全に別建てで、入場券を買うときに一緒に払っておくことはできない。

客席は池に向かって木のベンチが並ぶ屋外で、大きな木の陰と日よけの布がかかっている。屋根のある室内劇場ではないので、雨だと条件が変わる。

15時30分の回は、終わるのが16時5分ごろ。閉館の17時30分まで1時間以上あるので、最後の回を見てから建築の庭をひととおり回ることもできる。

館内の展示|銅鼓をかたどった建物の2階分

展示の中心は、入口を入って正面に建つ2階建ての建物だ。「トンドン棟」と呼ばれ、ドンソン文化の銅鼓(青銅の太鼓)の形をかたどっている。設計はタイー族(Tày)の建築家ハー・ドゥック・リン。1997年11月に開館した。展示面積は2,000平方メートルある。

入ってすぐの吹き抜けに、赤い壁いっぱいの「Xin chào(シンチャオ)」がある。世界のあいさつが並んでいて、日本語の「ようこそ」も入っている。その下に54民族の顔写真がびっしりと貼られ、タッチパネルが置いてある。

館内入口の「Xin chào」の壁と54民族の顔写真

次にあるのが、ベトナムの民族分布を色分けした大きな地図だ。細長い国土のどこにどの民族がいるのかが一目で分かるようになっていて、ここを先に見ておくと、このあとのパネルが読みやすくなる。

トンドン棟の吹き抜けに立つ木の柱

展示は民族ごとに区切られている。パネルの解説に、実物の道具と衣装、それに映像が組み合わせてある。織り機、背負い籠、鍛冶の道具、市場や葬儀を人形で再現した場面など、写真ではなく物そのものが置いてあるので、見た目の情報量が多い。

少数民族の暮らしを人形で再現した館内の展示

54民族の常設展示は1階と2階にまたがっている。館内には企画展のスペースもあって、そちらはテーマが入れ替わる。少数民族の衣装を復元する調査の報告など、行くたびに内容が変わる。

解説の言語は、ベトナム語・英語・フランス語の3つ。ベトナム語が大きく上に、英語とフランス語が小さく下にまとまっている形だ。日本語の解説はない。

東南アジア棟(カインジエウ棟)

敷地の奥にもう1棟、4階建ての建物がある。「カインジエウ(凧)」の名のとおり、凧の形をかたどった現代的な建物で、2013年11月に開いた。こちらは東南アジア各国の文化と、アジア・世界をテーマにした展示だ。インドネシア・ジャワ島の影絵人形など、ベトナムの外のものが並ぶ。入場料は共通なので、40,000ドンでここまで入れる。

建築の庭|10の伝統建築を実物大で見られる

建物の裏側は「建築の庭」と呼ばれる屋外の展示エリアで、民族ごとの伝統建築が10、実物大で建てられている。家だけでなく、墓が2つ含まれている。

  • チャム族の家(Nhà Chăm)
  • ベト(キン)族の家(Nhà Việt)
  • バナ族の集会所ニャーロン(Nhà rông Ba-na)
  • エデ族のロングハウス(Nhà dài Ê-đê)
  • ザライ族の墓(Nhà mồ Gia-rai)
  • コートゥー族の墓(Nhà mồ Cơ-tu)
  • タイー族の高床の家(Nhà sàn Tày)
  • ザオ族の半高床の家(Nhà nửa sàn nửa trệt Dao)
  • モン族の平屋(Nhà trệt Hmông)
  • ハニ族の土壁の家(Nhà trình tường Hà Nhì)

建築の庭に建つ高床の家

これらは中に入れるものが多い。階段を上がって高床の家に入り、天井の梁や台所を間近で見られる。ほかにヌン族の鍛冶小屋、クメールの船、船を収めた小屋もある。

ベトナム民族学博物館の敷地案内図

敷地には人工の小川が流れていて、それが人形劇の池につながっている。大きな木が多く日陰は取れるが、屋外であることに変わりはない。歩き回るので、サンダルよりは歩きやすい靴がいい。

所要時間は1時間半〜2時間

目安は入口の案内板から逆算できる。ここに載っているガイドの所要時間が、館内の「ベトナム54民族」の展示で45〜60分、「建築の庭」で45〜60分となっている。案内を聞きながら回った場合の時間なので、自分のペースで両方を見るとおおむね1時間半〜2時間になる。

水上人形劇を入れるなら、上演30〜35分に席の確保と移動を足して40分ほど見ておく。全部で2時間半前後だ。

回る順番は、人形劇の時刻から決めるのが分かりやすい。たとえば10時の回に合わせるなら、9時台に入って庭を先に歩き、10時に人形劇、そのあと館内に入る。14時の回なら、午前に館内を見て昼を挟み、午後に庭と人形劇という組み方になる。

トイレ・荷物・売店・子どもの部屋

トイレは館内にある。個室は洋式で、便器の横に手持ちのシャワーが付いているベトナムでは一般的な形だ。個室の壁には「床に水をかけないでください」という注意書きと、便座に座って使うよう絵で示したステッカーが貼ってある。洗面台は複数並び、床も壁もタイル張りで掃除は行き届いていた。敷地の案内図には、屋外の建築の庭にもトイレの表示が2か所ある。

館内のトイレの入口と洗面台

受付のそばには、番号の付いた扉のロッカーが並んでいる。屋外を歩き回る場所なので、荷物が多いときはここを見ておくといい。

庭のなかほどに「ETHNIC SHOP」という木造の店があり、土産物とカフェ、軽食を扱っている。自動販売機も置いてある。土産物の本店にあたるのが敷地の外寄りにある「Trúc Lâm Handmade」で、布もの、アクセサリー、飾り、おもちゃなど、昔ながらのものと今作られているものの両方を置いている。

建築の庭にある ETHNIC SHOP

本を扱う店は別にある。展示の内容をまとめた本、絵はがき、それぞれの民族について書かれた本などが並ぶ。

子ども向けには「発見の部屋」がある。版画を刷る、布のものを作る、おもちゃを作る、昔からの遊びをやってみるといった手仕事の教室が開かれる部屋だ。ほかに視聴覚室と映写室もある。

案内ガイドを頼む場合は、ベトナム語が200,000ドン、英語とフランス語が300,000ドンで、いずれも1団体あたり45〜60分。館内の展示と建築の庭で別立てになっている。日本語のガイドはない。ただし主な展示の内容をまとめた無料のリーフレットには日本語版があるので、受付で聞いてみるといい。団体で行く場合は、事前に申し込んでおくよう案内されている。

駐輪について案内板にあるのは、バイクと自転車を敷地内に置けるという記載までで、車の記載はない。

行き方|旧市街から車で20〜30分

場所はハノイ市ギアドー(Nghĩa Đô)のグエン・ヴァン・フエン通りで、ホアンキエム湖のある旧市街からは約8km離れている。中心部の観光地をつなぐ流れの上にはないので、ここだけは移動を先に考えておきたい。

いちばん確実なのは配車アプリだ。行き先の入力は「Bảo tàng Dân tộc học Việt Nam」でそのまま出る。旧市街からの所要は20〜30分、料金は80,000〜150,000ドン(約480〜900円)が目安になる。使い方はハノイのGrabの記事にまとめてある。

路線バスで行くこともできる。博物館が挙げている路線は7・12・14・38・39・85・96・97番の8本だ。運賃は路線距離によって8,000〜20,000ドン(約50〜120円)。

  • 14番(ボーホー=ホアンキエム湖 ⇄ コーニュエ):旧市街から乗り換えなしで来られる。「90 Hoàng Quốc Việt – Ngã 3 Nguyễn Văn Huyên」で降りて徒歩10分ほど
  • 7番・38番:グエン・ヴァン・フエン通りにある「Bảo tàng Dân tộc học Việt Nam」という名前のバス停に止まる

降りる場所が分かりにくいので、バスで行くなら地図アプリを開いたまま乗るほうがいい。

住所:Đường Nguyễn Văn Huyên, Nghĩa Đô, Hà Nội
電話:024-3756-2193(月曜とテトを除く)
公式サイト:www.vme.org.vn

よくある質問

日本語の解説やガイドはある?

展示パネルと有料ガイドに日本語はない。パネルはベトナム語・英語・フランス語の3言語で、ガイドもこの3言語だ。ただし主な展示の内容をまとめた無料のリーフレットには日本語版があるので、受付で聞いてみるといい。展示自体も実物と再現場面が中心なので、文字が読めなくても見て分かるものが多い。

写真は撮っていい?

撮れる。スマホなら追加の料金もかからない。カメラで撮影する場合は、1台200,000ドンの撮影料がかかる。館内はフラッシュが禁止なので、そこだけ切っておく。なお撮影クルーを組む商業撮影は1チーム1,000,000ドンで、旅行者には関係のない枠だ。

子ども連れでも大丈夫?

6歳未満は無料、6歳以上18歳未満は10,000ドンで、この10,000ドンには国籍の条件が付いていない。屋外に10の伝統建築が建っていて中に入れるものもあるので、館内のパネルを読まない年齢でも歩き回れる。版画づくりや昔の遊びを体験できる「発見の部屋」もある。実際に学校の団体で来ている子どもも多い。

雨の日はどうなる?

館内の展示は屋根の下なので影響を受けない。建築の庭と水上人形劇は屋外なので、雨具は持っていったほうがいい。

行く前に決めておくこと

この博物館で先に決めるのは、曜日とカメラのふたつだ。

曜日は、月曜が休館で、水上人形劇は土日だけ。両方見たいなら土日に行くことになる。大きいカメラで撮影するなら入場料と別に200,000ドンがかかる。スマホでの撮影は無料だ。

ここで見た54民族の衣装は、ベトナムの民族衣装の記事とあわせて読むと分かりやすい。キン族のアオザイも、53の少数民族の衣装と並べて見ると位置づけが変わって見えてくる。

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編集者

ベトナムに魅せられた東京出身の経営者。数字よりも人の営みに惹かれ、現地のリアルを言葉で伝えている。

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