ベトナム旅行の定番土産として人気の「ベトナムサンダル」。ビーズや刺繍できらきら飾られた、あの華やかなサンダルです。旧市街の履物店や市場で手頃に買えますが、種類が多く「どれを選べばいい?」「どこで買うのが正解?」と迷いがちなアイテムでもあります。
この記事では、種類・相場・都市別の買える場所・失敗しない選び方までを、ハノイの店と市場で実際に確かめた情報でまとめました。あわせて、日本ではあまり知られていない”もう一つのベトナムサンダル”——ホー・チ・ミンが愛用したタイヤ製サンダルも紹介します。

ベトナムサンダルの種類|きらきら系から木底まで
日本で「ベトナムサンダル」と呼ばれるのは、主にビーズやラインストーンで甲を飾った華やかなサンダルです。素材や装飾でいくつかタイプが分かれるので、代表的なものを押さえておくと店頭で選びやすくなります。
- ビーズ刺繍のトングサンダル:ぺたんこの底に、ビーズや天然石を花模様などに敷き詰めたタイプ。「ベトナムサンダル」といって多くの人がイメージするのがこれ。軽くて履きやすく、一番人気。
- ラインストーン装飾:ガラスの飾りが光に当たってきらめく華やかタイプ。少しドレッシーな装いに。
- 木底(ウッドソール):底が木でできたサンダルやミュール。甲に花飾りやビーズが付き、コツンとした足音がかわいい。ヒール付きもあり。
- ベロア(起毛素材):ふかっとした生地に刺繍を乗せた、落ち着いた高級感のあるタイプ。
- 少数民族の織物柄:民族模様の布を使った、他ではあまり見ないエスニックな一足。

迷ったら、まずはビーズ刺繍のトングサンダルが無難。軽くて価格もこなれていて、もらった相手も普段使いしやすい定番です。木底タイプは見た目のインパクトが大きいので、自分用や特別なお土産に向いています。

相場はいくら?|市場・お土産店の価格めやす
ベトナムサンダルは1足あたり十数万VND(およそ数百円〜千円台)が目安です。市場では「1足120,000VND(約730円)、5足で1足無料」といったまとめ買いの値札が出ていることもあり、ばらまき土産にはこうした店が便利。一方、ビーズや天然石をびっしり刺繍した華やかなトングや、木底のしっかりした品になると値段は上がります。旧市街の店では、こうした装飾ものに500,000VND(約3,000円)ほどの値が付いていることも。ただし観光地の提示額は値切り前提のことが多いので、交渉すればもう少し下がるとみておいてよいでしょう。

観光客向けの店では、最初に提示される値段が値切られる前提で高めに設定されていることが多いもの。相場よりかなり高い金額を言われたら、いったん離れて他店と比べるのが安全です。逆に、相場より極端に安いものは、すぐ壊れる・履き心地が悪いなど品質に難があることも。数軒見て相場感をつかんでから、下の値切りガイドと通貨ガイドを使って交渉しましょう。
どこで買う?|ハノイ・ホーチミン・ダナン・ホイアン
サンダルは全国の市場・お土産店で買えますが、街ごとに”外さない場所”があります。滞在先に合わせて選んでください。
ハノイ

きらきら系や木底のサンダルを選ぶなら、旧市街のハンダウ通り(Hàng Dầu)が狙い目。ホアンキエム湖の北すぐで、履物店(サンダル・靴)が軒を連ねる通りです。T&T Fashionshop(8 Hàng Dầu)をはじめ、店先の壁一面にサンダルを掛けた店が並び、ビーズ刺繍や木底タイプも見つかります。
とにかく安く数を揃えたいなら、旧市街の北にあるドンスアン市場へ。履物の卸・小売が集まる最大級の市場で、入口の卸店では袋詰めのサンダルが山積み。ばらまき土産用の普段履きサンダルが手頃にそろいます。

旧市街の歩き方やナイトマーケット、お土産全般はこちらもどうぞ。
ホーチミン

定番はベンタイン市場。市場内にサンダル・靴の店が集まっており、種類・色ともに豊富です(ただし観光客価格になりがちなので値切り前提で)。市場全体の歩き方はこちら。
ダナン

観光市場のハン市場や、チャンフー通り周辺のお土産店で。品質の良いものを厳選して置く専門店もあり、市場より安心して選べます。
ホイアン

世界遺産の旧市街や夜のナイトマーケットで、ランタンの雰囲気とあわせて雑貨感覚で選べます。
失敗しない選び方|色移り・紐切れ・底・サイズ

安さに惹かれて見た目だけで選ぶと、旅の途中で壊れたり、お土産として渡した相手をがっかりさせたりしがちです。買う前に次の点をチェックしましょう。
- 色移り:安い染料のものは、歩いているうちに足の裏へ色がついてしまうことがある。中敷きの色が濃いものは特に注意。
- 紐・ストラップ:付け根の縫製が甘いとちぎれやすい。軽く引っ張って確認。
- 底(ソール):接着だけのものは剥がれやすい。底の作りと接着をチェック。滑り止めの有無も。
- 装飾の始末:ビーズやラインストーンの接着・裏始末がほつれていないか。華やかな刺繍タイプほど、ここが甘いと飾りが取れやすい。
縫製補強サービスを活用:市場によっては、底や裏地を手縫いで補強してくれる有料サービス(1足あたり約50,000VND=約300円)があります。外でしっかり履くなら、補強してもらうと強度が段違いです。
サイズはヨーロッパ表記。試着が基本
ベトナムのサンダルはサイズがヨーロッパ(EU)表記のことが多く、日本の㎝表記に慣れていると戸惑います。さらに日本人の足より幅が狭めに作られている場合があるため、できる限り試着を。目安は下の通りです(メーカーにより前後します)。
| 日本(cm) | EU表記(目安) |
|---|---|
| 22.5 | 35 |
| 23.0 | 36 |
| 23.5 | 37 |
| 24.0 | 38 |
| 24.5 | 39 |
| 25.0 | 40 |
| 25.5〜26.0 | 41 |
| 26.5〜27.0 | 42 |
お土産用で試着できない相手のぶんは、事前にサイズと好みの色・柄を聞いておくと失敗しません。
もう一つの”ベトナムサンダル”|ホーチミンサンダル(タイヤ製)
ここまでのきらびやかなサンダルとは別に、他の国では手に入らないベトナムならではの一足があります。廃タイヤから作る頑丈なゴムサンダル「ホーチミンサンダル」です。名前は都市のホーチミン市ではなく、人物のホー・チ・ミンに由来します。物資が乏しかった戦争の時代、兵士たちは使い古したトラックのタイヤを切り出してサンダルを作り、それを履いてジャングルや岩場を進みました。ベトナム独立を導いたホー・チ・ミン主席自身も、一足を大切に履き続けた——という逸話で知られる、歴史の象徴のような履物です。

ホー・チ・ミンが愛用した本物のタイヤサンダルは、ハノイのホーチミン博物館(ホーチミン廟エリア)に展示されています。「ベトナム戦争とは何だったのか」を先に押さえると、この一足の重みがより伝わります。
博物館の出口で、今も職人が作っている
このタイヤサンダルは、今も職人の手で作られています。見学ルートがよくできていて、ホーチミン博物館を見学し終えて出口を出たところに、そのまま作業の実演スペースと売り場(バディン区 19 Ngọc Ha=博物館と同じ番地)が続いています。展示で”本物”を見て、すぐ隣で”作る様子”を見て、その場で買える、という流れです。

ブランド名は「Vua Dép Lốp(=タイヤサンダル王)」。1947年創業をうたい、抗仏・抗米戦争の時代から続く手仕事を受け継いでいます。職人は、古タイヤをノミのような特殊な刃物で少しずつ削り出し、ソールとストラップに仕上げていきます。石けん水に浸した刃で滑らせるように切る手つきは、見ているだけで引き込まれます。

作られるのは黒一色の実用的なタイプだけではありません。鼻緒をカラフルなゴムバンドにアレンジしたものや、クロスストラップを手縫いで仕上げた洗練された形もあり、”戦時の重い履物”から個性的なファッションアイテムへと生まれ変わっています。

相場の目安:工房でのタイヤサンダルは1足あたり200,000〜250,000VND(約1,200〜1,500円)ほど。日本ではまず手に入らない品で、しかも作る様子を見ながら選べることを考えると、ハノイ土産としての価値は十分に高い一足です。ホーチミン市内ではほとんど売っておらず、ハノイでこそ手に入るのもポイントです。
選ぶなら”底”と”縫製”を見る
ホーチミンサンダルの良さは、何といっても頑丈さ。良い品は、タイヤの溝がそのまま生きた底で、しっかりと厚みがあり、滑りにくく作られています。買うときは裏返して、底の削り出しがきれいか、溝が均一かを見てみてください。

もう一つの要は、ストラップの縫製。ゴムを重ねて手縫いで留めてある部分が、まっすぐ丁寧に縫われているかどうかで耐久性が変わります。縫い目が粗いものは、履いているうちにストラップの付け根から傷みやすいので、軽く引っ張って確認しましょう。

買うときの注意|ぼったくり・偽物・値切り
観光地の市場では、相場を知らない旅行者に高値を提示してくることがあります。極端に高い金額を言われたら、いったん離れて他店と比べるのが安全です。値切りは失礼ではなく前提の文化なので、笑顔で交渉して適正価格に落としましょう。具体的なフレーズやコツは値切りガイドにまとめています。
品質重視なら、市場よりも品を厳選しているお土産専門店や、ホーチミンサンダルのように作り手が見える工房のほうが安心。市場は「安さと選ぶ楽しさ」、専門店・工房は「品質と手間の少なさ」で使い分けるとよいです。
旅行中に自分で”履く”サンダルの選び方(雨季の滑り対策や街歩き向けなど)は、服装ガイドで別に解説しています。お土産用ときれいに役割が分かれます。
よくある質問
ベトナムはサンダルで過ごせますか?
はい、問題ありません。ベトナムでは地元の人も日常的にサンダルで過ごしており、旅行者がサンダルで街歩きをするのもごく普通です。気温が高く、雨季はスコールで足元が濡れやすいので、むしろサンダルのほうが快適な場面も多いくらいです。ただし、寺院など肌の露出に配慮が必要な場所や、ドレスコードのある高級レストランでは避けたほうが無難。旅行用サンダルの選び方は服装ガイドで詳しく解説しています。
メンズや子供用もありますか?
あります。ホーチミンサンダル(ゴム製)はシンプルで頑丈なので、男性へのお土産に人気。きらきら系や普段履きサンダルにも、男女・子供向けのデザインが揃っています。
日本の通販でも買えますか?
楽天・Amazon・メルカリなどで「ベトナムサンダル」「ベトナムメッシュサンダル」として売られており、Vua Dép Lốpのように日本発送に対応するブランドもあります。ただし現地で買うほうが安く、種類も豊富です。旅行の記念という意味でも、現地調達がおすすめです。
洗えますか?長持ちしますか?
素材によります。メッシュ・布系は軽く洗って陰干しが基本。底の接着が甘い安物は寿命が短いので、購入時のチェックと(可能なら)縫製補強が長持ちのコツです。ゴム製のホーチミンサンダルは水にも強く、丈夫で長持ちします。
ホーチミンサンダルはどこで買えますか?
ハノイが本場です。ホーチミン博物館の出口にある工房兼売り場(バディン区 Ngọc Ha)で、実物を見て・作る様子も見ながら買えます。ホーチミン市内ではほとんど流通していません。
まとめ|”きらきら”も”タイヤ”も、旅の記念に

ベトナムサンダルは、ビーズ刺繍のきらきら系から木底、そしてホー・チ・ミンゆかりのタイヤ製まで、幅の広いお土産です。数を揃えるなら市場やハンダウ通りで手頃なものを、一生ものの一足が欲しいなら工房のタイヤサンダルを歴史ごと。色移り・紐・底・サイズだけ押さえれば、失敗はまず避けられます。ほかのお土産と組み合わせる際は、下のガイドもあわせてどうぞ。