ハノイ博物館の入場料・開館時間・所要時間|2026年3月から有料に【2026年】

文化・歴史

ハノイ博物館(Bảo tàng Hà Nội)は、ファムフン通りに建つ逆さのピラミッドだ。上の階ほど広く、下へ行くほど細くなる。ハノイの1000年を、この形の中に4階分ぶら下げてある。

ひとつだけ、行く前に知っておいたほうがいいことがある。ここは長いあいだ入場無料だったが、2026年3月3日から有料になった。2026年9月に現地の掲示とチケットで確かめた内容から書いていく。

入場料は50,000ドン|2026年3月3日から有料になった

券売所に、料金の掲示がベトナム語と英語で貼ってある。

区分 料金 条件
大人 50,000ドン(約300円) 国内外の団体・個人。外国人も同額
16歳未満 無料 国籍の条件なし。年齢が分かる書類で可
60歳以上 25,000ドン(約150円) ベトナム国籍の人のみ
16歳以上の学生 25,000ドン(約150円) ベトナム国内の学校が発行した学生証を持つ人のみ
重度の障害がある人 25,000ドン(約150円)

ハノイ博物館の券売所に貼られた料金の掲示

この表で日本から来る人に効いてくるのは、上の2行だけだ。大人は50,000ドン。16歳未満は国籍を問わず無料になる。

半額の25,000ドンは、ベトナム国籍の60歳以上と、ベトナム国内の学校が出した学生証を持つ学生に限られる。日本のパスポートや日本の学生証を出しても、この行には入らない。

大人2人+中学生1人(16歳未満):50,000×2=100,000ドン(約600円)
大人1人:50,000ドン(約300円)

料金がかからない日がある

掲示のいちばん下に、料金を取らない日が2日ぶん書いてある。

  • 5月18日(国際博物館の日)
  • 11月23日(ベトナム文化遺産の日)

これは毎年決まっている無料日だ。加えて、期間を区切った無料開放が行われることがある。2026年は6月29日から8月29日までが無料で、この間は券売所で無料の券を受け取り、それを入口で見せて入る形だった。

行く前に公式サイトの告知を見ておくといい。無料の期間に当たれば50,000ドンが浮くし、逆に「無料だと聞いていたのに払うことになった」も防げる。

チケットはレシートの形で出てくる

券は薄い青の紙で、レジのレシートのように印刷される。券面には金額の50,000ドン、購入した日付と時刻、それにQRコードが入っている。券売所を過ぎたところに改札のエリアがあり、そこで券を見せて中に入る。

ハノイ博物館の入場券。50,000ドンと購入日時、QRコードが印刷されている

日本語の情報の多くは、まだ「入場無料」のまま止まっている。有料になったのは2026年3月3日で、それ以前に書かれたものが直っていない。現金かQR決済を用意していってほしい。

開館は9時から17時、休みは月曜だけ

開館時間は9時00分〜17時00分。火曜から日曜まで開いていて、月曜が休館だ。昼休みで閉まる時間帯はない。

ハノイの博物館は昼に1〜2時間閉めるところが多いので、通しで開いているのはありがたい。閉館は17時で、ひととおり見ると1時間半ほどかかるため、遅くとも15時30分には入っておきたい。

住所:Đường Phạm Hùng, Từ Liêm, Hà Nội
開館:9:00〜17:00(月曜休館)
入場料:50,000ドン(16歳未満は無料)
電話:0902-070-999
公式サイト:baotanghanoi.com.vn

逆ピラミッドの建物|設計はドイツのgmp

この博物館は、展示より先に建物が話題になった場所だ。

設計はドイツの建築事務所gmp。マインハルト・フォン・ゲルカン、ニコラウス・ゲッツェらが手がけた。gmpはベトナムでは国家会議センターと国会議事堂も設計していて、隣に建っている国家会議センターも同じ事務所の仕事だ。

  • 設計競技:2005年に1等
  • 工期:2008〜2010年
  • 高さ:30.7メートル
  • 階数:地上4階・地下2階
  • 延床面積:30,000平方メートル

形の特徴は、上の階ほど広く、下の階ほど小さくなることだ。ふつうのピラミッドを上下ひっくり返した格好になっている。

見た目の奇抜さだけではない。gmpの説明によれば、上の階が下へ向かって張り出すことで下の階に日陰をつくるのがこの形のねらいで、冷房の負荷を下げると同時に、展示品を直射日光から守る役目も果たしている。ハノイの夏は40度近くまで上がる。日差しを建物の形そのもので受け止める設計になっている。

建物は正方形で、1階は四方どこからでも入れる。

ハノイ博物館の館内。階をつなぐらせん状のスロープ

中に入ると、この形が効いてくる。建物の中心が上から下まで吹き抜けになっていて、階と階は階段ではなくらせん状のスロープでつながっている。ぐるりと回りながら、気づくとひとつ下の階にいる。

外から見て「変わった建物だな」で終わらせるのはもったいない。中の吹き抜けとスロープまで含めて、ひとつの形になっている。

館内|4階がいちばん広く、降りながら見ていく

1階の入口に、階ごとの案内板が立っている。何がどの階にあるかはここで分かる。

ハノイ博物館1階に立つ、階ごとの展示案内板

展示
4階 いちばん広い展示空間。2026年9月時点は都市計画の企画展(約1,200平方メートル)
3階 ハノイの19〜20世紀
2階 自然/タンロンへの道のり/タンロン11〜18世紀
1階 受付、解説の申込カウンター、売店、カフェ。中央が吹き抜けの体験スペース
地下1階 ホール、会議のスペース
上の階ほど広く、展示も多い。1階にエレベーターがあるので、先に4階まで上がってからスロープで降りてくると、時代の流れとは逆になるが、体力の配分は楽になる。

1階|光る模型と、その上のスクリーン

入ってすぐの吹き抜けに、円形の模型がある。ハノイ全域を立体にしたもので、緑に発光していて、川も山も市街地も一目で分かる。

ハノイ博物館の吹き抜けにある円形の地形模型と、上から下がる円筒形のスクリーン

その真上に、太鼓のような円筒形のスクリーンが吊ってある。模型とスクリーンが連動して映像が流れる仕掛けで、メトロの回では、路線が模型の上を走りながらスクリーンに「メトロ5路線、総延長303.5km(ハノイ市内273.5km、市外30km)」と出る。

円筒形のスクリーンにメトロ5路線の総延長が表示され、下の地形模型に路線が光る

同じ1階に受付カウンターと売店、カフェがある。解説を頼みたい場合の申し込みもここだ。

2階|自然からタンロンへ。銅鼓は国宝

2階は3つに分かれている。ハノイ周辺の自然、タンロンという都ができるまでの道のり、そして11世紀から18世紀のタンロンだ。

この階で足が止まるのは銅鼓(青銅の太鼓)だろう。赤い台の上に、コーロアの銅鼓が置いてある。ずんぐりとした胴に、上面へ向かって広がる形で、表面には細かい文様が残っている。

赤い展示台に置かれたコーロアの銅鼓

この銅鼓は国宝に指定されている。館内の案内でも「国宝」と明記されていて、2階のこの一角は銅鼓の展示ホールと呼ばれている。

タンロンの時代の区画には、陶磁器がケースいっぱいに並ぶ。碗、皿、壺、瓦。黄色い台に並べてあるので、暗い館内でも器の形がよく見える。

黄色い展示台に並ぶ陶磁器のコレクション

2階の銅鼓の展示ホールに、写真が撮れる機械が置いてある。料金は70,000ドン(約420円)で2枚、100,000ドン(約600円)で2枚の2種類。現金でもQR決済でも払える。撮った画像はスマホにも送られる。

3階|19世紀と20世紀のハノイ

3階はフランス統治期から現代までだ。赤を基調にした空間に、写真パネル、実物、映像が混ざる。

古い商店の再現、職人の街と職人村の紹介、フランス期の家具、鉄道、ロンビエン橋の巨大なパノラマ写真、そして戦争。同じ通りの1920年代の写真と2020年の写真を並べて見せる展示もある。

赤を基調にしたハノイ博物館の展示室

旧市街を歩いたあとにここを見ると、あの36通りの「何を売る通りか」という話が立体的になる。順番としては、旧市街を先に歩いてからのほうが効く。

都市計画の企画展|2026年9月時点

2026年6月29日から、ハノイの都市計画をテーマにした企画展が開かれている。「ハノイ首都総合計画・100年ビジョン」という展覧会で、歴史ではなくこれからのハノイを見せる中身だ。

いちばん大きいのは、円形の地形模型に天井からプロジェクターで映像を落とし、壁一面のスクリーンと連動させる展示。緑の等高線が走り、道路網が黄色く光り、開発区域が紫に染まっていく。1階の模型は直径7メートルある。

4階の3Dマッピング。円形の地形模型に都市計画の映像が投影される

模型のわきに立つタッチパネルで、時代を切り替えて見ることもできる。4階の展示空間は約1,200平方メートルあり、都市計画の変遷を追う大型パネル、市街地と交通インフラの地図、大型プロジェクトの模型と映像、それにVRの部屋が並ぶ。

ハノイに何度か来ている人ほど、ここは面白い。自分が歩いた通りが、地図の上でどこに位置していたのかが分かる。

これは常設ではなく企画展で、終わる時期は公表されていない。2026年9月時点では開かれていた。企画展は入れ替わるので、行くときの内容は公式サイトで確かめてほしい。

屋外|門は3つ。敷地に村の門と蒸気機関車がある

入口の手前に、屋外の配置図が立っている。

ハノイ博物館の屋外配置図。門・券売所・屋外展示の位置が示されている

門は3つある。1番と2番がファムフン通り側、3番がドドゥックズック通り側だ。Grabで来ると、どの門で降ろされるかが運転手によって変わる。券売所は建物の手前にあるので、まず券売所を目指せばいい。

ハノイ博物館の入口ゲートと警備の詰所

敷地は建物のまわりに広く取ってあり、屋外にも展示がある。配置図に載っているのは次のとおり。

  • モンフー村の門(村の入口の門を移した展示)
  • U字型の家
  • 石彫の展示エリア(2か所)
  • ガラスの舞台
  • 松の丘
  • 蒸気機関車
  • 体験ゾーン
  • カフェ・トイレ

建物に入る前にこのあたりを歩くと、逆ピラミッドを外から一周する形になる。角度によって見え方が変わるので、写真を撮るならここだ。

所要時間|急いで35分、ふつうに見るなら1時間半

今回は正門を入ってから最後の写真を撮るまでが35分だった。ただしこれはかなりの早足で、4階の映像は流し見、VRの部屋には入っていない。

展示の量は多い。4階の3Dマッピングは映像が一巡するのに時間がかかるし、2階と3階はパネルの分量がある。ひととおり見るつもりなら1時間から1時間半を見ておきたい。

どんな場所で、誰に向くか

旧市街から往復1時間かけて来る価値があるかどうかは、人によって割れるところだ。

向いている人

  • 建築に興味がある人。逆ピラミッドと吹き抜けのスロープは、ほかで見られない
  • ハノイに何度か来ている人。定番を回り終えた次に来る場所として合う
  • 雨の日や暑い日に、屋根の下で時間を使いたい人
  • 子ども連れ。16歳未満は無料で、映像と模型が多いので飽きにくい

向いていない人

  • ハノイ初日で、旧市街とホアンキエム湖をまだ見ていない人
  • 滞在が2泊3日で、移動時間を削りたい人

展示の解説はベトナム語と英語が中心で、日本語はない。ただし模型と実物と映像が多いので、文字を読まなくても見て分かる部分が大きい。

同じハノイの博物館では、戦車と航空機が並ぶベトナム軍事歴史博物館と、54民族の暮らしを集めたベトナム民族学博物館がある。民族学博物館はここと同じ月曜休みだが、軍事歴史博物館は月曜に加えて金曜も休みなので、何館か回るなら曜日を先に決めておきたい。

行き方|旧市街から車で30分

場所はファムフン通り沿いで、ホアンキエム湖のある旧市街からは11〜12kmほど離れている。市の南西側にあたり、観光地が固まっているエリアの外だ。

いちばん確実なのは配車アプリで、行き先は「Bảo tàng Hà Nội」で出る。所要は渋滞を含めて30分前後、料金は120,000〜180,000ドン(約720〜1,080円)が目安になる。

路線バスも通っているが、ファムフン通りは片側が広く、降りる場所が分かりにくい。バスを使うなら地図アプリを開いたまま乗ったほうがいい。

目印になるのは、隣に建つ国家会議センターと、通りを挟んで立つ高層ビル群だ。ランドマーク72やJWマリオットの近くに泊まっているなら、そこからは歩ける距離にある。

よくある質問

入場は本当に有料になった?

2026年3月3日から有料になった。大人50,000ドンで、16歳未満は無料。券売所で払って、レシート形式の券を受け取る。それ以前は無料で入れたので、古い記事や口コミには「無料」と書かれたままのものが多く残っている。ただし2026年6月29日から8月29日のように、期間を区切って無料開放されることもある。

写真は撮っていい?

撮れる。2026年9月の訪問時は館内で自由に撮影でき、追加の撮影料を求める案内は出ていなかった。券売所の料金の掲示に書かれているのも入場料だけだ。カメラを持ち込むと1台200,000ドンかかるベトナム民族学博物館とは、ここが違う。

日本語の解説はある?

展示パネルに日本語はない。ベトナム語と英語が中心だ。1階の受付で解説の申し込みができるが、これも日本語には対応していない。

トイレはある?

館内にある。洋式の個室で、手洗いの設備も付いている。屋外にもカフェと並んでトイレがある。

子ども連れでも大丈夫?

16歳未満は無料で、しかも国籍の条件が付いていない。館内は段差がなくスロープでつながっているのでベビーカーでも動ける。光る模型と大きな映像が多いので、文字を読まない年齢でも時間が持つ。

半日で軍事歴史博物館と両方回れる?

どちらもハノイの西側だが、直線でも6kmほど離れている。両方見るなら移動を含めて4〜5時間は必要だ。ハノイ博物館は月曜休み、軍事歴史博物館は月曜と金曜が休みなので、火曜から木曜か、土日に組むことになる。

まとめ|料金と曜日だけ先に決めておく

この博物館で先に押さえるのは、料金と曜日のふたつだ。

入場料は50,000ドン。2026年3月3日に有料化され、いまは券売所で払う。16歳未満は国籍を問わず無料。5月18日と11月23日は毎年無料で、これとは別に期間を区切った無料開放が行われることもある。

開館は9時から17時で、休みは月曜だけ。昼休みはない。

そのうえで、この館の見どころは展示より先に建物にある。上へ行くほど広がる逆ピラミッドと、中心を貫く吹き抜け、そして階をつなぐらせんのスロープ。ハノイの定番をひととおり回ったあとの1日に、ちょうどよく収まる場所だ。

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編集者

ベトナムに魅せられた東京出身の経営者。数字よりも人の営みに惹かれ、現地のリアルを言葉で伝えている。

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