バッチャン焼きの本物の見分け方と値段|バッチャン村とハンザ市場比較【2026年版】

2026.09.08
文化・歴史

ハノイでバッチャン焼きを買おうとすると、必ず迷うことがあります。旧市街のハンザ市場でも買えるのに、わざわざバッチャン村まで行く意味はあるのかということです。

先に結論を書くと、こだわりなく器を1つ2つ買うだけならハンザ市場で足ります。ただし同じバッチャン焼きが1万ドンから160万ドンまで並んでいるのは村だけです。この記事では、同じ日にハンザ市場と村の両方をまわって確かめてきたことを共有します。

この記事の金額はすべて2026年9月時点のものです。円換算は1万ドン=約60円で計算しています。

バッチャン村とは|ハノイ近郊にある陶器の村

バッチャン村の通り沿いに並ぶ陶器店

バッチャン村(Bát Tràng)は、ハノイ中心部から南東に約13km、紅河(ホン川)沿いにある陶器の村です。紅河が運んでくる土が焼き物に向いていたことから、何百年も前から窯が置かれてきました。

いまの村は、通り沿いに陶器店がびっしり並び、その奥に工房が点在するという造りになっています。中心部には陶器市場があり、2021年に開いた大きな博物館もあります。ハノイ近郊には包丁の村や線香の村もありますが、バッチャンは規模がいちばん大きく、日帰りで行きやすい場所です。

ハノイからバッチャン村への行き方|Grabで片道40分

Grab(配車アプリ)なら片道15万ドンくらい

旧市街のハンザ市場前からGrabの車を呼んで、バッチャンの中心部まで片道15万ドン(約900円)くらい、所要40分でした。紅河を渡るぶん距離はありますが、道は渋滞しにくく、時間は読みやすい印象です。

後述しますが、Google Mapsの位置情報が少しずれているため、バッチャン陶芸博物館にも行く予定であれば、「バッチャン陶芸村」ではなく、博物館を目的地に設定して行くと良いでしょう。

2人以上なら、往復のGrab代を割れるので負担は小さくなります。3人で行けば1人あたり往復10万ドン(約600円)ほどです。

路線バス47Aなら1万ドン前後

安く行きたい場合は路線バスもあります。旧市街の北側にあるロンビエンのバス停から47Aに乗ると、終点がバッチャン村です。運賃は1万ドン前後(約60円)で、所要時間はGrabより長めに見ておく必要があります。終点なので降り損なう心配がなく、帰りも同じ場所から乗れます。

Googleマップのピンは市場より150mほど東にずれている

Googleマップのバッチャン陶芸村のピンと、実際の陶器市場の位置のずれを示した地図

村に着いてから迷いやすいのがここです。Googleマップで「バッチャン陶芸村(Làng gốm Bát Tràng)」を目的地にすると、実際の陶器市場より150mほど東で降ろされます。降りた場所に市場は見当たりません。

本当の市場は、Đ. Bát Tràng を西に入ったところです。ピンの位置と市場のあいだにバスの停留所があるので、停留所を過ぎてさらに西へと覚えておくと分かります。

陶芸博物館はまた別の場所で、市場から南東に500mほど離れています。地図で探すときは「Bảo tàng gốm Bát Tràng(バッチャン陶芸博物館)」のほうを指定してください。

帰りの足は心配しなくていい

郊外に出るときにいちばん気になるのが帰りの足ですが、バッチャンではGrabやGreen SM(旧Xanh SM)がふつうに捕まります。買い物を終えてからアプリで呼べば問題ありません。行きのドライバーに待っていてもらう交渉をしたり、時間を気にしながら回ったりする必要はありません。

バッチャン陶芸博物館|入場券は6種類ある

ろくろをモチーフにしたバッチャン陶芸博物館の外観

村に着いてまず右手に目に入ってくるのが、ろくろで粘土をひねったような形の大きな建物です。正式にはTrung tâm Tinh hoa Làng nghề Việtといい、日本語では陶芸博物館と呼ばれています。展示だけでなく、売店、陶芸体験、アオザイのレンタル、屋上庭園、カフェとレストランが入った複合施設です。開いているのは平日が8時から17時30分、土日祝は8時から18時までです。

チケットの料金表

バッチャン陶芸博物館の入口に掲示された入場券の料金表

入口の券売所に、6種類の券が並んだ料金表が出ています。

券の種類 含まれるもの 大人 子供 70歳以上・障害者
①入場のみ 地下・1・2・4階 60,000 無料 30,000
②Dấu ấn nghệ thuật ①+3・5階(光の彫刻・お茶) 150,000 無料 75,000
③Bát Tràng tôi còn nhớ 1・2・4階+陶芸体験 130,000 50,000 100,000
④Tinh hoa Bát Tràng 全部(3・5階+陶芸体験) 198,000 50,000 145,000
⑤リサイクル陶板画づくり 1・2・4階+陶板画の体験 130,000 50,000 100,000
⑥電動カートで古村めぐり カートとガイド付き 100,000 無料 50,000

単位はドンです。1000で割って6を掛けたのが大凡の日本円換算です。子供料金は身長1m10未満が対象で、大人1人につき2人まで一緒に入れます。70歳以上の料金を使うときは身分証の提示が必要です。

⑥の電動カートの券は、5枚以上まとめて買う客だけが対象と書かれています。2人旅では使えません。カートに乗りたい場合は、あとで説明する単体の乗車料金を使ってください。

どの券を選べばいいか

陶芸体験をするかどうかで決めるのが分かりやすいです。

  • 展示だけ見たいなら①の6万ドン(約360円)で足ります
  • 陶芸体験もしたいなら③の13万ドン(約780円)
  • 光の彫刻の部屋とお茶も含めて全部なら④の19万8千ドン(約1,190円)

なお2階では、キーホルダーの絵付けが無料でできると料金表に書かれています。どの券でも入れる階なので、ちょっとした体験だけなら追加料金なしで楽しめます。

館内は地下から5階まで

バッチャン陶芸博物館の入口にあるQRコード式の自動改札

入口は自動改札になっていて、券のQRコードをかざして入ります。各階の中身は次のとおりです。

  • 地下:ろくろのスタジオ(陶芸体験)とアオザイのレンタル
  • 1階:ろくろ広場、手工芸のブース、陶器のスーパー
  • 2階:バッチャン焼きの工芸空間、陶芸体験
  • 3階:光の彫刻のアート空間
  • 4階:レストランとスカイコーヒー、宮廷茶
  • 5階:書道の空間

展示では、紅河から引き揚げられた古い陶磁器、大きな鐘、木造船、自転車で器を運んでいた時代の再現、青磁の人形群などが見られます。影絵を使った薄暗い展示室もあり、写真を撮っている人が多い場所です。屋上まで上がると庭園があり、紅河の方角まで見渡せます。

陶芸体験は地下のスタジオで

バッチャン陶芸博物館の地下にあるろくろのスタジオ

陶芸体験は地下のフロアで行われます。ろくろが数十台ずらりと並んだ広い部屋で、家族連れやカップルが実際に座って器を作っていました。

面白いのは、体験フロアの隣が本物の職人の作業場になっていることです。素焼きの壺が棚一面に積み上げられ、その場で装飾を彫っている職人がいます。観光客向けの体験と、村の仕事が地続きになっているのが見えます。

素焼きの器が棚一面に積まれたバッチャン村の作業場

体験で作った作品の持ち帰り方法は、当日の体験内容によって異なるため、受付で確認してください。閉まるのは平日17時30分、土日祝は18時です。体験をするなら、村に着いたら先に体験を済ませて、そのあと買い物にまわる順番だと時間を気にせずにすみます。

アオザイを借りて写真を撮る

バッチャン陶芸博物館の地下にあるアオザイのレンタルスタジオ

1階の入り口入ってすぐ左手にはアオザイのレンタルスタジオもあります。色とりどりのアオザイがラックにずらりと下がっていて、館内の好きな場所で写真を撮れます。

内容 料金
アオザイ一式(当日) 150,000
アオザイ一式(2〜4日) 250,000
小物(基本のアクセサリー、ノンラー、木靴) 各10,000
かんざし 15,000
小物セット(2点/3点/4点/5点) 15,000/20,000/25,000/30,000

単位はドンで、男女どちらのアオザイもあります。受付は8時から17時まで。料金は全額前払いで、無いとは思いますが、返却が遅れると1日につき5割の追加料金がかかると掲示されています。デポジットは、借りたときの状態で返せば全額戻ります。

村の中の移動|電動カートは1回2万ドンから

バッチャン村を走る電動カートの車内に掲示された料金表

村の中を黄色い電動カートが走っています。車内に料金の掲示があり、区間ごとの乗車が1人1回2万〜3万ドン(約120〜180円)村とエコパークをまわるツアーが1台36万ドン(約2,160円・最大12人)と書かれています。

1か所から次の場所へ移りたいだけなら区間乗車で足ります。複数箇所をまとめて回るなら、人数によってはツアーも選択肢になります。

博物館から陶器市場までは歩ける距離(徒歩7分)です。荷物が増えてから使う、という考え方でも十分間に合います。

どこで買う?|バッチャン焼きの値段は5段階に分かれる

この村がおもしろいのは、歩いて数分の範囲で、バッチャン焼きの値段が桁違いに変わることです。実際に見て回った範囲では、大きく5つに分かれていました。

買う場所 値段の目安 特徴
村の通り沿いの店 1万・1万5千ドン均一 店先に「10K」の看板。数をそろえたいとき
村の陶器市場 5万9千ドン均一など 手書きの札。品数がいちばん多い
博物館の売店(普及品) 12万〜15万ドン 器に直接値段が書いてある
博物館の売店(作家もの) 18万ドン前後〜160万ドン 印字のラベル。急須などの一点もの
ハンザ市場(旧市街の地下1階) 4万〜20万ドン 村まで行かずに買える

村の人から聞いた話によると、バッチャン焼きと一括りで言っても、品質や技術はピンキリ。安いからとか高いからではなく、デザインや品質が気に入ったものを選ぶと良いとのことでした。

私は陶芸に詳しいわけでは無いのですが、素人目に見てもその違いは見た目にも歴然でした。

村の通り沿いの店|1万ドン均一の棚がある

バッチャン村の通り沿いにある「10K均一」の看板を出した陶器店

村の通りを歩いていると、「Gốm Sứ 10K ĐỒNG GIÁ(陶磁器1万ドン均一)」と大きく出した店が何軒もあります。1万ドンは約60円です。かごに山積みになった小皿やカップから選ぶ形で、ばらまき用のお土産を数そろえたいときに向いています。

陶器市場|品数がいちばん多い

バッチャン村の陶器市場の入口ゲート

「CHỢ GỐM BÁT TRÀNG」と書かれたゲートをくぐると陶器市場です。屋根の下に小さな店がぎっしり詰まっていて、皿、丼、湯のみ、花瓶、置物まで、山積みで並んでいます。

値札は店によってばらばらで、手書きの札を出している店、「Đồng Giá 59k(5万9千ドン均一)」と紙に書いて貼っている店、バーコードのラベルを貼ってガラスケースに入れている店があります。クレジットカードやQR決済に対応している店もあり、入口に対応マークが貼ってあります。

同じような品でも店ごとに値段が違います。ひとまわりしてから戻ってくるくらいのつもりで見ると、納得のいく買い方ができます。

博物館の売店|値段の幅がいちばん大きい

バッチャン陶芸博物館の売店に並ぶマグカップ。器に直接値段が書かれている

博物館の中にもいくつか売り場があります。おもしろいのは値札の付け方が場所ごとに違うことです。

普及品のコーナーでは、器の底や側面に青いマジックで直接「120」「150」と書かれています。12万ドン、15万ドンという意味で、マグカップとソーサーがこの値段です。

一方、作家ものを並べたコーナーでは印字のラベルが貼られていて、値段がひと桁上がります。紫砂(しさ)の急須には160万ドン(約9,600円)のラベルが付いていました。

160万ドンの値札が貼られた紫砂の急須

同じ建物の中で、1万ドンの器と160万ドンの急須が売られている。これが「バッチャン焼きはピンキリ」と言われる中身です。

ハンザ市場なら村まで行かずに買える|売り場は地下1階

ハノイ旧市街のハンザ市場の地下1階にあるバッチャン焼きの売り場

日程が詰まっていて村まで行けない場合は、旧市街のハンザ市場(Chợ Hàng Da)にバッチャン焼きの売り場があります。

場所は地下1階で、Grabで到着すると、ついHàng Daと書かれた目の前のビルに入ってしまいそうになりますが、その脇にある通路から地下に降りるのが正解です。

ハンザ市場の「CHỢ HÀNG DA」の看板が出た地下への入口

地下の売り場には日本語で「バッチャン焼き」「日本語でお買い物」と書いた看板を出している店もあります。

ハンザ市場のバッチャン焼き売り場に掲げられた「日本語でお買い物」の看板

値段は4万〜20万ドンくらいで、コースターが4万ドン、茶碗が7万ドン、コーヒーカップとソーサーのセットが20万ドンという相場感でした。日本語が通じるぶん比較的買いやすい場所です。

往復のGrab代は30万ドン(約1,800円)ほどです。市内で12万ドンの器が村で6万ドンなら、1個あたり6万ドンの差になります。5個くらいまとめて買うなら移動代の元が取れる計算です。1つ2つなら市内で買うほうが早いということになります。

バッチャン焼きの本物の見分け方|刻印だけでは分からない

器の底に入った「Bat Trang Vietnam」の刻印

値段に10倍以上の開きがあると、何を見て選べばいいのか分からなくなります。まず刻印から見ていきます。

器をひっくり返すと、底に「Bat Trang Vietnam」の刻印が入っているものがあります。これを本物の目印にできるかというと、実際にはあまり当てになりません。ハンザ市場でも村の店でも、1万ドン均一の棚に並ぶ器の裏にまで、同じように刻印は入っているからです。刻印はバッチャン産であることを示すもので、出来の良し悪しまでは教えてくれません。

そうなると、頼りになるのは自分の目です。釉薬(ゆうやく)の乗り方、色の深さ、縁の仕上がり、手に持ったときの厚みと重さ…とはいえ、素人がそれを判断するのは難しいですよね。

これが村まで足を運ぶ理由になります。1万ドンの器から160万ドンの急須まで、本物のバッチャン焼きのピンキリを確認できるのは村のほうです。予算を決めずに、いろいろ見てから選びたいなら村まで行く価値があります。

釉薬(ゆうやく)=焼く前に器の表面に塗るガラス質の薬。焼くと溶けて、つやや色が出ます。同じ形の器でも、この釉薬の配合と焼き方で仕上がりが変わります。

所要時間とまわり方

実際にまわったときの時間の使い方です。

  • 13:54 旧市街を出発(Grab)
  • 14:33 バッチャン村に到着
  • 14:33〜15:35 博物館(券売所、展示、屋上、陶芸体験フロア、売店)
  • 15:36〜15:41 村の通りを歩く
  • 15:42〜15:56 陶器市場

博物館に1時間、村の通りと市場に20分ほど。移動を含めて全体で2時間半みておけば足ります。半日つぶれる場所ではありません。

ただし陶芸体験をする場合は、その時間が加わります。博物館が閉まるのは平日17時30分、土日祝は18時なので、体験をするなら午後の早いうちに着いておくほうが確実です。買い物もじっくりしたい場合は、午前に出て昼をはさむ形にすると余裕があります。

午後に出発して夕方に戻る形なら、午前中はハノイ旧市街を歩く時間に使えます。半日を丸ごと空ける必要はありません。

バッチャン村についてよくある質問

ハノイからどれくらいかかりますか?

旧市街からGrabで40分でした。料金は片道15万ドン(約900円)くらいです。路線バス47Aを使う場合は、ロンビエンのバス停から終点まで乗ります。

帰りのタクシーはつかまりますか?

つかまります。村の中でタクシー配車アプリGrabなどを呼べば来るので、行きのドライバーに待ってもらう必要はありません。

博物館は何時から何時までですか?

平日は8時から17時30分、土日祝は8時から18時までです。年中無休で、入口の掲示にそう書かれています。

何時間くらいみておけばいいですか?

博物館と市場を見るだけなら、移動を入れて2時間半ほどです。陶芸体験を入れるなら4時間から半日みてください。

クレジットカードは使えますか?

使える店と使えない店があります。市場の中にもカードやQR決済に対応した店があり、入口に対応マークが貼ってあります。ただし均一価格の小さな店では現金のほうが確実なので、小額紙幣を用意しておくと困りません。

日本語は通じますか?

村の中では日本語の案内看板を見かけることはありますが、話して通じることはほとんどありません。基本は英語か、電卓とスマホの翻訳でやりとりする形になります。

日本語で選びながら買いたい場合は、旧市街のハンザ市場の地下1階に日本語対応の売り場があります。村より値段は上がりますが、言葉の心配はいりません。

子供と一緒でも楽しめますか?

博物館の陶芸体験は子供でも参加できます。入場券は身長1m10未満が子供料金で、大人1人につき2人まで一緒に入れます。2階ではキーホルダーの絵付けが無料でできます。

おわりに

バッチャン村は、ハノイから片道40分、15万ドンで行ける場所です。博物館と市場を見るだけなら2時間半で足ります。

行く価値があるかどうかは、何を買いたいかで決まります。器を1つ2つ買う予定で特に拘りもないなら市内で十分です。ただし、自分のお気に入りの1つを見つけたい人には、往復の手間をかけてでもバッチャン村に行かれることをお勧めします。

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ライター

日本での生活経験あり。リンランを生活圏に、文化背景の翻訳と取材サポートを担当。

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