タンロン遺跡の入場料・所要時間・行き方|1時間で回れるハノイの世界遺産【2026年版】

2026.07.29
旅・ガイド

ハノイに世界遺産があると聞いて調べてみると、ハロン湾でもチャンアンでもなく、市内のど真ん中に「タンロン遺跡」という名前が出てきます。ホーチミン廟から歩いて15分ほど、旧市街からはGrabで10分。行こうと思えばいつでも行ける場所です。

ただ、この遺跡は敷地が20haと広いわりに、案内が親切とは言えません。チケットを買ってゲートを抜けた先で、どこから見ればいいのか分からないまま歩き回ることになりがちです。

筆者は2026年6月に実際に訪れました。この記事では、入場料・開館時間・行き方といった基本情報に加えて、実際に回ってみて何分かかったか、そしてチケットに印字されている見落としやすい注意書きまで、行った経験をもとにまとめます。

先に要点だけ。タンロン遺跡は月曜日が休館です。入場料は100,000ドン(2026年6月時点)。本体だけなら1時間ほどで回れます。そしてチケットは、少し離れた別の区画に入るためにも使うので、絶対に捨てないでください
タンロン遺跡(ハノイ)の入口にある「HOÀNG THÀNH THĂNG LONG」の看板。世界遺産であることが示されている

タンロン遺跡とは|ハノイの真ん中にある世界遺産

タンロン遺跡は、かつてベトナムの歴代王朝が都を置いていた場所の跡です。ベトナム語では「Hoàng Thành Thăng Long(ホアンタン・タンロン)」、日本語では「タンロン皇城」とも呼ばれます。2010年にユネスコの世界文化遺産に登録されました。

「タンロン(昇龍)」はハノイの古い名前です。1010年、李朝の初代皇帝がこの地に都を移したときに名づけられ、その後およそ800年にわたって、王朝が替わっても都はここに置かれ続けました。1805年に阮朝がフエへ王宮を移すまで、ベトナムの中心はこの場所だったということになります。

この遺跡の特徴は、同じ土地から、時代の違う複数の王朝の遺構が層になって出てくることです。2002年に国会議事堂を建て替えようとして発掘したところ、8〜9世紀の中国支配期から阮朝期までの遺構が重なって見つかりました。発掘調査は今も続いています。

ベトナムの世界遺産は全部で9件あります。ほかの8件との位置関係は、こちらの記事にまとめています。

入場料は100,000ドン|そしてチケットは捨てないでください

まず料金の話からします。ここは、日本語のネット情報がかなり混乱している部分です。

2026年6月時点で100,000ドン

実際に買ったチケットがこちらです。

タンロン遺跡のチケット実物。使用日18-06-2026、料金100,000ドンと印字されている

使用日「18-06-2026」、料金「100,000」と印字されています。大人1名100,000ドン(約600円)です。

日本語の記事には「30,000ドン」「70,000ドン」と書いてあるものがまだ残っていますが、これは古い金額です。運営するタンロン遺産保存センターの発表では、2024年1月1日から70,000ドン、2025年1月1日から100,000ドンに改定されています。2026年に入ってから書かれた日本語記事でも古い金額のままのものがあるので、注意してください。

タンロン遺跡のチケット売り場に掲示された料金表。大人100,000ドンなどの区分が記載されている

  • 大人:100,000ドン
  • 16歳以上の学生、60歳以上の方など:50,000ドン(学生証や身分証の提示が必要)
  • 16歳未満の子ども:無料

割引区分については、日本語で書いている記事をほとんど見かけません。子連れの場合は子どもの分がかからないので、実際の出費は思ったより軽くなります。

なお、支払いは現金で問題ありませんでした。筆者が入場したのは10時21分、チケットの印字時刻が10時23分。並ばずに2分で買えます。平日の午前中であれば、チケット売り場で行列を心配する必要はなさそうです。

チケットに「もう2か所ぶん」が含まれている

ここが、この記事でいちばんお伝えしたい部分です。

チケットの上のほうに、ベトナム語と英語で小さくこう印字されています。

この券を保管して、考古学エリア「ホアンジエウ通り18番・19番」および「ファンディンフン通り51B」の見学にお使いください

つまり、この1枚のチケットは、メインの敷地だけでなく、道路を挟んだ向こう側にある発掘エリアにも使えるということです。1回入って終わりではありません。

タンロン遺跡は、大通りで区画が分断されています。メインの敷地を見終わったあと、いったん外に出て、ホアンジエウ通りを渡った先に発掘現場のエリアがあります。ここに入るときに、最初に買ったチケットの提示を求められます。だから捨ててはいけません。

日本語の記事では「ホアンジエウ18番遺跡」までは触れられていますが、19番と51B Phan Đình Phùng(ファンディンフン通り51B)について書いているものは見当たりません。券面にはっきり書いてあるので、時間に余裕があるなら足を延ばす価値はあると思います。

正直に書いておきます。筆者は今回、メインの敷地だけを回り、道路を渡った先の発掘エリアには行っていません。券に書いてあるのを、その場では見落としていました。この記事の「実際に回った時間」は、あくまでメインの敷地だけの数字としてお読みください。

開館時間と休館日|月曜日は閉まっています

タンロン遺跡は月曜日が休館です。保存作業のため、週に1日閉めています。開いているのは火曜日から日曜日まで。

これは押さえておいてください。日本語のサイトの中には「無休」と書いているものがあり、それを信じて月曜に行くと、目の前まで来て入れないことになります。

開館時間は8時から17時とするサイトが多い一方、「午前8時〜11時30分/午後14時〜17時」という二部制を書いているベトナム語サイトもあり、情報が割れています。筆者が訪れたときは11時30分を過ぎても敷地内を歩けていましたが、日によって運用が違う可能性は否定できません。お昼をまたぐ予定なら、午前中のうちに主要な場所を見ておくほうが安全です。

ホーチミン廟とセットで回る場合は、順番に注意が必要です。廟は午前中しか開いていないので、廟を先に、タンロン遺跡を後にしてください。

行き方|入口はホアンジエウ通り側

ハノイ旧市街やホアンキエム湖からは、Grabやタクシーで10分ほど。徒歩でも30分程度ですが、暑い時期に歩く距離ではありません。

敷地は四方を大通りに囲まれていて広いので、入口の場所を把握しておくことが大事です。見学者用の入口はホアンジエウ(Hoàng Diệu)通り側にあります。

ドライバーに伝えるときのために、名称と住所を載せておきます。

  • ベトナム語:Hoàng Thành Thăng Long
  • 英語:The Imperial Citadel of Thang Long
  • 住所:19C Hoàng Diệu, Điện Biên, Ba Đình, Hà Nội

行き先を口頭で伝えるより、マップのピンを見せたほうが確実です。ハノイでのGrabの使い方は、こちらにまとめています。

敷地に入ってすぐ、旗を掲げた高い塔が目に入ります。これはハノイ国旗掲揚塔(コットコー)で、19世紀初めに阮朝が築いたものです。これも世界遺産の構成要素のひとつですが、塔の中に入るには隣接するベトナム軍事歴史博物館側から入ることになります。

タンロン遺跡の敷地から見たハノイ国旗掲揚塔。ベトナム国旗が掲げられている

実際に回ってみた|正味50分、休憩を入れて73分

「タンロン遺跡はどれくらい時間がかかるか」は、多くの人が気にするところだと思います。ネット上では「2〜3時間」と書かれていることが多いのですが、これは道路を渡った発掘エリアまで含めた場合の数字です。

筆者の場合、写真の撮影時刻で正確に分かります。

  • 敷地に到着:10時21分
  • 敷地を出るまで:11時34分(合計73分)
  • うち、敷地内のカフェでの休憩:約23分
  • 見学の正味は約50分

つまりメインの敷地だけなら、休憩を挟んでも1時間強で回れます。展示の説明をじっくり読むならもっとかかりますし、発掘エリアまで足を延ばすなら2〜3時間見ておく、という組み立てになります。

半日ぶんの時間を空けなくても行ける場所だ、というのがいちばんお伝えしたい実感です。ホーチミン廟のあと、午前中いっぱいで両方回ることもできます。ハノイの日数別の組み立て方は、こちらの記事にまとめています。

端門(ドアン門)

チケット売り場を抜けて広場を進むと、最初に現れるのが端門(ドアン門)です。石造りの門で、アーチが横に並び、上には楼閣が載っています。15世紀の後黎朝時代に建てられ、阮朝時代に補修されました。

タンロン遺跡の端門(ドアン門)。石造りのアーチが並び、上に楼閣が載っている

真ん中の大きなアーチは皇帝専用の通り道で、両脇は皇族や臣下が使ったとされます。門の上には階段で登ることができ、これは後述します。

展示室

端門の先には、フランス統治期の建物を使った展示室があります。ここで発掘された陶磁器や装飾、王朝の系譜などが並んでいて、見ごたえがあります。

タンロン遺跡の展示室。照明を落とした空間に出土品が展示されている

説明はベトナム語と英語です。日本語はありません。スマートフォンの翻訳アプリのカメラ機能を使えば、キャプションはその場で読めます。

D67作戦司令部と地下壕|ここがいちばんの見どころ

遺跡を歩いていると、突然コンクリートの近代的な建物が現れます。事前に知らないと「これは何だろう」となる建物ですが、個人的にはここがタンロン遺跡でいちばん面白い場所でした

ベトナム戦争中の1967年、ハノイへの爆撃が激しくなるなかで、この場所に北ベトナム軍の作戦司令部が置かれました。建物の名前「D67」は、造られた年に由来します。

タンロン遺跡のD67作戦司令部の会議室。長机と椅子が当時のまま保存されている

会議室は当時のまま残されています。長机、椅子、壁に貼られた作戦地図。ここで戦争の意思決定が行われていた部屋に、そのまま立つことができます。

そして、この建物からは地下に降りられます。

タンロン遺跡のD67地下壕へ降りる階段。白い壁に囲まれた急な階段が地下へ続く

爆撃に耐えるために造られた地下壕で、階段はかなり急です。降りると、白く塗られた狭い通路が続きます。

タンロン遺跡のD67地下壕の通路。白い壁の狭い通路を見学者が歩いている

分厚い鉄の扉、通信機器、当時使われていた黒電話が並んだ部屋。1000年前の王宮跡を歩いていたはずが、20世紀の戦争のただ中に迷い込んだような感覚になります。

この場所があることで、タンロン遺跡は「石の遺構を眺めるだけの場所」ではなくなっています。後述しますが、この遺跡が「がっかり世界遺産」と言われがちなのは、期待するものを間違えているからだと思います。

端門の上に登る

最後に、端門の上に登りました。石段はかなり急ですが、登る価値はあります。

タンロン遺跡の端門の上から南を望む。芝生の広場の先にハノイ国旗掲揚塔が見える

アーチ状の窓の向こうに、まっすぐ伸びた芝生の広場と、その先の国旗掲揚塔が見えます。皇帝が門の上から見下ろしていたのと、ほぼ同じ景色ということになります。ここが遺跡でいちばん見晴らしのいい場所です。

敷地内にカフェがあります

意外と書かれていないのですが、敷地の中にカフェがあります。「The Imperial」という店で、屋内の席で座って休憩できます。

タンロン遺跡の敷地内にあるカフェ「The Imperial」で提供されたドリンク

20haの敷地を歩き回ることになるので、特に夏場はありがたい存在です。筆者もここで20分ほど休みました。前述の「73分」には、この休憩時間が含まれています。

外に出ないと休めない場所だと思って身構える必要はありません。

夜のタンロン遺跡|ナイトツアーがあります

日本語ではほとんど紹介されていませんが、タンロン遺跡には「Giải mã Hoàng thành Thăng Long(タンロン皇城の謎解き)」という夜間ツアーがあります。

週末の夜に開催され、所要は約90分。ライトアップされた遺跡を歩きながら、ガイドの解説と伝統芸能の実演が組み込まれた構成です。料金の目安は1人300,000ドンほどで、通常の入場料とは別枠になります。

案内はベトナム語が中心なので、言葉の面ではハードルがあります。ただ、昼間とはまったく違う雰囲気になるので、ハノイに数日滞在して夜の予定を探している場合の選択肢にはなります。人気があり、繁忙期は予約で埋まります。最新の開催日程と予約方法は公式サイトで確認してください。

「がっかり世界遺産」と言われるのはなぜか

タンロン遺跡を検索すると、「がっかりした」という感想が一定数出てきます。正直に書いておくと、その理由は分かります。

アンコールワットのような、そびえ立つ古代建築を期待して行くと、肩透かしを食らいます。王宮の主要な建物はフランス植民地時代に取り壊されていて、敬天殿も今残っているのは龍が彫られた石段だけです。「見るものはこれだけ?」という感想になるのは自然だと思います。

ただ、この場所の価値は建物の壮麗さではありません。同じ土地に1000年以上の層が積み重なっていること——8〜9世紀の中国支配期、11世紀の李朝、13世紀の陳朝、15世紀の黎朝、19世紀の阮朝、そして20世紀のベトナム戦争。それが地面の下から順番に出てきて、地上ではD67の地下壕まで歩けてしまう。そういう場所です。

期待するものを「建築」から「時間の層」に切り替えて行けば、1時間の使い方としてはかなり密度が高いと思います。ベトナムの歴史の流れをざっとつかんでから行くと、見え方が変わります。

よくある質問(FAQ)

入場料はいくらですか?

大人100,000ドン(2026年6月時点)です。16歳以上の学生や60歳以上の方などは50,000ドン、16歳未満は無料です。「30,000ドン」「70,000ドン」と書かれた情報は古いものです。料金は改定されることがあるので、現地の表示も確認してください。

休館日はありますか?

月曜日が休館です。保存作業のために閉めています。開いているのは火曜〜日曜です。

所要時間はどれくらいですか?

メインの敷地だけなら、休憩を入れて1時間強(筆者の実測で73分、うち休憩23分)。道路を渡った先の発掘エリアまで回るなら、2〜3時間見ておくとよいでしょう。

チケットは1回入ったら終わりですか?

いいえ。チケットには、ホアンジエウ通り18番・19番、およびファンディンフン通り51Bの考古学エリアにも使えると印字されています。見学が終わるまで捨てないでください。

服装の決まりはありますか?

ホーチミン廟のような厳格な服装規定はありません。ただし屋外を歩く時間が長く、日陰の少ない区間もあるので、夏場は帽子と飲み物があると楽です。地下壕は階段が急なので、歩きやすい靴をおすすめします。

ホーチミン廟と一緒に回れますか?

回れます。徒歩で15分ほどの距離です。ただしホーチミン廟は午前中しか開いていないので、廟を先に、タンロン遺跡を後にしてください。

日本語の解説はありますか?

ありません。展示のキャプションはベトナム語と英語です。翻訳アプリのカメラ機能を使うと、その場で読めます。

ベトナム語では何と言いますか?

Hoàng Thành Thăng Long(ホアンタン・タンロン)です。ドライバーには住所(19C Hoàng Diệu)かマップのピンを見せるのが確実です。

まとめ|1時間で1000年ぶんを歩ける場所

タンロン遺跡は、ハノイ観光のなかで「半日かけて行く場所」ではなく、「1時間あれば行ける場所」です。最後にポイントを整理しておきます。

  • 入場料は100,000ドン。16歳未満は無料
  • 月曜は休館。「無休」と書いている情報があるので注意
  • チケットは捨てない。道路を渡った先の発掘エリアにも使える
  • メインの敷地だけなら1時間強で回れる
  • いちばんの見どころはD67作戦司令部と地下壕
  • 敷地内にカフェがあるので、途中で休める

建物の壮麗さを見に行く場所ではありません。1000年ぶんの時間が同じ場所に積み重なっているのを、1時間で歩いて確かめに行く場所です。ホーチミン廟の帰りに、ぜひ寄ってみてください。

※入場料・開館時間・休館日・ツアーの内容などは変更されることがあります。渡航前に最新の情報をご確認ください。(2026年7月時点の情報)

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エンジニア

幼少期をアメリカで過ごし、現在は世界を転々としながらコードを書くノマドエンジニア。

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