ベトナムの水上人形劇は、水を張った舞台の上で木の人形が踊る、北部の農村で生まれた伝統芸能です。ハノイでは、ホアンキエム湖の北東の角にあるタンロン水上人形劇場が、1年365日上演しています。
行く前に迷うのは、何時の回をどの席で買うかです。2026年4月に劇場の窓口で見た週間スケジュールと料金表、公式サイトの座席図をもとに、時刻・料金・買い方と、人形を動かす仕組みを紹介します。
- 料金は席の列で3種類。100,000/150,000/200,000ドン(約600/900/1,200円)
- 開演は毎日15:00〜21:15の6回。木曜以外は13:45の回もある(2026年4月の窓口の表)
- 1回は約50分。歌と語りはベトナム語
- 16:10〜20:00の回と土曜は売り切れの札が多い。夜に見るなら前日までを目安に早めに買う
タンロン水上人形劇場の料金と上演時刻
料金は100,000〜200,000ドン(約600〜1,200円)の3種類で、開演は曜日によって1日6〜7回です。
料金は前の列ほど高い(3種類)

窓口の料金表にあるのは、Type I〜IIIの3種類です。公式サイトの座席図(2026年5月版)では、舞台に近い列ほど高くなっています。
| 席の種類 | 列 | 席の数 | 料金 |
|---|---|---|---|
| Type I(LOẠI I) | A〜E・G列(前の6列) | 112席 | 200,000ドン(約1,200円) |
| Type II(LOẠI II) | H・I・K・L・M列(真ん中の5列) | 95席 | 150,000ドン(約900円) |
| Type III(LOẠI III) | N〜R列(後ろの5列) | 86席 | 100,000ドン(約600円) |
※料金は2026年4月4日の窓口の料金表、列と席の数は公式サイトの座席図(2026年5月版)によるものです。
窓口の料金表に、子ども料金は書かれていません。写真や動画の撮影料は、下の「気をつけること」で紹介しています。
開演時刻(曜日ごと)

開演は毎日15:00〜21:15の6回で、木曜以外は13:45の回もあります(2026年4月4日の窓口の週間スケジュール板)。
| 曜日 | 開演時刻 |
|---|---|
| 月・火・水・金・土・日 | 13:45/15:00/16:10/17:20/18:30/20:00/21:15(7回) |
| 木 | 15:00/16:10/17:20/18:30/20:00/21:15(6回) |
水曜と木曜の朝には「9:00」の札もありましたが、「HĐ CẠN & NƯỚC」という添え書きがあり、ほかの回とは書き方が違います。
公式サイトには曜日ごとの時刻が載っていないので、朝の回も含めて、行く日の回は窓口か下の電話・メールで確かめてください。
公式サイトによると1回は約50分なので、15:00の回なら15時50分ごろ、いちばん遅い21:15の回でも22時すぎに終わります。
チケットの買い方|窓口・電話とメール・予約サイト
チケットは、劇場1階の窓口で買うほか、公式の電話・メールで予約する方法と、予約サイトで買う方法があります。
劇場の窓口で買う

窓口は劇場1階のロビーにあり、上に「TICKET OFFICE」の札が出ています。すぐ横に週間スケジュール板と料金表があり、売り切れた回には「SOLD OUT」の札が貼られます。
窓口のガラスには、ベトナム語と英語で「支払いのあとに、券の日付と時刻を確かめてください」という札があります。券を受け取ったら、その場で日付・開演時刻・列を見てください。
電話・メールで予約する(公式)
公式サイトの予約の案内(2026年10月時点)は、電話とメールです。
- 電話:024 3824 9494(日本からは +84 24 3824 9494)
- メール:marketingthanglongwpt@gmail.com
メールには、見たい日付・開演時刻・席の種類(Type I〜III)・人数を書いてください。支払いと券の受け取り方は、返事の案内に従います。
予約サイトで買う|受け取り方は会社ごとに違う
予約サイトで買った券の受け取り方は、予約した会社ごとに違います。予約確認のメールや予約ページの案内を出発前に読んで、その受け取り方に従ってください。
GetYourGuide・Viatorなどの券については、窓口の横の貼り紙(2026年4月4日)に英語で「開演5分前までお待ちください。会社の係の人が来て、予約した券を渡します」と書かれています。この場合は窓口で買い直さず、劇場で係の人を待ちます。どの会社で買った場合も、開演15分前には劇場に着いておくと落ち着きます。
夕方〜夜の回は売り切れの札が多い
2026年4月4日(土)の夜7時ごろに見た窓口の板では、売り切れの札は次の回に貼られていました。
- 月:16:10・17:20・18:30
- 火:18:30
- 水:なし
- 木:16:10・17:20・18:30・21:15
- 金:16:10・17:20・18:30・20:00
- 土:13:45・15:00・16:10・17:20・20:00・21:15
- 日:16:10・17:20・18:30・20:00
札が多いのは16:10〜20:00の回と土曜です。13:45と15:00の回は、土曜のほかは札がありませんでした。夕方〜夜の回や土曜に見るなら、前日までを目安に早めに押さえておくのがおすすめです。
席の選び方|違うのは舞台からの距離
3種類のどの席でも、見る演目と上演時間は同じです。違うのは舞台からの距離で、前の列ほど高くなります。
公式の座席図では、客席はA〜R列の16列です。F列とJ列はありません。そのため、列の文字と前からの順番は次のようにずれます。
- 200,000ドン:A〜E列が前から1〜5列目、G列が6列目
- 150,000ドン:H・I列が7・8列目、K〜M列が9〜11列目
- 100,000ドン:N〜R列が12〜16列目
いちばん後ろのR列でも、前から16列目です。1列は16〜19席で、客席は全部で約300席です。
公式サイトの客席の写真では、正面に瓦屋根の舞台と水を張ったプールがあり、舞台の左右に楽団の席があります。客席は舞台の正面を向いて、横に並んでいます。
選ぶときの目安は次のとおりです。
- 人形と楽団を近くで見たい:200,000ドン(約1,200円)のA〜E・G列
- 前と後ろの間をとる:150,000ドン(約900円)のH・I・K・L・M列
- 費用を抑えたい:100,000ドン(約600円)のN〜R列。いちばん高い席との差は100,000ドン(約600円)
窓口で買うときは、券に書かれた列の文字を見て、選んだ種類の列になっているかも確かめてください。
気をつけること|撮影・言葉・子ども
見る前に知っておきたいのは、撮影には撮影料がかかるとされること、歌と語りがベトナム語なこと、料金表に子ども料金がないことの3つです。
写真・動画の撮影(撮影料)
カメラやビデオで撮る場合は、券とは別に撮影料がかかるとされています。金額は、カメラ20,000ドン(約120円)、ビデオ50,000〜60,000ドン(約300〜360円)ほどという案内が多いです。
窓口の料金表には撮影料が書かれておらず、カメラは使えないとする案内もあるので、撮りたい人は券を買うときに窓口で聞いてください。
歌と語りはベトナム語(音声ガイドは別料金)
公式サイトによると、歌と語りはベトナム語です。7言語の音声ガイドがあり、料金は券とは別です。日本語のガイドがあるかは公式に書かれていないので、必要なら窓口で聞いてください。
演目は、龍の舞や田植え、舟の競争など、人形の動きを見る場面が中心です。下の「よく上演される演目と内容(あらすじ)」に目を通しておくと、どの場面か分かりやすくなります。
子ども連れで見るとき
公式サイトでは「すべての年齢向け」とされています。窓口の料金表に子ども料金の記載はないので、子どもの料金やひざの上で見られるかは、予約のときか窓口で聞いてください。上演は約50分です。
行き方と劇場のまわり
劇場は、ホアンキエム湖の北東の角、ディンティエンホアン通り57Bにあります。

- 住所:57B Đinh Tiên Hoàng, Hoàn Kiếm, Hà Nội
- 目印:建物の上の「NHÀ HÁT MÚA RỐI NƯỚC THĂNG LONG」の看板。夜はネオンで光ります
旧市街のすぐ南なので、旧市街の宿からなら歩いて行けます。離れたホテルからGrabで行くときは、住所かマップのピンを運転手に見せてください。
名前に「タンロン」とついていますが、タンロン遺跡とは別の場所です。遺跡は、湖から車で10分ほどのホアンジエウ通り側にあります。
金曜の夜から日曜は、湖のまわりが歩行者天国
ホアンキエム湖のまわりは、金曜19時から日曜24時まで、続けて歩行者天国になります。旧市街の通りは、金・土・日の夜(夏は19時、冬は18時から24時まで)です。
劇場の前のディンティエンホアン通りも湖のまわりに入るので、土日は昼の回でも、車やGrabが劇場の前まで入れないことがあります。少し離れた所で降りて歩く時間も見ておいてください。
2026年4月4日(土)の19時ごろは、劇場の前の車道を大勢の人が歩いていました。週末の夜の回は、人の波の中を歩く時間も入れて、早めに劇場へ向かってください。
見る前と後の過ごし方

見る前と後は、劇場の目の前のホアンキエム湖のまわりで過ごせます。夜は赤いテフック橋がライトアップされ、湖面に赤い光が映ります。
- 金・土・日の夜の回の前後:湖の北から延びるハンダオ通りのナイトマーケット
- 昼の回の前後:湖の南東にあるチャンティエンのアイスまで、湖沿いを歩く
水上人形劇とは?仕組みと演目
水上人形劇は、人形師が水の中に立って木の人形を操り、水面を舞台にして見せる人形劇です。
人形はどうやって動いている?(仕組み)
ベトナム観光総局などの説明によると、人形師は舞台の奥の竹の簾(すだれ)の後ろで、腰まで水につかりながら、長い竹の棒と糸で人形を動かしています。
公式サイトの説明では、人形は木を部品ごとに彫ってゆるい関節でつなぎ、漆や色を塗って仕上げたものです。水の下では太い竹の棒が人形を支えていて、人形師は簾の後ろに隠れているので、客席からは人形がひとりでに水の上を動いているように見えます。
- 客席から見えるもの:水面で動く人形、瓦屋根の舞台、左右の楽団
- 見えないもの:簾の後ろで水につかる人形師、水の下の竹の棒と糸
瓦屋根の舞台は「水亭(thủy đình)」と呼ばれ、劇場の象徴になっています。

窓口のある1階のロビーには、金の冠をかぶった大きな人形の像が置かれていました(2026年4月4日)。顔も衣装も、色あざやかに塗られています。
どこで生まれた芸能?
北部の紅河デルタの農村で生まれた芸能です。田んぼが水につかる時期に、村人が水田を舞台にして楽しんだのが始まりとされ、公式サイトは「11世紀からの伝統」としています。
ベトナム観光総局の説明では、12世紀の李朝(リー朝)のころには、王の前でも演じられるようになりました。記録で最も古いのは、李朝の1121年の碑文とされます。
タンロン水上人形劇場は、1969年10月10日にできた劇場です。1年365日休まず上演している劇場として、アジアの記録にも認められています。2025年には日本でも公演しました。
伴奏は楽団の生演奏と歌
公式サイトによると、伴奏は伝統楽器の生演奏で、北部の民謡劇チェオ(chèo)の歌がつきます。使われる楽器は次のとおりです。
- đàn nhị(ダンニー):二胡に似た、2本の弦の楽器
- sáo(サオ):竹の笛
- đàn tranh(ダンチャン):琴
- đàn bầu(ダンバウ):1本の弦の楽器
よく上演される演目と内容(あらすじ)
公式サイトは、400以上ある伝統の演目から選んだ代表的なものとして、次の11を挙げています。50分の上演は、こうした演目をいくつもつないだ構成です。
- テウの口上(Tễu giáo trò):道化役のテウが何度も出てきて、客席と人形の役をつなぐ案内役
- 龍と鳳凰の舞(Múa rồng, múa phượng)
- 水牛飼いの笛(Chăn trâu thổi sáo):水牛の背で笛を吹く子ども
- 田んぼの仕事(Nông nghiệp, cấy cày):田起こし・田植え・水くみ・収穫
- 故郷に錦を飾る(Vinh quy bái tổ):科挙に受かった人が村に帰る
- 子どもの水遊び(Nhi đồng hý thủy)
- レ・ロイの舟遊び(Lê Lợi du thuyền):ホアンキエム湖の剣と亀の伝説
- 舟の競争(Đua thuyền)
- 獅子舞(Múa lân)
- 仙女の舞(Múa tiên):龍の父と仙女の母から百人の子が生まれた、建国の神話
- 四霊の舞(Múa tứ linh):龍・麒麟・亀・鳳凰の舞
「レ・ロイの舟遊び」は、劇場のすぐ前にあるホアンキエム湖の伝説です。英雄レ・ロイが、戦いに勝ったあと、湖に現れた亀に剣を返したという話で、湖の名前「ホアンキエム(還剣)」はここから来ています。開演前に湖を歩いておくと、話がつながります。
ベトナム民族学博物館でも見られる|土日だけ・屋外

ハノイでは、ベトナム民族学博物館でも、土曜・日曜だけ屋外の舞台で水上人形劇を見られます。博物館の敷地の池の上に舞台があり、客席は屋外の木のベンチです。
- 上演:土曜・日曜だけ。10:00/11:00/14:00/15:30の4回、1回30〜35分
- 料金:大人50,000ドン(約300円)、子ども30,000ドン(約180円)。博物館の入場料40,000ドン(約240円)とは別
- 券:博物館の入口ではなく、水上人形劇の舞台の前で買う
月曜は博物館が休みです。行き方と館内の見どころは、こちらで紹介しています。
ハノイの水上人形劇のよくある質問
Q. ハノイの水上人形劇の料金はいくら?
タンロン水上人形劇場は100,000〜200,000ドン(約600〜1,200円)です。前の列ほど高く、200,000ドン(A〜E・G列)・150,000ドン(H・I・K・L・M列)・100,000ドン(N〜R列)の3種類です。撮影する場合は、別に撮影料がかかるとされています。
Q. 何時からやっている?上演時間は?
毎日15:00〜21:15に6回あり、木曜以外は13:45の回もあります。時刻は2026年4月の窓口の表によるもので、公式サイトによると1回は約50分です。
Q. 当日券は買える?
窓口で買えますが、夕方〜夜の回と土曜は売り切れていることがあります。2026年4月4日の板では、13:45と15:00の回は、土曜のほかは売り切れの札がありませんでした。窓口の横のスケジュール板で、「SOLD OUT」の札が貼られていない回を探してください。
Q. 予約は必要?
夕方〜夜の回や土曜に見るなら、前日までを目安に早めに買っておくのがおすすめです。2026年4月4日の窓口の板では、売り切れの札は16:10〜20:00の回と土曜に集中していました。予約は窓口のほか、公式の電話・メールや予約サイトでもできます。
Q. ベトナム語が分からなくても大丈夫?日本語の案内は?
歌と語りはベトナム語ですが、7言語の音声ガイド(別料金)があります。日本語が入っているかは、公式サイトには書かれていません。演目は、龍の舞や田植えなど、人形の動きを見る場面が中心です。
Q. 写真や動画は撮れる?
カメラやビデオで撮る場合は、別に撮影料がかかるとされています。カメラ20,000ドン(約120円)、ビデオ50,000〜60,000ドン(約300〜360円)ほどという案内が多いです。撮るなら、券を買うときに窓口で金額を聞いてください。
Q. 子どもも見られる?子ども料金は?
公式サイトでは「すべての年齢向け」とされていて、窓口の料金表に子ども料金はありません。子どもの料金やひざの上で見られるかは、予約のときか窓口で聞いてください。
Q. タンロン遺跡と同じ場所?
別の場所です。水上人形劇場はホアンキエム湖の北東の角にあり、タンロン遺跡は湖から車で10分ほどのホアンジエウ通り側にあります。
まとめ|夕方から夜の回は早めに買う
最後に要点だけ。
- タンロン水上人形劇場は、ホアンキエム湖の北東の角。料金は100,000/150,000/200,000ドン(約600/900/1,200円)で、前の列ほど高い
- 開演は毎日15:00〜21:15の6回、木曜以外は13:45も(2026年4月の窓口の表)。1回は約50分
- 16:10〜20:00の回と土曜は売り切れの札が多い。夜に見るなら前日までを目安に早めに
- 歌と語りはベトナム語。撮影料と音声ガイドは券とは別
ハノイに着いたら、湖を歩くついでに窓口へ寄って、見たい回の券を先に買っておいてください。