ベトナム軍事歴史博物館の入場料・所要時間・行き方|移転した新館の回り方【2026年版】

旅・ガイド

ハノイの西、タンロン大通り沿いに、ベトナム軍事歴史博物館があります。日本語では戦争博物館、軍事博物館とも呼ばれる場所です。2024年に建物ごと新しい場所へ移り、現在はハノイ市スアンフオン坊にあります。

困るのはそこからで、市内中心から離れているうえに、休館日が月曜と金曜の週2日あります。着いてから閉まっていた、では戻る距離が長すぎます。筆者は2026年9月に実際に行き、入口の料金掲示とチケットを確認してきました。この記事では、そこに書かれていた金額と時間、そして館内で何を見ることになるのかをまとめます。

先に要点だけ。入場料は40,000ドンで、ベトナム人も外国人も同じ金額です。16歳未満は無料です。開館は8時から16時30分、昼休みなし。休みは月曜と金曜です。旧市街からは車で30分ほどかかります。
ベトナム軍事歴史博物館の外観。赤い国旗が並ぶ建物と勝利の塔

ベトナム軍事歴史博物館とは|弓のかたちをした新しい博物館

1959年に開館した、ベトナム人民軍が運営する博物館です。収蔵品は15万点を超え、そのうち4点が国宝に指定されています。敷地は386,600平方メートル、建物は地上4階建てです。

設計には日本の日建設計が参加しています。コンセプトは国土を表す「陸・海・空」で、同時に陸軍・海軍・空軍の三軍を示しています。建物の正面には、外側へ25度傾いた高さ25メートルの柱が300メートルにわたって並び、そのアーチ状の曲線が伝説の弓を思わせる形になっています。この建築は、第16回ベトナム国家建築賞(2024-2025)でグランプリを受けています。

ベトナム軍事歴史博物館の勝利の塔。高さ45メートルの塔が広場の中央に立つ

広場の中央に立つのが高さ45メートルの勝利の塔です。独立宣言が行われた1945年にちなんだ高さで、星形が何層にも積み上がった形をしています。

ベトナムがどんな戦いを重ねてきた国なのか、その流れはこちらにまとめています。

2024年に移転しています|旧館の住所で行かないために

ハノイの軍事博物館と呼ばれてきたこの博物館は、もともとバーディン区のディエンビエンフー通り28Aにありました。

その旧館は2024年9月30日に閉館し、新しい建物が同年11月1日に一般公開されました。2024年12月末までは入場が無料でした。

ベトナム軍事歴史博物館の正面。傾いた柱が横に長く並ぶ建物

新しい場所は市内の西の外れで、旧市街からは15キロほど離れています。歩いて行ける距離ではありません。

住所は2度変わっています。移転そのものに加えて、2025年7月1日にハノイの行政区画が組み替えられ、区(クアン)という単位がなくなりました。現在の住所はKm 6+500 Đại lộ Thăng Long, Phường Xuân Phương, Hà Nội(スアンフオン坊)です。タクシーや配車アプリでは、住所ではなく「Bảo tàng Lịch sử Quân sự Việt Nam」で指定するのが確実です。

入場料は40,000ドン|ベトナム人も外国人も同じ金額

チケット売り場は、入口の建物にある「Quầy vé / Ticket」の窓口です。門を入ってすぐなので、迷うことはありません。

ベトナム軍事歴史博物館のチケット売り場。Quay ve / Ticket と表示された窓口

その窓口の脇に、ベトナム語と英語を併記した料金の掲示が立っています。書かれているのは、ひとり40,000ドン(約240円)です。

ベトナム軍事歴史博物館の入場料の掲示。40,000ドンと無料・半額の条件が並ぶ

この掲示でいちばん大きいのは、金額のすぐ下に「ベトナム国民にも外国人にも適用」と書き添えてあることです。ベトナムの施設では国内料金と外国人料金が分かれていることがありますが、ここは分かれていません。大人2人で入って、支払いは80,000ドン(約480円)でした。

ベトナム軍事歴史博物館のチケット。大人40,000ドン×2で合計80,000ドンと印字されている

チケットはレシート状の紙で、QRコードが印字されています。入場ゲートでこれを読み取ってもらう仕組みです。

無料になる人、半額になる人

掲示には無料と半額の区分が細かく並んでいます。旅行者に関係があるのは、次の2つです。

  • 大人:40,000ドン(国籍を問わず同額)
  • 無料:16歳未満/80歳以上/特別重度の障害がある人/軍人・国防関係の職員/革命功労者と烈士の遺族など
  • 半額(20,000ドン):16歳以上18歳未満/60歳以上80歳未満/重度の障害がある人/ベトナム国内の学校が発行した学生証を持つ学生/少数民族と、条件の厳しい地域・国境地帯の住民

半額の区分のうち学生については、ベトナムの国民教育制度に属する学校が発行した学生証を示すことが条件です。日本の学校の学生証では半額になりません。

日本から来る人に効くのは、16歳未満が無料という点です。国籍の条件は付いていないので、子ども連れなら窓口で年齢を伝えてください。

料金の根拠は、財務省の通達90/2025/TT-BTC(2025年9月18日)です。

開館時間は8時から16時30分。休みは月曜と金曜

チケットの裏面に、開館の条件がそのまま印刷されています。月曜と金曜を除く毎日、8時から16時30分。休みが週2日あって、しかも土日ではないのがこの博物館の特徴です。

ベトナム軍事歴史博物館のチケット裏面。月曜と金曜を除く8時から16時30分と印字されている

昼に閉まる時間帯はありません。筆者が窓口で券を買ったのは12時2分で、そのまま入場できました。チケットに印字された発券時刻がその時間です。

券面には、ほかにこう書かれています。

  • 券は券面の日付・時間帯に1回だけ有効
  • 入場ゲートでQRコードを提示する
  • 購入後の払い戻し・キャンセル・変更はできない
  • ゲートでスキャンしたあとは他人に譲れない

ベトナム軍事歴史博物館の所要時間とまわり方

順路は決まっています。チケットを買って門を入ると、まず屋外の展示を通り、その先の建物に入って館内の展示を年代順に歩き、出口から屋外へ戻る、という流れです。館内は一本道なので、地図を見ながら迷うことはありません。

入口に着いてから売店の前に戻るまでで、約40分でした。内訳は、券を買って屋外の展示を見るまでが約8分、館内が約17分、残りが移動と屋外の見直しです。

ただしこれは、パネルの文章をほとんど読まずに歩いた場合の時間です。館内は6つの時代に区画が分かれていて、実物・映像・ジオラマがかなりの量あります。解説を読みながら回るなら、1時間半は見ておくと落ち着きます。

市内中心からの往復に1時間かかることを考えると、移動を含めて半日の予定を組むのが現実的です。ハノイの回り方はこちらを参考にしてください。

行き方|タンロン大通り沿い、旧市街から車で30分

Grabかタクシー

いちばん確実です。目的地は「Bảo tàng Lịch sử Quân sự Việt Nam」で出ます。旧市街から車で30分前後、料金は片道20万ドン(約1,200円)くらいを見ておくと安心です。タンロン大通りは信号の少ない広い道なので、市内の渋滞に比べると流れます。

帰りも同じで、博物館の前で配車すれば拾ってもらえます。Grabの使い方はこちらにまとめています。

路線バス

安く行くならバスです。博物館の門のすぐ近く、タンロン大通り沿いに停留所があります。

周辺を通る路線:71B・74・87・88・107・157、電気バスのVinBus E05・E07・E09。このうちE05とE07はロンビエン発で、旧市街の東側から乗り換えなしで博物館の近くまで行けます。
ハノイのバスは路線の新設や変更が多いので、乗る日にGoogleマップで「Bảo tàng Lịch sử Quân sự Việt Nam」を目的地に入れて経路を確かめてください。

バイクや車で行く場合

中心部からタンロン大通りに乗って一本道です。駐車場は、大通りから敷地に入って建物の左手にあります。

屋外の展示|戦車と航空機が並ぶ広場

チケットを買って敷地に入ると、まず屋外の展示です。舗装された広場に、戦車、装甲車、大砲、ミサイルの発射車両、そして航空機が並んでいます。

ベトナム軍事歴史博物館の屋外展示。航空機と軍用車両が広場に並ぶ

目を引くのは、撃墜された機体の残骸を積み上げたモニュメントです。プロペラや主翼がそのままの形で残っていて、脇に説明板が立っています。

ベトナム軍事歴史博物館の屋外に積まれた航空機の残骸のモニュメント

広場に日陰がほとんどありません。植えられた木はまだ細く、影になりません。晴れた日の昼間は照り返しがきついので、帽子か日傘、それと水を持って入ってください。

館内の展示|紀元前から2024年まで、6つの時代を年代順に

建物に入って最初に目に入るのが、天井から吊るされたMiG-21戦闘機の4324号機です。機首に赤い星が並んでいて、これは撃墜した機体の数を表しています。国宝に指定されている機体で、飛び立つ角度で吊るされています。

ベトナム軍事歴史博物館のロビーに吊るされたMiG-21戦闘機4324号機

展示室に入ると、順路は年代順の一本道です。区画の入口ごとに年号の看板が立っているので、今どの時代にいるかがすぐ分かります。常設展示は6つの時代に分かれています。

  • 紀元前700年〜938年|国の始まりと守り
  • 939年〜1858年|王朝の時代、民族の独立を守る
  • 1858年〜1945年|阮朝とフランス
  • 1945年〜1954年|対フランスの戦い
  • 1954年〜1975年|対アメリカの戦い
  • 1975年〜2024年|国の建設と防衛

最初の区画は青銅器の時代から始まります。ドンソン文化の銅鼓が赤い布の上に置かれ、その背後の大画面で秦の始皇帝の南進が語られる、という作りです。コーロア城の巨大な模型と、伝説に出てくる弩(ど=クロスボウ)の実物大の再現も置かれています。

ベトナム軍事歴史博物館に展示されたドンソン文化の銅鼓

2番目の区画は939年から1858年まで、900年以上をひとまとめに扱います。中国やモンゴルの侵攻に対する戦い、後黎朝の軍制、1771年から1789年の西山(タイソン)の時代まで、当時の武器と城の作り方が並びます。ここが今回いちばん展示の密度が濃い区画でした。

そこから阮朝、フランス、アメリカと時代が進みます。区画ごとに壁の色が変わるので、切り替わりが体で分かります。

ベトナム軍事歴史博物館の1945年から1954年の展示区画の入口

途中には、実物大のジオラマがいくつも作られています。瓦礫になったハノイの街路を再現したものは、床から天井まで丸ごと一区画を使っていて、その中に立って見る形になります。

ベトナム軍事歴史博物館の実物大ジオラマ。瓦礫になったハノイの街路を再現している

ベトナム戦争そのものの流れは、こちらの記事にまとめています。

戦車843号|独立宮殿の脇門に突入したT-54B

館内の後半、1975年の区画に、赤い壁を背にして1台の戦車が置かれています。車体に大きく843と書かれたT-54Bです。

ベトナム軍事歴史博物館に展示された車体番号843のT-54B戦車

1975年4月30日、サイゴンの独立宮殿の脇門を突き破った戦車です。国宝に指定されている4点のうちの1つで、あとの3点は、ここで見たMiG-21の4324号機、B-52を撃墜したMiG-21の5121号機、そしてホーチミン作戦の決意地図です。

映像や写真で見たことのある車体が、柵1本を挟んだ手前に置かれています。館内でいちばん人が集まっていたのもこの場所でした。

ベトナム軍事歴史博物館のレビュー|どんな場所で、誰に向くか

行ってみて強く感じたのは、ここが観光地というより社会見学の場所だということです。ベトナムの子どもたちが団体で来ていて、学校の課外授業の雰囲気がありました。土産物を買いに来る場所でも、写真を撮って次へ移る場所でもありません。

そのうえで、次のような人にはよく合います。

  • 戦車や航空機を間近で見たい人。屋外に実物が並び、柵の手前まで近づけます
  • ベトナムがどういう国なのかを通しで知りたい人。紀元前から2024年までが一本の順路につながっています
  • ベトナム戦争を、ベトナム側の語り方で見たい人。同じ出来事が日本で読むものとは違う角度で並びます
  • 建築を見る人。国家建築賞のグランプリを取った建物そのものが展示の一部です

逆に、ハノイの滞在が1日か2日しかないなら、往復1時間を使うかどうかは考えどころです。旧市街の周りにも歴史を扱う場所はあります。時間に余裕がある日程に入れるほうが動きやすいでしょう。

行って分かった7つのこと

  • 休みは月曜と金曜。土日は開いています。曜日だけは出る前に確かめてください
  • 現金を用意しておく。入場料はドンで払います
  • 敷地内に売店があります。飲み物の冷蔵ケースと菓子の棚、テーブル席があって、休憩できます
  • 広場は日を遮るものがありません。帽子と水を持って入ってください
  • 写真は撮れました。入口の料金掲示に撮影料の項目はなく、館内で止められることもありませんでした。ただし博物館には参観のきまりがあるので、撮影は係員の案内に従ってください
  • 展示のパネルと映像はベトナム語と英語です。日本語の表示は見当たりませんでした
  • 敷地がとにかく広い。門から建物までも、館内も歩く距離があります。歩きやすい靴で行ってください

ベトナム軍事歴史博物館の敷地内にある売店とイートインスペース

よくある質問

入場料はいくらですか?

ひとり40,000ドン(約240円)です。ベトナム人も外国人も同じ金額で、16歳未満は無料。半額の区分もありますが、学生はベトナム国内の学校が発行した学生証が条件なので、日本から来る大人は40,000ドンと考えておくのが確実です。

休館日はいつですか?昼休みはありますか?

休みは月曜と金曜の週2日です。開館は8時から16時30分で、昼に閉まる時間帯はありません。

場所はどこですか?以前の場所とは違いますか?

現在の住所はKm 6+500 Đại lộ Thăng Long, Phường Xuân Phương, Hà Nội。2024年11月に、バーディン区のディエンビエンフー通りからこの場所に移りました。地図アプリで探すときは「Bảo tàng Lịch sử Quân sự Việt Nam」で検索してください。

所要時間はどれくらいですか?

早足でひと通り歩いて約40分、解説を読みながらなら1時間半ほどです。市内からの往復を入れると半日の予定になります。

日本語のガイドはありますか?

展示のパネルと映像はベトナム語と英語です。日本語の表示は見当たりませんでした。英語の説明は主要な展示に付いているので、英語が読めれば内容は追えます。

写真は撮れますか?撮影料はかかりますか?

筆者が行ったときは館内で普通に写真を撮ることができ、撮影料の掲示もありませんでした。ただし博物館には参観のきまりがあります。フラッシュを使わない、撮影は係員の案内に従う、という点は守ってください。

ベトナム軍事資料館とは違う場所ですか?

「ベトナム軍事資料館」という呼び方をされることもありますが、ハノイで軍の資料と兵器をまとめて見られるのはこの博物館です。住所はKm 6+500 Đại lộ Thăng Long, Phường Xuân Phương。2024年11月に、バーディン区のディエンビエンフー通りから移りました。

ベトナム戦争の博物館はハノイにありますか?

ベトナム戦争だけを扱った「戦争証跡博物館」はホーチミン市にあります。ハノイでベトナム戦争の展示を見るなら、この軍事歴史博物館の1954年〜1975年の区画が中心です。旧市街に近いホアロー刑務所にも、収容されたアメリカ軍パイロットに関する展示があります。

ベトナム戦争の跡地はどこにありますか?

ハノイなら、この博物館とホアロー刑務所です。ホーチミン市には戦争証跡博物館、統一会堂(旧大統領官邸)、クチトンネルがあります。戦争そのものの流れはベトナム戦争の記事にまとめています。

近くに一緒に回れる場所はありますか?

博物館の周りは新しい住宅地で、観光の目的地はほかにありません。市内へ戻ってから、旧市街に近い場所と組み合わせるのが現実的です。フランス植民地期を扱うホアロー刑務所や、王朝時代のタンロン遺跡と並べると、時代の順につながります。

なお、ホーチミン市にも戦争を扱った博物館があります。あちらはベトナム戦争に絞った展示で、性格がかなり違います。戦争証跡博物館の記事もあわせてどうぞ。

まとめ|ベトナム2700年の軍事史を一本の順路でたどる

最後に要点だけ。

  • 入場料は40,000ドンベトナム人も外国人も同額
  • 16歳未満は無料。半額の区分は年齢やベトナム国内の学生証が条件
  • 開館は8時から16時30分昼休みなし。休みは月曜と金曜
  • 住所はKm 6+500 Đại lộ Thăng Long, Phường Xuân Phương。2024年11月に移転
  • 旧市街から車で30分前後。バスは71B・74・87・88・107・157とVinBus E05・E07・E09
  • 所要時間は早足で約40分、読みながらなら1時間半
  • 見どころはMiG-21の4324号機戦車843号、そして実物大のジオラマ
  • 屋外の広場は日陰がない。帽子と水を持って入る

見どころは戦車や戦闘機だけではありません。紀元前700年から2024年までの軍事の歴史が、6つの時代に分かれて一本の順路につながっている。その流れを自分の足で歩けるのが、この新館のいちばん面白いところです。

※入場料・開館時間・休館日・交通機関の運行などは変更されることがあります。渡航前に最新の情報をご確認ください。(2026年9月時点の情報)

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ライター

日本での生活経験あり。リンランを生活圏に、文化背景の翻訳と取材サポートを担当。

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